北アルプスは子どもの頃からの憧れだった。燕~常念~蝶は、毎年のように安曇野を訪れては裾野から見上げていた山達だ。ようやく正会員になれたのをよいことに、例会を組ませて頂いた。
写真:朝の槍穂連山
No.3032 2010年7月29日(木)~8月1日(日)
25期 篠原利孝
【参加者】L奥野淳子 SL辻野喜信 四方宗和 篠原利孝 計4名
【天 候】7/30曇り7/31曇り8/1晴れ
【コースタイム】
《1日目》 京都20:00-駒ヶ根SA(仮眠)
《2日目》 中房温泉5:45-富士見ベンチ7:55-合戦小屋8:30-合戦の頭9:05-燕山荘(燕岳)10:05~11:04-大下り12:04-クサリ場14:09-大天荘14:50-大天井岳15:10
《3日目》 大天荘5:45-常念小屋8:10~25-常念岳9:45~10:05-鞍部手前のピーク(2475m)ニッコウキスゲ群落11:55-小さい池13:00-蝶槍14:00-蝶ヶ岳ヒュッテ14:15
《4日目》 蝶ヶ岳ヒュッテ6:10-三俣9:25
写真:燕岳山頂
【記録】
表銀座コースは、冬山合宿偵察で11月に歩いた事があります。20年以上前のことで雪が積もっていてさむかった事しか記憶にありません。常念・蝶にも登って昔歩いた槍・穂高を見たいというのが参加動機です。
長い間、登山をしてなかったので、正直、体力に不安がありました。日頃と言っても一月に2~3回サイクリングで50Km程走る程度ですが・・・・ 前の週に家族サービスで伊吹山に登ってきました。翌日脚の筋肉痛で辟易しました。
いざ合戦尾根に取り付いてみると、涼しい事もあって比較的楽に登っていけました。合戦小屋ではスイカのカット販売に行列ができていました。値段はなんと!!一切れ800円!驚いていると奥野さんが買ってきて、半分いただきました。とっても甘いスイカでおいしかったです。燕山荘から燕岳への途中、砂礫の斜面に点々と咲く薄紅色のコマクサは可憐に風に揺れていました。燕岳の奇岩群にも見覚えが無く、初めての登頂でした。やっぱり参加してよかったです。
写真:燕岳を下る
大天井岳へはアップダウンを繰り返す尾根歩きで、クサリ場もあったのですが、危険も無く、突然大天荘の屋根が見えて拍子抜けしました。
昨日は、槍の穂先こそ雲に隠れていたものの北鎌尾根も硫黄尾根も見渡せました。今日は、次々にガスが上がって視界のない中の尾根歩きです。足元の可憐な高山植物を眺めもって歩いていると疲れも無く到着出来ました。
蝶ヶ岳ヒュッテ屋根裏部屋で目が覚めると、閑散としており、みんな外でご来光を待っていました。星空がオレンジ色に変わり日の出までの、贅沢な時間をすごしました。西を見ると穂高連峰に槍ヶ岳がモルゲンロートに輝き、昔、百科事典でみた写真を思い出しました。最終日は、下り3時間の行程で予約時間の5分前に到着すると、タクシーが待っていてくれました。
写真:大天井岳へ
【感想】 6期 四方宗和
今年5座目は常念岳!
仕事から完全に離れ何か目標をと日本100名山を歩こうと考えて2年目、今年は「開聞岳、韓国岳、大菩薩嶺、南ア・塩見岳」についで5座目は常念岳だった。ずいぶん昔に燕岳と蝶ケ岳は別々の時期に登っているが常念は始めてである。そんな時に奥野さんのリーダーで表銀座から常念岳を歩く計画が出たのでそれに乗っかって常念に行くことができた。
これで54座目かと思うが最近多少「疑問」を感じている。今年歩いた5座を振り返ってみると①鹿児島湾のランドマーク開聞岳と②ミヤマキリシマの韓国岳はそれなりに楽しめたが、③大菩薩嶺(サンケイ旅行社利用)は全然面識のない人達との24時間同行の味気なさ、④塩見岳は周囲に烏帽子岳、小河内岳や荒川岳があるにもかかわらず1座のピストンと何か「人の決めた山」を目標にするのに「疑問」を感じ始めている。
そんな中での今回の常念岳であったが昔から「朝焼けの槍~穂」を見るにはベストと云われているコースだけに期待を持っての山行だった。初日の中房~燕~大天井は晴れ後ガスであったが、合戦小屋のスイカ(800円)や燕~大天井間のコマクサの群生は印象的であった。2日目の大天井~常念~蝶は期待した天候に裏切られ終日曇り時々薄日で槍~穂その他の眺望もきかずただひたすらアップダウンの繰り返しの8時間半であった。
期待の瞬間はようやく3日目にやってきた。4時くらいになると狭い山小屋の寝床はざわつき始め「天気はいいぞ!」とのひそひそ声、我々もそれに誘われ4時20分には外に出た。全天快晴であるが御来光の方角・安曇野は雲海の下、富士山もその中である。一方、西の方角は雲海もなく槍穂はもちろん焼岳、上高地(梓川)も文句なしであった。
4時50分ころ雲海の上に太陽が姿を現し完全姿を現したら今度は槍穂に目を向ける。しばらくすると我々が居る蝶ケ岳の稜線にさえぎられていた陽光が槍穂に当たりだすとモルゲンロートである。しかし5月と違い雪の少ない槍穂はピンクに染まるとはいえない赤茶けたモルゲンロートであった。今例会の目標であった①常念を踏む、②槍穂の眺望の2点を手にして6時に三又へむけ小屋を後にした。
いろいろ思いはあるが今回の常念岳は何はともあれ100名山の54座目となった。
写真:常念岳山頂
【感想】 36期 辻野喜信
北アルプスの入門コースとも呼ばれる縦走路。今回はバテバテの卒業山行になった。合戦ノ頭の手前で足がつり出し、大天荘への登りでは足が進まず、常念岳の登りにも時間がかかりすぎた。衰えを実感する。
ちょうど40年前は大天井岳から槍ヶ岳に向かい、会の春や夏の合宿で横尾に泊まった時は、蝶ヶ岳の三角点を往復し、春合宿では蝶ヶ岳から常念岳に登り、個人山行の5月の蝶ヶ岳ではテントを飛ばされそうになった。蝶ヶ岳で暮れゆく槍ヶ岳から穂高岳の稜線を眺めていると、つい感傷的になる。
コマクサの多さには驚いた。燕岳から大天井岳への稜線に特に多かったように思う。高山の強風地で乾燥した砂礫地、しかも流紋岩や花崗岩のザクザクした岩屑の斜面に咲くというコマクサ。斜面は雪や雨で毎年ズレ下る。もっと良い場所を選べば楽なのにと思うが、訳があるのだろう。
奥野さんの初リーダー山行。槍ヶ岳を見ながらの稜線歩きにはならなかったが、蝶ヶ岳で夕方と朝に槍穂の展望が得られたので良かったです。秋には餓鬼岳も計画されている。脚力を心配しながらも又お世話になります。皆さん有難う御座いました。
写真:暮れゆく穂高連峰
【感想】 50期 奥野淳子
北アルプスは子どもの頃からの憧れだった。燕~常念~蝶は、毎年のように安曇野を訪れては裾野から見上げていた山達だ。ようやく正会員になれたのをよいことに、例会を組ませて頂いた。
最後尾から「もっとゆっくり歩いてください!」と叫び続ける名ばかりリーダーに、皆さんはさぞ呆れられたことだろう。展望の得られぬままの2日間。よろよろと辿り着いた蝶ヶ岳の夕刻、ガスが消え槍穂が現れた。その稜線を眺めつつ、会に飛び込んでの3年を思い、胸に迫るものがあった。
見習い中を承知でご参加くださった皆様、ありがとうございました。色々と教えて頂き勉強になりました。また、この例会を実施できたのは辻野さんのご指導のお蔭です。今後もサブリーダーをどうぞよろしくお願い致します。
未熟者ですが「ゆっくり歩くアルプス」例会を続けたいと願っています。次回は10月、餓鬼岳を登ります。皆様ぜひご参加ください。