京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉近畿百名山シリーズNo.12Ⅷ 愛宕山・月輪寺北尾根《山紀行885》

平成28年1月24日(日)

関西百名山シリーズのときから8度目の新年愛宕山登山。今回は月輪寺北尾根を這い登り、短距離で山頂に達し、水尾への下山は高瀬山経由を目指したが時間切れで清和天皇陵経由に変更し御陵を目指したのだが・・・。20日に降った雪がしっかり残り、第一級の寒波到来で見事に晴れた最高の登山だった。

 

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写真1: 空気が済んで遠くの伊吹山(1,377m)もくっきり

 

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【メンバー】 山本浩史L、小泉賀奈子、藤田哲陽、鶴田信介、小西幸一郎、WT 6

【行  程】 阪急嵐山7:407:55清滝BS 7:578:02金鈴橋8:108:54月輪北尾根入口~10:21月輪北尾根分岐~10:57愛宕山11:0511:10社務所11:2011:48愛宕三角点11:5512:15樒原分岐12:1712:55神明峠~13:11清和天皇陵下降点~13:52水尾・辻の家16:5017:01保津峡17:0817:29京都

【登山データ】 晴れ 歩行12.2 5時間55 延登高1,143m 延下降973m 1座登頂

 

第一級の寒波が入り京都の最低気温は-3.5℃、最高気温も2.2℃しかなかった。暖冬で全く雪がなかったが4日前に市内で4㎝の積雪があり愛宕山も漸く白くなった。阪急嵐山7:40発の京都バス清滝行に乗り込んだ。この時点で3名、嵯峨小学校前で2人、嵯峨釈迦堂前で最後の藤田さんが乗り込み6人のメンバーが揃った。先ずは金鈴橋まで歩き登山準備やトイレを済ませ堂承川林道を歩き始めた。右に東海自然歩道、左に大杉谷コースを分け、月輪寺への登山口・空也の滝入口に達する。途中で追い越して行った外国人青年が滝を見に行くと言っていたのに真っ直ぐ行ってしまったようだ。月輪寺コースは清滝からのサブルートとして登山地図にも記された道だ。

今日のコースはこの月輪寺の北側の尾根を歩く。ミッション1には「月輪寺北尾根への取付きを見つける」とした。2.5万図では堂承川が左にカーブする処に点線道が描かれている。しかしこの点線道は尾根の途中で切れている。さてどこから登るのか興味津津だ。堂承川を渡り何年か前の関西百名山シリーズで八丁山へ登った時の取付きを右に確認し勾配の増した林道を進んで行くと堂承川を渡る鉄橋を発見、対岸に道が続いている。2.5万図の位置よりかなり手前のようだが入ってみることにした。小泉さんを先頭に鉄橋を渡り、南に進む道を進んだ。何処までも南に行きそうなので作業道を折返して急斜面を登ると道は怪しくなってきた。植林帯の踏み跡が途切れてしまい、道は諦め木に掴まり斜面を這い上がることにした。急斜面の伐採地で堂承川の谷間越に八丁山のピークが見えた。樹林帯の中、標高差200mを這い登り稜線に達すると点線道のルートらしきものと合流した。やはりそれなりに道があったようだ。積雪が地面を完全に隠すようになってきた。一時なだらかになって一息付けた。稜線は防火帯のつもりか3m程の幅があり雪の道は気持ち良い。積雪は10㎝ほどに増えてきた。

急な斜面を登り過ぎたのかWTさんの足が攣った。暫し休憩しサプリなどで回復し再び歩き始めた。電柱が現れると707m標高点で、月輪寺コースと合流した。正規の道で沢山の登山者に雪は踏み固められていた。比較的なだらかに尾根を進むと大杉谷コースと合流し傾斜が増した。WTさんの足が再び攣った。低温と急傾斜が良くなかったようだ。大岩が現れ出すと愛宕林道はもう直ぐだ。愛宕山へは表参道の石段に回らず白髭神社の裏道から山門の裏側に出て最後の石段で愛宕山(924m)山頂の愛宕神社に到着した。本殿に参拝し本殿裏にある若宮、奥宮にも参拝した。この辺りが最高点で此処まで来て初めて愛宕登頂と云えるだろう。

トイレのある社務所端の休憩舎まで下って暫し休憩。三角点に行く途中、林道から比良山系が一望でき武奈ヶ岳や蓬莱山は頭を白くして存在感を示していた。今日は空気が澄んで遠望が素晴らしい。蓬莱山の右の方には伊吹山もくっきりと見えた。霊仙山から鈴鹿山脈も素晴らし。3等三角点「愛宕」は890mの標高で傍に電波塔がありその位置は市内からでも確認することができる。此処で集合写真を撮り愛宕林道(ジープ道)に戻った。右手に愛宕スキー場跡を見ると地蔵山、竜ヶ岳が鶴翼の陣のように翼を広げていた。

樒原分岐に達すると、石碑があり重要な分岐点だったようだ。此処でミッション2の「神明峠までの所要時間を予想」をして、夫々30分から45分の予想が出て12:17出発、樹林帯の尾根道だが所々展望が利く。南西には亀岡の名山、牛松山や神明峠南の尾根「明智越え」が亀岡へと続いている。広い尾根では踏み跡が乱れルートを外れてしまいそうになる。尾根を右に外れて下りきると府道に下り立った。だが神明峠はもう少し先だ。峠には道標が建ち、時刻は12:55、ミッションの結果は38分、距離は2.1㎞あったがかなり早く下りることができた。最も近かったのは40分を予想した藤田さんと小西さんだった。

予定では明智越えを高瀬山迄行って水尾に入ることにしていたが、残り時間は1時間、どうしても14時までに入らなければならないので予定を短縮し清和天皇陵へ下ることにした。ミッション3は偶々「清和天皇陵への下降点を見つける」としていたので丁度良い。暫く行くと送電巡視路が左に分岐し稜線を登り振り返ると展望が良い。愛宕山が裏側から青空に映えてド~んとしている。山頂域に達し小泉さんが立ち止まると木にリボンが下り踏み跡が続いている。ミッションは達せられた。

踏み跡を下って行くと道が怪しくなり兎に角先に見える送電鉄塔を目指して下った。3年前の関西百名山シリーズでも通っているがどうも記憶が戻らない。道を外してしまい仕方がないのでそのまま急斜面を下って行くと清和天皇陵への参道の途中に下り立った。水尾山稜のお参りもしたかったが、時間切れでそのまま参道を下った。水尾川を谷底で渡り登り返して辻の家に辿り着いた。リミットの8分前で女将さんに叱られずに済んだ。辻の家の跡取りだった女将の弟は昨年亡くなり甥っ子が後を継いでいるそうだ。女将が亡くなったら終わってしまうのかと危ぶんでいたがこれで安泰だ。

男性陣から柚子風呂で温まり、さっぱりして鶏すきに舌鼓を打った。至福のひと時を過ごし、保津峡駅まで現当主の甥っ子さんに送ってもらい1708分の列車で帰路に着いた。

 

【感 想】 56 小西 幸一郎

昨年に引続き参加させていただきました。心配していた積雪も登るにつれ姿を現し、サラサラスノーを楽しめました。寒波の影響で気温(マイナス10)が相当下がっており、手袋の選択を間違え小指の感覚がなくなってしまい、後に手袋を厚手のものにつけかえ事なきをえましたが、油断してました。凍傷の怖さが少し理解できたように思います。

恒例のつじの家でのとりすきは、個人的には去年のなべが格別でしたが負けず劣らず格別でした。ありがとうございました。また、来年もよろしくお願いします。

 

【感 想】 54期 鶴田 信介

愛宕山新年登山、4年ぶりに参加させていただきました。新雪の踏み心地を楽しむことができ、とても充実した

山行でした。登りはじめと最後の下りでのアプローチはさすが山本リーダーの山行だな、と妙に感心してしまいま

した。今回、ストックを忘れてきてしまったことは大きな反省点です。雪山は滑りやすいので、体力を温存しながら

、よりスムーズに山行を進めるためにも必ず持参すべきものでした。次回以降、気をつけたいと思います。山行

が終わったあとの鶏すきとゆず風呂も最高でした。

来年もぜひ参加させていただきたいとおもいます。

 

【感 想】 57 WT

『山に登って柚子風呂に入り、鶏すきでビール』。この世の楽しみを凝縮したような山行計画を聞き、とても楽しみにしていました。登りと下りで2度、「道がなくなったし直登しよう」とリーダーがサクッと決断されたのには内心驚きましたが、雪の為に急斜面が歩きやすく、一歩ずつ確かに進んでいる感覚が気持ちよかったです。尾根に出てからは青空が開け、雪の樹林帯や参道、愛宕神社が輝いていました。愛宕山は登山道が混んでいて、妙にしんどい山というイメージがありましたが、今回の美しい景色で一気に好きになりました。鶏すきもお風呂も、つじの家さんのアットホームな感じも、最高でした。また是非参加したいと思います。楽しい山行をありがとうございました。

 

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写真2: 愛宕三角点にて

 

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写真3: 明智越えの稜線から望む愛宕山(924m)