京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

 関西百名山シリーズNo.61  耐寒登山・大和葛城山

金剛山地から紀泉山脈に掛けての山域に葛城山が二つある。一つは和泉と紀伊の間の和泉葛城山(866m)、そしてもう一つは和泉・大和に跨る大和葛城山(959m)。今回の関西百名山シリーズは、適度な積雪を求めて大和葛城山に登った。

20120129大和葛城山1

写真1: 大和葛城山山頂にて

[個人山行] 関西百名山シリーズNo.61  耐寒登山・大和葛城山

   平成24年1月29日(日)

48期 山本浩史

金剛山地から紀泉山脈に掛けての山域に葛城山が二つある。一つは和泉と紀伊の間の和泉葛城山(866m)、そしてもう一つは和泉・大和に跨る大和葛城山(959m)。今回の関西百名山シリーズは、適度な積雪を求めて大和葛城山に登った。

【参加者】 山本浩史L、四方宗和、辻野喜信、西田 和美、井上純子、奥野淳子、吉川彩、亀島文子、中尾可奈子、蓮山洋子(非会員)   計10名

【行  程】 京都駅6:30-8:14富田林8:20=8:43葛城登山口BS 8:59~10:29大和葛城山10:48~11:59持尾辻12:23~13:03岩橋山13:14~13:42万才山三角点~13:52平石峠~14:35綿弓公園~15:05磐城15:15-16:21大阪

【登山データ】 天候:晴れ一時曇り 歩行 14.4㎞ 6時間06分 延登高 870m 延下降 1,155m 2座登頂

 京都駅から6時30分発快速網干行に5人が乗り込んだ。奈良線からの接続で井上さんが駆け込み、長岡京では辻野さんと亀島さんが加わった。富田林駅で全員が揃い満員の水越峠行金剛バスに押し込まれた。一般客は途中で降りた2人だけで後は登山者、葛城登山口で我々と共にかなりの人が降りた。金剛山に登る人が大半で葛城山へ向うのは我々を含め3パーティー程度、金剛山へは青崩道(あおげみち)と太尾道、他にも赤点線道が2本ある。安易な人は終点の水越峠BSまで行き太尾道に短絡するのだろう。関西百名山シリーズは丁度1年前太尾道金剛山を目指した。

登山口の標高は約360m、雲一つ無く晴れ渡っているが気温は低い。隣町の河内長野市に住む奥野さんを先頭にして天狗谷道を歩き始めた。集落が果てると植林帯の登山道となり谷に沿って進む。空身の男性が追い越して行き、お年寄りチームを2組追い越した。徐々に積雪が現れるが気温の低い日が続いているせいで溶けることがないので雪の状態は良好、アイゼンは必要なさそうだ。

谷道だが渡渉は1回だけでジグザグに尾根に近づくとベンチのあるP788で葛城山から西に伸びる尾根に乗った。1箇所、樹林の隙間から葛城山の頭を望むことが出来きた。やがて炊事舎の跡に達し嘗てキャンプ場があったのかと想像しながら歩いていると現役のキャンプ場が現れ食事の用意をしているグループがいた。葛城山ロープウェイからの道が合流すると道が広がりトイレや売店が現れる。トイレの前からダイヤモンドトレイル縦走路(通称ダイトレ)を外れて山頂に向うと木が無く広々とした山頂は雪に覆われ3等三角点「篠峰山」と大きな山頂標識、そしてベンチの上に並べられた10個の小さな雪だるまが微笑ましく迎えてくれた。なだらかな斜面でそり遊びを楽しむ子供達が作ったのだろう。

登りだしは快晴だったが山頂に着くころには真っ黒な雪雲が山頂を覆い展望が無くなってしまった。すぐ南にあるはずの金剛山すら見えない。山頂でミッション1「音羽山の山座同定」を予定していたが断念。山頂の気温はマイナス4℃、吹きっ曝しの山頂は寒くて休憩する気になれない。集合写真を撮るとそそくさと縦走路に下りてトイレの前で暫し休憩した。

 早々と今日のメインの山に登ってしまい、この後は大阪・奈良の府県境のダイトレ縦走路を平石峠へと北上する。御所市から登って来る葛城山ロープウェイの駅への道を右に分け整備された縦走路を進む。山頂から見えていた北の電波塔のピークの次にあるP900から中尾さんは最後尾を一緒に歩きマンツーマンで読図講習をした。特徴的な地形のない縦走路で今一だったが、現在地を知ることを中心に勉強してもらった。流石にダイヤモンドトレイルは整備が行き届き一寸した斜面は階段となり、要所要所にはダイヤモンド形の石柱や墓石型の指導標が設置されている。

忍海道(おしみみち)が右に分岐し、暫く行くと持尾辻に到着、持尾道河南町へ下るが荒廃しているらしい。ちょうど昼時で風も当たらずベンチもあるので昼食休憩とした。食後はミッション2「岩橋山までの所要時間を予想」を行う。距離は約1.5㎞、延登高は169mというデータを2.5万図から読み取って夫々28分から40分の予想タイムがでた。歩行再開すると稜線が入り組み蛇行するが道はしっかりしており問題なし。送電線を潜り峠に下りると其処は岩橋峠、東西に山越えの登山道が付いている。登り返しは標高差85m、アップダウンの少ない縦走路で今日最大の登り返しだ。岩橋山(659m)山頂は3等三角点「葛城山1」があり男性3人が休憩中だった。特に展望はなく墓石タイプのダイトレ山頂標識が埋められていた。所々樹林の切れ目から紀泉山脈や大阪平野が見えるところがあり次回の関西百名山シリーズで行く岩湧山も見ることができた。

ミッション3は「4等三角点『万才山』を(473m)の発見」で平石峠の250mほど手前にあるがピーク性のないところなので見落とす可能性がある。地形図を見ながら進んで行くと、列の中盤辺りを歩く辻野さんが発見、三角点は登山道の斜面の途中、右手の藪の中に標柱と共にあり、私製の小さな標識が存在をアピールしていた。下り切ると平石峠で大和と和泉を結ぶ登山道が越える。今日の縦走は此処までで広い峠道を奈良県側に下り近鉄南大阪線磐城駅を目指す。

登山道はやがてコンクリート舗装となり、アスファルト道となり南阪奈道路を潜る。平石峠の北で金剛山地を越えた国道166号線に入り暫く行くと旧道が分れる。此処は日本書記にも記された日本最古の官道、丹比道(たじひみち)でその後、竹内街道(たけのうちかいどう)と呼ばれるようになった。17世紀になると松尾芭蕉がこの地を訪れ「綿弓や 琵琶に慰(なぐさ)む 竹の奥」の句を詠んだ。此れを記念するため文化6年(1809)に建てられたのが“綿弓塚”で街道の風情のある街並みの中に溶け込んでいる。長尾神社の端で旧街道と分れ磐城駅に達した。

山の反対側の街に帰る奥野さんを古市で見送り、大阪まで足を伸ばして頂いた四方さんを含め8人で反省会を行ない18時に解散した。 《山紀行No.759》 

【感 想】 36期 辻野喜信

京都は朝みぞれだったが、富田林に着く頃には快晴。しかし登るにつれて曇、頂上に着くと風もあり寒かったです。黒い木立と雪の白さがマッチしてきれいでした。大阪に近いからか多くの人が登っていました。いくつもの小さいアップダウンがあるが、歩きやすく整備された登山道でした。機会があれば二上山葛城山金剛山と歩いてみたいものです。 斜面の途中にある四等三角点を見たのは初めてです。なお電子国土基本図ではこの三角点も消されています。

【感 想】 50期  奥野 淳子

地元ということで先頭を歩かせて頂きました。ミッション3「4等三角点:万才山を発見」すべく、穴の開くほど地図をにらんで「ゆるやかな下りが急な下りに転じて等高線三本先」と読みました。が、道のすぐ脇にあった三角点に気づかず通過。読図はホントに難しい。でも面白い。次回のミッションは何かなぁ?

【感 想】 53期 亀島 文子

雪が積もり寒さを覚悟で参加しましたが、アイゼンも使わず無事下山。葛城山頂上での寒さと重い雲が垂れ下がり見通しが悪い。子供は元気で尻スキー、雪だるま造りと運十年前の我家族姿を思い出す。階段の上下、この葛城山は毎回口アングリです。ドタサンで参加させてもらい有難う御座いました

20120129大和葛城山2

写真2: 岩橋山659m(ダイトレ縦走路より)

20120129大和葛城山3

写真3: 岩湧山897m(ダイトレ縦走路より)