秋の涼しい(寒い?)この時期、白馬岳から北に日本海まで抜ける栂海新道を行こうと思って計画を立てた。
栂海新道は北アルプスから海抜0mへと至る(あるいはその逆)という、ストーリー性のある縦走路で、ずっと前からたどってみたいと思い、憧れていたルートである。
ところが天気予報が大荒れとなっており、急遽行き先を変更して、白馬大池から白馬岳に登るというお気楽なコースの縦走になったのだが、荒天のために中々大変な思いをすることになった。
[No.3331] 栂海新道あらため白馬岳をゆく
【日時】2013年10月11日〜14日
【メンバー】
AT(CL)、秋房伸一、小泉賀奈子、亀島文子、田中靖之、由良 俊夫、土井 司、豊山 忠 計8名
【行 程】
11日(金夜)
12日(土)
越中境PA〜親不知海岸〜09:20栂池高原ゴンドラ〜10:30栂池高原〜12:16天狗原〜13:52白馬大池(幕)
13日(日)
06:30白馬大池〜10:42三国境〜11:30白馬岳〜頂上宿舎テント場(幕)
14日(月)
08:10頂上宿舎テント場〜09:19大雪渓〜10:19大雪渓小屋跡〜11:00猿倉
動画
記録と感想【51期】AT
秋の涼しい(寒い?)この時期、白馬岳から北に日本海まで抜ける栂海新道を行こうと思って計画を立てた。
栂海新道は北アルプスから海抜0mへと至る(あるいはその逆)という、ストーリー性のある縦走路で、ずっと前からたどってみたいと思い、憧れていたルートである。
ところが天気予報が大荒れとなっており、急遽行き先を変更して、白馬大池から白馬岳に登るというお気楽なコースの縦走になったのだが、荒天のために中々大変な思いをすることになった。
10月11日
夜、ロッジ前に集合。(秋房さんと小泉さんは早く仕事が終わり、先行して出発。)
荒天予報のため、相談した結果越中境PAで仮眠し、翌日の天候を見てコースを考えようということになった。
越中境PAで、亀島さんの持ってきた酒を皆で一杯やってから就寝。
10月12日
起床して皆で相談した結果、白馬岳か朝日岳のどちらかへ縦走しようという話になり、白馬大池から白馬岳という楽なルートを行くことになった。
由良さんの車を猿倉にデポ。栂池の駅まで移動してゴンドラに乗って栂池へ。
栂池も天気が悪く、急いでも仕方がないので、合羽を着て土産物屋でおやき等を食べて時間を潰す。
雨が少しマシになってきたようなので歩き始める。
小雨の降る中ゆっくり歩き、昼過ぎころに天狗原へ到着。
天気が良ければ綺麗なところだが。
天狗原から乗鞍岳へ登るにつれて、天気が荒れはじめ、乗鞍岳山頂付近ではみぞれが振ってきてとても冷たい。
冷たい雨とみぞれにさらされながら白馬大池へ。
小屋に入って少し休み、テントを張って幕営。
Tと亀島さんは合羽の撥水性が落ちていてびしょ濡れになってしまい、ガタガタ震える。
秋房テントと亀島テントに別れたが、亀島さんのテントは浸水してきて、家主の亀島さんをはじめ、由良さんと土井さんは晩ご飯を食べると、小屋に避難していった。
自分はいちおうリーダーだということもあり、自分までテントを放棄してしまってはなんだか格好が付かないではないか、ということで、独り寂しくテントの真ん中に寝る。
亀島さんより借りたシュラフも重ねて寝たが、水たまりの中で寝てる様な状態で非常に寒い。
寒くて中々寝付けず、考えなくて良いようなことを独り悶々と考える。
夜中、雨が雪に変わり少し暖かくなる。何度か水を沸かして水筒で湯たんぽを作り、ようやく寝付く。
10月13日
寒さで目が覚め、外を覗いてみると辺りは真っ白な銀世界になっていた。
天気は快晴。
小屋で朝ご飯を食べ、テントを撤収して出発準備。
昨日の雨の中、かまわず写真を撮っていたらカメラが故障してしまったようで、今日は快晴で綺麗な雪景色なのに、写真が撮れず口惜しく思う。
灰皿の前でタバコを吸っているひとに一本タバコを請い、吸いながら話を聞くと、稜線まで登って白馬まで行く予定だったが、恐ろしい強風で立って居るのもやっとなので引き返してきた。とのことであった。
そこで、全員出発する前に、手や耳などをしっかり防寒してもらってから出発する。
稜線に出てみると、風は強いようだが立っていられないという程でもなく、また冬に比べれば風も冷たくないのでそれほどでもない。
まだ10月だが、雪をかぶった景色はまるで冬のアルプスの様になっていて、とても美しく得をした気分。
西には本来辿る予定であった栂海新道が、日本海までずっと続いているのが見えた。
蓮華岳の途中まで?登って来た登山者達が、強風なので続々引き返してきて、すれ違うたび「この先は風がきつい。立っていることも出来ない」というようなことを言われたが、その先で歩行困難になるという事も特になく、無事歩けた。
初心者もいたので確認したが、歩くのに問題も無さそうなので、そのまま縦走を続行することに。
風の吹く美しい稜線を、時折写真を撮りながら黙々と歩くと10時40分にはもう三国境に着いてしまう。
11:30、白馬岳山頂に到着し景色を眺めるが、風も強いのですぐにテント場へ移動。
幕営してから頂上宿舎の食堂でビールを飲んでダラダラと過ごすことにする。
あまり北アルプスへ来たことのない豊山さんが、食堂から見える杓子岳へ行ってみたいというので、自分も一緒に同行して杓子岳まで往復して戻ってくると、亀島さんがすごく豪華な夕食を用意して下さっていた。
夕食を食べてお腹いっぱいになり、テントに戻って就寝。カメラは食堂のストーブで乾かしたら直っていた。
10月14日
朝5時頃、ひとり起きて山頂へ日の出の写真を撮りにいく。山頂には日の出を見るための登山者がたくさん。
日の出を見て戻ってくると、皆さん起床されていた。
朝ご飯を食べて荷物をまとめ、下山にかかる。
頂上宿舎はこの日小屋終いするようで、片付けを初めていた。
本日も快晴。アイゼンが必要かと思ったが、少し下りたらすぐ雪もなくなり、アイゼンを着けることもなく下山。
大雪渓は夏と比べてだいぶ溶けていて、この時期は雪渓を迂回した別ルートが設けられていた。
猿倉へ下山して、由良さんのデリカに皆でギュウギュウになりながら乗り込み、栂池まで戻った。温泉に入り帰京。
雨や雪が降り、秋山の恐さと美しさを学ばせてもらった山行でした。(皆様カッパの撥水能力低下にはご注意を。)
皆様ありがとうございました。
今度は栂海新道いきましょう!
【感想】 55期田中靖之
5月の集会でTリーダーより10月にテント泊で栂海新道縦走されるとお聞きし、ネットで調べましたら日本海まで歩くとても魅力的なコースで是非参加したいと思いました。夏には雲ノ平を目指す初めてテント泊での縦走例会に参加しましたがバテテ、体力不足を自覚し、9月、10月とボッカトレをし、今回の例会に臨みましたが、天候不順で白馬縦走になりました。
去年ゴンドラで1900メートルまであがり栂池自然園を観光しましたが、まさか1年後に自分が自然園入口手前の登山口からテント泊で縦走するとは夢にも思わず感慨深い思いでした。初日雨からあられに変わり、あられが顔にあたり結構痛く、白馬大池が見えた時はガッスっていて全貌が見えず、まるで海が突如あらわれたように思えました。小屋に到着しテントを設営するとき手がかじかみ、かなり寒かったですが、テントの中に入りお湯を沸かし、ウイスキーをお湯割で飲み一息つけました。雪のなかでのテント泊は初めてで、マットを足下まで引いてなく銀ペフだけでは、かなり寒く、夜中に頭上にあった2つの個装袋の1つを足に引きました。寒さで断続的に起きましたが、幾分寝ることができが できました。
2日目、道中、本来の目的地の日本海も見え、また剱岳も間近に見え、また夕日や翌日は朝日もきれいに見え、景色を存分に堪能しました。また白馬岳山頂を目指し、吹雪のなか登りましたが、下を見ると白馬の穏やかな町並みが見え、あまりの違いに感慨深い思いが有りました。
今回初めての積雪期のテント泊を経験でき、すごく良かったです。これからもっと体力、技術、経験を積み、縦走にがっつりと臨んでいきたいです。そしていつか栂海新道を縦走して日本海に到達したいです。今回みなさんと縦走、テント泊でき、とても思い出深い山行になりました。本当にありがとうございました。
【感想】 53期 亀島
白馬岳~日本海迄(この時期)と思いましたが、真夏の暑い時期よりましか。
長期歩きになる為、水の有る場所をネットで検索。荷物も最低限。後に是が仇となった。
ゴンドラに乗り、終点まじかになるとドンヨリと暗く大雨。
白馬大池迄カッパを浸透して中迄ビッショリ。
手がかじかみ突風と大雨でテントを張るが、手がかじかんで
上手く紐が結べない。小屋に避難。
一人残したT さんが心配だ。
小屋で衣類、かっぱを乾かし、T さんのかっぱも
乾かす。
白馬迄は薄い手袋の為、手の先が白く変色。
あわてて手を揉む。この時期の天候の怖さを味わった山行でした。
Tリーダーを始め皆さんありがとうございました。
【感想】 52期 小泉賀奈子
栂海新道を歩きたいなあとずっと思っていました。今回、Tさんが企画され、これはチャンス!と参加させていただくことにしました。
栂海新道を知ったのは、以前山で一緒になった大学生が、「今までで一番印象深かった山行は、上高地から稜線をたどって日本海まで歩いたことです。」と話していたことがきっかけでした。北アルプスの山々が日本海までつながっていると思うと、何だか壮大で夢があってわくわくしたのを覚えています。
しかし、今回はあいにくの天候。予定していた稜線を歩くには危険だということで、急遽白馬岳に向かうことに。雨の山も久しぶりなら、今年初の積雪も体験。さらに2日目の稜線歩きではまさかの吹雪。秋晴れのもと、日本海まで歩く夢はとても甘いものだったようです。
一転して白馬岳では夕日とご来光を見ることができ、その美しさに感動しました。山で見る太陽って本当に雄大です。また、3日目に猿倉へ下りるときにはすっかり晴れ、紅葉と雪のコントラストを楽しむことができました。山では万全の準備が必要なのだなあと改めて感じた3日間でした。1日目のずぶぬれテント泊も、2日目夜の豪華な食事も、由良さんにお世話になった8人乗りのワゴンも、みんなよい思い出です。多彩なメンバーで山に行けるのは、山岳会のいいところだと思います。Tリーダーをはじめ、ご一緒してくださったみなさま、ありがとうございました。
【感想】 52期 秋房伸一
微妙な季節ですし、猪熊さんの「山の天気予報」の山岳天気予報をチェックしたところ、土曜は初雪で大荒れとの予報。情報を得て装備や心構えもあったため、稜線での吹雪も、想定の範囲内で落ち着いて対処できました。栂海新道に予定どおり行けなかったのは残念ですが、これはこれでよい経験になったと思います。
【感想】 56期 土井 司
前回途中でのリタイヤに対するリベンジと生き込んで望んだ栂海新道であったが、天候の急変(荒天)によりまたもや断念。
テント設営時では寒さのあまり手が震えっぱなし、低体温症で遭難する人の状況が理解できる。
まともな設営ができず。さらにテント内部浸水により私を含む3名が山小屋へ逃げ込む。
波乱含みのスタートとなった例会でテンションは極限まで下がる。しかし翌朝、晴れ間を突いた冠雪の美しさに徐々にテンションが上がり始める。
行き先を白馬に変え、猛風に耐えながらひたすら山頂を目指す。山頂へ着いた時には風もだいぶおさまり景色も見渡せるようになっていた。
2日目の午後からは風は強いものの雲は全くない晴天になる。
雪を抱いた頂の美しさ、日没のすべてを赤色に変える太陽、青い空と白い山肌と紅葉とのコントラスト等々素晴らしい景色が目に飛び込んでくる。
あれだけ落ち込んでいたテンションが最高潮になり、山を降りることが寂しくなっていた。
天国と地獄とを体験したかのような例会でしたが、同行の皆さんのお気遣いと楽しい会話で大変思い出深い例会になりました。
Tリーダーを始め皆さんありがとうございました。また機会があればぜひご一緒させてください。
【感想】 56期 豊山 忠
山登り自体、初心者でテント泊も二度目の経験となりました。先輩方にアドバイスいただきながら、なんとか縦走を終えることができました。
初日は天候不良のため、コースの変更などもあり、過酷なものとなりました。強風と、ヒョウなのかアラレなのか、よくわからないものに打ちつけられ、震えながらなんとかテント場まで、たどり着きました。
それから、驚くような早さでテントを設営して、荷ほどきをし、晩ごはんを素早く済ませて、レインコートのままシュラフにもぐり込みました。経験豊富な諸先輩方の的確な行動に尊敬と憧れを持ち、眠りにつきました。
二日目は、天候にも恵まれ、絵にかいたような景色を縦走して、いい思い出となりました。
しかしながら、初日の震えながらのテント泊も、悲惨な思い出の数々も悪くない記憶として心に深く刻まれました。今となっては、初日の悪天候の方が思い出深いです。
今回、参加者の皆様、全員に大変お世話になり、勉強になりました。ありがとうございました。