【日程】2007年5月12日(土)~13日(日)
【参加者】計9名
【天候】12日 晴れ、13日 曇りのち晴れ
【記録】
〈12日〉7:09JR京都駅=7:53JR近江八幡駅=近江鉄道八日市駅=八日市バス停=永源寺バス停=タクシー=君ケ畑=10:30登山口=12:20茨川(昼食休憩25分)=14:55三筋滝=18:00テント場(真ノ谷)
〈13日〉7:40テント場=8:00白瀬峠分岐=8:35白瀬峠=9:10頭陀ケ平=9:55天狗岩=10:20藤原山荘(30分休憩)=11:05藤原岳=11:25藤原山荘=12:10八合目(昼食休憩30分)=12:50六合目=13:05五合目=13:15四合目=13:40三合目=13:50大貝戸道登山口=14:20三岐鉄道西藤原駅=JR富田駅=19:30JR京都駅解散
藤原岳は以前から行きたい山の一つだったが,日帰りで行くには少し遠いということもあって未踏破の山だった。そんなことで迷わず今回の参加を決め、当日を迎えた。12日の朝は気持ちの良い快晴の朝。この好天が続くよう祈りつつ、家を出た。
JR京都駅に着くと、なぜかY本浩史さんの姿が。13日は用事があるため、途中まで一緒に歩き、日帰りで帰宅するという。そして、Sさんが遅れてくるとのこと。体験で来られたO野さんを含め、計8名で出発。電車を乗り換え、バス停でバスを待っていたら、Sさん登場。本人曰く、バス停での待ち時間を考慮して、遅めに出たとのことだった。計9名となり、バス、タクシーと乗り継いで、登山口へ。登山口から茨川までは比較的緩やかな勾配の林の中を歩く。土倉岳につながるノタノ坂でY本浩史さんとお別れ。我々はそのまま真っ直ぐ茨川を目指して歩く。広い河原に着いたと思ったら、そこが茨川。昼食休憩を取った後,沢沿いに進む。沢がくねくねと曲がっているので、右に左に徒渉しなければなかったものの、気候がよかったこともあり、楽しみながら、足を進めることができた。そして、大本命の三筋滝の横の高巻きの道。上から垂らしてあるロープを頼りに、一人ずつ登る。ずるずるの土の急斜面でありながらも、全員完登。そのあとも引き続き沢沿いの道を進み、本日の幕営地である白瀬峠分岐を目指していたが、「暗くなる前にテントを張ろう」とのリーダーの指示で、テントを立てた。夕食は、ハヤシライス。大変美味で、メンバー全員からの絶賛の嵐。我がパーティ以外人がいないこともあって、お酒の入った皆さんは絶好調。お酒が飲めない私は、槍ヶ岳Ⅱテントで先に就寝。
6時起床とのことだったが、5時頃人の気配がして目が覚めた。何と隣の鳥海山テントは傾斜がきつい所に立っていたようで、傾斜の下のほうで寝ていたN彦さんやTさんは圧迫されたため、よく眠れなかったらしい。私はといえば、昨晩寝るとき、右目に痛みを感じていたのだが、よく見ると、はれあがっている。夕食の支度をしているときに、どうも虫に刺されたようだ。にゅうめんの朝食の後,白瀬峠分岐を経て、白瀬峠へ。頭陀ケ平付近は鉄塔があって、風も強いところだった。そして、視界良好なら麓の町も良く見えるはずなのに、ガスが上がっていて、残念。途中、荷物をデポして天狗岩へ。絶景を楽しんだ後、避難小屋藤原山荘に到着。藤原岳頂上は展望が開ける気持ちのよい場所だった。記念撮影も済んで、藤原山荘に戻り、よく整備された歩きやすい大貝戸道を下っていき、2日間の山歩きを無事終了した。
最後に、同行してくださった皆様には大変お世話になりました。今回の山行はコース設定も変化に富んでいてよかったし、珍しい花も見られたし、食事もよかったし、大変楽しかったです。ただ、虫刺されで皆さんに余計な心配をかけたようで、申し訳なかったです。これに懲りず、またご一緒できれば幸いです。
【感想】48期 T.Y.
今回の合宿は、茨川の徒渉や三筋滝の横の高巻きの道など、変化に富んだコースで、同じ山でも登山ルートによって、いろんな表情をみせるものだと実感しました。藤原岳の印象は、新緑のせいかとても明るい落葉樹林帯の山だと思います。山行途中、花の師であるN彦さんにチャルメルソウやルイヨウボタン等の固有種を教わり、鳥の師であるTさんには、鳴き声による鳥の名前を教わり、さながら自然観察隊のようでとても楽しかったです。それと、図鑑でしか見た事がなかったシロヤシオの木にも出会う事ができて、少し感動しました。そして2日間楽しく過ごすことができ、メンバーの皆様に感謝します。ありがとうございました。
【感想】Y.S.
藤原岳の例会は、最高に楽しい例会でした。
夕食は美味しいし、夕食後のひと時も楽しく、心の底から笑いました。
平坦な山歩きと想像していたら、結構きつい行程でした、がみんな結構タフでしたね。
花の解説色々ありましたが、ほとんど覚えていません。
が、バイケイソウに毒があると言う事は覚えました。
腹が減っても食わんようにします。
【感想】体験山行 J.O.
初めての体験山行は、これまでの貧弱な山登り経験とは比べものにならないほど面白く楽しく、生涯忘れられない山行となりそうです。道無き道を行く・・・子どもの頃のワクワクした冒険気分を久々に味わいました。また、藤原岳のブナの林は息を呑むほど美しく、苦労して登った甲斐がありました!そして何より、皆さんの、山や自然に対する深い愛情を感じさせて頂きました。皆さんを見習い、由緒正しい?「山女」を目指したいと思います。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。
【記録と感想】50期 J.T.
花巡りハイクということで真ノ谷から藤原岳へ行った。
コースが滋賀県から三重県に抜けるコースであり、沢沿いでお花も見れると思い参加させてもらいました。1日目は3~4時間くらいでテント場に到着すると思ってました。 電車・バス・タクシーと乗り継ぎ君ヶ畑から登山開始。最初は植林を行き、じきにノタノ坂へ到着。ここからは茨川へ道を下って、川を渡渉したら茨川廃村でした。広い気持ちいい河原で昼食。その後、気持ちいい沢歩きの始まり。浅い流れに沿って、時々渡渉しながら歩いた。途中お花を見ながら、しゃべりながらゆっくり歩いたので、けっこう時間がかかってしまい。チェックポイントの滝になかなか到着しない。渡渉や岩をよじ登ったりで、それも段々その頻度が多くなってきて、高巻く箇所も出てきたりで、ますます時間がかかる。しかしテント泊、食料はあるは、心強いリーダーがいるはで安心。
そうこうしている間にやっと三筋滝に到着。なかなか大きな滝だ。この滝は左を高巻くが、急な斜面でガレているのでなかなかやっかいでした。一人ずつ慎重に高巻いて上部に到着。
ここからまた、少し険しい沢沿いをもくもくと歩く。18時前にテント場の少し手前と思われ場所で幕営することにした。(これは後で大正解。上のテント場では数張りテントがあり、騒いでいたら怒られるところでした。)荷物が重たかったのでホッとしました。 テントを張ってすぐに夕食の準備。といっても女性陣がしてくれました。メニューはハヤシライス。沢山作っていただいたし、美味しかったしで大満足。その後は日本酒・焼酎・ワインと賑やかな楽しい夜となりました。
朝はテント内は狭苦しくてつらいので、5時に一人起きて、野鳥のコーラスの中コーヒーを飲みながら、皆が起きてくるまで気持ちいい時間を過ごしました。
朝食はニュウ麺。美味しくてお腹もふくれたところで、白船峠を経て藤原岳を目指した。途中、お目当てのルイヨウボタンにヤマシャクヤク、ヒロハアマナの花を見て写真を撮り、気持ちいい稜線の道を歩いた。途中天狗岩へ寄って、昨日歩いた茨川方面の絶景を見、山荘に荷物をデポして藤原岳を登った。景色は少し霞んでるがまずまず。その後9合目で軽く昼食。お腹をふくらませて、一気に下山した。予想された雨にも全く会わずに、非常に楽しい山行でした。企画していただいたリーダー、ご一緒していただいた皆さん、本当にありがとうございました。
見た花:ヤマシャクヤク、ルイヨウボタン、ヒロハアマナ、ヒトリシズカ、チゴユリ、シロヤシオ、ワチガイソウ、フタバアオイ、ヤマブキソウ、エンレイソウ、カタクリ、イチリンソウ、ニリンソウ、オドリコソウ、ヤマネコノメソウ、チャルメルソウ、ヤマツツジ、ミツバツツジ、スミレ類、ヤマハタザオの仲間、ベンケイソウの仲間ほか。
確認した野鳥:キビタキ、オオルリ、クロツグミ、コルリ、キセキレイ、コゲラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、カケス、ツツドリ、ジュウイチ、アオゲラ、アカゲラ、カワガラス、センダイムシクイ、メボソムシクイ、ハシボソガラス、メジロ、ヒヨドリ、トラツグミ、イカル、キジバト、ホオジロ、ウグイス、エナガ、ヤブサメ、イワツバメ 計28種類。
【感想】S.O.
12月から毎週のように行っていた楽しかったスキーも3月で終わり、5月には伊豆にマルチしに行きたくて、4月からスカルプはずして岩の世界に戻ったものの、全く練習しなかったつけは大きく全然のぼれない!!(最近だいぶ戻ってきた)かなりへこんでいた所に山行のお誘いが!私の大好きな新緑の季節でもあるし気分転換に参加させて頂く事にした。
お花組だし標高もそんなに高くない山だし、行きが3時間くらい帰りも3時間くらいの行程かと思っていたら、一日目は結局8時間行程だった。しかも平坦な道ばかりかと思っていたら殆どが岩のゴツゴツした道ばかり。お花組を見直しました。
Y田さんが用意してくれたハヤシライスはとてもおいしく食べやすく、みんなで食べるご飯は楽しかったです。ボッカしてくださったみなさんありがとうございました。
最後に、ご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました。またお会いする機会がありましたらよろしくお願いいたします。
【藤原岳の感想】36期 Y.T.
以前の例会(1994.9.25 No.1995)で廃村の茨川から治田峠経由で銚子岳に登ったことがあります。このときに有った八幡工業高校の山小屋が健在でした。一番の心配は雨でしたが、遭わずに済んで良かったです。三筋滝は思っていたよりは立派でした。この高巻に約1時間かかりました。ここで雨に出会ったら悲惨なことになったと思います。
沢道での読図は難しかったです。かなり歩いたつもりでも、実際はあまり進んでいませんでした。三筋滝になかなか着けなかったし、テントも予定より15分ほど手前に張りました(時間の都合もあったが)。尾根の末端や入り込む沢筋などを注意して読んでいるつもりでも、結構怪しかったです。約1万分の1の地図を持っていきましたが、それでもうまくいきませんでした。現地の地形から地図上で現在地を確認するだけでなく、地図を読んで前もって地形を想像し現在地を確認出来るように練習したいと思いました。
4時半頃いろんな鳥の声が聞こえてきました。それを聞きながらうとうとしているのは、最高でした。他の4人は傾斜で滑って大変だったようですが・・・。楽しい山行でした。
【感想】44期 N.Y.
今回も私は三筋滝までは初のコースです。どんなコースなのか?そこにはどんな花があるのか?それが一番の楽しみでした。それに今回はなんと河内長野からうちのホームページの「金剛山例会」を読まれて「ぜひ行きたーィ!」と言って来られたO野さんが体験山行に参加されたのです。そして、北鎌尾根などを庭にしているというウワサのだいもんさんが「花巡り」に参加?!「なんで?岩場はないよ。」という疑問をもって迎えたのでした。
O木さんも千石や金比羅を庭にしているという、この岩ヤさんの2人をどうして最後まであくびを出させずに貫き通すかが、今回の私の隠れたテーマでした。
それに、白山三ノ峰に続いて今回もまたしても上に水が全くない縦走ルートを選んでしまったものですから、各自の荷物は水・食料やテン泊装備でザックはパンパンです!だいもんさんが「ボッカに来たよ」といってくれたのでたくさんテン泊の共同装備を担いでもらったので助かりました。
Y田女史には、白山以来の食事担当を頼みました。気持ちよく引き受けてくれて、みなさん、大感謝です。あのハヤシライスを4,5杯も食べた人がいたのは特記事項ですね。それだけうまかったということです!また、I上女史は、前回の金剛例会に出るつもりが出られず、満を持しての参加です。栄養状態がメンバーの中で一番よかったのか悪質なブヨのエジキとなってしまいました。
Tさんは、鳥博士。先日の集会で鳥解説のデビュー。今回も花と鳥の二重奏で花巡りの幅を広げようとした私の狙いを察知してくれてか、ずっと鳥の鳴き声を解説してくれました。朝に話してくれたヌエのお話は面白くて帰ってから調べました。これからも私には強い味方です。おまけにすごいワインを差し入れてくれたのです。これに女性軍が喜ばないはずがない。彼はこれで花巡りの女性たちをつーさんファンにしてしまったのです!
そして、我が息子こと浩史さんは、また前回の金剛例会と同様に前夜に参加意思表明・翌朝参加というは早技。目標はノタノ坂から土倉岳。後で聞くと土倉から御池に道が付いていたとのこと。昔はなかったはずなのに・・・。このあたりは最近人気の山域で、相当人がはいっているはず。踏み跡がかなりついているのかもしれません。
T野さんは今回はSLでお願いしました。滝の近辺は険しいところも多いと予想していたし、初心者もいるので、2グループに分かれる可能性もあると予想されたので、お願いしました。そして、いつもT野さんにお願いしているルート・ファインデイングは今回はTさんという有能なパートナーを得ていくつかの難所をクリアすることが出来ました。 それにしてもここ2,3年の間に起きた豪雨の爪痕は鋭く、私が数年前に坂本谷・聖宝寺道に来たときに「通行禁止」になっていたときよりも、真ノ谷はもっと荒れていました。おそらくこの荒れようでは茨川から入谷する人は少ないのではないかと思われました。 そのせいで私達のみがこの谷を独占できたのでした。やっと三筋滝で降りてくる2人の男性に会いました。こちらに女性達がいるのをちっらと見て、「うえも険しいですよ」と言い残して去っていきました。
三筋滝の各自の奮戦は感想に出ると思いますので、私は出会った花を記録しておきましょう。でもここで一言だけ。だいもんさんとO木さんがいてくれて大助かりでした。こんなに岩場が多いところだとは思っていなかったのです。感謝です!
今回のルートで見た花
- 旧営林署跡―ノタノ坂―茨川
カキドウシ・ムサキサギゴケ・タニギキョウ・イブキハタザオ・マムシグサ・ニシキゴロモ・オオカメノキ・チゴユリ - 茨川―真ノ谷
イブキハタザオ・タニギキョウ・タカトウダイ・チャルメルソウ(種は不明)・ハシリドコロ・タネツケバナ・ニリンソウ・イチリンソウ・ワサビ・コンロンソウ・マンネングサ・クサウルシ - 真ノ谷―藤原岳
ヤマシャクヤク・ルイヨウボタン・シロヤシオ・ニシキゴロモ・ヒロハノアマナ・ヤマブキソウ・イワカガミ・ニリンソウ・ヒトリシズカ・カンアオイ・フタバアオイ・ワチガイソウ・イチリンソウ・カタクリ - 藤原岳―西藤原駅
スミレ・ヒトリシズカ・ハタザオ・ヤマブキソウ・シャガ・ヤブジラミ
わたしが今回見たかった(確認したかった)花は、ヤマシャクヤク・ルイヨウボタン・キバナノアマナでした。真ノ谷はかつての美しい姿(ヤマシャクヤクとルイヨウボタンが斜面に満開でした!)は既になく、洪水の爪痕が生々しく、草花も恐らく鹿害でしょうか、全くと言っていいくらいなくなっていました。このままで行くと(鹿は最後は枯葉も食べるという事ですから)もう鈴鹿のこのあたりの山は地表が雨水に洗われて死の山になっていく予感がしました。特に真ノ谷の斜面は格好の鹿のえさ場になっているようで、残っているのはバイケイソウとトリカブトなどの毒草しかないと言ってもいいくらい。私がコグルミ谷から真ノ谷・御池岳などによく入っていたのが10年ほど前。まあ、この10年に限っても山は洪水と鹿害に確実にやられているようです。以前のイメージでこのコースを選んだ私は一人でちょっと気が滅入っていました。
でも、テント泊の共同の食事=大宴会では(宴会ができるのは鈴鹿ならでは)、おいしい食事とおいしいお酒をいただき、だいもんさんの雪と岩のクライミング夜話と「すばらしい合宿だ!充電できたよ!ゆっくり歩きたかったんだ。」という言葉に私は大納得。更に、Tさんの鳥と山行の話、などいろいろな話で盛り上がりとうとう宴会は深夜にまで続いたのでした。そのおかげでさわやかな朝を迎えることが出来ました。ただし、時間の制約上、やむなく選んだテン場で男テントは斜面に。おかげで私は坂の下に横に寝た格好になり朝になると薄いテント地を通して私の顔はバイケイソウに親しんでいました。背中にはつーさんが密着していました。
皆さん、お疲れ様でした。今回は関係ないだろうが念のために・・・と思って持っていったシュリンゲとカラビナ(それぞれ2本)と細引き(約6m)が高巻きなどの時に意外と役に立ちました。T野さんとO木さんもシュリンゲ・カラビナを1セットずつ持ってくれていたので心丈夫でした。インドア研修や救助訓練の成果の一端ですよ、M山さん、N野さん。さて、今度は高山縦走と花巡りがドッキングしてCLはT野氏に交代です。暑いですからもち北アルプスですよね、T野さん。