京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

NO.3198 沢登り 南紀の沢 栂谷

2012年4月28日(土)夜~4月29日(日)

f:id:hirasankun:20191125162535j:plain

写真:ヤケベ岩前の斜瀑にて

 

※栂沢沢登りウォータースライダー(動画)

 

【参加者】小松久剛L 松井篤 植田健司  秋房伸一 高橋秀治  小松麻衣  計6名
【天候】 4月29日 晴れ

【記録】
4月28日 19:00京都駅南駐車場発→23:35林道入り口着 就寝
4月29日 6:00起床→7:00発→7:39栂ノ平橋着→8:06入渓→8:21F1ナメ滝→8:24分F2→8:31分F3巨岩に大木がささる→8:36F4→8:50分F5ナメ滝→8:55分F6→9:05ヤケベ岩付近で一本立てる→9:25ヤケベ岩前斜瀑美しい→10:10ガンガラ滝→10:17斜瀑→10:30 120m斜瀑→10:40 5m斜瀑右壁直登→11:40全員登攀完了→12:20つめ上がり完了→12:40帽子岩→13:00山頂→14:20廃村俵石→15:00林道→15:40駐車位置着

4月28日 晴れ
 京都駅南の駐車場で集合。
近畿道から和歌山に入り、深夜の国道をひたすら東へ。あちらこちらに前年の洪水の跡が見られた。
 新宮市高田まではたどり着いたものの、林道は入口付近で半壊し、立ち入りできない状態。奥まではつながっているようなので、林道入り口で幕営。プチ宴会もして、12時30分ごろ就寝

4月29日 晴れ
村はガスで包まれていた。徒歩で出発。
徒歩40分程で栂ノ平橋に到着。
植田さんが岩初めてとのことだったので、ごくごく簡単にセルフビレーの説明をしてから入渓。
入渓後すぐ斜瀑。ナメが美しい。
気分が上がるが、奥のナメ滝地帯には前年の台風の影響で岩や木がごろごろしている状態。しばらくは谷が荒れた状態が続くであろうと思われる。

 

f:id:hirasankun:20191125162816j:plain
写真:入渓してすぐの美しいナメ滝を直登

 

 とはいえ、部分部分にはかつての美しいナメ滝が残り、特に難しい箇所もなく、散歩気分で遡行を続けられるので、沢初めにはぴったり。(京都からは少し遠いが) 9時ころにヤケベ岩前に到着。
岩はすっぱりと切れ落ちており、その前を美しい斜瀑が釜を作って流れ込んでいる。この沢のハイライト。美しい。
 しばらく進むと岩の集積の横をすり抜けるガンガラ滝がみえるが、こちらは横を簡単に巻ける。斜瀑と斜瀑の間にナメが続くような渓相が続き、美しい。ただ、台風の影響がところどころあり、若干荒れている。

 120mLの斜瀑は特に問題なく通過できた。その直後の5m滝は本来右岸を巻くようだが、右壁を直登できそうだったのでロープの練習がてら直登。小松がリード。
 練習にハーケンを打ったりしたのもあるが、やはりロープを出すと時間がかかり、1時間程度かかってしまった。
 
その後も斜瀑が続き、さしたる困難もなくつめ上がりも完了。帽子岩という巨岩を越えて山頂にいたるが、帽子岩上は眺望がすばらしい。一方で山頂は眺望がないので少し危なっかしいが帽子岩は寄るべきであろう。

 烏帽子山から俵石までは尾根沿いに東に進むが、沢自体よりもこちらの方が難路で、台高縦走を思い出すような道であった。
 2時間程度かけて駐車位置に戻り、帰京した。
 
【感想】52期 小松久
 初めての南紀の沢でしたが、ナメ滝とナメの連続で、非常に珍しく、美しい沢でした。惜しむらくは前年の台風の影響で沢が荒れていたことでしょうか。
 とはいえ、ヤケベ岩前の斜瀑は本当に美しかったですし、私が沢を始めて以来、最長(10mくらい)のウォータースライダーもできて、楽しい遡行となりました。
また一緒に行きましょう。

【感想】53期 高橋秀治
今年最初の沢であり、また「関西起点 沢登りルート100」には屹立するヤケベの特異な景観と美しいナメ床の連続とありすぐに参加表明しました。
予想通りの美しい沢で有り、下山途中にある俵石廃村跡では人の営みのたくましさを感じた山行でしたが、改めて昨年の台風災害のすごさを目の当たりにした山行でした。

【感想】52期 秋房伸一
 南紀は少々遠いですが、沢始めとするには暖かくて、こういう機会でもなければなかなか行けないと思って参加しました。
 穏やかなナメを堪能できる、期待通りのよい沢でした。沢初心者にも断然おすすめです。関西百名山のNo100の烏帽子山の山頂を踏んで下山することになりますが、下山路も長いので、沢靴はフェルトよりもアクアステルスがおすすめ、日帰りで荷物も軽いので軽量のトレランシューズを履き替え用に持参するのもよいかもしれません。私はフェルトで、少々たいへんでした。
俵石の集落跡は、なかなか感じ入るものがありました。

【感想】 46期 松井 篤
久し振りの例会参加で、また今シーズンの沢初めでしたが、天気に恵まれ、メンバーの足並みも揃った本当に楽しい沢登り(沢歩き)でした。
大きな滝や、ゴルジュ、深い淵はもちろん沢の魅力ですが、今回のようなナメの連続は、それらとは全く異なる沢のもうひとつの魅力であることを再認識しました。
綺麗なナメ、雄大な側壁、明るく楽しい沢との出会いのチャンスを与えてもらった小松リーダーに感謝。

【感想】51期 植田健司
久しぶりの例会参加で、しかも初めての沢登りでした。
活動前は若干、不安もありましたが、他のメンバーの方々の指導や助力もあり、楽しく安全に活動を行うことができました。今回の例会で沢登りの楽しさを認識することができ、今後も積極的に沢登りやクライミングをしていきたいなと思っています。

【感想】53期 小松麻衣
南紀にはあまり行く機会がなかったので今年初となる沢登りでとても楽しみにしていました。災害の影響が残る景色を目の当たりにして複雑な心境の中、所々現れるナメが続く穏やかな景観に心癒されました。 
ナメ滝で足を滑らせた時に、必死で止めていただいた高橋さん、松井さんに感謝してます。「一度滑ると止まらない」と本に書かれた文章は間違いありませんでした。

f:id:hirasankun:20191125162843j:plain

写真:帽子岩の上にて