京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3736 猪谷(裏比良)沢登り

2018年6月9日(土)

 【メンバー】CL・AT、SL 秋房伸一、藤井康司、TW、織田直子、土井 司、辻博史、TS  会員8名

 

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 ↑第一ゴルジュ入口の滝をリードするTSさん

 

【行程】

9日(土)京阪三条出町柳8:00=猪谷林道9:40=ワリ谷出合13:20=ヒジキ谷出合16:00=遡行終了点16:30=車デポ地18:10=京都

 

【記録と感想】51期 AT

 去年の5月、新緑祭のあと、比良山の猪谷を遡行しようとしたが、途中で織田さんの指が骨折してしまい、撤退することとなった。

その後織田さんの指の怪我は治ったものの、指は少し曲がったままという気の毒なことになってしまう。

今年も新緑祭の季節になったが、そんなこともあり、織田さんがもうやる気がないのであれば、止めておいてもよかろうと思っていた。

そこで織田さんにお会いした機会に「また行きますか?」と尋ねたところ、「行きます!」と即答だったので、それではと今年も例会を実施することとなった。

例会には去年のメンバーから上坂さん、W高橋さんと見学者の計4名が抜けたメンバーに、辻博史さんが新たに加わったという顔ぶれ。

梅雨の最中で天気がどうなることかと思っていたが、当日は晴天となった。

午前8時に出町柳に集合して、車をデポし林道に入ったのが9:40分頃。

去年と同じように、林道に打ち捨ててある芸術的な廃車を横目にしばらく林道を歩いて入渓地点。(この廃車は先日廃車になった上坂さんの車と同車種なのではないかという話になった。)

前回のことがあったので、事前にアッセンダーを使った登り方の確認などを行ってから入渓する。

前日までの雨で増水しているかと思ったが、増水していることもなく、むしろ去年のほうが水量多かったかもしれない。

入渓後しばらく歩くと滝が連続するので、TSさんにリードしていただく。

皆さん去年より動きがスムーズで、前回より少ない時間で通過出来たので(人数が少ないからということもあるが)、今回はうまくいきそうな予感。

順調に進み、すぐに前回上坂さんのルベルソ4が落ちた淵のある、第二ゴルジュ入口の滝までやってきた。

以前の印象では、ここにくるまで多くの滝を越えたという印象を持っていたが、二度目に来ると「まだこんなに出だしの方だったのか」と驚く。

前回はまだ、まったく進んでいなかったわけである。

「この淵に上坂さんのルベルソが落ちている」という旨を皆に告げるが、誰も拾いに行こうという者がいないので、先に進むことにする。

そのあとも小滝の連続で、登るのに難しい滝は無いが登攀に不慣れな方も多く、安全のためロープやお助けスリングを頻繁に出して進む。

そのため、遡行スピードは遅くワリ谷出合で13:20頃。

ネジレ滝に着いたのが15:00頃となった。

ネジレ滝は事前にこの沢の核心部だという記述を見ていたのだが、見るからに簡単そうだったので、TSさんと「これはロープを出すまでもない。お助けヒモで充分なのではないか」という話をしていたのだが、そこはまだまだ未熟者。実際に左岸の壁に取り付いて見ると、逆層気味でホールドに乏しく見た目より案外手強い。

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そのためホールドをよく探しながら、ジャミングステミングキョンといろいろ小技を使って慎重に登った。(もっと水量が乏しい時なら水流の溝状からステミングで容易に抜けられそう。もしくはカム(ナッツ)とアブミがあれば、左岸のクラックを使いもっと早く容易に抜けられるかもと思った。)

 

 

ネジレ滝を抜けるとすぐにヒジキ谷出合。

その先が穏やかになっている猪谷と比べヒジキ谷は入り口に大きな岩がゴロリと転がっていて薄暗く、こちらの方が楽しそう。

次にまた来る機会があればこちらから遡行してみたいが今回は時間もなく割愛。

猪谷の方へ進むと小滝が連続し、やがて水量が少なくなって遡行終了となった。

谷を詰めて源流まで歩くが、地蔵峠まで歩こうと思っていたら少し詰めすぎて、峠を行き過ぎたところで谷の右岸の稜線にある登山道に合流。

怪我もなく、無事に遡行終了出来てよかった。皆様のおかげです。

少し休憩して、しっかりしたブルドーザーの作業道を、時間も遅いので少し早歩きで車まで戻った。

車のデポ地まで戻ったのが18時10分。

出発が遅かったとはいえ、けっこう遅くなってしまった。

去年の人数で下手に奥まで行っていたら、ヘッドランプで下山となっていたところかもしれない。(それはそれで、思い出深くなって面白かったかもしれないけど。)

 

  

【57期 藤井康司】

今日はほぼ一年ぶりの沢登り。昨年途中撤退した比良猪谷だ。前回は渓相の暗さに何か邪悪なものを感じたが、今日は梅雨晴れに緑が映え気分上々、同行のみなさんとの話もはずんだ。渓は、広狭と中小滝が間断なく連続し、飽きることはない。沢やバリエーションの自然の内奥に入っていく感じが好きだったのだが、今日は登攀自体も楽しめた。ありがとうございました。(ロープで安全確保してもらい、随所でお助け紐を出してもらったお陰です。)

 

【感想】57期 織田直子
とうとうこの日が来ました。一年前、この沢で骨折して以来の沢登
また来年リベンジしましょうの言葉を励みにリハビリ通い。リベンジする機会を作って下さったリーダー本当にありがとうございます。皆さんの足を引っ張ったらどうしようと思って参加してましたが、今回無理やったら来年あると思って無理しないようにとお言葉を頂いて心が軽くなりました。
沢登は登攀苦手な私にとっては全身運動、普段しないような格好して筋肉痛になりますが楽しいです。お助け紐に頼りっぱなしで登ったとは言えないですし、カロリーも消費してないですが、通過しているだけで達成感がありました。
今回、TSさんがトップを何度かされてるのを見て何度も凄いなーと思いました。TSさんがまだクライミングジムに通われる以前、雨が降る中でご一緒したことを思い出しますとTSさんのストイックさに脱帽です。次は藤井さんでしょうか?
リーダーがいないと登攀できない沢登でしたが、TWさまはじめご一緒して下さった皆様のタフさを改めて感じ、いつもながら沢山助けて頂いていることに感謝しています。またどうぞ宜しくお願い致します。
最後になりましたが、疲れている中、運転して下さった土井さん、TSさん本当にありがとうございました。

 

【感想】57期 TW

昨年、自分の力では全く歯が立たなかった猪谷。前日が雨だったため、ドボドボで暗―いゴルジュを寒さに震えながら歩くのか…と覚悟をしていたのですが、 当日は穏やかな青空。谷は明るく、ヌメヌメもなく、ゴルジュに差し込んでくる光が新緑を輝かせている景色がとても綺麗な良い沢でした。悪沢と言われているけど、来てみないと分からないものだなぁ、とつくづく思いました。そして何より、昨年と比べて少しは自分で登れるようになった手ごたえを感じられたのが、気持ちを明るくさせました。リードしてくださったATさんやTSさんの一挙手一投足をじっくり見て、そのルートをなぞるようにいくと、自分の力でも登れる事に驚きました。お助け紐やロープを出してもらい、メンバーの皆様からアドバイスを頂き、リードのお二人のおかげで登れたようなものですが、それでもとても嬉しかったです。上手い人は動きに無駄がなく、丁寧に、易しいルートを選びとって登るのだなぁ、と感動しました。

無事に楽しく遡行を終え、リベンジを果たした織田さんとハイタッチをし、とても満ち足りた気持ちになりました。今回も皆さまに助けて頂いてばかりでしたが、やっぱり沢は楽しいなぁと感じた一日でした。鮮やかなリードやお助け紐で何度も助けてくださったATリーダー、感謝しています。ご一緒して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

 

【感想】土井 司

4、5日前の天気予報では時雨れる予報から前日には持ちこたえる予報に変更になる。曇りの中(渓谷であるから空は狭いが)覚えのある川を上っていく。時折さす陽射しに新緑が眩しい。水温は冷たくない。小さな滝が次から次へと現れ、困難な場所はATリーダー、TSさんからのロープを頼りによじ登っていく。ノーロープで登っていく両名には、ただただ尊敬する。途中、巨木に感動し大滝に圧倒され、滝の途中では固まりながらでもなんとか沢を詰めあげた。二年越しでの目標達成である。いずれは自分の力だけでと思うが、還暦を超えた者としては夢のまた夢。皆さんに頼る事を前提に、次はどの沢へいこうかと考えている次第である。

リーダーはじめご同行いただきました皆さん、ありがとうございました。また、お世話してやってください。

 

【感想】52期 秋房伸一

 もっとこぢんまりした藪谷かと想像していましたが、アスレチック感覚満載で、そこそこスケール感もある魅力的な沢でした。

 お助けヒモが大活躍なのも、チーム感があって良かったです。高巻きもせずにすみましたが、これもリードして頂いたお陰です。

 下山も、すごく楽ちんでした。皆さん、ありがとうございました。

 

【53期 辻博史】

小滝が連続する沢との事でしたが、山行前日の雨で水量が多かったのか、思っていた以上に立派な小滝が連続して続く、面白い沢でした。

それぞれ登りごたえがあり、どれもが直登するもので大満足しました。

皆で無事に上り、下山できてよかったです。

ご同行いただきました皆様、ありがとうございました。

 

【感想】TS

梅雨の合間の晴になった。遡行中、時々新緑の間から青空が見えた。

猪谷の距離は短く、渓は大きくないの短時間で終了するだろうと予想していた。しかし、難しい滝もあった。高さは約5~7mでそれほど高くはないが、ホールドが乏しく、進路に岩が覆いかぶさったりしていた。

「リードしてみますか?」とATさんに問われた。心の中で、「そんなん恐いし、落ちたら痛いし、粋がってやらん方がええに決まってる。せやけど、こんな機会はない。恐かったら、途中で止めたらええやん。」と頭の中に字幕が流れた。初めてリードをした。確保無しで登るのは怖かった。疲れた。取り付く前にオブザベーションして、読み通りであったり、無かったり。それが楽しかった。「登った!」という充実感がある。支点の構築を教えてもらって、自分がセットしたロープで後続の人が登ってくる。歩みは遅いが、少し進歩した。私は登攀なんてとんでもないと思っていた。ここまで指導してくれた先輩方に感謝する。

 

 

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