京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 近畿百名山シリーズNo.72 高島トレイルの最高峰・三重嶽

平成26年9月28日(日)

近畿百名山シリーズの実質的第1回目は高島トレイル最高峰の三重嶽(さんじょうがたけ974m)に登った。赤岩山、武奈ヶ嶽を経由し石田川ダムに抱かれた山域を周回登山した。

 

20140928三重嶽地図

 

 

20140928三重嶽1

写真1: 武奈ヶ嶽北稜線より三重嶽974mを望む

 

【メンバー】 山本浩史L(車)、中村恵子 計2名

【行  程】 桂川駅6:02=7:44ワサ谷出合~8:53赤岩山~9:34武奈ヶ嶽~10:05ワサ谷分岐~11:43水谷分岐~11:43三重嶽12:15~13:23落合下降点~13:49落合登山口~14:35ワサ谷出合14:41=14:45石田川ダム14:55=15:16朽木温泉16:16=18:07桂川駅

【山データ】  曇り 歩行距離15.1㎞ 6時間44分 延登高1,074m 延下降1,074m 3座登頂

 

琵琶湖に流れ込む石田川の上流にはロックフィル式の石田川ダムがある。ダム湖の傍らワサ谷の出合に車を止めた。尾根に取り付き赤岩山に登ろうとしたが「武奈ヶ嶽登山口」の標識に惑わされ登り始めたがいつまでも林道でどうも違う。よく地図を見るとワサ谷登山道に入っているようだ。傷は浅いので引き返し赤岩山の登山口を探した。林道がダム湖への飛び出しの付け根を横断する地点に登山口があった。登山道は急斜面の勾配を避けるようにジグザグ登って行った。秋とは云え登りは暑い。汗を流し展望のない尾根を只管登る。

赤岩山(740m)は3等三角点「赤岩」が置かれているが展望は無い。「赤岩山」という山名も角川区への下山路を示す指導標の傍らにマジックで書かれただけだった。500m程行くと中央分水嶺となり高島トレイルの稜線となる。石田川は琵琶湖と通じて太平洋側へと注ぐが、西側の天増川は日本海に注ぐ。高島トレイルの稜線に入り武奈ヶ嶽(865m)を目指す。所々展望個所があり振り向くと琵琶湖が見えるが、雲が多くすっきりしない。比良山系にも同じ名前の山があるがあちらは「岳」と書く。日本二百名山の山で標高は1,214mと一寸格が違う。

此方の武奈ヶ嶽は北の方に少し展望がありそうだが、山頂部は雲の中に入ってしまい展望が得られない。北に続く稜線上にあるP812の位置特定を今日のミッション1に設定した。武奈ヶ嶽から1㎞余りの標高点だ。地図を見ながら歩き東側に顕著な尾根が派生しているピークがある。此処はワサ谷への下山路で朝、間違って登りだした道に繋がる。この分岐のピークの直ぐ先がP812で特定は一寸簡単すぎたかもしれない。この季節は花の種類は少ないがトリカブトが群落を作っていた。

更に北上を続けP674に達すると大したピーク性は無いがしっかりしたプレートが付けられ高島トレイルの標識と共に存在感を示していた。東から北方が開け三重嶽や三十三間山を望むことができた。90°東に向きが変わり徐々に北に向き直し三重嶽の西稜線に乗る。水谷への道が西側に分岐する。ここでも進行方向が90°変わり東に向く。東北東に進み山頂域に近づくと複雑な稜線で沼が現れた。比較的大きいので地図にあったかなと確認するが地図には載っていない。最後の斜面に取り付くと風強く肌寒い。三重岳(974m)山頂は2等三角点「山上ヶ岳」がありこの方が読みに近い。「三重嶽」と書いて「さんじょうがたけ」と読ませるのは少し無理がありそうだ。風が通り寒いので南側斜面に少し下り昼食休憩にした。ガスが流れ展望は利かずミッションに用意していた大御影山と野坂岳の山座同定は断念した。

高島トレイルは三重岳山頂手前で北に分岐してしまい山頂はトレイルから飛び出している。山頂東側では河内谷への下山路を見送り南に向かう。「落合→」と表示されている下り尾根に入るが単調で展望のきく個所もない。話しながら下っているとポイントとなるP844、P762を知らないうちに通り過ぎてしまった。標高600mを切った辺りで男女2人づれの登山者が登って来た。「三重嶽ですか?」と聞くと其処までは行かないと云う。では一体何が目的なの? と訝りながら「気を付けて」と見送った。出合った場所が丁度稜線からの下降点でP592の西側を巻くように下りだしたが再び尾根に乗り石田川の張り出し部分に下って行った。

落合登山口からは石田川沿いの林道を3.3㎞只管歩く。荒谷山から張出す尾根の先端をΩ状に迂回してワサ谷出合の駐車地点に戻った。ロックフィル式の石田ダムは広い駐車場にトイレもあり、堰堤から上流を見ると登って来た三重嶽の姿、南側を見ると蛇谷ヶ峰や武奈ヶ岳を望むことができた。朽木温泉“てんくうの湯”に立寄り帰路に付いた。

 

【感 想】 54期 中村 恵子

始めは晴天でしたが、登るにつれてガスが出たり風が吹いたりでどうなるかなぁと思っていましたが、

雨も降らず適度な暑さで、快適でした。登山の人はあまりいないのか、欝蒼とした道が多く、先頭の私は何度か道を間違えてしまいました。また二人ということで、早く進まなければと気が焦り何度か転んでしまいました。人には出会いませんでしたが、鹿とは出会いました。滋賀県最高峰の三重嶽に登頂成功しましたが、あいにくガスで全く展望がなく残念でした。帰りは温泉に入り、美味しいアイスもあり、たいへん楽しい一日でした。

 

20140928三重嶽1

写真1: 武奈ヶ嶽北稜線より三重嶽974mを望む

 

20140928三重嶽2

写真2: 展望の利くP674より三十三間山842mを望む

 

20140928三重嶽3

写真3: 三重嶽山頂にて