京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo. 78 横尾山

令和元年5月25日(土)

 横尾山(785m)は、京都府大阪府に跨る山でこの山域に剣尾山(784m)がある。標高では1m勝るが、知名度では剣尾山が勝る。剣尾山は不動岩に空から利剣が舞い降りたとの伝説があるが、実際に下ったのは横尾山で剣尾山と云う名が横取りされ「よこを」向いたというのが山名の由来らしい。

【メンバー】 山本浩史(単独)

【山  域】 京都府亀岡市大阪府能勢町

【行  程】 桂川4:39=沓掛IC=亀岡IC=5:42冒険の森入口5:52~6:42大平山~7:49峠~8:29横尾山8:44~9:03笠山~9:20剣尾山9:42~9:58冒険の森登山口~10:31冒険の森入口10:42=11:04湯ノ花温泉12:08=13:24桂川

【登山データ】 晴れ 歩行10.2㎞ 4時間39分 延登高869m 延下降869m 4座登頂

 

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5月だというのに異常な暑さで、京都で最高気温34℃が予報された。同行希望者がなかったので、早朝に出発し涼しいうちに歩きたい。能勢町宿野の“冒険の森inのせ”の入口に達したが早朝過ぎて門が閉まっていた。門の手前の木陰に車を置くとすぐ脇に「宿野牛堂 地蔵種子摩崖碑」の案内板がありその傍らの大岩に「地蔵種子」と刻まれていた。嘗て剣尾山にあった月峰寺に係る遺跡らしい。大平山への林道は荒れて最早車の通行は不能。標高510m辺りで林道が180°向きを変える地点から登山道が始まったが谷筋の道で荒れ方が更に酷く踏み跡は見出せず、谷の遡行も樹木の繁茂で不可能、歩けそうな所を選んで登って行った。藪は杉の植林が手入れされず茨交じりの藪となり大変なことになった。30分の激闘で何とか稜線に達することができた。

稜線に乗ると茨の藪からは解放されて比較的歩き易くなったが、壊れた獣除けネットが稜線にあり整備もされていなかった。大平山(658m)に到ると3等三角点「二ノ尾」があり山名プレートが掲げられていた。傍らには「日本トレイルランサーキット協議会」の矢印プレート、こんな誰も歩かない荒れた稜線でトレランの大会やるのか?と帰ってWebで検索してみると何と明日5/26が大会のようだった。コースは府境尾根を東に下って行った。

鞍部に達すると本来登って来る予定の道がある筈だが道形は全く認められなかった。西に進む府境稜線道も決して歩き易くはなく東尾根最高点の680m地点に達すると冒険の森からの道が上がって来て漸く指導標を目にした。少し道らしくなって北上して行くと「天体観測所→」の標識があったり、「第3キャンプ場→」の標識などで下山路が示されP688を越えると東尾根の先端で「摂津丹波國境」と刻まれた石柱があった。明治10年の日付があり140年余り前に設置されたものだった。先端部を90°西に折れて第1キャンプ場に続く道を下っていった。

小ピークを過ぎると広くしっかりした峠道に下り立った。反対側の斜面を少し上がった処に先程と同じ“國境石柱”が立っていた。峠道を少し北に下ると剣尾山への登山道が始まっているがピストンの区間はなるべく少なくしたいので更に下って横尾山東尾根に取付くことにした。軈て谷が拡がりいい雰囲気の湿地帯となった。剣尾山からの谷を横断し東尾根に乗ると赤松の大木がまだらな笹原となり気持ちが良い。剣尾山や笠山の姿が時々全部見えた。

山頂域の先端に乗り上ると電波反射板がありまた“國境石柱”があった。5分程進むと道にジャケットが落ちていた。まだ落したてという感じだったので木に掛けておいた。横尾山山頂に到るとアマチュア無線の親子がアンテナを立てて電波を探していた。もしやと思い「ジャケット落としていませんか?」と聞くと此の子供のもので直ぐにと子供が取りに行った。

山頂には2等三角点「土ヶ畑」が設置され、北側の展望が素晴らしい。2週間前に行った深山が圧倒的な存在感を持って横たわっていた。来た道を引き返すと来るときには見逃していたタニウツギがピンクの花を付けているのを見つけた。“國境石柱”まで引き返し剣尾山への道を下った。登り返すと寄り道の笠山への巻道を探すが道形がない。8年前の関西百名山シリーズで来た時は、それなりに道形があった気がするが今回は全く見いだせなかった。適当にトラバースして鞍部に達した。山頂には小さな標識が掲げられ展望は得られないが明るく広い山頂の雰囲気があった。

剣尾山へと進むと府境尾根と分かれ完全に能勢町域に入った。剣尾山(784m)に到ると山頂域は大岩がゴロゴロし展望が素晴らしい。ただ晴れ続きで遠景は霞が掛かっているのが惜しい。誰も居ない山頂で休憩して冒険の森へと下りだした。本館コースとキャンプ場コースが分かれるので、尾根を行くキャンプ場コースを選んだ。冒険の森もかなり標高があるので山頂から15分程で達した。山村池の東側を歩くと池面に姿を映した剣尾山が素晴らしかった。車道歩きかと思っていたが対岸に遊歩道がありアップダウンもあったが気持ちよく歩くことができた。車を置いた入口の門に到り周回登山を終えた。10:31と暑くなる前に下りて来ることができたが、温泉は外せない。湯の花温泉渓山閣に立ち寄り汗を流して早々に帰宅した。(入浴料金900円)

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写真1: 大平山(658m)山頂

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写真2: 横尾山(785m) 剣尾山山頂付近より

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写真3: 山村池に姿を映す剣尾山(784m)