京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.7・8 磯砂山・高竜寺ヶ岳

平成28年11月3日(木)

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写真1: 磯砂山(661m)山頂にて

 

最古の羽衣伝説の山、磯砂山(661m)京丹後市にある。天女が舞い降りたと云う女池から丹後・但馬の国境稜線を歩き高竜寺ヶ岳(697m)へと縦走し豊岡市但東町の高竜寺集落に下山した。

 

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【メンバー】 山本浩史L(車)、土井司、崎山康治(車)、Sさん 4

【行  程】 京都7:00=沓掛IC=(京都縦貫道)=与謝天橋立IC8:53産魂神社9:009:27磯砂林道終点9:4410:20磯砂山10:3810:53女池~12:24大成峠~14:35尉ヶ畑峠14:4115:09高竜寺ヶ岳15:2116:02産魂神社16:1316:20たんたん温泉17:2717:58磯砂林道終点18:00=京丹後大宮IC=(京都縦貫道)=沓掛IC19:53京都

【登山データ】 曇り時々晴一時俄雨 歩行12.2 6時間18 延登高1,158m 延下降1,327m 2座登頂

 

京都縦貫道由良川PAで園部から来た崎山さんと合流した。縦貫道は4日前に京丹後大宮ICまで1区間延伸された。帰りに新区間も利用する予定だが従来の終点与謝天橋立ICで下りた。京都市の天気予報は晴れだったが、寒気が入り丹後は冬の気候となった。R312を走っていると俄雨となり激しくフロントガラスを打ち付けた。どうなることかと心配しながら府道の岩谷峠を越えて豊岡市但東町に入ると路面が乾き全く違う気候に驚きを感じた。高竜寺集落の最奥、産魂神社前の登山者駐車場に崎山車をデポし、山本車で磯砂林道終点の登山口に移動した。

磯砂山は京丹後市峰山町樽留の大成からの林道に入り羽衣茶屋を越えた林道の終点から登るのが一般的だが今回はピストンとなるのを避けて磯砂林道終点から磯砂山北西尾根を登ることにした。登山準備を整えているとまた雨が降り出し雨具を着てSさんを先頭に歩きだした。登山道はないが微かな踏み跡があり30分足らずで磯砂山西稜線の展望地に達した。磯砂山(661m)が間近に迫り10分弱で山頂に達した。雨が止み晴れ間が現れ開かれた山頂からは360°の展望が得られた。展望櫓があり固定の双眼鏡が備えられていた。「日本最古の羽衣伝説発祥の地」の碑があり、北畠親房の著した「元元集(げんげんしゅう・1337年)」に「丹後国比治の山(磯砂山)の山頂付近にある真井(まない・女池)に天女八人が降り来り水を浴びた。和奈佐(わなさ)という翁が天女の衣を隠し、連れて帰った。10年余り後、家を追われた天女は竹野郡舟木の里で亡くなり、里人が奈具社に祀った。これが伊勢外宮の豊受大神であると記されことによる。

山頂を後にしメジャー登山道を南に下ると完全に整備された道は丸太階段で「山頂まであと〇段」の表示が屡々現れた。峠に達すると登山口への道が右に分岐し、尾根を登り返すと200mで女池に達した。此処が天女の舞い降りたとされている池だが最早水浴びができるようなものではなく単なる水溜りと化していた。女池を過ぎると最早登山道は無くなり、地図とコンパスを頼りに稜線を進んだ。やがて丹後・但馬国境稜線に達し西へと進路を変えた。標高500m570mの稜線を進むが細かくアップダウンを繰り返す。幸いなことに下草は殆ど無く藪漕ぎの必要はなかった。

P546に達し昼食休憩を取った。西斜面を下ると鹿除けネットが張られ南側が伐採され赤松が斑に残っていた。フェンス越しに大江山や東床尾山等が望めた。国境稜線の先に見える高竜寺ヶ岳はまだまだ先に横たわっていた。130m余り標高を下げると大成峠(415m)で嘗ては丹後の大成集落と但馬の中藤集落を往来されていたようで古道の面影を留めていた。

大成峠からの登り返しは幾つも小ピークが続き、名のある目標物もなく只管歩き続けた。稜線道は上下だけでなく複雑な屈折を繰り返し、ルートファインディングは気を抜くことができない。藪漕ぎのストレスがないので読図に集中でき楽しく歩くことができた。国道482号線のたんたんトンネルの真上辺りで林道に飛び出した。2.5万図には描かれていないが丹後側から整備された林道が合流し道なしエリアから解放された。

林道を歩き尉ヶ畑峠(473m)に到るとたんたんトンネル北側入口からの整備された登山道が合流し一般登山道となった。峠で小休止を取って高竜寺ヶ岳への登りに掛かるが、林道は大きく南側を巻いているので山本だけがP491のピークを通り短絡した。標高差は200mあり高竜寺ヶ岳(697m)に達した。山頂からの展望は良く依遅ヶ尾山や東床尾山、真南にある東里ヶ岳(664m)は存在感を持って接近した。当初の計画では下山が17時になる予定だったが1時間短縮できたので暫く景色を楽しんだ。

下山は高竜寺集落最奥の産魂神社に向けて南西尾根を下った。次のピークから90°折れ曲がり南南東に続く尾根を下った。林道終点の登山口に達し後の500mは林道歩きで崎山車をデポした地点に到着した。産魂神社は20m石段を上った所にあるのでパスし駐車場前にある神社とお地蔵様の祠に無事の下山を報告した。崎山車に乗込み先ずはたんたん温泉福寿の湯に立ち寄った。小規模な温泉ながら露天風呂とサウナも備わり満足度は高かった。しかも崎山さんとSさんの持っていたJAF会員証で100円割引になり全員500円で入浴することができた。夕食を済ませ磯砂林道終点で山本車をピックアップし帰京の途に就いた。

 

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写真2: 高竜寺ヶ岳(697m)への府県境尾根と、左後方に東里ヶ岳(664m)

 

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写真3: 高竜寺ヶ岳(697m)山頂