京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3376 立山バックカントリースキーツアー

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(朝快晴のテント場)

 

 

[No.3376]立山バックカントリースキーツアー 2012年5月2日(金夜)〜5日(月)

 

【メンバー】 穐月大介(CL)、加藤一子、中尾諭、鈴木かおり、計4名

【行 程】

5月2日 山科駅22:00車=

 

5月3日 曇りのち雨

立山駅4:00テント仮眠〜起床5:00〜立山駅7:30バス→室堂9:25→雷鳥沢キャンプ場11:15(テント設営)

 

5月4日 晴れ

7:55ビーコンの使い方・アイゼントレ(雷鳥沢キャンプ場近くにて)9:00〜9:48新室堂乗越周辺11:00(滑降)〜11:45雷鳥沢キャンプ場(昼食)12:45〜14:45一ノ越15:20

雷鳥沢キャンプ場15:50

 

5月5日 雨

雷鳥平キャンプ場6:35~谷回り雪上車道~8:30室堂(バス)=美女平(ケーブル)=立山駅(車)=グランサンピア立山日帰り温泉)=帰京

 

【記録】5月3日 22期加藤一子

駅に近い駐車場は満車の為、下の駐車場へ行く。有り難い事にすぐ側にテントを張るスペースがあったので、体を伸ばして1時間寝る。室堂へは直通バスのチケットが取れ、バスに揺られてうとうとしている間に到着した。室堂よりスキーを履いてザックの重さと格闘しながら雷鳥沢キャンプ場へと向かう。中尾を先頭に出発、リーダーに付き添われながら、鈴木、加藤はなかなかついて行けない。途中、地獄谷からのガスは喉が痛い程だった。加藤はテン場を目の前にして、躓いて膝を負傷した。殆ど傾斜は無く前に倒れ込んだだけだったが、重いザックがのし掛かって来て膝に負担が掛かった様である。当初は軽傷だと思っていたが、膝の事なので時間がたつと自由が利かなくなってしまい、みんなに迷惑を掛けることになってしまった。テントを設営したところで、雨が降り出し、テントの中で待機する。夕方には雨は上がり日が差して来たが、睡眠不足もあって、夕食、早めの就寝となった。

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(夕日に染まる立山連峰

 

【感想】初日に負傷し、みんなに余分に負担を掛け、自分でも口惜しい思いをしたけれども、雪山に囲まれた所でのんびり過ごせたし、みんながスキーに出かけた後も一人で近くを歩き回って退屈もしなかったので、自分としては結構幸せでした。私にとってスキーは雪山に行くための手段で、滑ることに余り執着が無いからかも知れませんね。とは言え、メンバーの行動に支障を来す様では問題なので、事前トレーニング等で努力しなければと反省しています。メンバーの皆さんには、いろいろと助けて頂いてありがとうございました。

 

【記録】5月4日午前 54期 鈴木かおり

たっぷり睡眠を取って気分よく目覚める。天気もよく、まずはキャンプ場近くにて、アイゼントレとビーコンの使い方を教えてもらった。そしてビーコンを加藤さんに埋めてもらって実習。

加藤さんはお留守番。と言っても室堂まで歩かれたそうです。新室堂乗越までアイゼンで登る。ザック左右側面に付けたスキーが少しゆらゆらする。乗越まで来ると、とても眺めがよく、奥大日岳への尾根を偵察にザックとスキーを置いて少し行く。戻って休憩。横長の虹が出ていた。その後スキーで滑走し、雷鳥沢に戻った。

 

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(新室堂乗越にて)

 

午後は穐月Lと中尾さんが一ノ越まで登り滑走。私は、のんびりしたくなって、雷鳥沢をお散歩したり、子供のスキー教室をみたりして、まったり過ごす。夕方、2人が少年のような笑顔で帰ってきた。夜は加藤さんの美味しい料理に舌鼓。同じ釜の飯は楽しい。

 

【感想】今シーズンは日帰りしか行かないつもり・・・だったのですが、参加してよかったです。

まったりさせていただきましたし、テント設営や撤収仕事も楽しかったです。アイゼントレやビーコンの使い方など、いい練習にもなりました。テントでの同じ釜の飯はいいね!

 いつもより重いザック(と言ってもメンバーの中では超軽かった)でスキーを滑るのに一苦労。よく考えると荷物云々よりも、私に基本的な滑走技術がないからだです。いざとなると、基本をすっかり忘れてしまう始末。初めから転けるような滑り方で情けない思いをしました。中尾コーチから「頭でわかるだけでなく、体で覚えるんです」、穐月隊長からは「道具の仕組みをちゃんと理解して」と。まだまだ足りない滑走技術をつけていくことを痛感しました。また、ツアーに出て経験を積んで行く必要性も。本音を言うと、私ももう少し滑りたかったんですよ(涙)

 

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(新室堂乗越からの滑走)

 

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(テント場を目指して)

 

初歩的なミス(ザックの担ぎ方)もあり、ご迷惑を掛けました。こんな単純なミスが周りに迷惑を掛ける、なにか事故につながるかもしれない。反面、スキー靴の紐を長いものに変えて足首をしっかり絞めることができ、靴内での足が安定。こんな小さな工夫も考えていこうと思いました。

 私はゆっくりでき、いい体験になりましたが、他のメンバーには物足りないツアーだったと思います。ちょっと申し訳ないです・・・もっと滑れるようになりたいです。

 皆のために食料を背負い負傷された加藤さん、とても美味しかったです。料理には、大根あってよかったです。運転やスキーなどのコーチをしてくれた中尾さん、経験のない私をメンバーに入れてくれた穐月L、本当にありがとうございました。

 

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(一の越への登り)

 

【記録】5月4日午後 26期 中尾諭

刷毛で掃いたような薄雲は出てきたが、午後からも上場の天気。腹ごしらえをして、一ノ越を目指す。キャンプ場からは室堂山荘まで雪上車がラッセルした雪道をシール無しで登行。斜度もあまりなく快適な雪道散歩。室堂山荘手前で大きく右へカーブした地点でラッセル道を離れて通常の雪の斜面の登りに入る。ここからは、斜度も急となることからシールを着ける。日ごろの不摂生から体力が落ちているのでゆっくりとしたペースで登るが、陽射しがきつく、上着を脱ぎ半そでになっても暑いくらいだったが、稜線に近づき風が出てくるとさすがにひんやりしてきた。また、いつの間にか青空も見えなくなっていた。途中、山崎カールの下あたりで遭難があったようで、ヘリが飛んできてホバーリングし、その間に人が下りていくのを眺めていました。

一ノ越の小屋でしばらく休憩してスキーをはいて滑りだそうとすると、登ってきた時の柔らか目のザラメの雪とは違って、ウインドクラストした固めの雪に変わっており、若干滑りにくく斜滑降で逃げながらの滑りになった。ある程度下降すると、柔らかめの雪に変わり、そこからは今シーズン初めて、気持ちよくテレマークターンで滑りおりることができた。

下りのコースは、登ってきた道の東側の尾根筋のコースをとったのですが非常に滑りやすい、楽しいコースでした。

 

【感想】

今シーズンテレマークスキーを新調したものの、山では思うような滑りができず、悔しい思いをしていましたが、今シーズン最後の山スキー例会で思うようなスキーができ、満足して終わることができました。

来シーズンも頑張りますね。

 

【記録】5月5日 25期 穐月大介

最近のスマホは室堂の1時間ごとの予報まで出るので5日早々に天気が崩れて雨になることは予想されていた。前日より予定していたツアーを取りやめ早めにテン場を引き払い室堂からバスに乗って帰ることにしていた。

 

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(雨の降り始めた室堂)

 

ルートは重い荷物と負傷者を抱えているので少し遠回りだが冬だけ付けられる谷回りの雪上車道を通ることにした。起伏が少なくゆっくり登れる道だ。

やはり山の天気が崩れるのは早く出発早々少しポツポツ来ていたが大した事はない、室堂までは平和に来れたが室堂平に登った途端みぞれまじりの強い風にさらされることとなった。それでも少々後ろ髪を引かれながらバスに乗り込んだ。

帰りは少し早いので立山駅から車ですぐのグランドサンピア立山でリッチな湯に浸かり帰途についた。

 

【感想】リーダー所管

初日テント場直前の急斜面を降り切った所で加藤さんが転倒、重い荷物で転け方が悪かったのか足を捻挫された。幸い歩くことは出来るが無理をすると確実に悪化するの今回はテントキーパーをお願いした。

テン場に着き穴を掘って雪壁を築きテントを張ると予定どうり小雨がパラついて来た。予報では1時間くらいで止みそうだったので、雪山で無駄に濡れるのを避けテントに潜り込んだが予想外に雨は激しくなり止んだのはpm5時を回っていた。もはや行動できる時間ではない。しかし外に出ると立山の峰々がピンクに染まりとても綺麗だった。

2日目は快晴、暑いくらいで紫外線も強烈だ。昨日できなかったアイゼントレとビーコンの使い方を練習。鈴木さんはどちらも初めてということで此をやっておかないと道具が使い物にならない。

予定していた大日岳方面は半ば予想どうり痩せ尾根であまりスキーに向きそうにない。しかし、とにかく尾根まで上がり様子を見ることにする。少なくとも奥大日まではしっかりしたトレースも着いており徒歩ならば良いトレッキングルートのようだ。思ったよりスキーで行けなくもなさそうだが初心者同伴では滑る所も無い割にハイリスクなのでここからテン場までの滑降を楽しむことにした。

お湯を沸かしゆっくり昼食をとった後、一の越しまで登って滑ってくることにしたが、鈴木さんは不参加で結局中尾さんと2人となる。此方のコースは適度な傾斜と広い斜面で快適な滑降がたのしめた。

危険な所には行かず、雨を避けまったりと過ごした連休だったが久々にテント生活を楽しめた。

やはり同じ釜の飯を食うのが正しい山の生活だと思う。

しかしもう重い荷物を背負ってのスキーはちょっと無理があるかもしれない。

 

今回アイゼントレの時ストックによる滑落停止も試みて見た、グリップを高く上げ反対の手でピックを打ち込むとテコの原理で有る程度停止することが出来た。機会を見て他の人にも伝えたい。

今回中尾さんが丁寧に雪上訓練の指導をして下さった、ありがとうございました。

加藤さんごちそうさまでした。

鈴木さんご一緒出来て楽しかったです。