京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3564 京都北山 読図例会 初級編

2015年11月3日(火)

【メンバー】 小泉賀奈子(CL),山本夏雄,上坂淳一,鹿嶽眞理子,田中靖之,

TW,吉田史和   計7名

【行 程】

8:07叡山電鉄 出町柳駅8:18三宅八幡駅900―9:10崇道神社―10:51 461のピーク 10:56―11:25瓢箪崩山 △532.211:44寒谷峠(長谷町側から登ってきた山本夏雄氏と合流)―12:55江文峠13:1413:59金毘羅山 △572.7 14:09―14:39翠黛山―15:22寂光院―15:40大原バス停

【天 候】晴れ

【記 録】52期 小泉賀奈子

8時に出町柳駅に集合後,八瀬行きの叡山電鉄に乗車。三宅八幡駅に直接来られているはずの山本夏雄さんの姿が見当たらない。電話をすると,「駅前にいる。」とのことだった。話しが噛み合わないのでよくよく聞いてみると,鞍馬行きの路線上に「八幡前」という駅があり,そこに来られていたようだ。山本さんは寒谷峠から登り,瓢箪崩山で落ち合うことになった。集合場所と似た名前の駅名がある時は十分注意したい点である。

 花園橋のサークルKでトイレ休憩をとった後,本日の地図を配布した。今回も春と同様に,地図上に記された地点(全14箇所)について地形的な特徴を読み,先頭を歩いて該当箇所に到達したらみんなで確認するという形式で行った。ベテランの上坂さんは最後尾についてもらい,鹿嶽さん,吉田さん,田中さん,TWさんの順で先頭を交代しながら進めていった。

崇道神社からの登りは,山と高原地図(エアリアマップ)には載っているが,国土地理院1/25000図には記載されていない登山道である。所々に赤いテープが木々に巻いてあり,それほど迷うことなくA地点に着いた。ここで,今回のポイントとなるいくつかの地形をリーダーより紹介した。等高線,ピーク,鞍部(コル),尾根,谷などである。上坂さんからも,次の地点に着いてから地形的な特徴を見つけようとするのではなく,歩きながら尾根の張り方や谷筋の様子を見るよう,話があった。

 

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B地点の特徴をしっかり捉えていた吉田さん。実際に歩いてみると登りの途中で何度も地図を確認しては少々不安な様子。ずいぶん手前で止まられた。C地点では田中さんが「Cはコルです。」と言われたが,下り坂の途中であったためもう少し進んでコルの地形を確かめた。E地点では「ここが461のピークです。」と宣言された鹿嶽さんであったが,上坂さんに「ピークは一番高い所。この先登りですよ。」とアドバイスされ,一つ手前の尾根と勘違いされていたことが分かった。江文峠から金毘羅山に行く途中,九十九折れの山道がある。地図にははっきり出ていないため,登山道が鋭角に向きを変える度に,TWさんは不安に感じておられたようだ。みなさん,先頭で歩いてみることで適度な緊張感をもって地図読みができたのではないだろうか。

寒谷峠で山本さんと合流。7名になって先を進んだ。江文峠で昼食。気温はさほど寒くなく,日差しもあって暖かかった。TWさんにチョコレートの差し入れをいただいて元気回復。先を急いだ。

金毘羅山の三等三角点はスルーしてしまうことが多いが,ここも地形のおもしろい場所。コルを越えてさらに南西に進むと奥宮がある。M地点へは尾根伝いに行こうと何名かが進んでみたが,足場の悪い崖になっている様子。地図上のルートに戻って尾根を巻いた。「こうした地形の偵察も大切。」と上坂さん。翠黛山から寂光院へ抜ける登山道は北東に大きく折れ曲がる箇所に注意が必要。小さな看板が出ているので見落とさないように。下見時,私はその看板に気付かずにずんずん下り,途中から道がなくなって遭難しかけた。今回も吉田さんが速いペースで下りていかれたので「待った。」をかけた。「行動を開始する前には,次の地点はどの方向かコンパスを合わせることが大切。」と上坂さんがこの日ずっと口にしておられた。こういった状況でこそ役に立つのだなと感じた次第である。

 

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金毘羅山の山頂にて

 

【感想】55期 田中靖之

普 段私は登山道やテープに頼って歩く事が多いので,今回読図例会に参加させて頂きました。小泉さんや上坂さんに教えて頂き,地図を見ながら交替で先頭を歩き ながら次の地点を探す作業はとても勉強になりました。特に道中,左右の尾根や谷を確認しながら歩かないと現在地が分からなくなるので,地図で地形を確認しながら歩く重要性を痛感しました。またピークから二股に尾根が出ている所ではどちらとも登山道のように見え,コンパス等でしっかり確認する必要性を感じました。

参加させて頂き,これから教えて頂いた事を意識して山歩きを通じ読図力を少しでもつけていきたいと思いました。また秋の北山歩きも皆さんと歩け楽しかったです。ご一緒させて頂き ました皆様ありがとうございました。

 

【感想】57期 TW

体験山行のオリエンテーリングで地図が読めず,白滝山をぐるぐる彷徨ってから一年余り。少しずつでも読図力を上げていこうと心がけてきました。今回は4回目の地図読み例会です。「地図上の地形 と実際の地形の照らし合わせ」が上手くできず,何か掴み取れたらいいなと思い参加させてもらいました。

今回も思ったように地形の起伏が読み取れず,苦労しましたが,小泉さんや上坂さんのアドバイスから,特徴的な場所に着いてから地形を見るのではなく,歩きながら沢筋や尾根の走り方 を観察することがポイントなのかな,と感じました。本を読んだり,山中で時間ができたら地図と地形を照らし合わせたりする方法で読図の勉強をしていました が,豊富な経験を持つ先輩方に指導して頂きながら山を歩き地図を読むのは,やっぱり違いますね。とても分かりやすく,独学の何倍も身に着いたように感じ ました。秋ののどかな北山で,貴重な勉強をさせていただきました。

丁寧にご準備頂きました小泉リーダー,どうもありがとうございました。分かりやすいお手製の「パネル」,感動しました。

地図読みのコツを教えてくださいました上坂さん,山本さん,ご一緒いただいた皆さまも,どうもありがとうございました。教えていただいた「地形の見方」,次の登山で活用します。

 

【感想】58期 吉田史和

普段地形をじっくり読み取る機会があまりなかったので,とてもいい勉強になりました。地形を確認しながら山を進む楽しみを知ると同時に,自分の力のなさを実感しました。企画していただいた小泉さん,優しく教えてくださった皆さん,本当にありがとうございました。

山に入るうえで地図を読む力は最も重要だと感じています。これからも読図例会はもちろん,オリエ ンテーリングやロゲイニングの大会にも積極的に参加して経験を積んでいきたいと思います。ありがとうございました。

 

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【リーダー所感】52期 小泉賀奈子

小春日和の心地よいお天気のもと,北山で第2回目となる読図例会を行うことができ,嬉しく思っています。北山は高校時代に何度も歩いた山域で,地形の難しさに何度も泣かされた山でもあります。迷いやすい里山だからこそ参加者のみなさんには,先頭に立って歩いて,地図を読む必要性を感じて欲しいと思っています。

今回は第1回目の反省を生かし,コースを念入りに下見して,忠実に地図上に起こしました。1/25000は正確だと思い込んでいると,思わぬところに落とし穴があることもだんだん分かってきました。北山では特に,尾根を通らずに巻いて道がついていることが多いです。読図用の地図を作ることもまた,よい勉強になったと感じています。また,みなさんと歩く中で,そんな風に地図を読まれているのだな,という発見がたくさんありました。上坂さん,山本さんにはいつも的確なアドバイスをしていただき,感謝しております。ご参加くださった皆様,ありがとうございました。