京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3353 蛇谷ヶ峯バックカントリースキーツアー

 今季一番の寒波は、京滋市内にも雪をもたらした。交通が麻痺していた影響で、30分遅く安曇川駅から朽木てんくう温泉へと向かう。雪に覆われた世界は、行き慣れたはずの道すら違う場所のように我々を錯覚させた。

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        (広い主稜線の登り)

 

 

[NO.3353] 蛇谷ヶ峯バックカントリースキーツアー 2014年1月19日(土)

 

【メンバー】穐月大介(CL)、中尾 諭、加藤一子、田辺久美子、寒川陽子、鈴木かおり 計6名

【行程】

安曇川駅8:30=(マイカー)=9:25朽木てんくう温泉駐車場50~10:15蛇谷ヶ峰登山口~11:15休憩30~13:25蛇谷ヶ峰下鞍部(標高817m)45~16:30林道出合~16:50蛇谷ヶ峰登山口~17:00朽木てんくう温泉・解散18:30

 

【記録】48期 寒川陽子

 今季一番の寒波は、京滋市内にも雪をもたらした。交通が麻痺していた影響で、30分遅く安曇川駅から朽木てんくう温泉へと向かう。雪に覆われた世界は、行き慣れたはずの道すら違う場所のように我々を錯覚させた。

 

林道を歩き始めてしばらくすると蛇谷ヶ峰への登山口の標識が現れた。標識以下は雪に包まれており、それの指す方向は何の変哲もない斜面に思える位に、こんもりと雪が積もり重そうな樹木が頭を垂れていた。最初の急登が終わると再び道標があり登山道は山腹を示しているが、ここからは尾根上を進む。まずは蛇谷ヶ峰から派生する北東の支尾根を目標地点とし、そこから山頂を目指す。先頭を交代しながら登っていき、小さなせせらぎを越えると更に急な登りへと転じる。木々も多く、シールをつけていてもジグザグにしか登れない。積もっている分はもとより、今降っているものですらジットリと重さを感じる雪質で、板が雪下に潜ってしまうと足を上げるだけでもひと労働だ。

 

支尾根に合流するとスノーシューのトレースが現れた。少し先でトレースの主であるパーティーと遭遇。時刻は既に13時過ぎ。山頂手間で引き返したとのことだ。山頂が近付いてきたのか、風が吹き雪庇が見えてきた。しかし13時半には撤退としたCL判断により、山頂までの最後の登りを前にして下山する事となった。

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         (折り返し点で)

 

 かなりの勾配を感じた鈴木と寒川はシールのまま下る。SLである中尾は新調したブーツと板でスイスイと下ってゆく。田辺はこけそうな不安定さを感じない、貫禄の滑降。加藤は滑れないと言いつつ、しっかり中尾・田辺の両名についていっている。CL穐月は、つぼ足でしか下れなかった樹林帯の急斜面でもテレマークターンをこなし山を下りていく。やはり雪うさぎだ。名の如くヒョイと雪を縫って華麗に下りたいであろうところを、転んでは止まりまた転んで…と一向に滑れない見習いメンバーの近くで終始アドバイスをして頂いた。核心部である支尾根~沢筋への下降点では、尾根を見失い肝を冷やしながらルートを探したが、それ以外はCLによるこまめな現在地確認もあって迷う事はなかった。

 下降に時間がかかり、最後は尾根から外れて暗くなる前に林道に下りる事に。ここでは中尾のストック消失事件があり、スノースコップの重要性を感じることとなった。

 

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            (最後の滑降)

 

「無事降りてこれたらこの例会は大成功です」とのCLの言葉もあって、蛇谷ヶ峰には行けなかったがそれに拘るメンバーはいなかった。てんくう温泉の飲食物だけでもホクホク温まるような、雪の降り続いた寒い一日だった。

 

【感想】48期 寒川陽子

今シーズン初の山スキーとなったこの例会は、天候に恵まれ続けていた過去の山スキーとは異なり一日中雪がちらつく天気だった。目指す尾根も判りづらく、改めて雪山の難しさを感じた。木々の多さや雪の重さなど、今まで体験した山スキーゲレンデとはコンディションが違い、足をとられたりと苦労することもあったが、この違いが面白くもあった。

技術面については、CLや参加者の皆様のサポートやアドバイスを振り返り、一つずつ上達していきたい。

 

【感想】54期 鈴木かおり

 前夜は不安がいっぱい。昨シーズンの比良岳の降り滑走。転げ落ちた時の倒れる起きるの体力消耗。その悪夢や山スキー事故のニュース。体力がつきて動けなくなったら、どうしよう。でも、いそいそする。

 前回練習をしたキックターン。実践になると、あれれ、できましたよ!誰でもできる当り前なのですが、私にとっては大きな一歩!嬉しさと安心感。登りは順調で楽しい、頭の片隅には降りの不安があったものの。

 さあ降りの滑走。皆はシールを外しましたが、私はあの悪夢の為、装着のまま降りることに。途中で穐月リーダーのアドバイスで、ボーゲンすればいいことがわかり、キックターンもできるしね。ボーゲン、斜滑降、つぼ足など、その状況にあわせていけばいい。転けてもいいんだ。皆も雪と戯れていました。また、自分のスキー板(テレマーク)が、取り回しもよく、クロカン的にも歩けることが1日着けていて、実感。今さらですが、テレマークスキーは、滑走、登高、歩く、ゲレンデ遊び、いろいろできるいい板だ、わ〜い遊べるね。雪山の地形や地図が難しく、リーダーや皆さんが読図をしっかりやっていただきました。安全面も個人でいろいろ道具がいるのでは、と思いました。まだまだ、勉強です。途中、鳥の声や小さな実をつけた樹木。何の鳥かな、樹木かな。それも楽しみたいな。その前にちゃんと滑れよ、と言う声が聞こえていますが。皆様、今回も楽しい1日ありがとうございました。 

 

【感想】 25期 穐月大介

朝からあいにくの天気だったが降りたての新雪が体験できるまたとないコンディションとなった。サラサラの粉雪というわけにはいかなかったが上部に行くほど雪も深くフカフカ新雪滑走を楽しめた。

ツアー経験の少ない寒川さんと鈴木さんはこのような雪は初めてとあってかなり手こずっておられたが、スキー場で練習していたのでは絶対経験できない雪質と地形なので良い経験になったと思う。加藤さんと田辺さんはスキー場ではともかく流石に現場に強く危なげない。いつの間にか立派なテレマーカーになられた。

それとベテランの中尾さんが遂にプラブーツとスキーを新調された。これからどんな滑りになって行くか楽しみである。みなさんありがとうございました。