京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3315 北アルプス テント泊縦走

テント泊をしてみたく昨年末に入会し、今回目的の1つが成就できました。山中3泊のテント泊の中で私にとっていろいろと感じることが多かったです。・・・今回ますますテント泊縦走に魅力を感じました。

雲の平6

 

 

[№3315]2013年 8月7日(水夜)~11日(日) 北アルプス テント泊縦走  合宿ポイント

 

【参加者】

CL丸山 弘 SL山本夏雄 亀島文子 藤松奈美 田中靖之 由良俊夫 計6名 

 

【行程】

8月8日 

7:50新穂高出発 ~09:15わさび平小屋~09:45小池新道入口~10:50秩父沢~13:20鏡平山荘~15:00弓折乗越~16:40双六小屋

 

8月9日

 双六山荘5:00~三俣峠7:05~三俣山荘7:57~鷲羽岳9:43~ワリモ岳10:40~ワリモ北分岐11:30ワリモ北分岐出発~12:40祖父岳~14:15雲ノ平山荘~14:50雲ノ平テント場

 

水晶岳班〕

11:16水晶岳12:21~祖父岳14:32~ 雲ノ平15:40

 

8月10日

 雲ノ平5:00~三俣山荘8:36~三俣蓮華岳9:54~双六岳11:42~双六山荘13:00~樅沢岳13:44

 

8月11日

 双六山荘5:00~鏡平山荘7:02~ワサビ平山荘9:32~林道終点11:09

 

 

【記録】

1日目 55期 田中靖之

2日目~4日目 54期藤松奈美

 

8月8日晴れ

新穂高を山本夏雄SLを先頭、後尾に丸山Lで出発し、林道を歩きわさび平小屋に到着。田中は冷えているトマトを買い丸ごと食べる。20分後小池新道入口の登山口に到着。

 

ガレ場のある小池新道を登り出すと晴天でかなり暑く汗が噴出する。約50分歩き10分休憩のペースで歩く。秩父沢で各々沢の水で涼を取り出発。鏡平山荘手前の小休憩で田中、藤松は鏡平山荘に早く到着したく先行。途中田中は藤松の早さについていけず、先に行って下さいと言って先行してもらう。山荘で合流し休憩後出発。途中田中、足が少し攣ったが3分ほどで治まり登山を再開。さらなる塩分対策の必要性を実感。

 

コバイケイソウクロユリなどの高山植物が咲いている。2588mの弓折岳山頂近くの弓折乗越にて全員で記念撮影。このあたりから森林限界で稜線歩きになり、涼しくなる。双六小屋とテント場が見え、到着。

テント2張設営後亀島の指示のもと夕食の準備。ドライカレー、ポテトサラダなど皆でおいしく頂き就寝。

雲の平1

 

8月9日 晴れ 亀島班(記録 藤松)

午前3時半に起床。テントでお湯をわかし、各自で朝食をとる。双六山荘を出発し、山本さんを先頭にゆっくりと歩き始める。朝のさわやかで涼しい空気。しばらく登ると、もやの中から槍ヶ岳が顔を出し始める。今日も天候は良さそうだ。三俣山荘に到着し、休憩する。

 

だんだん気温が高くなってくるのを感じる。目の前にそびえたつ鷲羽山は山頂がとんがり、姿が非常にりりしい。稜線を歩いて行くと、岩肌の急斜面が始まる。先回りして、正面からみなさんの写真を撮る。バックに双六から三俣蓮華岳の稜線が広がり、なかなかの高度感。空気が澄み切り360度の眺望で、西鎌尾根から槍ヶ岳の稜線がはっきりと見える。鷲羽岳で記念撮影。ワリモ岳までは穏やかな稜線歩き。

 

北分岐で、雲ノ平へ向かう組(丸山さん、山本さん、田中さん)と水晶岳に向かう組(亀島さん、由良さん、藤松)に分かれる。水晶小屋を過ぎた辺りで荷揚げのヘリが来て、しばし観察する。あっという間の作業だ。小屋から水晶岳までは、裏銀座黒部五郎岳の稜線が両側にあり、まさに空中散歩。水晶岳というだけあり、岩が太陽に当たりきらきら光っている。山頂につくとさらなる絶景が待っていた。黒部の源流まで見渡せどこを見ても言葉を失う風景だ。どこまでも歩いて行きたい気分になる。

 

水晶小屋まで戻り、少し休憩する。小屋は1枚のふとんに2人寝るほど満員だそうだ。確かにロケーションは最高。いつか泊まってみたい。3人が待つこの山行のメーン、雲ノ平へ向かう。テント場が見えてきたと思うと、「植生保護のため迂回を」との看板。従い、迂回路へ向かうが、一向に到着しない。かなりの回り道に不安や怒りを口にしながら、ようやく到着、合流する。

 

丸山さんが汲んでくれた雲ノ平の水を頂くと、そのおいしさに疲れが回復した。夕食は亀島さん特製の、タマネギとニンジン、ソーセージのコーンクリームスープスパと、麻婆春雨。ビールで乾杯し、簡単なのにボリュームたっぷりでおいしいご飯をみんなでたいらげる。夕暮れに映える明かりのついたテントの景色が美しい。翌日の行程を話し合い、このパーティでは槍ヶ岳まで行くのは難しいと判断し、双六山荘に戻る計画に変える。8時ごろ就寝。

雲の平2

 

8月9日 晴れ

ワリモ北分岐から水晶岳に登る亀島、藤松、由良を見送り、直接雲ノ平に向け丸山L、山本SL、田中の3名でまずは祖父岳に向かう。祖父岳では剱岳水晶岳黒部五郎岳、先ほど登った鷲羽岳など多くの山々が多数見れる。

 

祖父岳山頂を過ぎると雲ノ平のテント場が手前に、テント場から約25分はなれた場所に雲ノ平山荘を見ることができる。手前のテント場に近づき約10分でつけると感じたが、木道を歩きハイマツ帯を抜けテント場から遠ざかって行き、逆に奥にある山荘に近づいて行く。テント場への道を見落としていたと思うようになる。やっとテント場に近いテント場と山荘の間の道に到着。看板が設置してあり、植生保護のためテント場に直接行く道は通行止めとの事で道を間違っていなかった事がわかる。

雲の平3

 

ザックをデポし山本SLに待ってもらい、丸山L、田中は山荘にテント場代の支払いとビールを購入しに行く。再び山本SLが待つ場所に戻り、テント場に行き、テントが設営できる適地をさがすが大きい石が多く、取り除けない石はあるが、なんとか2張、張れる場所を見つけ、まずは1張り設営し沢でビールを冷やし、水晶岳登頂組を待つ。15時50分に水晶岳登頂組が到着。

 

 

8月10日  記録 藤松

午前3時半起床。各テントで共同の朝食、マルタイ棒ラーメンを食べる。5時、朝もやの中、山本さんを先頭に出発。天気は悪くはないがこの日は霧が多く、幻想的な雰囲気がただよう。昨日とはコースを変え、祖父沢を渡って双六山荘まで向かう。ガレの下り道で歩きにくい。

 

三俣山荘に到着。はい松帯を通って、三俣蓮華岳を経て双六岳へ。昨日は下道を通ったため、ピークを踏むのは初めて。稜線は、日差しがなく、昨日より歩きやすい。高山植物が非常に美しく亀島さんに名前を教えてもらうが、なかなか覚えられない。双六岳についたころ、霧が晴れ眺望が現れた。牛の背中のようなずんぐりとした稜線の中にまっすぐのびた登山道がユーモラスだ。

 

さらに歩いて懐かしの双六山荘へ。ここで昼ビール組(山本さん、亀島さん、田中さん)と樅沢岳組(丸山さん、由良さん、藤松)に分かれる。山頂に上がると、水晶岳鷲羽岳から双六までの稜線がくっきり見えた。自分たちが歩いた軌跡が分かり、頑張ったんだなあとしみじみうれしくなる。3人で子どものようにかけっこで下山した。

 

昼ビールを楽しむ3人と合流し、早めの晩ご飯を作り始める。コーやどうふ、野菜ビーフン、ちらしずしとこれまた豪華な食事が瞬く間にでき、ビールで乾杯する。6時ごろまでおしゃべりし、7時過ぎに就寝。11時ごろ目が覚めて外を見ると、天の川がくっきりと見え満天の星空だった。

 

8月11日 記録 藤松

午前3時半起床。ちらしずしの残りを食べる。美しい朝焼けを見た後、山本さん先頭に出発。少し登り振り返ると、鷲羽岳とテント場の風景が見送ってくれていた。下りたくないなあ、と、密かに涙ぐみそうになっていると、丸山さんも「2000㍍以下の場所では呼吸ができないね」とおっしゃったので、いよいよ寂しくなった。

 

この日は盆前の日曜日なので、登ってくる人が非常に多い。すれ違いに注意しながら、下山していった。鏡平山荘で先発組(亀島さん、由良さん、田中さん、藤松)と後発組(丸山さん、山本さん)に分かれ、さらに下山し、ワサビ平山荘に到着した。田中さんがワサビ平名物そうめんを注文され、少し頂く。環境のせいか、実際においしいのか分からないが非常においしい。リンゴを食べながらぼんやりしていると、どこかで見た2人組が。田辺姉妹だった。2人で笠ヶ岳に登るという。偶然についはしゃいでしまう。丸山さんたちも合流し、6人で見送った。休憩したあと、ゆっくり林道を戻っていった。時折、岩から涼しい風がふき天然のクーラーを楽しむ。「お助け風」と書かれた標識もあった。林道終点で車に乗り込み、温泉へ。うまい棒とラムネが食べ放題で、シップももらえるという親切な温泉だった。そばを食べ、土産物店によって解散した。

雲の平4

 

【CL所感】 43期 丸山 弘

7月会報ではテント泊ポイントの例会としていましたが、7月理事会で「内容的に合宿ポイントでは」ということになりました。改めて訂正しておきます。

 今回はテント泊縦走が初めてという会員もおられたので、テント泊の装備、テント場での生活技術とマナー、20キロ背負って登山道を連日8時間以上歩く場合の注意点など、できるだけ体で覚えてもらえるように心がけました。食糧計画とテント場での食事づくりについてはベテランの亀島さんに担当をお願いし、藤松さんにサブでついてもらいましたが、ワンパターンの私と違って目新しく栄養価もあるメニュー(肉野菜炒めをトッピングしたドライカレー、クリームシチューパスタ、五目ずし、高野豆腐の煮物、野菜ビーフン、麻婆春雨etc)を教えていただくことができました。

SLの山本さんには終始トップを歩いていただき、後続への細やかな配慮をしていただきました。田中さんと由良さんには装備担当として、テントの借り出しから点検、携行、設営、撤収、返却までの一連の作業とその注意点を確認してもらいました。

 天気が良かった(良過ぎて日焼けが…)

お蔭で展望もよく、道中会話も弾み楽しい例会になりました。参加の皆さんに感謝します。今回は天候判断も容易で、視界もあり標識の整備された一般登山道のみでしたので、読図の技術や気象の判断は、次の機会にということでしょう。

 穂高や剱のバリエーションのリーダーを毎夏させていただいていましたが、最近は山行機会が減り、体力低下が著しかったので、今回は登山の基本「しっかり担いでしっかり歩くこと」をテーマにした例会としました。当初予定の槍ヶ岳でのフィナーレを期待しておられた参加者の皆さんにはすみませんでしたが<(_ _)>幸い、事故や体調不良者もなく無事終えられたことは何よりでした。参加者の皆さんご協力ありがとうございました。

雲の平5

 

【感想】 8期 山本夏雄

 久し振りに夏合宿に参加しました、雲の平は10年まえほどに単独で歩いたコースでなつかしかっです、クロユリやシオガマなど沢山の高山植物を観察できました、太陽の光を浴び少し疲れました。

 槍ヶ岳も遠くに見えて雄姿の「北鎌尾根」も見え5年前に崔さんと登ったのを思い出しました。

丸山さんとは何回か登っていますが社会人の山岳会のこのメンバーで登っている事を感じて歩きました、意見やいろいろの事で会を去った人の事を思い出しました。

 なぜか満70歳になった日に家を出発しまた、自分のペースで歩かしてくれたリーダーに感謝しています、また機会が有りましたらよろしくお願いします。

 

【感想】 53期 亀島

とりあえず暑い、真夏だー

わさび平で冷やしたトマトを食べ、水分補給しながら飲んだ水が直ぐに大粒の汗となって噴出してくる。鏡平小屋でノンアルコール一息。双六小屋テン場には沢山のテント、丸山さんが代表でビール買出し・・有難うございます。

鷲羽、水晶、雲の平を目指す。後5分で雲の平キャンプ場着・・と思いきや植物保護の為20分も迂回、テン場~ビール買いの小屋迄20分。丸山さんビール買出し代表・・有難う

雲の平~三俣~双六岳~双六小屋テン場

今日は早め到着の為、良い場所キープ夜食もテーブル、イス付きをキープ。お盆休みの為、沢山の人、今日の小屋布団1枚に3人かな?と心配してあげる。

わさび平に下山途中すれ違う人の多いこと。わさび平でトマトを食べ北アルプス満喫丸山リーダー有難うございました。

 

【感想】 54期 藤松奈美

 雲ノ平が目的の山行でしたが、鷲羽岳にずっと見守られながら過ごした4日間だったような気がします。目を向けるといつもある、そのりりしい姿に、安心感と闘志の両方をもらいました。どこまでも長く伸びる稜線の先の山々は、あんなに遠いとこまでいけるはずがないと思うのに、歩いているとちゃんと着き、当たり前のことなのに感動にも似た気持ちを抱きました。

 「山の博覧会のよう」と丸山さんがおっしゃったように、天候に恵まれ、たくさんの山を見ることができました。もっと力をつければ、もっと色んな山の姿に出会えるのだと、と強く思いました。

 今回は、ベテランのみなさんと登らせて頂いていろんな学びがありました。本当にありがとうございました。

 

 

【感想】55期田中靖之

今回はじめてテント泊の例会に参加させて頂きました。今回参加するにあたり7月から本格的に20キロのザックを担ぎボッカのトレーニングを伊吹山でのボッカ例会を含め4回ほど行い、今回の例会に臨みました。体力的には自信はありましたが、1日目晴天でかなり暑く、大量の汗で塩分不足なども原因で両足が攣りこのまま登れるか不安になりましたが、幸いにも数分の休憩で治まり、再び歩けよかったです。それからは塩飴で塩分や、また水分を多めにとり、テント場につけた時は安堵しました。後で考えると大量の汗や足が攣ったことは、軽い熱中症にかかっていたのかもしれません。これから塩分対策や水分補給で予防していきたいです。

 

2日目、はじめガスが掛り見えなかった槍ヶ岳が正面に見えとてもテンションが上がりました。鷲羽岳では岩場もあり慎重に3点確保しながら登りました。途中休憩時、肩が痛かったので不安定な場所でザックを降ろし、丸山リーダがザックを支えながら、もしザックを落とした場合、下を登っておられる方に当たれば死ぬことになると言われ、これから気を付けたいと思います。山頂では槍ヶ岳がきれいに見れ、360℃の大パノラマに感動しました。

また1日ではたどりつけない雲ノ平に到着したときは感無量でした。

 

3日目の朝の雲ノ平出発時はガスっていましたが、それが逆に神秘的に感じました。途中、三俣蓮華岳を登り稜線沿いを双六岳へ登る最中、結構足に痛みを感じましたが何とか双六小屋まで行くことができました。

 

4日目の下山時快晴で正面の槍ヶ岳の中腹が少し雲がかかっていてすごく神秘的でした。いつも下山時はテンションが下りますが、今回快晴の中、北アルプスの山々を望みながらテンションが上がり、朝筋肉痛だった足の痛みも取れ、足取りも軽くなりました。

 

テント泊をしてみたく昨年末に入会し、今回目的の1つが成就できました。山中3泊のテント泊の中で私にとっていろいろと感じることが多かったです。例えば日数分のTシャツや下着を持ってきたりし荷物が重くなり、また使わなかった物もあり、次回はもっと考えパッキングしたいです。今回ますますテント泊縦走に魅力を感じました。

丸山リーダー今回参加させて頂き本当に感謝しています。丸山リーダーにいろいろと教えて頂きましたので、今後のテント泊縦走につなげていきたいです。山本SLにはいろいろとテント泊の生活技術を教えて頂きありがとうございました。亀島さんのつくる食事は本当に美味しく、料理のレパートリーの多さに脱帽しました。私ももっと食事を作るのを手伝えるようになりたいです。藤松さん、由良さんについていけるように体力を付けていきたいです。本当に天候、メンバーに恵まれた夏合宿(例会)でした。これからも末永く宜しくお願い致します。

 

 

【感想】 56期 由良俊夫

本格的なテント泊は初めてでしたので装備等不安な面もありましたが、何とか先輩方に引っ張ってもらい、無事下山出来ほっとしています。中でも水晶小屋から山頂までのあの景色は一番印象に残る素晴らしいものでした。 丸山リーダーはじめ同行の先輩方有難うございました。