京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3465  若丹国境 堀越峠(ワカン)

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写真:若丹国境 堀越峠旧道

 

2015年1月25(日)

【メンバー】

秋房伸一 会員1名

【行程】

25日(日) 国道162号線(周山街道)堀越峠旧道分岐近くデポ地8:50~8:55旧道~11:05堀越峠11:20~堀越トンネル分岐看板11:38~11:47国道162号(堀越トンネル側)~12:00デポ地

【天気】曇

【記録】52期 秋房伸一

若 狭 と 丹 波 の 国 境 を 辿 っ て 堀 越 峠か ら 頭 巾 山 を 目 指 す 例 会 を 企 画 し たが、参加者がなく、単独となった。単独の気楽さから朝はナリで出発。

自転車で100回以上走っていてカーブや勾配の具合もほぼ覚えている周山街道を北上。

当初、堀越トンネルを抜けて若狭側の休憩用駐車場から峠付近へ直登しようと考えたが、駐車場が除雪してなくて 入 れ な い の と 、 山 の 斜 面 に 雪 が 全面についてなくて断念。堀越峠の旧道分かれ近くに路肩が広がっているところがあり、車をデポ。

頭巾山まで積雪期単独ワンデイチャレ第。昨日は22インチを初使用。

ワカンは「エキスパート オブ ジャパン」という定番の品。

旧 道 に 入 り 、 し ば ら く は 車 の 轍 が残っている。ツボ足で歩くが、轍が消えたところでワカンを装着。

ワカンで歩いて思ったのは「えっ、ワカンの効果はあるんかいな」。感覚的にはツボ足と変わらない。効いてはいるのだろうが、実感できない。車のトランクにスノーシューを置いているので取りに戻ろうかと一瞬考えたが、山行目的を「ワカン」にしたことを思い出し、続行。

気温が高く、雪は締まっているというより腐れ雪で積雪量は多いところで50cmくらいか。

ワカンの跡をズボズボ付けながら歩き 、 峠 ま で の 約 4kmを 2時 間 10分 も かかってしまった。単独ということもあるが、いつもより疲労度が大きい。

下りはツボ足にした。ピストンなので、自分がワカンで付けた跡をツボ足で乗ると、ズボっと沈む。ワカンでは膝まで沈むことはなかったが、ツボだと膝まで行く。やはりワカンの効果はあったのだ。しかし、いつものスノーシューの感覚からすると、ワカンはほとんどツボ足だ。

自 宅 に 帰 っ て 重 量 を 計 測 す る と 、ワカンが380gでライトニングアッセント男性用22インチが870g(いずれも片方)。

約500gの差、両足では1kg違う。ワカンとスノーシューの積雪面での沈み 量 の 差 を 求 め 、 体 重 + 荷 物 を 引 き上 げ る 必 要 エ ネ ル ギ ー 量 の 差 を 計 算できたらいいのだが、私にはその能力がない。

極めて定性的な感想しか述べられないが、ワカンが片足 500g軽くても、スノーシューより断然沈むので、ワカンのほうが疲労度は大きくスピードも落ちる。

それに、何より、ワカンは楽しくない。ワカンの歩行感覚が楽しければ「白樺林をワカンハイクし、ペンションでステキな昼食 ♪」といった商業ツアーが企画されてもよさそうなものだが、ついぞ見たことがない。

ワカンが威力を発揮するところを想像するに、アイゼンと併用した岩稜ミッ ク ス 、 3000m級 の 稜 線 で 風 が 強 くて雪が吹き飛ばされているところと吹きだまりでラッセルが交互に現れる、そんなところであろうか。

私 が 冬 に 行 く よ う な 山 域 で は 、 スノーシューで何の不自由もない。急斜面 の 登 行 や 下 降 も 大 丈 夫 だ 。 ア イ ゼンを併用しないワカンよりも、よっぽどグリップが効く。トラバースでも。

ワカンはツボ足感覚を大切にする山行向け、スノーシューはそれ自体を楽しむものだと感じた。

帰路は途中で「堀越トンネル(へ)」という分岐があったので、旧国道から離れ て 斜 面 を 降 り る と 、 た っ た 10分 ちょっとで国道に着いた。舗装された国道歩きは、ワカン雪中歩行と比べると驚くほど速い。

ちょうど正午にデポ地に着き、昼食山は獣肉の集散地だそうで、それぞれの世界に中心地があり続け、一極集中で地域の多様性や伝統が廃れないことを祈った。

 

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写真:「ワカン」