平成29年10月8日(日)
写真1: 三国岳(959m)山頂にて
岩屋谷には自然の岩屋が3箇所ある。登山道沿いにあるのは一ノ岩屋だけで他は登山道から離れている。三ノ岩屋分岐から尾根に取付き山城・丹波・近江三国境の三国岳(さんごくだけ959m)に乗り上った。山城・近江国境尾根を下り経ヶ岳(889m)、イチゴ谷山(892m)の京都百名山三座を一挙に縦走した。下山は道のない市後谷南尾根を下った。
【メンバー】 山本浩史L(車)、加藤 一子、葛城 美智子、高橋 秀治(車)、江村 一範、市橋 淳平
【行 程】 桂川駅6:51=7:16堀川寺之内7:21=8:31岩屋谷出合8:44~9:03一ノ岩屋~9:18三ノ岩屋~10:21三国岳10:34~11:15久多越~11:43経ヶ岳12:11~12:32ミゴ越~13:04イチゴ谷山~13:39 P909 13:52~14:52イチゴ谷出合~15:18岩屋谷出合15:27=16:00朽木温泉てんくう17:07=19:00桂川駅
【登山データ】 曇り後晴れ 歩行距離11.4㎞ 延登高947m コースイタム6時間34分
京都市左京区の山深い集落久多の最奥にある岩屋谷と滝谷が出合う地点に車を止めた。岩屋谷の林道には鎖が掛かり一般車の侵入はできない。林道の終点に到ると京都府立大学久多演習林の事務所と案内板がありこの一帯が演習林のエリアであることを示していた。此処から岩屋谷沿いの登山道となり江村さんを先頭に進んだ。先ずは枝沢を木橋で渡るが対岸に近づくに連れ、橋は傾き危なっかしい。東側から2.5万図に明確な水線の描かれた久良谷が合流し200m程行くと一ノ岩屋に達した。間口の広い洞窟で奥に不動明王と役小角が祀られていいた。二ノ岩屋へは登山道から分岐し少し遠いようなので立ち寄らなかったが道もあるかなしかのようだ。三ノ岩屋は三国岳南尾根への取り付き地点から分岐し岩屋谷を少し遡った処にあり洞窟の奥には不動明王が祀られていた。
取付いた尾根は等高線が詰まり急坂でジグザグに付けられた登山道を登った。40分程歩くと城丹国境尾根に達した。三国岳(959m)山頂へは10分余りの登りで到着した。高島トレイルの標識があり2等三角点「久多村一」が置かれている。厳密にはこの地点は単なる城丹国境尾根上の地点で近江は接していない。東にあるピークが三国境なのだが一番標高の高い地点が三国岳山頂とされたようだ。全国にある“三国岳”は「みくにだけ」と読ませる山が多いが此処は「さんごくだけ」と読ませる。樹林の隙間から武奈ヶ岳(1,214m)を望むことができた。
山頂で少し休憩して北東に進み、その“三国境”から山城・近江国境尾根を東南東へと下りだした。稜線の切れ目から振り返ると三国岳が望め、P885に達すると経ヶ岳を望むことができた。その背後には比良山系が見え蓬莱山から武奈ヶ岳まで望めた。緩やかにカーブして南に進路が向くと久多越(丹波越)で滋賀県高島市の桑原橋への道が分岐していた。経ヶ岳までは派生する尾根が幾つもあり広い稜線は何処でも歩けるのでルートファインディングには注意を要するエリアだ。西側から回り込むように斜面を登り経ヶ岳(889m)山頂に到った。展望はなく木の根方に自然石の平たい岩が恰も仏像のように立てられその前に「ここが経ヶ岳です」のプレートが置かれていた。葛城さんがちゃんとした標識があった筈と言って、大木の反対側に回ると小さなプレートが掲げられていた。
昼食休憩を取っていると蠅が纏わり付きうるさい。此のことから“五月蠅”と書いて「うるさい」と読ますようになったのだろうか。南に歩を進めミゴ越を目指すが方向の変わり目が2ヶ所あり要注意だ。ミゴ越は久多側の見後谷と高島市側の平良谷への道があったかと思われるが登山地図には平良谷への点線道が描かれているだけだ。
ミゴ越を過ぎ90°左に向きを変えイチゴ谷山を目指していると短パン素足のトレラン2人組と遭遇、“途中”から走ってきてまた戻ると云うが一体何処を通ってきたのだろうか。そしてイチゴ谷山は全然「苺」じゃなかったと云うので「苺」ではなく「漢字で書けば“いち”に“後”だと思う」といい加減な解説をしたが、何となく腑に落ちたような顔をして走り去った。
最後の山、イチゴ谷山(892m)に達した。滋賀県側では「ヘラ谷奥」とも呼ばれるようだ。展望はなく、最後の集合写真を撮った。古びた山頂標識の下に3等三角点「久多」が置かれており、反対側の木の高い所には真新し山頂標識も設置されていた。今日の3座の登頂目標は達したが最大の試練はこれからでP909から市後谷南尾根を下る心算だ。登山地図にルートはなく。歩けそうな傾斜であることだけで選んだルートだ。P909への稜線も迷い点が多く読図を慎重にして進んだ。案に相違して展望の良い標高点で比良山系や箱館山、マキノの乗鞍岳を望むことができた。
此処からは山本Lが先頭に立ちピークの少し南から西に下り出した。コンパスをセットし進んで行くが幾度か左に逸れそうになりながらもなんとか予定の尾根を下ることができた。所々踏み跡があったが人のものではないだろう。標高550m位まで下ると植林帯となりルートを示しているようなそうでもないようなピンクのテープに沿って下ると無事市後谷の林道に下り立つことができた。50m程進むと久多川の車道に飛び出した。此の辺りは大切に育てた木が盗伐被害にあっているようで、「盗伐26本」と云う悲しい事実を記した掲示があった。
駐車地点の岩屋谷出合まで1.6㎞の車道歩きで戻り周回登山を終えた。立ち寄り湯は朽木温泉“てんくう”で国道367号線を走っているとイチゴ谷山の稜線で出会ったトレランの女性が朽木方面に歩いているのを見つけた。窓を開けて「お疲れ様」と挨拶するが、相方の男性の姿はないし“途中”に帰ると云っていたのに反対方向に歩いているし、どうも謎が残った。
市内中心部に住む高橋さんと葛城さんとは堀川寺之内で別れ、桂川駅まで乗る4人は桂川イオンの中華で反省会を行い20:40頃解散した。
写真2: 国境尾根から三国岳(959m)を望む
写真3: 経ヶ岳(889m)を望む P885より