京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉北アルプス雲ノ平

2013.08.14〜18

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【参加者】22期 加藤一子(単独)

 

【コース】

8/14 京都駅8:31—高山駅12:13—新穂高温泉14:30—わさび平小屋15:40(テント泊)

 

8/15 わさび平小屋4:15—秩父沢5:15〜5:22—シシウドヶ原6:18〜6:22—鏡平山荘7:10〜7:15—弓折乗越8:10〜8:15—双六小屋9:20〜9:40—三俣峠11:30—三俣山荘12:16—黒部源流碑12:47—雲ノ平キャンプ場入口15:01—雲ノ平キャンプ場15:10(テント泊)

 

8/16 雲ノ平キャンプ場5:30—奥雲ノ平庭園6:16—高天原分岐6:45—高天原峠8:10—高天原山荘8:57—高天原温泉9:30〜9:50—高天原山荘10:13〜10:40—岩苔乗越への分岐10:45—水晶池分岐11:29〜水晶池〜分岐11:39—岩苔乗越13:21—水晶岳14:47—水晶小屋15:24—岩苔乗越16:00—祖父岳16:53—祖父岳分岐17:14—雲ノ平キャンプ場入口17:48—雲ノ平山荘へキャンプ受付—キャンプ場入口18:23(テント泊)

 

8/17 雲ノ平キャンプ場4:16—祖父岳分岐5:12—黒部源流碑6:24—三俣キャンプ場7:08—三俣峠7:57—三俣蓮華岳8:20—双六分岐9:31—双六岳9:55—双六小屋11:09〜11:28—弓折乗越12:41—鏡平山荘13:21〜13:39—イタドリヶ原14:46—秩父沢15:17—小池新道入口16:03—わさび平小屋16:21(テント泊)

 

8/18 わさび平小屋7:20—新穂高温泉ゲート8:14〜中崎山荘〜新穂高温泉バス停9:55—高山駅12:32—京都駅15:51

 

【記録】

8/14 晴れ

  計画段階では折立から入って新穂に抜けたいと思っていたのだが、富山までの夜行バスのチケットが取れなかったので、京都を朝出発して新穂から入山する事にした。初日の行動が1時間では勿体ないと思ったが、その分体は楽だし昼間の電車は旅行気分でと気持ちを入れ替え、わさび平で翌日の行動に向けて休息を取ることにした。

 

8/15 晴れのち曇のち雨

 暗いうちに出発して最短のコースで夕方迄に何とか雲ノ平に行き着きたいと思った。久々の重たいザックで一歩ずつまずはぶっつけ本番のボッカトレーニングから始まった。早朝の涼しい間に大分高度を上げられるので、下界の暑さから逃げてきた身としては頑張りどころである。双六小屋まで来ると北アルプスに来たんだという実感が湧いてきた。

 

なるべく時間を短縮する為に、双六岳へは行かずに巻き道ルートを選んだ。単調で余り面白い道では無いがその分休憩も少なくて、確かに短縮になったと思う。途中で雲ノ平から来たと言う男性に出会い、雲ノ平キャンプ場はとても混んでいてこれから行ってもテントを張る場所は無いから三俣にテントを張った方がいいと言われた。

 

一瞬怯んだが、今回の目的は雲ノ平と高天原温泉なので、途中はすべて端折ってでも行き着きたいと思って行動している。だからやっぱり雲ノ平へ行こうと決めた。他に男性1人と3人組も同じ事を言われたらしく、1人は三俣まで、3人組はたぶん雲ノ平まで行くけれど三俣山荘に寄って様子を聞いてみるとの事だった。

 

三俣を過ぎ黒部源流への下りにはいると、疲れも出てきて滑る岩が少し怖かった。黒部源流碑を過ぎて川を渡ると、目の前は見上げる程の急坂だった。今日の最後の頑張りどころか。気が付くと空が暗くなり雨がポツポツして来た。あんなに連日晴天が続いたのに遂に雨かと思ったが、行動中はそれ程でもなく持ち堪えてくれた。

 

急坂を過ぎ木道が出てくると先程まで歩いてきた所とは違う雰囲気で、これが雲ノ平だと思わす様な景色が広がっていた。やっぱりここ迄来てよかった。テン場捜しは少し苦労したが、もっと後に付いたパーティも何とかテントを張っていたので工夫と我慢で解決していた様である。暗くなり始めてから持ち堪えられなくなった雨が降ってきた。

 

8/16 晴れ

 今日はテントを置いて高天原温泉へ行った。他の人が撤収したのを見計らって、テントを移動してから出発したので遅めである。小屋に寄って空き缶(ビール1缶800円)を引き取って貰った後、薬師沢方面へ木道を散策した。朝露を浴びてとても幻想的だった。背景は北ノ俣岳である。程々に引き返して高天原温泉へ向かう。

 

暫く上ると今度は薬師岳を背景に幻想的な景色が暫く続く。その後は、高天原峠までぐんぐん下り、峠を過ぎて更に下っていると広々とした開放的な景色になった。ずいぶん下ってしまった。気持ちよく歩いていると赤い屋根の高天原山荘に着いた。テン場で知り合ったご夫婦が先に着いていて、ゆったりと過ごして居られた。声を掛けてそのまま温泉へ向かった。女性用の湯船は囲いがしてあって、先の人が出てくるところだったので、一人でゆっくりと浸かることが出来た。河原の方を見ると男性が何人か入っているのが見えたので、そちらには近寄れなかった。

 

山荘に戻り、ビールとうどんを注文した。雲ノ平から来た人が同じように何人か寛いでいた。雲ノ平までの帰りは岩苔乗越経由で時間により水晶岳に足を延ばそうと決め、山荘を後にした。最初は暑苦しい樹林の中の道で少し後悔したが、段々と高度を上げると水晶岳が見上げる位置にあり、すぐに登れそうな気になった。雲ノ平に来た筈なのに脇を歩いている自分が変に思えた。最後は急な登りを詰めると、岩苔乗越に着いた。ザックを置いて殆ど空身の状態で水晶岳へ往復した。山頂でぐるりと景色を楽しんだ後急いで下山、小屋でビールを調達して岩苔乗越へ。再びザックを背負い雲ノ平キャンプ場へ帰るべく祖父岳の上りに取り付いた。

 

足はかなり疲れ気味で、大分ペースが落ちているのが分かる。祖父岳山頂でケルンをバックに一人で記念撮影をしてそのまま下山に掛かる。ガラガラの落石しそうな石がたくさんの所を下り、キャンプ場入口を通過して連泊の申し込みをしに山荘へ行ってから朝出たテントへやっとの事で戻った。テントの数が前日よりも少し減っていて、遅めの食事を取る頃には辺りはシーンとしていた。

 

8/17 晴れ

 今日の目標はわさび平まで下る事。気合いを入れて下山に掛かる。祖父岳は昨日行ったし、鷲羽は時間が掛かるので今回は止めておこう。やっぱり三俣迄は来たときと同じ道になるが、取りあえず三俣迄は最短で行こう。来る時に少し怖いと思った黒部源流碑までの急坂、三俣までのつるつるの岩も朝の元気な内は難なく過ぎていた。元気な時とヘタっている時とこんなにも違うのかと改めて感じた。

 

今日もお天気が良く、三俣蓮華岳からの眺望は素晴らしかった。双六岳では人の多さに何となくウンザリ。双六小屋でゆっくり休憩した後はひたすら下るのみ。そろそろまた、疲れと足のマメでヘタレて来た。対照的に槍が立派な姿でこちらをずっと見ている。

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鏡平のかき氷を楽しみに、何とか頑張る。後はその余韻でヘタヘタと足を前に出す。下りなのにこんなに遠かったっけと思いながら、やっとの事でわさび平へ辿り着いた。テント設営後、小屋の前でホッコリして生ビールを飲んでいると、三俣山頂からずっと何度も一緒になった女性が側に来ておやじねぇと言われてしまった。彼女の方が元気だったので、先に下って希少な水槽のトマトを買っておいてくれたらしい。今日感動したのはかき氷と生ビールとトマトだと言うと、食べ物ばっかりじゃんと返されてしまった。今夜はゆっくり休めるぞ。

 

 8/18

 今朝はゆっくりと起き出して、ゆっくりと朝食を取り、ゆっくりと撤収する。昨日頑張って下っておいてよかった。温泉が9時からだと思って出発したが、8時からだった様で30分損したかな。それでも10時前にはバスの人と成り、帰路に就いた。

 今回は晴天が続き、下界は暑すぎて身の危険を感じるほどだったが、頑張ればかなり行動範囲を広げられる状態だった。来年はもうテントを担ぐ元気が無いかもしれないと思う。今年はこれだけ歩けた幸せをしみじみ感じているところである。

 

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