京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3736 猪谷(裏比良)沢登り

2018年6月9日(土)

 【メンバー】CL・AT、SL 秋房伸一、藤井康司、TW、織田直子、土井 司、辻博史、TS  会員8名

 

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 ↑第一ゴルジュ入口の滝をリードするTSさん

 

【行程】

9日(土)京阪三条出町柳8:00=猪谷林道9:40=ワリ谷出合13:20=ヒジキ谷出合16:00=遡行終了点16:30=車デポ地18:10=京都

 

【記録と感想】51期 AT

 去年の5月、新緑祭のあと、比良山の猪谷を遡行しようとしたが、途中で織田さんの指が骨折してしまい、撤退することとなった。

その後織田さんの指の怪我は治ったものの、指は少し曲がったままという気の毒なことになってしまう。

今年も新緑祭の季節になったが、そんなこともあり、織田さんがもうやる気がないのであれば、止めておいてもよかろうと思っていた。

そこで織田さんにお会いした機会に「また行きますか?」と尋ねたところ、「行きます!」と即答だったので、それではと今年も例会を実施することとなった。

例会には去年のメンバーから上坂さん、W高橋さんと見学者の計4名が抜けたメンバーに、辻博史さんが新たに加わったという顔ぶれ。

梅雨の最中で天気がどうなることかと思っていたが、当日は晴天となった。

午前8時に出町柳に集合して、車をデポし林道に入ったのが9:40分頃。

去年と同じように、林道に打ち捨ててある芸術的な廃車を横目にしばらく林道を歩いて入渓地点。(この廃車は先日廃車になった上坂さんの車と同車種なのではないかという話になった。)

前回のことがあったので、事前にアッセンダーを使った登り方の確認などを行ってから入渓する。

前日までの雨で増水しているかと思ったが、増水していることもなく、むしろ去年のほうが水量多かったかもしれない。

入渓後しばらく歩くと滝が連続するので、TSさんにリードしていただく。

皆さん去年より動きがスムーズで、前回より少ない時間で通過出来たので(人数が少ないからということもあるが)、今回はうまくいきそうな予感。

順調に進み、すぐに前回上坂さんのルベルソ4が落ちた淵のある、第二ゴルジュ入口の滝までやってきた。

以前の印象では、ここにくるまで多くの滝を越えたという印象を持っていたが、二度目に来ると「まだこんなに出だしの方だったのか」と驚く。

前回はまだ、まったく進んでいなかったわけである。

「この淵に上坂さんのルベルソが落ちている」という旨を皆に告げるが、誰も拾いに行こうという者がいないので、先に進むことにする。

そのあとも小滝の連続で、登るのに難しい滝は無いが登攀に不慣れな方も多く、安全のためロープやお助けスリングを頻繁に出して進む。

そのため、遡行スピードは遅くワリ谷出合で13:20頃。

ネジレ滝に着いたのが15:00頃となった。

ネジレ滝は事前にこの沢の核心部だという記述を見ていたのだが、見るからに簡単そうだったので、TSさんと「これはロープを出すまでもない。お助けヒモで充分なのではないか」という話をしていたのだが、そこはまだまだ未熟者。実際に左岸の壁に取り付いて見ると、逆層気味でホールドに乏しく見た目より案外手強い。

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そのためホールドをよく探しながら、ジャミングステミングキョンといろいろ小技を使って慎重に登った。(もっと水量が乏しい時なら水流の溝状からステミングで容易に抜けられそう。もしくはカム(ナッツ)とアブミがあれば、左岸のクラックを使いもっと早く容易に抜けられるかもと思った。)

 

 

ネジレ滝を抜けるとすぐにヒジキ谷出合。

その先が穏やかになっている猪谷と比べヒジキ谷は入り口に大きな岩がゴロリと転がっていて薄暗く、こちらの方が楽しそう。

次にまた来る機会があればこちらから遡行してみたいが今回は時間もなく割愛。

猪谷の方へ進むと小滝が連続し、やがて水量が少なくなって遡行終了となった。

谷を詰めて源流まで歩くが、地蔵峠まで歩こうと思っていたら少し詰めすぎて、峠を行き過ぎたところで谷の右岸の稜線にある登山道に合流。

怪我もなく、無事に遡行終了出来てよかった。皆様のおかげです。

少し休憩して、しっかりしたブルドーザーの作業道を、時間も遅いので少し早歩きで車まで戻った。

車のデポ地まで戻ったのが18時10分。

出発が遅かったとはいえ、けっこう遅くなってしまった。

去年の人数で下手に奥まで行っていたら、ヘッドランプで下山となっていたところかもしれない。(それはそれで、思い出深くなって面白かったかもしれないけど。)

 

  

【57期 藤井康司】

今日はほぼ一年ぶりの沢登り。昨年途中撤退した比良猪谷だ。前回は渓相の暗さに何か邪悪なものを感じたが、今日は梅雨晴れに緑が映え気分上々、同行のみなさんとの話もはずんだ。渓は、広狭と中小滝が間断なく連続し、飽きることはない。沢やバリエーションの自然の内奥に入っていく感じが好きだったのだが、今日は登攀自体も楽しめた。ありがとうございました。(ロープで安全確保してもらい、随所でお助け紐を出してもらったお陰です。)

 

【感想】57期 織田直子
とうとうこの日が来ました。一年前、この沢で骨折して以来の沢登
また来年リベンジしましょうの言葉を励みにリハビリ通い。リベンジする機会を作って下さったリーダー本当にありがとうございます。皆さんの足を引っ張ったらどうしようと思って参加してましたが、今回無理やったら来年あると思って無理しないようにとお言葉を頂いて心が軽くなりました。
沢登は登攀苦手な私にとっては全身運動、普段しないような格好して筋肉痛になりますが楽しいです。お助け紐に頼りっぱなしで登ったとは言えないですし、カロリーも消費してないですが、通過しているだけで達成感がありました。
今回、TSさんがトップを何度かされてるのを見て何度も凄いなーと思いました。TSさんがまだクライミングジムに通われる以前、雨が降る中でご一緒したことを思い出しますとTSさんのストイックさに脱帽です。次は藤井さんでしょうか?
リーダーがいないと登攀できない沢登でしたが、TWさまはじめご一緒して下さった皆様のタフさを改めて感じ、いつもながら沢山助けて頂いていることに感謝しています。またどうぞ宜しくお願い致します。
最後になりましたが、疲れている中、運転して下さった土井さん、TSさん本当にありがとうございました。

 

【感想】57期 TW

昨年、自分の力では全く歯が立たなかった猪谷。前日が雨だったため、ドボドボで暗―いゴルジュを寒さに震えながら歩くのか…と覚悟をしていたのですが、 当日は穏やかな青空。谷は明るく、ヌメヌメもなく、ゴルジュに差し込んでくる光が新緑を輝かせている景色がとても綺麗な良い沢でした。悪沢と言われているけど、来てみないと分からないものだなぁ、とつくづく思いました。そして何より、昨年と比べて少しは自分で登れるようになった手ごたえを感じられたのが、気持ちを明るくさせました。リードしてくださったATさんやTSさんの一挙手一投足をじっくり見て、そのルートをなぞるようにいくと、自分の力でも登れる事に驚きました。お助け紐やロープを出してもらい、メンバーの皆様からアドバイスを頂き、リードのお二人のおかげで登れたようなものですが、それでもとても嬉しかったです。上手い人は動きに無駄がなく、丁寧に、易しいルートを選びとって登るのだなぁ、と感動しました。

無事に楽しく遡行を終え、リベンジを果たした織田さんとハイタッチをし、とても満ち足りた気持ちになりました。今回も皆さまに助けて頂いてばかりでしたが、やっぱり沢は楽しいなぁと感じた一日でした。鮮やかなリードやお助け紐で何度も助けてくださったATリーダー、感謝しています。ご一緒して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

 

【感想】土井 司

4、5日前の天気予報では時雨れる予報から前日には持ちこたえる予報に変更になる。曇りの中(渓谷であるから空は狭いが)覚えのある川を上っていく。時折さす陽射しに新緑が眩しい。水温は冷たくない。小さな滝が次から次へと現れ、困難な場所はATリーダー、TSさんからのロープを頼りによじ登っていく。ノーロープで登っていく両名には、ただただ尊敬する。途中、巨木に感動し大滝に圧倒され、滝の途中では固まりながらでもなんとか沢を詰めあげた。二年越しでの目標達成である。いずれは自分の力だけでと思うが、還暦を超えた者としては夢のまた夢。皆さんに頼る事を前提に、次はどの沢へいこうかと考えている次第である。

リーダーはじめご同行いただきました皆さん、ありがとうございました。また、お世話してやってください。

 

【感想】52期 秋房伸一

 もっとこぢんまりした藪谷かと想像していましたが、アスレチック感覚満載で、そこそこスケール感もある魅力的な沢でした。

 お助けヒモが大活躍なのも、チーム感があって良かったです。高巻きもせずにすみましたが、これもリードして頂いたお陰です。

 下山も、すごく楽ちんでした。皆さん、ありがとうございました。

 

【53期 辻博史】

小滝が連続する沢との事でしたが、山行前日の雨で水量が多かったのか、思っていた以上に立派な小滝が連続して続く、面白い沢でした。

それぞれ登りごたえがあり、どれもが直登するもので大満足しました。

皆で無事に上り、下山できてよかったです。

ご同行いただきました皆様、ありがとうございました。

 

【感想】TS

梅雨の合間の晴になった。遡行中、時々新緑の間から青空が見えた。

猪谷の距離は短く、渓は大きくないの短時間で終了するだろうと予想していた。しかし、難しい滝もあった。高さは約5~7mでそれほど高くはないが、ホールドが乏しく、進路に岩が覆いかぶさったりしていた。

「リードしてみますか?」とATさんに問われた。心の中で、「そんなん恐いし、落ちたら痛いし、粋がってやらん方がええに決まってる。せやけど、こんな機会はない。恐かったら、途中で止めたらええやん。」と頭の中に字幕が流れた。初めてリードをした。確保無しで登るのは怖かった。疲れた。取り付く前にオブザベーションして、読み通りであったり、無かったり。それが楽しかった。「登った!」という充実感がある。支点の構築を教えてもらって、自分がセットしたロープで後続の人が登ってくる。歩みは遅いが、少し進歩した。私は登攀なんてとんでもないと思っていた。ここまで指導してくれた先輩方に感謝する。

 

 

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〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.51~53 魚谷山・岩茸山・岩屋山

平成30年5月26日(土)

 

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写真1: 魚谷山山頂にて

 

祖父谷川を挟んで東西にある山を無理に繋げて山行を計画した。東の尾根にある魚谷山(816m)は「いおたにやま」と称し“万之丞山”との別名もある。一方西の尾根の岩茸山(811m)、岩屋山(680m)はこれと云った特徴のない山で桟敷ヶ岳の南に位置している。

 

【メンバー】 山本浩史L、塩見孝浩、藤井康司、梅村 重和

【山  域】 京都府京都市北区

【行  程】 桂川6:00=7:10持越峠7:18~7:57 P470~8:41惣谷山~9:26 P711~10:00魚谷峠~10:11魚谷山10:44~10:56魚谷峠~11:26オ梅谷出合~11:43足谷出合~13:00岩茸山13:17~13:53薬師峠~14:15岩屋山14:35~15:04 P564~15:40 P517~16:23持越峠16:31=17:17はなの湯19:38=20:19桂川

【登山データ】 曇り 歩行20.3㎞ 9時間05分 延登高1:476m 延下降1:476m 4座登頂

 

惣谷山尾根への取付きは雲ヶ畑だが駐車場所を考慮して持越峠(394m)をスタートとした。府道107号線を歩き雲ヶ畑白梅橋へと下り尾根の先端から取付きを探そうとしたが持越橋を渡ってすぐに作業道の入口があり入って行った。最初は微かな道があったがやがて無くなり斜面を這い上って稜線に達した。急登が落ち着くとP470に達し、展望のない薄い踏み跡の稜線を更に進んだ。惣谷山(633m)に達すると3等三角点「惣谷」が置かれ山頂標識も掲げられていた。北上を続けると尾根の東側、惣谷を上って来た林道が寄り添いピークを一つ越えると登山道は林道に吸収された。

林道を500m弱進むと前方にP711の大きな山体があり林道は西を大きく迂回しているので、林道を離れ尾根を直登した。少し登ると東側が開けた所があり、貴船山(716m)を望むことができた。複雑な稜線を尾根通しに進み再び林道に下り立つと1.5㎞程は気楽な林道歩き、西側が開けた場所があり桟敷ヶ岳(896m) から岩茸山(811m)に続くなだらかな尾根や愛宕山(924m)から地蔵山(950m)の稜線が見え、その手前には半国高山(670m)も確認できた。

魚谷峠(759m’)は林道の交わる広場があり魚谷と松尾谷方面へと続いている。魚谷山へは再び登山道となり400m余りで達した。魚谷山(いおたにやま816m)山頂には3等三角点「柳谷」が設置されているが展望はない。かなり早めの昼食タイムを取り魚谷峠へ引き返した。惣谷林道に戻り少し引き返すとオ梅谷林道が分岐し下って行った。ヘアピンカーブで谷を渡る処にクリンソウを見つけた。2株だけだが輪生するピンクの花は愛らしい。その後谷を見ると彼方此方にピンクの花を見つけることができた。

オ梅谷が祖父谷川に合流する処で山屋らしき男性が車を止めてウロウロしていたが意味不明、会釈をして通り過ぎた。祖父谷川の道は林道ではなく府道61号線で祖父谷峠部分が未開通。登山道で越えて向こう側にも同じ番号の府道が続いている。この府道を1.6㎞歩き足谷出合に到った。入口には小屋があり鉄製の門が設けられていた。ベニバナヤマシャクヤククリンソウの自生地で保護されている。小屋の横をすり抜け林道に入るとZ型に高巻いて高度を稼いだ。険しい谷には長いナメ滝が俯瞰された。やがて谷道になって林道終点に達するとクリンソウの数が半端じゃなく、しっかり保護活動が行われているようだった。谷筋の道を進むと徐々に谷が狭まり険しく歩き辛くなってきたので東側の稜線に這い上がり足谷源頭部のピークに達した。

少し下った鞍部が谷の収束点でその西側の尾根を直登した。少し登ると登山道が現れた。登山道を辿り尾根の張出しを超えると巻道となりどうも岩茸山に向かっていないようなので登山道を離れ斜面を這い上り岩茸山(811m)に到った。暫し休憩し南西の稜線を辿り縦走路を進んだが此方も踏み跡程度だった。やがて山頂を巻く正規の縦走路に合流し薬師峠へと下って行った。途中地形図には西谷を下る道と岩屋不動に達する点線道が描かれているが確認することはできなかった。

薬師峠(591m)には六体地蔵があり、6体の石仏が並んで安置されていた。此処を下ると岩屋不動で駐車場はあるが参拝者にしか車は置かせない。薬師峠の先は踏み跡も定かでなく10分程登ると3等三角点「岩谷」に到った。「岩屋山649m」の標識が何枚か設置されていたが、此れは間違いでピーク性のない登り斜面に設置された単なる三角点でこの背後の680m程の最高所が岩屋山山頂である。山頂には「火ノ用心」のプレートにマジックで「ここは岩屋山です」と書かれ間違いを指摘していた。

縦走路から西に飛び出した山頂から分岐点に戻るとやかんがぶら下げられ目印になっている。岩茸山からの縦走路は鴨川と清滝川の分水嶺でどちら側も京都市北区に属している。分岐から少し下ると突然雉の親子と遭遇した。雛は一散に逃げ親鳥は雛を守ろうと羽を広げて地面を駆け回った。100m余り標高を下げると地形図には寺谷と岩屋不動の一本南の谷を結ぶ道が描かれているが道形は認められなかった。564m標高点に到ると「P564」と書かれた小さなプレートが掲げられていた。

南東に400m余り進むと地形図には善福谷から雲ヶ畑岩屋川に到る峠道が描かれているが、此れも道形は認められなかった。縦走路も曖昧で、何故か雲ヶ畑岩屋川方面に踏み入れてしまいコンパスを合せると略逆方向を指しているので早めに気付いて事なきを得た。最後の目標地点P517にも例の標高点プレートが掲げられていた。展望良く魚谷峠から北の狼峠への稜線が見通せた。

P517の先にも要注意点があり尾根の繋がりを何気なく歩いていると西へ西へと回って行き枝尾根に入ってしまった。縦走路は何とも分かり難い斜面で後半になって立て続けにルートミスを犯してしまった。持越峠に近づくと伐採で開かれた展望地が何か所かあり惣谷山や岩屋山が望め、比叡山(848m)の姿がしっかり見えるようになってきた。

朝歩き出した時、持越峠の下山点は階段のある個所しか不可能で東に急斜面の縁をトラバースし峠に戻ることができた。今日の立ち寄り湯は、壬生「はなの湯」、京都に北の方に住む藤井さんも梅村さんも一緒に行った。入浴後は反省会をして解散した。

 

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写真2: クリンソウ オ梅谷林道にて

 

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写真3: 岩茸山(811m)  岩屋山分岐南展望地より

No.3739  新緑のリトル比良で歩荷トレ

2018年5月20日(日)

 【歩荷ポイント取得者】

TW、YN、斎藤庄一

 【行 程】

比良げんき村7:50~楊梅滝(雌滝)8:15~楊

梅滝(雄滝)8:30~涼峠~寒風峠9:55~滝山

10:20~鵜川越10:45~11:00岩阿砂利山

11:15~12:15オウム岩12:40~岳観音像

13:10~白坂~音羽近江高島14:35

 

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【記録】54期 鹿嶽眞理子

 前日の新緑祭では、皆それぞれに思いっきり食べて飲んでおしゃべりしてテントで就寝した。朝は5時半ごろ起床して荷造り。昨夜の残り食材を全部入れた特製うどんを綺麗に完食し、キャンプ場の片づけと記念撮影も済ませ、歩荷の重量を測って、いざ出発。

 まずは楊梅の滝へ。重荷を背負って、雌滝から先は渡渉、急こう配、鉄梯子と苦難の道で雄滝へ向かう。ここがこの日一番の核心部だったかもしれない。通常の登山道に合流すると皆さんほっとした様子。

 涼峠を過ぎ、しばらく行くと、細い川の渡渉があり、湿りを帯びた道となる。ぬかるみに足を取られぬよう、落ちている木の枝を踏みながら進む。寒風峠の少し手前あたりは苔が群生してなかなか美しい。

 寒風峠から少し進んだところで、山本浩史さんとばったり出会う。早朝にげんき村を出発し、なんとJR一駅分を歩いて近江高島からリトル比良を回ってこられたのだ。

 そのあとは滝山、嘉嶺ヶ岳など小さな登り下りを繰り返し、鵜川越でいったん道路に出てから最後の登りを頑張って岩阿砂利山に到着した。みなさん、歩荷ご苦労様でした。

 本日一番のビューポイントのオウム岩まで歩いて昼食タイム。この日は空気が澄んでいてお天気も良く、新緑の山も琵琶湖畔も色鮮やかで美しかった。

 ここから先は多少の登りはあるものの基本は下りで、岳観音像、白坂を経てさくさくと音羽へ下山し、近江高島駅へたどり着く。

 コースタイムプラス1時間くらいで考えていたが、皆さん健脚で予定より若干早めの到着だった。

【感想】57期 藤井康司

減量を目的とした連チャンボッカの二日目。前夜の暴飲暴食が下腹に祟っていたものの、筋肉痛にもならず、冷涼な気候の下さわやかな出立となった。ボッカ重量も18キロに落とし、新緑のリトル比良を思う存分楽しんだ。このコースは初めてだが、実に美しい。楊梅滝は秀麗の一言。その後もめくるめく緑の万華鏡を谷筋、尾根筋と縦走していく。オウム岩からの展望も素晴らしく、山を彩る花や鳥、昆虫、蛙、セミとうごめく小動物、生命の息吹を感じるプチ山旅となった。目的は達成することが出来なかったが、盛りだくさんのハイキングルートを教えていただいた。

 

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【感想】57期 TW

 正会員になる為に臨んだボッカ山行でした。 前日は新緑祭。ついビールをぐびぐび飲み、ワインも戴き、日本酒も味見をして、夜遅くまで楽しく起きていたため、山行の朝はザックの重さにクラクラしました。出発から楊梅の滝までの登りが、最近行った山の中で一番キツく感じました。 前夜のお酒を悔やみました。  滝のような大量の汗をかき、岩阿沙利山まで行けるか心配になりましたが、汗と一緒にお酒も抜けたようで、体調が回復。その後は苔むした湿地帯を眺めたり、可愛いいサラサドウダンの写真を撮ったり、たくさんの小鳥のさえずりを聞いたりして、荷の重さを忘れる楽しいボッカ山行でした。

当初、身軽な荷物で新緑の山をハイキングする予定だったのを、鹿嶽さんが一肌脱いでくださり、ボッカ山行にしてくださいました。入会当初は体力も知識もなくヘナチョコだった私が、会の皆さまに押し上げて頂いて、ようやく正会員になれるんだ、と大変ありがたく感じた一日でした。

鹿嶽リーダー、優しいお心遣いに感謝しています。ご一緒いただいた皆さま、どうもありがとうございました。

 

【感想】53期 高橋秀治

鹿嶽リーダーからお誘いを受け、今更「チームK」がボッカと思いましたが、リトル比良には入会して間もない頃にボッカポイント習得のために参加した思い出が有り、再度ボッカして今回は南から北に歩きました。

何とかボッカポイント習得の岩阿沙利山まで歩けましたが、前回は近江高島駅から北小松駅までボッカしており、8年の月日を感じました。

しかし、新緑の中を山談議で盛り上がり、楽しい時間をご一緒頂いた皆様と過ごせありがとうございました。

 

【感想】60期 YN

なかなか予定が合わないボッカの例会の2回目。他のリーダーも沢山企画して頂いているが、たまたま日が合い参加することに。同じ重量を持つのだが、新緑祭翌日ということもあり、皆さんと会話できて気持ち的には若干減量されていた。当日は快晴、楊梅の滝へ立ち寄り、琵琶湖を望み、陽光降り注ぐ新緑の小径を通るこのルートは最初からお得感満載でした。辛い箇所は楊梅の滝への階段と岩阿砂利山手前の急登位でしたが、次のおうむ岩からの大パノラマは格別でした。よく最後においしい物を食べる事のあるボッカですが、食べなくても(景色が)おいしいボッカってあるもんだな~と感心していた山行でした。また忘れた頃に行きたいルートになりました。企画いただいた鹿嶽リーダー、参加者の皆様ありがとうございました。

 

【感想】61期 齋藤庄一

新緑祭の話の中で飛び入りで参加させて頂く事になった例会です。突然の参加で他の参加者の皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。前日の歩荷例会のおりに藤井さんに誘われ体調がよければ参加できればと思い考えていたなかで参加する事ができ良かったと思っております。

ただ、前日の歩荷トレと、新緑祭での深酒がたたり開始早々、汗だくだくの歩荷トレとなりました。

一人での歩荷トレとなると途中でくじけていたと思われる内容で、皆さんと一緒に登れたなかで、なんとか岩阿沙利山まで登ることが出来たと思っています。

まだまだ体力不足な事が分かった例会でもありましたので、今後のトレーニングの基として考えて行きたいと思っています。

突然の参加でご迷惑をおかけしましたが、一緒に登って頂いた皆様、鹿嶽リーダー有難うございました。

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【感想】54期 鹿嶽眞理子

重荷を担いでの楊梅の滝はきついのでスキップしようかと思っていましたが、メンバーを見ると強者ばかりなので行くことにしました。初めての方もあり、滝を喜んでいただけたようで良かったです。

コース初めのほうでオオルリに出会い、その後もいろいろな鳥の美しいさえずりやカエルの合唱などを聞きながらの山行でした。サラサドウダンやベニドウダン、ヤマツツジもきれいに咲いていました。シライトソウやヒメシャガにも出会えて、花好きの私はわくわくでした。

久々のリーダーで、先頭で、記録のための標識撮影もして緊張していたのか、帰って写真を見ると、いつもよりかなり枚数が少なく、しかもほとんど標識と花だったので笑ってしまいました。

TWさん、ポイント満了で正会員おめでとうございます。皆さんも歩荷ご苦労様でした。またよろしくお願いします。

 

No. 3734  ボッカ 蓬莱山改め打見山 ※ボッカポイント

2018年5月19日(土)

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【メンバー】

L田中靖之(22kg)、藤松奈美(20kg)、藤井康司( 20kg)、TS(24kg)、

齋藤庄一(21㎏) 計5

カッコ内は歩荷重量、小数点以下は切り捨て

 

【行程】

08:30志賀駅駐車場発

09:08登山口~キタダカ道~クロトノハゲ

11:45打見山山頂

 

【記録】 57期 藤井康司

集合場所の志賀駅駐車場を出発。明け方雨がふったようだが、 雨は止み、曇り空が広がる。昨日とは打って変わって清涼な空気、 少し肌寒いぐらいの絶好のボッカ日和だ。山談義が弾む。 半時間強で登山口に到着。 ザックの準備が出来ていなかった藤井は石を詰め込む。 ほぼ林道に近い、整備登山道を行く。 和気あいあいと談笑しながらのボッカは経験がない。 9合目あたりから少し斜度がキツクなり、話し声もまばらに。 山頂付近は完全にガスに包まれる。気温7度、 風速は毎秒10メートルを超え、体感温度は氷点を下回る。 蓬莱山は断念し、ボッカ終了。 ロープウェイ山頂駅のレストランで休憩の後、ロープウェイで下山した。

 

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登山道から琵琶湖を望む

 

【感想】 57期 藤井康司

減量目的で新緑祭を挟んだボッカ例会連チャンを計画した。今回はその初日。ボッカといえば、4年前の堂満岳、青ガレの初例会参加を思い出す。酷暑の中、全身ドボドボになりながら、青息吐息、下山時はほぼ腰砕け状態、1週間はまともに歩けなかった。自分の原点ともなった山行だ。往時とべれば体力・筋力もつき、荷物の詰め方、担ぎ方、歩き方、 服装・装備に至るまで変わり、随分楽になったものだと思う。今回は冷涼な天候、 行程、メンバーにも恵まれかなりお得感の強いボッカ例会となった。

 

 

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打見山山頂付近から

 

【感想】61期 齋藤庄一 

山岳会に入会させてもらい始めての例会。そして初めての歩荷トレ。

今まで20kgを背負って山登りって行った事も当然なく、不安いっぱいでの例会参加となりました。

重いリュックを背負い方をTSさんに教えてもらい、気持ち背負うのが楽になりました。

先頭は、藤松さんが、歩荷ペースで登られ、そのあとを自分がついて行かせてもらいました。ゆっくり歩いているのですが、歩荷ですから額から汗が噴出してきます。他の方たちを見ていると、平然と登られており、自分の力のなさを痛感しました。

何度かの休憩を行いながら、打見山まで登ることが出来ました。

主催されました田中リーダー、その他の皆様のおかげで、なんとか歩荷トレが出来たと思います。ありがとうございました。

 

【感想】55期 田中靖之

今回仕事等忙しく2年弱ぶりに企画した例会をやっと実施できました。今回夕方から新緑祭も有り、下山時にロープウェイも使えるコースで企画しました。

前日の予報では山頂風速17メートル予報でしたのでロープウェイの会社に問い合わせた所、20m位までは止まらないだろうという事で決行(止まっていたら整備されたキタダカ道を引き返す)しました。

登りは晴天で振り返ると琵琶湖が望め、皆様と楽しくしゃべりながら登れました。

尚、参加者の一部からは私がボッカの鬼(ボッカトレを好きでやっている)と思われているようですが、テント泊に行く体力作りの為に仕方なくやっているだけですので(笑)。

 とにかく皆様との山行ご一緒でき凄く楽しかったです。ご参加頂きありがとうございました。

 また涼しくなった秋にはボッカトレや、平日の六甲ハイキングや、やさしめのテント泊を企画したいと思いますので、機会がありましたらまたよろしくお願いいたします。

 

【感想】TS
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年前の7月に初めて歩荷トレーニングをした。ツラくて辛くて「もうこんなこと絶対にせーへん!」と思った。私はボッカが大嫌いだ。今回はポイント取得のために参加した。こんな義務感いっぱいの山行だったが、新緑が美しい山をみんなで歩くのは楽しかった。これでボッカポイント×2は終わり。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo49・50 飯森山・桟敷ヶ岳

平成30428()

 

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写真1: 城丹国境尾根を振り返ると展望ピークの後ろに反射板ピークと飯森山(791m)

飯森山(781m)は、清滝川の源流域、北区大森と右京区京北の境にある。桟敷ヶ岳(896m)は、京都市北区雲ケ畑にある。新緑萌える晴天のもと井戸祖父谷と妹路谷(いもじだに)の合流点の橋の袂に車を置きジョウクラ尾根から国境稜線、池ノ尾峠を周回縦走した。

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【メンバー】 山本浩史(単独)

【山  域】 京都府京都市右京区・北区

【行  程】 桂川駅5:136:20妹路谷橋6:257:03井戸山~7:39ジョウクラ峠~7:54権現山~8:16飯森山~8:25大谷峠~9:13 P8429:40ナベクロ峠南西ピーク~9:47ナベクロ峠~10:06桟敷ヶ岳~10:56祖父谷川出合~11:08祖父谷峠~11:43仏峠12:33池ノ尾峠~13:06妹路谷橋13:1713:27常照皇寺14:0415:52桂川

【登山データ】 天候:晴れ 歩行 16.3 6時間:41 延登高 1,417m 延下降 1,417m  4座登頂

 

今回も参加者なく単独となったので出発を早めた。府道61号線は妹路谷(いもじだに)林道が分岐する橋の先が通行止めで橋の袂に車を置いた。歩き出すとすぐ、府道を倒木が塞ぎ酷い状態だったが潜ったり乗り越えたりして辛うじて通り抜けることができた。見上げてみると風倒木ではなく土砂崩れによるものだった。府道の先には林業用の重機が取り残されており、行き止まりでう回路もないので大変だろう。

井戸祖父谷から小祖父谷に入り林道が対岸に渡り尾根の先端に達した処から尾根に取付いた。道は無く急斜面で木に摑まって這い登ると茨の棘が服に引っ掛かり身動きが出来なくなってしまった。これは手強いかと思われたが入口付近だけで後は下草も殆ど無く問題なく稜線に這い上がることができた。稜線の北にある井戸山(671m)に足を伸ばし山頂に立つが3等三角点「長子」があるだけで山名の標識はなかった。此の山は別名「小祖父谷山」、「ジョウクラ」とも呼ばれているようだ。

引き返してジョウクラ尾根を南下した。複雑に曲がりくねった尾根でやはり道は無いが歩いた人はいるようで所々テープが見られた。しかし展望のない稜線でルートファインディングは欠かせない。途中のP656は存在感のあるピークでやがてジョウクラ峠(577m)に達した。小祖父谷から林道が上がってきているが中の谷側に道形は見出せなかった。南下を続けると傾斜が増し権現山(701m’)に達した。山頂には標識もなく展望もないので先に進んだ。大きな括れの鞍部を越え140mの登り返しで飯森山(791m)に取付いた。此方も急登で地形図に山名の書かれた山頂には山頂標識があり、名残のミツバツツジも咲いていた。

飯森山は京都市北区と旧京北町の境で城丹国境の山で東に続く稜線は国境稜線となる。登山地図にも登山道が描かれた稜線で比較的なだらかに下ると大谷峠(725m’)に達した。飯森山と大谷林道への道を示す古びた指導標があった。稜線を辿り780m程のピークに到ると北面が伐採地で展望が開け登って来た井戸山や登山口の南にあるP671が望めた。次のピーク付近で振り返るとさっきの展望ピークと飯森山、そして飯森山の南にある電波反射板のピークも望めた。

国境稜線を進むと登山道がピークを外れているので忠実に立ち寄って見るとピークには岩が重なっていた。更に進むと登山道は両側のピークの真ん中鞍部を抜けている。14年前に来た時は北のピークを通ったので今回は南の顕著なピークP842に立ち寄った。ピークには「P842」プレートが掲げられていた。登山道に戻り送電線ピークに達すると祖父谷峠からの道と合流した。南方面の展望が良くすぐ南に形の良いピークを発見、標高は打たれていないが立ち寄って見たい衝動に駆られた。

ナベクロ峠は何の表示もなく桟敷ヶ岳への縦走路と永谷に下る道が分岐しているが分かり難い。縦走路を離れ南西に進み件のピークを目指した。予想通りピークには何もなく展望も得られなかった。ナベクロ峠に戻り桟敷ヶ岳を目指した。桟敷ヶ岳(896m)6年ぶり5度目の登頂、2等三角点「桟敷岳」が置かれているが上部の折れた三角点標石が露出し傾いていた。此れは以前のものがそのまま残されているだけで傍らに現役の点標がしっかり設置されていた。まだ10時だが昼食休憩をして辺りを見回すと小さなゴミが散乱、来月の岳連清掃登山を前に奉仕活動でファミマの袋いっぱい回収した。

帰りはナベクロ峠に戻り祖父谷峠へと向かう予定だったが独りの気楽さで同じ道はできるだけ歩きたくなく、祖父谷川の支流枝谷の源頭が北山特有のなだらかさと新緑の美しさを醸しているのでこの谷を下りることにした。暫く下ると本流と思われる谷に合流し険しくなり水もあり面倒なので尾根筋にトラバースした。横から見ると案の定滝も現れた。15分程で祖父谷の府道に降り立った。因みにこの府道は祖父谷峠に阻まれ繋がっていないが北側の井戸祖父谷の府道と同じ61号線「京都京北線」を名乗っている。

暫く行くと石仏峠付近に到る林道が右に分岐した。林道はやがて山道となり送電線が見えてくると祖父谷峠に達した。峠の地蔵が井戸側に50m余り下った所にあり峠から望遠レンズで姿を捉えた。北に進み再び城丹国境尾根となりアップダウンの多い複雑な地形を歩き送電鉄塔に到った。開かれて展望が良く桟敷ヶ岳の全容を見ることができた。送電線2組が稜線に絡みつくように進み石仏峠に達した。指導標には、「北は地蔵谷、西は城丹尾根、南は魚谷」と記されていた。

魚谷に下る道に入り林道が分かれて東へと向かったが稜線を歩いたほうが良かったようだ。取り付ける処から稜線に這い上がり灰屋山への尾根に入った。暫く行くと灰屋へ下るイザナギ谷への指導標があった。750mまで標高を下げるとなだらかな下りで最後の送電線を潜り東へと去って行った。やがてなだらかな登りとなって左側に林道が始まった。林道を見下ろし忠実に稜線を辿って、池ノ尾峠を目指していたが何の表示もなく上がって来る道も見出せないまま立ち寄ろうとしていたその先のP761に到ってしまった。ここも何の表示もなく、引き返しGPSで位置確認をするがやはり池ノ尾峠は何の気配もなかった。

妹路谷へは横を走る林道が連れて行ってくれると見込んで進んで行くと上り坂で少し不安になるが尾根の先端付近から下り出した。ジグザグに下っているので尾根をダイレクトに下り短絡し、トラバースに入る処から林道に戻った。自動車が走るには過酷な程の勾配で最短距離を通っている。やがて妹路谷の林道に合流し、更に5分程下ると石仏峠からの地蔵谷が合流し北山杉の美しい斜面を見ながら府道との分岐に到った。付近に2台の車が止められ釣り人が入っているようだった。

帰路京北井戸町の常照皇寺に立ち寄った。北朝初代の光厳天皇が開山し、境内には天然記念物の九重桜、御所の左近の桜の分木、御車返しの桜など名高い木がある。志納料400500円とあったが500喜捨し拝観した。背後の山国御陵には102後花園天皇と共に祀られ後土御門天皇の分骨も収められている。

 

 

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写真2: 城丹国境尾根から桟敷ヶ岳(896m)を望む

 

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写真3: 常照皇寺境内から井戸山(671m)が見られた