木曽福島駅からタクシーに乗り、木曽駒高原スキー場の上、福島Bコースの登山口手前で降りた。草原にポツンと一人、ザックを背負い出発。お天気は上々。
<個人>2009年9月10日(木)~12日(土)
中央アルプス縦走記録
22期 加藤一子
【参加者】単独
【コースタイム】
9/10 (晴)
京都駅6:42~(JR)~木曽福島駅9:24~(タクシー)~木曽駒高原スキー場9:52~林道終点10:37~五合目11:35~七合目避難小屋12:34~八合目13:30~玉ノ窪山荘14:50~木曽駒ヶ岳15:30~中岳16:02~宝剣山荘16:23(小屋泊)
9/11 (晴)
宝剣山荘5:35~宝剣岳5:55~極楽平6:24~濁沢大峰6:35~檜尾岳8:35~熊沢岳10:13~東川岳11:38~木曽殿越12:07~空木岳13:49~駒峰ヒュッテ14:07(小屋泊)
9/12 (霧のち雨)
駒峰ヒュッテ5:38~空木岳5:47~赤椰岳6:39~摺鉢窪避難小屋分岐6:51~南駒ヶ岳7:18~仙涯嶺8:23~越百山9:26~越百小屋10:09~上の水場10:58~福栃平12:25~(車)~須原駅13:10~13:31~京都
【記録】
9/10木曽福島駅からタクシーに乗り、木曽駒高原スキー場の上、福島Bコースの登山口手前で降りた。草原にポツンと一人、ザックを背負い出発。お天気は上々。駒ヶ岳頂上まで、ひたすら登り。今日の為に、先々週比良に行っただけで、この夏はどこへも行っていない。もちろんボッカも皆無。ヒイヒイ、ハアハア。でもまあ一人なので、マイペース。
4合目半の力水はチョロチョロだった。七合目避難小屋の前で休憩して小屋の中を覗くと、結構綺麗で快適そうだった。トイレも立派なのが建っていた。
八合目の水場は、しっかり水量が有り、嬉しくてたっぷり汲んでしまう。水の重さとトレーニング不足で、その後大幅にペースダウン。休み休みやっとの事で、駒ヶ岳頂上に着いた。出発前に宝剣山荘に予約を入れておいたので、頂上木曽小屋も通過して、バテバテで宝剣山荘に到着した。
頂上小屋と宝剣山荘の他は、皆閉まっていた。テントも一張りも見あたらなかった。小屋では、東京から来た女性と二人部屋だった。夕食後に見に行った夕日が素晴らしかった。
写真:中央アルプス 宝剣山荘より
9/11小屋の朝食は6時なので断って、4時半頃から食堂に行ってお湯を沸かし、自前の朝食を摂った。小屋の窓から見える朝焼けが綺麗だった。同室の女性は一足早く出発した。山荘での情報に依ると、木曽殿山荘の下の水場は涸れているらしいので、夜の分もと思いしっかり持って出発したものの、宝剣岳の登りで、早くも断念して水を減らした。(ペットボトルの水は山荘で買えるらしいので。)それでも危険な箇所が沢山有り、宝剣岳を通過するのに、かなり時間を要した。雨じゃなくて良かった。
極楽平で、千畳敷方面から長い板を担いだ男の人が登ってきた。先を譲ったもののこちらの方が身軽だったので、途中から先に行かせてもらった。檜尾岳で休憩していると、追いついてこられたので、カメラのシャッターをお願いした。昭文社の地図を広げて見ようとすると、「その地図は私が描いたんです。」と仰ったので、ビックリ。檜尾避難小屋のドアが壊れたので、修理に行かれるとの事だった。見ると、登山道の外れに屋根が半円の可愛らしい小屋が建っていた。少しお話をして、小屋に向かわれた。歩きながら振り返ると、本当に可愛らしい小屋がずっと見えていた。
それにしてもお天気が良いのはとても幸せで、気持ちものんびりゆったり出来る。南アルプスや富士山、御嶽もしっかり見えている。お昼頃木曽殿山荘に着くと、宝剣山荘で同室だった女性は既に到着してベンチに腰掛けていた。彼女は今日はここ迄との事なので、挨拶して空木岳へ向かった。
今日の最後の登り。見上げると岩の固まりの様な勇ましい山である。時々立ち止まって息を整えながら、ゆっくり登った。山頂に着くと、少し下の方に小屋が見えた。
今日泊まる予定の、駒峰ヒュッテだ。山頂では、男の人が一人写真を写していた。シャッターを頼まれ一眼レフのカメラを渡されたが、上手に写せずやり直しさせられてしまった。こちらも代わりにカメラを差し出して、写して貰った。小屋の事が気になるので、山頂には余り長居せず、小屋に向かった。
私が着いたのと小屋番が下から登ってくるのと、ちょうど一緒だった様で、ザックを下ろして小屋に風を通したり、シュラフを干したり、忙しそうだった。宿泊の申込みをして、言われるままに二階に荷物を置きに上がり、ごそごそしていると、駒峰山岳会の人が、「ビール飲む?」と声を掛けてくれたので、二つ返事で一階へ降りていった。登ってくる途中で松茸を見つけたとの事で、松茸酒をご馳走になった。
駒峰ヒュッテは駒峰山岳会の人が建てたもので、会員が交替で小屋番をしているとの事。男性二人、女性一人、下から登ってこられたが、その内男性一人は西駒山荘の方との事。小屋の大きな窓の外にはウッドデッキがあり、今日歩いてきた山々がすべて見渡せ、反対側の窓からは、南アルプスの山々が一望出来た。空木岳へは夕方二度、翌日通過したのと併せると四度も登ってしまった。「夕食は千円で一緒にどう?」と声を掛けて貰い、山梨から来た男性と二人で仲間に加わる事になった。因みに、小屋の宿泊料3500円、ビール350ml 500円だった。9時頃迄、楽しい夕食の一時を過ごした。
窓からは駒ヶ根の町の灯りが見えていた。夜は冷えるからとペットボトルにお湯を入れて湯たんぽにして下さったり、備え置きのシュラフを上から掛けて下さったりと、心も体も暖かい夜を過ごさせて貰った。
9/12天気が崩れるという予報通り、外はガスで視界無し。それでも今日中に下山するつもりなので、夜明けには出発出来る様に朝食を摂りパッキングをする。小屋は有り難い。
今回四度目の空木岳山頂は、ガスに覆われていて何も見えなかった。稜線は風がきつくて吹き飛ばされそうで、少し怖かった。
南駒ヶ岳を越えた辺りで、ご年配の男性二人に出会った。昨夜、摺鉢窪の小屋に泊まっていて、越百山から下山するとの事。方向がおかしいので、確認の為に、引き返そうとしていた所だった。多分間違い無いと思うということで、暫く一緒に歩いた。登山口から車で帰るらしいので、ちゃっかり乗せて貰う約束をした。福栃平から、金沢土場、そして山道に入って倉本に出る道に行こうかどうか、昨夜からずっと迷っていたが、誰も歩いたと言う情報が無く、横切っている川に確か橋が無かったとか、行かない方がいいんじゃないかとか、言われてしまった。お二人に、駐車場で待っていたら乗せてあげると言われて、先に行かせて貰った。
仙涯嶺の手前で遂に雨が降り出し、ローカットの靴は中までビタビタで冷たくなってきた。越百山迄頑張ったら、風もましになると思うので、辛抱。越百山もガスっていて、何も見えなかったが、一度来ているので、懐かしい気がした。後は歩いたことの有る道。
越百小屋を過ぎ、少し登りがあるが、後は下るだけ。上の水場辺りで、雨も小降りになっていたので、ホッコリして腹ごしらえをしていると、下から草刈機の音がして、男の人が登ってきた。これから登るのかと聞かれ、下山するところだと言うと、駅まで車に乗せてあげると言ってくれた。こちらの車の方が早く帰れそうだと思っていると、駒峰ヒュッテで一緒だった山梨から来た男性が追いついて来た。話しているうちに、一緒に乗せて貰うことになった。一足先に二人で下山して、きつくなる雨の中で待っていると、まもなく下山して来て、二人組のおじさん達に断ってくれたとの事で、安心した。
駅に送って貰うジープの中では、案平路の笹は刈った方が良いか否かとか、金沢土場から倉本へ行く道は整備しなくてもいいだろうと言うことになって、草刈も何もしていないとか、地元の実際の話が聞けた。ジープを降り際に、また登りにおいでと言って下さった。
中津川行きの電車の方が先に来たので、山梨から来たタナベさんにお別れとお礼を言って電車に乗った。時間が早めだったので、新幹線は使わず在来線で帰った。