京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉《山紀行927》 京都百名山シリーズNo.36・37 桑谷山・大悲山

平成29129()

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写真1: 桑谷山山頂にて

 

前日の雨は、北山では雪だった。府道38号線で花脊峠を越えるとシャーベット状の雪が積もっていた。広河原杓子屋町から桑谷山(925m)に登り、大悲山(741m)に縦走し花脊原地町に下り周回した。

 

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【メンバー】 山本浩史L(車)、藤井康司

【山  域】 京都府京都市左京区

【行  程】 桂川駅7:047:42花園橋8:008:57原地町駐車地点9:079:24広河原杓子屋~11:17桑谷山11:4111:58桑谷山東峰~12:54蔵王権現13:11大悲山~13:23蔵王権現14:25花脊原地町~14:25原地町駐車地点14:3015:15宝ヶ池=16:34桂川駅

【登山データ】 曇り 歩行10.5 5時間18 延登高798m 延下降798m 3座登頂

  

車を止めようと目論んでいた天照皇天神宮の前は人家が近く憚られるので少し戻って原地町の山端に止めた。府道38号線を1.6㎞歩き広河原杓子屋町から林道に入った。杓子屋町は此の山間部に不似合いの集合住宅があり子供たちの声が聞こえていた。桑谷山南西尾根の途中から西に派生する枝尾根は地形図には林道が描かれ標高500m位まで上がり東の谷に分かれて行く。実際歩いてみると地図の林道とは別に尾根に絡みつくように新しい林道が上がっていた。何処に行くのか分からないので林道に惑わされず、藤井さんを先頭に山屋らしく忠実に道のない稜線を歩いた。稜線を登って行くと右手の下に林道が見え稜線を横切った。更に進むとまた横切り遂にP756直下まで到り北側へと離れて行った。下りの場面なら最初からこの林道を歩いたことだろう。

P756を過ぎると林道とは無縁の稜線となった。昨日市内で降っていた雨はこの地では雪で積雪が徐々に増してきた。曇り空で雪解けもなく木に積もった雪はそのままで、道なき稜線で雪塗れになりながら進んで行った。桂川の支流の谷(名前は分からない)の源頭を弧を描いて歩き北側から桑谷山南西尾根に合流した。倒木や樹林の濃い処もあったがそれほど問題はない。一部岩場や大杉もあり中々登り甲斐のある尾根だった。林道の入口から2時間弱で桑谷山(925m)に到り昼食にした。山頂には3等三角点「長戸」があり雪を頭に載せひっそりしていた。樹林帯で展望はなく暖かいコーヒーが癒してくれた。山頂部の積雪は5㎝程あった。

桑谷山は双耳峰で東峰は等高線から標高は930mと読み取れるので本峰の西峰より高い。こちらは木に巻き付けられたテープに「東峰」と書かれただけの寂しさで「←西峰」の指導標の方が立派だった。木の間から少し展望は得られそうだが雲の中で何も見えなかった。桑谷山からは登山道があり格段に歩き易くなった。南に進路を変えると稜線を斜めに横切る2組の送電線があり開けているが此処も雲の中で見通しが利かなかった。登山地図に描かれた桑谷への下山路がある筈だが指導標もなく今一分からなかった。稜線には雪を被った台杉が聳え立ち北山を満喫できた。

次の目標は大悲山(741m)、今日のコースから少し飛び出している。分岐点を気にしながら歩いていたが何時しか祠が現れた。此れは蔵王権現! 何時しか分岐を通り過ぎてしまったようだ。今日の目的の山の一つであるのですっ飛ばす訳にはいかないので改めてコンパスを合せ直して引き返したがやはり分岐が分からない。樹林が深く見通すこともできないのでまた行き過ぎてしまいGPSで確認して最高所から分岐した。以前来たときは反対から来たので問題はなかったが藪の中道もなく一旦鞍部に下りて大悲山に到った。これぞ大悲惨と云うべきか! 山頂の展望はないが真新しい赤い山頂標識が迎えてくれた。

此の山の南中腹にある大悲山峰定寺は久寿元年(1154)鳥羽上皇勅願により観空西念が創建した修験道のお寺で大和の大峰山と並び北の大峰と呼ばれる程の勢力があった。14世紀以降衰退し1718世紀に再興されたと云う。山中には鐘掛岩、蟻の門渡りなどと称する行場があるそうだが一般人の立ち入りはできない。蔵王権現の先に進もうとすると岩場があり傍らに小さな祠が断崖に向いて建っていた。蔵王権現も含めて峰定寺の行場の一部かもしれない。

下山は大悲山西尾根を下り原地町の寺谷川と桑谷の出会う辺りへの下山を目論んだ。登山道はなく尾根を稜線伝いに下ったが2つ目の曲がり角で少し大回りをしてしてしまった。桑谷山東峰の南で潜った送電線が再び上空に現れ南西方向を見ると湯槽山(763m)P756を伴って姿を現した。北に見える筈の桑谷山は雲の中に隠れていた。真西に向かう心算だったが送電線沿いに送電巡視路と思われる踏み跡があり辿って行った。

集落に達し林道に出ようとすると鹿ネットが張られ出られないので仕方なく民家の敷地に入って行った。無住の屋敷で入口もネットだったが緩くなっていたので跨いで乗り越えた。大悲山口のバス停から府道を歩き駐車地点に戻り周回縦走を終えた。

 

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写真2: 北山の代表的風景である台杉 桑谷山南尾根にて

 

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写真3: 大悲山西尾根からり湯槽山(763m)P756を伴って望めた。