2017年1月14日(土)
写真:取り付きの急登
【メンバー】L秋房伸一、高橋秀治、藤松奈美、藤田哲陽、南部 桂、小西幸一郎、藤田幸代 会員7名
【行程】
1月14日(土)出町柳6:45=8:20今津町角川=積雪のため折り返す=今津町角川(車デポ)9:27~10:07石田川ダム10:30~11:20三重嶽南尾根取り付き~13:30「P686」付近(折り返す)14:18~16:10石田川ダム16:20~16:55角川車デポ地=京都
【天気】 曇のち雪
【記録】52期 秋房伸一
最大の寒波が到来するとの天気予報であったが、1週間前のスノーシュー例会は、全く雪がなく、このところ雪とはご無沙汰だったので「やっと雪が降る」という喜びのほうが大きく、予定通り例会を実施した。
朝の京都市内出町柳付近まではよく晴れていて雪は無かったが、花園橋を過ぎて八瀬のあたりにくるとうっすらと雪景色。空も鈍色。大原に近づくと路面も圧雪。
石田川ダムまでは車が入れるものだと思い、最終集落「角川」を過ぎて、二駆車にはスタッドレスタイヤにチェーンを装着して前進を試みたが、四駆車も含めて、やはり無理になり、引き返して、両車、集落の外れにデポした。
ジープタイプの四駆なら、ダムの駐車場まで入れたかもしれないが、帰りにはどう見ても走行不可能な積雪になっていた。車の能力に頼って奥まで入り込むのは、たいへん危険な行為だと改めて認識した。
石田川ダムまでは靴で歩き、ダムのところでスノーシューを装着した。
三重嶽南尾根取り付きまでは、積雪量もさほど多くなく、沢からの流水があるところでは、アスファルトが部分的には露出していた。
南尾根取り付きは、傾斜が急で、雪も中途半端に多く付いていた。新雪で、斜面に定着してなく、すぐ剥がれる感じの雪。
夏道も一応あるようだが、どこなのか判らず、登りやすいところを秋房が上がったが、直登気味のところがルートらしいことを2番目に登った南部が発見した。取り付きの様子をみていた女性参加者2名は、この先も不安に感じたのか、林道をデポ地まで戻ることになった。
しばらく急登やあまり気持ちの良くないトラバースを繰り返していると、落ち着いた尾根へ出た。途中から、ルートを示すテープが、ところどころにあった。
登るにつれ、積雪量が増えた。地理的な差異だけではなく、雪が降り続いたことによる時間的差異も大きいと考えられる。
尾根の傾斜が緩む箇所からは、積雪がすごくなり、スノーシューを付けていても、膝以上まで潜った。先頭は一歩毎に大きく沈むので、体力の消耗と時間の経過が大きかった。
三重嶽に到達するのは無理であることは明白で、せめて686mピークまでは行こう、出来ればもうひとつ先の小ピークまで、と考えた。ちょうどその時、南部が先頭で腰まで埋まるラッセルに奮闘していたが、スノーシューが外れてロストした。すぐに見つかると思ったが、どこに潜り込んだのか、見つからない。皆で、相当探したが、諦めてその場で引き返した。
雪はどんどん積もり、往路のトレースは消え、林道では雪崩跡も2カ所あり、冬山の怖さを感じた。往路と景観が変わってしまっていた。片足スノーシューになった南部は、歩く度にツボ足側が潜り込み、左足で引き上げる無限連続スクワットのようで、見ていて痛々しいが、どうしてあげることもできなかった。
17時前に車デポ地にようやく到着。タイヤチェーンが外れなくなったが、ジャッキアップして車輪を外すことで事なきを得た。帰路の国道367号線では地吹雪で視界が遮られることがしばしばあり、脱輪して動けなくなったり、峠で放置された車が散見された。
冬期の林道歩行の危険性を実体験するなど、反省材料も多い山行であった。
【感想】53期 髙橋秀治
昨年の夏に間谷から三重獄例会に参加してピークを踏んでいますが、積雪期にもピークが踏めればと参加しました。草川啓三「雪山を愉しむ」ナカニシヤ出版に記載されている通り、間谷の南尾根の取り付きは緊張の連続でした。また平坦なラッセルは登りのラッセルより進まないと実感したスノーシュー例会でした。
今回はピークは踏めませんでしたが、得るものの多い例会となり秋房リーダーをはじめご一緒頂いた皆様ありがとうございました。
【感想】54期 南部 桂
初詣で引いたおみくじの結果は「凶後吉」、「旅立ち よろしからず」、「うせもの 出で難し」。
大雪警報の中、出発が遅れ、無理のないところで引き返すことを前提に登り始めました。注意する気持ちもありながら、新雪の感触を楽しむ気持の方が1桁勝っていました。686ピークに着いたあたりから平坦な地形は1m以上の雪に覆われて、かつ新雪の下には低木の枝が多く潜んでいて度々足を取られました。腰ラッセルでなかなか進まない中、交代で私が先頭になりました。
膝で雪を押し付けて足を上げようとしても、左右の雪が崩れ落ちてまた埋まるため、1歩を進むために何度か同じ動作を繰り返したところ、右足が雪を踏み抜いてバランスを崩しました。ようやく右足を抜いたところ、後ろの高橋さんから「スノーシューが抜けてる」と言われて気づきました。どうせすぐに見つかるという気持ちで掘ってみたのですがなかなか見つからず、全員総出で半時間ほどかけて4~5mを掘り返したのですが、結局見つけられませんでした。また、春になってから探しにゆきます。
「雪山のリスクに備えた行動をする」ことを本や雑誌で読んで頭には入れていたつもりでしたが、結局現実で起き得ることが想定できていませんでした。スコップ1本持ってきていれば恐らく見つかったはずですが、私は車にすら持ってきていませんでした。今回は4人のラッセルの後を歩かせてもらって片方がツボ足でも帰ることが出来ましたが、それでも数歩ごとに踏み抜きを繰り返して最後の林道(約5~6㎞)歩きは30㎞走並みに体力を消耗しました。もし一人であれば、歩きとおせたか心もとないところです。この林道歩きで更に半時間以上はロスしてしまい、特に下山後に初デートの予定をされていた女性には大変なご迷惑をかけた次第です。
また、帰りの車でチェーントラブルが発生した時に、指先がかじかんでいたためにザック内に入れていた予備手袋や防寒着を着けるのに予想外に時間がかかり更に身体を冷やしてしまい指先の回復に時間がかかりました。車を出して頂いた小西さんが吹き付ける雪の中奮闘されていたのに、お役に立てず申し訳ありませんでした。
今回のトラブルは単独行であれば事故になっていたかもしれませんが、パーティ山行だったために「経験」とすることができました。改めて山岳会とご一緒頂いた皆さんに感謝しています。ありがとうございました。
【感想】56期 小西幸一郎
秋房リーダーの例会で、去年に引き続き車関係でのトラブル発生でご迷惑をおかけしてしまいました。
おかげで、四輪駆動車が欲しくなりました。
寒波の中、他にも色々ありましたが、今回ご一緒した皆様とまたご一緒させていただきたいです。ありがとうございました。
【感想】 54期 藤田哲陽
今回の山行きでは大雪警報が出ていたので、どうなるかと心配していましたが、朝起きて雪が降っている様子もなく、逆に雪がないのではとも思いましたが、登山口に着いて雪の多さにびっくり、雪や風が強く、これ大丈夫、不安な出発となりました。
山に入ると予想通りの大雪、腰のあたりまでの雪、風雪が強く、手がかじかみ足も震えてくる状況、しかもラッセルで体力はなくなってくるし、久しぶりに雪山の怖さを味わいました。また、スノーシューが雪の中に埋まって出てこないというトラブルもあり、大変な山行きでしたが、秋房リーダーの的確な判断もあり、無事に帰ってくることができました。今回の山行きでは雪山のリスクをいろいろと味わうことができ、大変勉強になりました。これからの山行きに生かしていきたいと思います。山行きを企画し、リードしていただいた秋房様、一緒に山の中で身悶えてラッセルして下さったみなさま、ありがとうございました。
【感想】57期 藤田幸代
早朝京都市内は満月が出ていたのに、山に近づくと一面銀世界でした。一年ぶりにスノーシューをはいて林道のふかふかの雪の上を歩きました。
顔に雪が張り付いて痛かったですが、これぞ雪山という感じでした。山の取り付きに着くと、すごい急斜面で、滑ると一気に下の川へ、帰りの下りのことを考えると怖くなり、断念しました。
林道の帰り道、さっき通過した道が雪崩で埋まっていました。もし通っている最中だったらと思うと、あらためて雪の恐さを実感しました。
また、機会があればスノーシューを楽しみたいと思います。ありがとうございました。
【感想】 54期 藤松奈美
冬に一度はスノーシューを履きたい気持ちと、強い方ばかりなので後ろ歩いたらよいよ、という甘言に甘えて、参加することにしました。ところが、林道1時間半のちの取り付きの急斜面を見て臆してしまい引き返すことに。それでも、ふかふかの雪の上を歩けて大満足です。
車で待っている間、どんどん雪が降りつもり、車が雪に閉ざされていき、除雪車のひとに何しているのかと心配されたり、スコップで車や周りの雪かきしたり。雪国の人は大変だなあとしみじみ思いました。
なんだか大雪警報のなか、トラブル続きの山行だったようですが、みなさんのおかげでとても頼りになり、トラブルにあった時こそ、力強さが必要だと改めて思いました。助ける側の人になれるよう、今年は精進したいです。それとともに、ひさびさに大勢の方と山に行けてそれはとても嬉しかったです。
秋房リーダー、みなさま、本当にありがとうございました。
写真:林道上に出現した雪崩で生じた雪山