2021年7月21日(水)夜~24日(日)
【メンバー】CL土井司、SL高橋秀治、橋本満理子、木内真佐子 計4名
【行 程】7月21日(水)晴れ 京都JR桂川駅21:00 ― 24:30道の駅ななもり清見(仮眠)
22日(木)快晴、夕方一時雨 道の駅ななもり清見5:00 ― 6:00あかんだな駐車場 ― 上高地7:00 ~ 8:00明神 ~ 9:00徳沢園 ~ 10:00横尾 ~ 11:30本谷橋 ~ 13:45涸沢(幕営)
23日(金)快晴、夕方一時雨 涸沢4:30 ~ 6:00北穂南陵取付 ~ 7:30北穂高岳8:15 ~ 9:45涸沢のコル ~ 11:00涸沢岳 ~ 11:15穂高岳山荘11:50 ~ 12:15奥穂高岳12:30 ~ 13:00穂高岳山荘 ~(ザイテングラート) 15:00涸沢(幕営)
24日(土)快晴 涸沢6:00 ~ 7:15本谷橋 ~ 8:20横尾 ~ 9:30徳沢園 ~10:30明神~ 11:30上高地 ―12:15あかんだな駐車場 ―(入浴・食事)19:00京都
【記録と感想】56期 土井司
従来からの念願であった北穂高岳~涸沢岳を歩きたく例会を企画した。2年前テント装備でこの間を抜けようとしたのだが、北穂高へ登る際南陵取付きで両足がつってしまい断念。今回は涸沢にテントを張り軽量装備にしてリベンジした。
22日(木)
いつも通り「あかんだな駐車場」に車を停め上高地行きのバスに乗車しようとしていたところ、タクシーの運転手さんが特別料金の5,300円にて行くと売込みにきたのでそれに乗っかり上高地に到着する。コロナ禍で早朝にもかかわらずたくさんの人にビックリ(自分たちもその中の人ではあるが)。靴ひもを締めなおしてまずは明神へ向け出発。途中、河童橋から岳沢・奥穂高がきれいに見えておりパシャリ。帰りはガスっている恐れがあるので先に写真に収めておく。河童橋から先は幾分か人が減ったのでマスクを外し歩くことにする。
雲一つなく素晴らしい山々を見ながら明神・徳沢を過ぎ横尾に到着する。橋本さんは上高地より先、高橋さんは徳沢から先は初めてということで素晴らしい景色が両名を迎えてくれていた。
横尾に着く手前でなんと梅村さんと出会う。表銀座・槍に行ってきてこの日は松本に泊まり、その後笹ヶ峰から火打岳へ向かうという。この日が4日目ということであり、さすがに少しやつれて見える。お互いに登山の無事を声掛けし別れる。
横尾の先から登山道に入り、本谷橋から先が本格的な登山道が始まり急登になる。小刻みに休みながら涸沢へと向かう。最後の休憩後橋本さんが先頭に歩いたのだが、早い!おいて行かれそうになりついていくのに必死であった。涸沢ヒュッテに到着して即ビールを飲みたかったが、グッと我慢してテント場の確保をおこない設営してから穂高連峰を眺めながら乾杯した。
23日(金)
昼過ぎから雨の予報であったので予定より早出にした。北穂高への上りは急登で始まる。今回の装備は日帰りで軽量であるがそれでも結構きつい。2年前はここを炎天下にテント装備で登ったのであるが、今から思うとよくそんな計画を立てたものだと思う。途中休憩しながら1時間半程で南陵取付きの下に着く。気持ちを整え鎖とハシゴを継いで南稜に取り付く。ここから先は岩稜をジグザグに登っていく。左には涸沢カール、右にはゴジラの背(北穂東陵)を見ながら高度を上げていく。いつかはゴジラの背を通って北穂高小屋にたどり着きたいと思っていたが、それはもう体力的に無理であることを今回南稜を登っていて実感した。さらに1時間半程登りようやく北穂高岳に到着する。槍ヶ岳や常念岳、滝谷、遠くは鷲羽岳等など素晴らしい景色が360度に広がっており、辛かった登りを忘れさせてくれた。北穂高小屋に下りここでゆっくり休憩する。
小屋のテラスで槍ヶ岳や大キレットを眺めながら注文したコーヒー(インスタントではありません)を味わった。このシチュエーションでのコーヒーは最高に美味しかった。たっぷり休憩した後、今回のメインである涸沢岳への縦走路へ向かった。
南稜の分岐を右に登る。一旦少し登りすぐ切れ落ちた岩場を下る。数百メートル切れ落ちた光景がいやでも目に入る。反対側からやってくる人とのすれ違いもギリギリの場所を選びやっとのことで交差する。緊張感が高まる。
細かいアップダウンを繰り返し少し広めのところで休憩。ようやく緊張感を緩められた。しかし涸沢岳まではまだ半分強残っている。涸沢のコルを過ぎると鎖とハシゴが連続する250m程の登り一辺倒。滝谷ドーム近辺程の緊張感はないが油断はできない。長く急な斜面を登りきりようやく涸沢岳に到着。山頂での休憩はそこそこにして穂高岳山荘に下る。ここで高橋さんと橋本さんを残し木内さんと二人で奥穂高岳へ向かう。山荘での休憩中にガスが湧き奥穂高岳に着いた時には周囲は何も見えなくなってしまった。早々にお二人が待つ山荘に戻り、雨が降りだしそうだったのですぐに涸沢へと降りることにした。
ザイテングラートを下っている途中で雨が降り出したが、大雨には遭わずに何とか涸沢小屋にたどり着いた。ここで生ビールを注文し小屋のテラスで乾杯しようとしていたら、一気に雨が強まり結局立ち飲みになってしまい1時間近くの雨宿りを余儀なくされた。
24日(土)
最終日の朝も良く晴れて雲一つない天気であった。この日は下るだけであったのでゆっくり寝ていられたが、涸沢周囲のモルゲンロートを見るため早起きした。待つこと約30分、常念岳方面が明るくなってきた、奥穂高岳から色づいてきて涸沢岳、北穂高岳、昨日歩いた稜線も赤く染まってきた。徐々に色が濃くなりまさに「山が燃える!」そのような表現がぴったしな情景となった。素晴らしい!その後朝食をとり、テントを片付け、後ろ髪をひかれながら涸沢を去った。希望としてはパノラマコースを通って下山したかったのだが、残雪が多く通行止めになっていたのでやむなく登ってきた道を下った。
今回は夕立はあったが天気もよく、念願の北穂・涸沢岳間踏破、涸沢でのモルゲンロート眺望と願っていたことが叶えられ、更にご一緒いただいた皆さんのおかげでより素晴らしい山行となりました。高橋さんのすき焼き、木内さんの肉味噌麻婆豆腐、橋本さんのコーヒー等などどれも大変美味しゅうございました。また、どこかの山でご一緒できればと思っております。ありがとうございました。
【感想】53期 高橋秀治
上高地から延々と歩き、やっと涸沢に到着。お決まりのテラスで乾杯。そこから見える壮大な風景にさらに乾杯。何杯も飲んでしまいしそうな気分になる。そして、すき焼きに日本酒で何度目かの乾杯。ここがどこかを忘れてしまいそうになるが、上を見上げると暮れていく岩壁の稜線を眺めて酔いが醒める。
今まで何故ここを訪れる事がなかったのか不思議な気分で翌朝を迎えた。いきなりの急登を登り、北穂高岳に到着した頃にはへとへとになる。これからの岩稜歩きを考えるとこれ以上は無理をしない方が良いのかと自問自答をする。しかし、北穂高岳小屋のテラスで大キレットから上がって来られた女性パーティの高揚感を横で感じ、進む事を決めた。このルートは最近でこそ鎖等が整備され一般ルートになっているとの事であるが、緊張の連続である。しかし、飛騨側の切れ落ちた高度感で気分は高揚してくる。だから達成した時に癖になる。
やっと涸沢岳に到着。今度はヘロヘロである。翌日もボッカして上高地まで降りる事を考えて穂高山荘テラスでまったりとした時間を過ごす。ザイテングラードを通過する途中から雨が降り出し鎖をつかむと滑る。無事小屋に到着して、テラスで乾杯をしようとしたら、どしゃぶりの雨。軒先で雨宿りしながら立ち飲み。ようやく小止みになりなりテン場にもどり、今夜は肉味噌麻婆春雨で歩いた稜線に乾杯。
今回、何回乾杯したかはわからないが、土井リーダーをはじめ、メンバーの皆さんや天候にも恵まれ、さらに適度な緊張の連続等の素晴らしい山行きとなり、ありがとうございました。
最後になりますが、北穂高小屋に泊り、大キレットを進み槍まで縦走する事や、残雪期の奥穂高岳登山の妄想に乾杯です。
【感想】64期 木内真佐子
涸沢には何度か行っているもののそこから上に登ったことがなく、去年はコロナでなかなか計画出来ず行けそうになったら雪が降ってしまい、今年こそは!と思っていたら例会でこの山行があり、願ってもないチャンスとばかりにすぐにリーダーの土井さんにコンタクトし参加させていただきました。
連休初日は涸沢でテント泊、夕食は高橋さんに用意していただいたすき焼きに舌鼓を打ちました。予報通り夕立があり急に寒くなりました。テントは初対面の橋本さんと一緒でしたが、緊張感もなく疲れからすぐに寝てしまいました。
翌朝は4時半に出発し長い一日でした。北穂高岳山頂からは360°の絶景を堪能出来ました。高所が苦手なため北穂から涸沢岳への難所をYouTubeで予習してビビっていましたが、先頭の高橋さんについて行き、最後尾には土井さんがいるので落ち着いて進むことが出来ました。コルまで激下ってから何度も偽ピークに騙されて涸沢岳に着かないのが辛かったです。
穂高岳山荘に到着する頃には雲も多くなり、休憩してるとガスが沸いて来たので、土井さんについて奥穂高岳ピストンしました。山頂ではガスガスで真っ白でしたが、来れたことに感謝して手を合わせました。雨がポツリポツリと降り出す中、疲れた足でザイデングラードから慎重に下山しました。夜は高橋さんから司令のあった肉味噌を作ってきたので麻婆春雨にして食べました。翌朝は天気もよく観光客でいっぱいの上高地経由で無事帰途に着きました。
土井さん、高橋さん、橋本さん、3日間ありがとうございました!
【感想】57期 橋本満里子
憧れの穂高。ここまでの岩稜歩きの経験もなく不安しかありませんでしたが、当日は天候にも恵まれとても充実した山行となりました。
北穂高への登りはきつく、相当ばててしまいましたが山頂からの絶景で少し回復。まだこの先長しです。気を引き締め直して出立。でも、体辛いなぁ・・・。
事前に、北穂高から涸沢岳のルートは気を抜けないこと、その時間も比較的長いことを聞いており常に「こう言う時の全集中!」と言い聞かせ、安全第一で挑みました(ものすごく腰が引けてましたけど)。おかげで?目前の壁、行く先 上方のルートを見るのに必死で自分の背面がどうなっているのか考えにも及ばず(正確には少しは気になりましたけど)。何よりも、先輩方より的確なご指導をいただき、恐怖心にとらわれることなく安全に進めたと思います。後に写真を見て、怖さ倍増です。
涸沢岳終盤のハシゴからのクサリ場で、前を行く方々がハシゴを上がり、その後姿が消えていくのが不思議で下からぼんやり眺めておりましたが、自分が行ってみて納得。ハシゴの終わりからクサリ場が後ろにまわり込んでいる・・・。そんなのありか?! と一瞬、笑えてしまいました。涸沢岳山頂に着いたことにも気付かない疲弊ぶりでしたが、少しほっとした山頂到着でした。
今回は、若干の山酔いでテン場に着いてからずっと具合が悪くとうとう奥穂高への登頂はあきらめざるを得ませんでした。無念ですが、自分の準備不足!帰宅後、みなさんの写真を拝見して「絶対 奥穂高いくぞぉ~!!!」と既に意気込んでいる始末です。夕飯の共同食も多くは食せませんでしたが、絶品。準備していただき本当にありがとうございました。
3日間、ご一緒させていただき素晴らしい経験をさせていただいたこと感謝しております。また、いつもあたたかく見守ってくださっている会のみなさまへも感謝しております。本当にありがとうございます。