今回雪倉岳には行けず、一日短縮した形ではあったが、好天に恵まれ5月にしては雪も豊富で木地屋の里まで滑って降りられた
1)4日天狗平にて
[No.3199] 2012年5月3日(土)~5日(日)
バックカントリースキーツアー 蓮華温泉
【メンバー】 穐月大介(CL)、加藤一子、中尾諭、岡田恭二、小泉賀奈子
【行 程】
5月3日
JR藤阪駅(車)13:00~JR山科駅14:00~北陸自動車道~栂池スキー場(フォレスト栂池泊)21:00
5月4日 午前 曇り時々晴れ、午後 曇後雨 9時10分:ロープウエイ頂上駅出発、11時15分:天狗原、13:30:蓮華温泉
5月5日 晴れ
7時00分:蓮華温泉、7時30分:ヤッホー平上部の林道(お茶会)、9:00:栂平上部の鞍部、11:15:細池、12:15:木地屋
【記 録】 26期 中尾
○5月4日
ロープウエイ頂上駅でスキーにシールを付け、いざ天狗原へ出発のつもりが、誤って栂池自然園に向かうトレースを追ってしまうミスを犯すも、リーダーが直ぐに気づき、引き返し正規の成城大ヒュッテ横の尾根に取り付く。
すると直後に後ろから聞き慣れた声が聞こえ、振り返ると上坂パーティーの4人が登ってきており合流。坪足組とスキーシール組が抜きつ抜かれつして天狗原まで同行することになった。周囲の山には厚い雲がかかっているが上空には青空が見える変な天気の中、高度を上げていく。樹林帯を抜け見晴らしがきく場所に出ると、他のパーティーが登っているのが点々と見える。多くは天狗原か白馬乗鞍から栂池スキー場へ下るバックカントリースキーのパーティーかと思われる。
天狗原の稜線に出たところで、上坂パーティーと合同の写真をとって別れ、我々は蓮華温泉へと向かった。天気予報では午後の方が天気が悪くなるとのことなので、天狗原からの眺めは早々にとりやめ振り子沢に入っていった。振り子沢に入っても相変わらず上空には青空が見え隠れするので、途中行動食をとり各人が思い思いの技量でのテレマークスキーを楽しみながら蓮華温泉の小屋に滑り込んでいった。振り子沢では3パーティーほどに会っただけでしたが、小屋は天候の割に盛況で、夕食は2回に分けて出されていた。
5月5日
起きた時はガスっていたが、太陽が上がってくる頃にはガスがはれ青空が広がってきており、天気の心配はなさそう。スキーを着け、小屋を後にし、林道沿いにスキーを滑らせた。天気もいいので、当初計画で登る予定をしていた雪倉の眺めがきくヤッホー平の上部の林道でのんびりお茶会を楽しんでいると、やけにヘリコプターの音が断続的に聞こえてくるのに気づいた。その時は、天気がいいから、ヘリスキーの客をどんどん運んでいるのかな?というぐらいの感覚で聴いていたが、白馬岳の遭難者の救助でへりが飛んでいたことを下山後知った。栂平からは林道をはずれ、沢筋に滑り込み、山裾は斜滑降で回り込んだりしながら高度を下げていくと、木の若葉の緑が雪の白を背景に目に鮮やかに飛び込んでくる。里に近づくと春の景色が徐々に広がってくるのが分かる。細池で小休止し、木地屋の里まで滑りスキーを脱ぎ残雪の山を振り返り帰路についた
【感想】52期 小泉 賀奈子
毎年、GWのスキー山行企画を楽しみにしています。今年はスキーで白馬岳を登るとあって、期待と不安でいっぱいでした。あまりよろしくない天候のため1日短くして蓮華温泉を目指すコースに変更することに。まさか!と思ったけれど、リーダーの判断には従わなければ…。
忘れもしない二年前、天狗原の果てしない急登、ひたすらこけた谷すじに、生きた心地がしなかった記憶が甦ってきました。
しかし、3月とはちがい、雪も締まっているし小屋泊まりなので荷物も軽いし、なかなかすんなりいけた私。温泉につかりながら、下手なりに少し成長できたことを喜んでいました。翌日も前半まではすいすい。しかし5月ゆえの難関に出合い、一気に恐怖のどん底へ。それは雪が解けて激流が現れていたこと。斜面の下に待ち構える川。滑ったら雪の下に流されていくのか…と思うと血の気がひき、あき月さん、中尾さんにえらくお世話になりました。無事に通過できたのはお二人のお陰です。
まだまだ修行が足りませんが、これからも古式スキー部を盛り上げていきたいと思います。今回もご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました。
【感想】25期 CL穐月大介
今回雪倉岳には行けず、一日短縮した形ではあったが、好天に恵まれ5月にしては雪も豊富で木地屋の里まで滑って降りられた。スキーツアーとしては快適かつ楽しく終えられたわけだが、同日の同山域で起こった白馬での事故のことを考えると、一歩間違えると危険な山行になっていた可能性に思い当たる。もし、予定どうり白馬山荘に泊まり4日に雪倉に向かっていたら、あるいは今回出発が遅れただけでも状況によては稜線で吹雪に巻き込まれていたかもしれない。事故を回避できたのは偶然ではない。我々は気象状況、地形、行程を考え一日日程を短縮し、出発を早くして悪天を回避できたのだ。しかし、決して明快に事態を予測できていたわけではない、天気図はこの時期では見たことのない気圧配置であったし天気予報も刻一刻と変わっていた。
今回は情報収集と経験の成果と評価しておきたいが、何時も正解を出せる自信はない。其れでもできる限りの配慮は怠ってはならないと思う。
留守居の丸山理事長にはずいぶん心配をおかけした、改めてお礼を言いたい。
2)4日振子谷を下る
3)4日蓮華温泉前
4)5日雪倉を背景に
"5)5日峠を登る
6)5日新緑