平成25年6月8日(土)
北摂能勢の霊場妙見山は正式には無漏山眞如寺境外仏堂能勢妙見山と云う。眞如寺は妙見山の北方3㎞余りの処にあり境外の仏堂というのが実態だが本寺より此の仏堂の方が有名で参拝者も圧倒的に多い。妙見山西南西にある高代寺山も山頂域に高代寺があり信仰の山である。この2山を周回登山した。
写真: 妙見山(660m)山頂にて
【メンバー】 山本浩史L、鹿嶽眞理子、井戸洋介、小西幸一郎 計4名
【行 程】 梅田8:20-9:09ときわ台9:20~10:19高代寺山~10:54吉川城址~11:20黒川ST~11:43大堂越12:13~12:26振野山~12:43大堂越~13:18妙見山13:43~14:30吉川三角点~15:12妙見口15:24-16:15梅田
【山データ】 晴れ 歩行距離14.3㎞ 5時間55分延登高 986m 延下降 961m 4座登頂
能勢電鉄妙見線終点の一つ手前ときわ台で下車し駅裏に回り込み林道に入った。左手に新光風台の住宅地が見えて来るが谷を隔てて林道からは近づけない。尾根が張り出し住宅地に食い入る地点から山道に入ると思っていたが山頂部の霊園に通じる道になり車道が続く。更に500m程で道が分岐すると思っていたが見逃したのか道がなくなっているのかそのまま東へと進んでしまった。このままでは高代寺に行ってしまうので隊列を整えて鹿嶽さんを先頭にNHKの巡視路の入口から山道に取り付いた。直ぐにNHKアンテナに到り、その先には道なし。しかし登る人がいると見え赤テープが続き山頂部の霊園施設に到った。稜線を進む登山道と思い数段の階段を上がり進入すると直ぐに林道に出てしまって意味がなかった。進んで行くと高代寺山が遠ざかって行く。このままではと思い始めたころ道が左に曲がり山頂に向かった。最後は山道になりNTT中継所の手前に2等三角点「七宝山」を発見小さな祠が傍にあった。そして5㎝ほどの小さな山名プレートが置かれていた。
「高代寺→」の木に打ちつけられた指導標に従って進む。稜線を外し少し南に下った処に高代寺本堂がある。お寺の主な施設はもう一段下にあるが本堂は階段上の此の位置だ。到着した時丁度一人の男性が登って来た。真言宗御室派の寺院で山号を「七宝山」と云う。そうさっきの三角点名と同じだ。登山道は山麓に下ってしまうが高代寺山の東尾根に吉川城址がある。今日のミッション1は「高代寺山東尾根に吉川城址の位置を特定」とした。思ったより指導標がしっかりしているので確実に導いてくれるが地図上で何処だと云うのを特定したい。それには地図を見ながら地形の変化を読み取り進むことが肝要だ。
少し進むと五輪塔があり5基並んでいる。14世紀に建立されたもので密教思想による梵字が四面に刻まれている。寺域を脱し稜線を下ると空濠かと思われるような地形があり、「吉川城西ノ曲輪跡」の標識が現れた。建物の痕跡はないが稜線を削り平らにしたような跡が見受けられる。そして登り返した処に「吉川城址(長棚城)366.8m」の標識が立っていた。2.5万図で等高線が1本入った膨らみの位置で2.5万図にプロットできた。土が露出し滑りやすい斜面を下り樹林の切れ目から正面に妙見山が見えた。一直線にケーブルカーの軌道が見え折しも2台の車両が中央部ですれ違う所だ。此れは絵になる! 建物の屋根が見えて来ると吉川八幡神社で回り込んで境内に到る。昼食の予定地だったが近くで工事をやっていたので煩く埃っぽいのでパス、先に進むことにした。
国道477号に飛び出した処に妙見山への丁石があり、信仰の山を感じる。府県境を越え兵庫県へと入る。ケーブル黒川駅の道路看板に従って右に折れると駅舎越しにケーブル軌道が見える。小さな車両でほぼ満員になって発車して行った。駅の左側を通り大堂越コースの登山道に入る。谷筋を20分余り登ると峠に到着、此処でお昼休憩を取った。ミッション2は「振野山への登路をルートファインディング」、三角点があるので誰か歩いているだろうとは思っていたが、やはり微かに踏み跡があり、難なく振野山(489m)山頂に到った。樹林帯で展望はなく3等三角点「野間」があり、私製の山頂標識も掲げられていた。
踏み跡の怪しい処は下りが難しい。あわや一本南の尾根を下ろうとしたが、直ぐに気が付き大堂越に戻ることができた。大堂越コースに戻り尾根筋を進むと林道に飛び出した。もう山頂域だ。墓地に入ってしまいそうなので右の道を取、りリフト駅の前を通るが山頂を巻いてしまいそうなのでブナ自然林の標識に従って稜線に出ると限られたエリアにだけブナの大木があった。やがてガラス張りの宗教施設に達するとテラスから素晴らしい展望が得られた。さて山頂は何処から登ったかな? 記憶を辿るが甦って来ない。回り込んで一番高い所に到ると此れでもかと云う位、「三角点」の案内板が出てきた。妙見山(660m)山頂は、樹林帯の中、日露戦争の戦没者慰霊塔「彰忠碑」がドンと鎮座し、その裏側に4等三角点「妙見山」が慎ましやかに埋まっていた。「三角点」とだけ書かれた看板が異様にでかい。
妙見山本堂にお参りし、広大な駐車場へと進む。上杉尾根縦走路かと思い「参拝者以外立ち入り禁止」の標識を入って行ったが山頂にはお稲荷さんが有っただけで道は繋がっていなかった。引き返して駐車場の外れに縦走路を見つけ上杉尾根コースに入った。ミッション3は「4等三角点『吉川』を探す」で先ずは上杉尾根からの分岐をルートファインディングしなければいけない。P534を見逃さないように地形の変化に注意し此れかと疑わしい尾根を偵察したが其れではなく次の尾根であることを確信し。分岐の草原に微かな踏み跡が続き高度を下げる。2.5万図にある通り登り返しがありそのピークに4等三角点「吉川」を発見した。
後は稜線通しに国道477号線に下るがその前に次の目標P349がある。若干の登り返しがありピークに到ると「秋葉山349m」のプレートが掲げられていた。素直に頂いて1山としてカウントした。尾根の先端部に近づき南が開けると田植えの済んだばかりの豊能町吉川の集落が何んとも長閑で癒される風景が広がっていた。獣除けネットに阻まれながらも国道に降り立った。車道歩きで妙見口駅に到着し黒豆アイスを食べ能勢電の青い電車に乗り梅田に戻った。井戸さんが抜け3人で反省会。盛り上がって20時頃までうだうだやっていた。
《山紀行808》
【感 想】 54期 鹿嶽眞理子
久しぶりに先頭を歩かせていただきました。気を付けているつもりでも曲がり角を見落としたり、下りに違う尾根に誘い込まれそうになったり、やっぱり地図読みは難しいけれど、面白いと思いました。もっとしっかり読めるようになりたいです。妙見山山頂は車で行けるところとあって、かなりの賑わいでしたが、登山道は人も少なくてよかったです。最後のほうで見た水田の景色が印象的でした。
【感 想】 55期 井戸 洋介
せっかくの機会にコンパスを忘れてしまい、申し訳ございません。尾根上を下っているときにちょっと上がる個所は地図上で確認しやすいことや、下る尾根を探す際は取り違えやすいためより慎重さが必要であることなど、勉強になりました。妙見山は日蓮宗の霊場で、山頂にあるガラス張りの施設や、「雨の日こそ、写経!」というポスターなどインパクトがありました。少しかすんでいましたが、遠く甲山など見渡せて気持ちよかったです。
【感 想】 56期 小西幸一郎
大阪府の山にあまり縁がなかったこともありますが、初めての妙見山となりました。二回目の例会参加で今回も読図を教わったのですが、読図が出来るようになると山登りが飛躍的に楽しくなると感じました。恥ずかしながらろくに地図の印刷もできない状況ではありますが、マスター出来るよう頑張っていきたいと思います。同行させていただいた皆様、大変ありがとうございました。
写真: P524と後方に振野山489m (上杉尾根より)