京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

<個人山行>南八ヶ岳縦走

2019年2月9日(土)~2月11日(月) 

【メンバー】

CL中尾諭、高橋秀治、土井司

【行程】

○2月9日(曇り、雪)

 美濃戸口(7:00)→美濃戸山荘(8:00)→赤岳鉱泉(10:20)→行者小屋(11:00)    テント泊 

  *ジョウゴ沢で沢遊び

○2月10日(晴れ)

行者小屋(8:00)→赤岳(10:00)→横岳(12:00)→硫黄岳(13:20)

赤岳鉱泉(14:20)→行者小屋(3:20)     テント泊

○2月11日(曇り)

 行者小屋(7:45)→美濃戸山荘(9:30)→美濃戸口(10:30)

【山行概要】26期 中尾

・若干トレーニング不足のメンバー(筆者)がいるため、全体的に歩くのはゆっくり目の行動となった。

・入山初日は、計画では、阿弥陀岳を北稜からの登頂を予定していたが、山はガスっており、雪も舞ってきたので無理せず登るのをやめ、ジョウゴ沢でトップロープを張り、プチアイスクライミングの体験をして遊んだ。

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・2日目は、今回の山行のメインである縦走。文三郎尾根から赤岳、横岳、硫黄岳を踏み、赤岩の頭から赤岳鉱泉に下る一般ルート。天気が良く、文三郎尾根の登りでは、阿弥陀岳が朝日に当たり、白く輝いているのが印象的。また、赤岳のダイレクト尾根を登るパーティがー何組か寒そうに順番待ちをしているのが見えた。赤岳の登りでは下山者も多く、多少混雑していたが、地蔵尾根の下り口を越えると、人も少なくなった。稜線からの眺めは、南には富士山の頂が雲の上にみえ、南アルプス中央アルプス北アルプス等の白い峰々もきれいに見ることができた。横岳への岩場のトラバースは鎖は出ているが、足場も悪く、高度感もあり、若干緊張気味に進む。硫黄への登りは、強い西風を受けながら進み、爆裂火口を覗き噴火の凄さを感じる。硫黄からはは、赤岩の頭を経由し赤岳鉱泉へ下り降りた。 

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 ・最終日は、美濃戸口への下山のみ。行者小屋から少し下ったところで、大阪府山岳連盟が積雪訓練を行っていたのを、横目に見ながら無事下山。

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【感想】26期 中尾

一昨年、暫く持っていなかった冬靴を購入し、約15年ぶりぐらいに冬の南八ヶ岳に入った。昨年末にインフルエンザにかかり、それから体調を崩し1月に漸く復帰した体で、体力が十分回復していない中での山行となったため、ゆっくりしたペースで登り、パーティーには多少迷惑をかけたあと思います。個人的には、今シーズン初の登山で、久々に、稜線から、北や中央、南アルプスなどの白く輝く峰峰が見渡せる天気の良い日に歩くことができ、しんどいながらも楽しい山行きになりました。

 

【感想】53期 高橋 秀治

3年前に土井さんと厳冬期の赤岳に登り、次回は赤岳から硫黄岳を縦走しようと話していました。また、「富士山と八ヶ岳」の興味深い民話も教えて頂き、尚いっそう縦走して確かめたいと思って、中尾会長を巻き込んで実現できました。

京都を出発直前に、会長より「天候が良くないので中止しようと思う」というメールが来ましたが、「とりあえず行きましょう」と出発。

現地に着いた時には、雪交じりの天候で明日の縦走が出来るのか心配しながら、行者小屋に昼過ぎに到着。その後、阿弥陀北陵を登る計画でしたが、天候等を考慮して「ジョウゴ沢」を見に行こうという事になりました。そして、トップロープを掛けてくれて、プチアイスクライミングを体験することもできました。

翌日の天気予報では、昼頃から晴れるという事で、8時に幕営地を出発しましたが、既にその時には光り輝く阿弥陀岳が微笑んでいました。

また、核心部の横岳を通過する時には、ダイアモンダストで歓迎してくれていましたが、私は緊張のためにそれを楽しむ余裕はありませんでした。

気が付けば快晴の縦走を楽しんで硫黄岳のピークに立っていました。そこから歩いてきた白い稜線を振り返った時に、歩いたからこそ実感できる充実感で涙がこぼれそうになりながら、「これだから冬山はやめられないな!」と再度痛感しました。

中尾会長、土井さんありがとうございました。

そして、硫黄岳の爆裂火口を間近に見た時には、太古の時代は富士山より八ヶ岳が高かったと確信できた山行きでた。

 

【感想】56期 土井司
 今回天候が冴えない予報であった為、験を担ぐ意味も含め諏訪湖SAで仮眠&朝食を取る提案をした。(今シーズン二度、同様の前泊方法で共に素晴らしい天候に恵まれた)
 初日は曇りのち雪であったが、この験がものの見事に的中し縦走本番である二日目の天候は風も弱く快晴となり、且つ前日の雪が一層素晴らしい景色を作り上げていた。 雪を被った樹林の奥に朝日を浴び輝く阿弥陀岳、赤岳頂上からの権現岳とその奥に横たわる南アルプスの山々、これから向う横岳の岩壁、その横岳から見る急峻な赤岳の山容などなど言葉を失う程の景色を目にすることができた。今シーズン3度目の3000m級冬山登山であったがそれを締めるにふさわしい山行となり、帰りの車中では来年の厳冬期山行の山をどこにするかで大いに盛り上がった。

中尾さん、高橋さん、お世話いただきありがとうございました。来年も宜しくお願いします。