京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.35 鍋谷山

平成291119()

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冬型の気圧配置が強まり真冬並みの寒気が入り京都北山に初雪を齎した。標高800m以上で1㎝程の積雪があり、早すぎる雪山を楽しんだ。今回のルートは湯槽山南尾根を登り、湯槽山、井ノ口山、鍋谷山を登り、片波川と西谷の間の尾根を下った。

 

【メンバー】 山本浩史L(車)、加藤一子

【山  域】 京都府京都市左京区右京区

【行  程】 京都駅6:337:42今峠橋7:558:42 P704 9:03 P6759:43湯槽山~10:09ナベ谷峠~10:35 P69311:22井ノ口山~11:37鍋谷山11:5412:54区境尾根分岐~13:32一の峰~13:37二の峰~14:23西谷出合~15:08今峠橋15:2016:54京都駅

【登山データ】 天候:霙 歩行 15.1 7時間13 延登高 1,141m 延下降 1,141m  4

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前日の二つ玉低気圧は急速に発達し冬型気圧配置が強まった。京都府北部は曇時々雨70%の降水確率とだった。花脊大布施町に着くと鉛色の空から霙が降ってきた。国道477号線の平成22年に付け替えられた大布施トンネルに続く今峠橋の袂に車を置いた。湯槽山南尾根に取り付こうと登路を探して北に回り込むと地図を見てある筈と確信していた送電巡視路があり問題なく稜線に取付くことができた。一本目の送電鉄塔から上空を送電線が通る稜線を進み2本目の鉄塔に到った。巡視路は北に巻くように逃げて並行するもう一本の送電線の方に行ってしまった。

稜線通しに進んで行くと再び巡視路が合流し主稜線に乗り上った。縦走路の反対の南東側に送電鉄塔P704があるので立ち寄って見ると木に巻かれたトラテープにマジックで「P704」と書かれたものだけがあった。此の標高で薄らと積雪が見られ周辺の山は真っ白だった。送電巡視路を辿り2本目の鉄塔に到ると巡視路は途切れた。西から区境分界の尾根が上がってきた。今ではどちらも京都市だが、南側は元愛宕郡花脊村で昭和244左京区に併合された。北側は北桑田郡黒田村で京北町を経て平成174右京区となった。何れも京都の山深い限界集落だ。

区境尾根に乗ると直ぐP675に到り、探してみると「P675」と書かれた小さなプレートがあった。これは友人によるとピークハンターさんのプレートだそうな。湯槽山に向けて北に進むと右側から大布施から発する丹波広域基幹林道が迫ってきて稜線に達してしまった。左側は鎌倉谷の源頭に当たり土が盛られて人の手が入っているが何を意図しての工事が理解できない。ゲートまで設けられその横から入って急斜面を這い登り稜線に戻った。登り返しは150m程あり左に回り込むようにして湯槽山(ゆぶねやま763m)に到った。2.5万図には湯槽山とあるが現地には別名である片波山の標識が2枚掲げられ湯槽山の表示はなかった。3等三角点は「大布施」で地域名が使われていた。樹林帯で展望は得られなかった。

ナベ谷峠への下りは、180m程の標高差で略一貫して下る。此の山域は杉の巨木が多く、嘗て手を加えられた台杉も多くみられ味わい深い。ナベ谷峠(580m)は、2.5万図では林道は脇に付けられているが林道から分岐する新たな支線が付けられ峠を横断していた。斜面が削られ稜線への取り付きがない。支線の一部が山を登って行くようなので暫く林道を歩き取り付ける所を見つけ這い上がったが恐ろしく急でしかも枝打ちされた枝がダムのように壁になり大きく迂回して乗り上ってみると何とさっきの林道がすぐ上を通っていた。

稜線通しでも行けそうだったが楽な林道も登って行けそうなので林道を歩くことにした。達しており大きく迂回して結局P693の直下まで戻ってきたので結果尾根通しに登った方が早かったようだ。そんなこんなでP693に達すると此処もトラテープに「P693」マジックで書かれていた。山頂域から北に下ると再び林道に下り立ってしまった。林道支線が分岐し休憩していると車が1台、単車が数台通過して行った。車の男性は「熊が冬眠に入る前だから気を付けて」と窓を開け助言してくれた。一般車通行止めのこの林道にどうして単車の軍団が入ってきたのだろう? 不思議だ。

井ノ口山南尾根に取付くと木の杭にロープで柵が設えられ稜線沿いに続いていた。稜線にも台杉群が見られ迫力があり楽しみながら登ることができた。登り返しは200m余りあり山頂域に乗り上ると柵は東の尾根に行ってしまい井ノ口山(849m)に達した。樹林帯で山頂展望は得られないが、積雪が1㎝程あり、最早冬山の様相だった。更に稜線を西に進み今日のメインの鍋谷山(859m)に到着。此処も展望はなく昼食休憩にしたが寒いので15分余りで出発した。

以前衣懸峠から歩いているので知った道と気を抜いたのが運の尽きで北尾根に入り込んでしまい林道の断崖に到り下りることができなくなった。登り返して東側の谷から辛うじて林道に下りると山側の斜面は断崖絶壁でどこにも取付くことはできない。暫く林道を歩いていると取付けそうな谷に差し掛かり急斜面を這い上った。区境尾根分岐のピークに乗り上ると進路は南に変わる。倒木やエゾユズリハが邪魔して歩き辛い。2.5万図の登山道は谷の中を進んでいるが一本西の尾根を下ってしまったようだ。東側の尾根が大きくなってきて間違いに気付きトラバースして稜線に乗るとすぐ東側に林道が走っていた。

そのまま林道に下り西谷から片波川沿いの林道を歩き、殆ど住む人のいなくなった京北片波町の里を通り今峠橋に戻った。

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