京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3711 奥比良スノーシュー   ※テント泊ポイント

2018年1月20日(土)~21日(日)

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写真:イクワタ峠北峰へ

 

【メンバー】CL秋房伸一、辻博史、TW、会員3名

【行程】

20日(土):7:00出町柳=桑野橋デポ地8:20~9:08廃車地点~登山道9:14~10:51電波塔~11:13蛇谷ヶ峰11:22~12:22須川峠~12:46アラ谷峠~13:13横谷峠(幕)

21日(日)4:45起床、横谷峠(幕地)7:12~7:55地蔵山~8:10ササ峠~イクワタ峠北峰9:00~10:31栃生(国道)~11:57桑野橋デポ地=京都

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GPS軌跡

 

【記録】52期 秋房伸一

 これまで何度も積雪期比良全縦を実施してきたが、今年は暦の関係もあり、1泊2日で全縦のエッセンスともいえる奥比良だけの山行を企画した。

 雪の比良は個人の体力差よりも、その年の積雪状況によって、コースタイムは大きく異なる。

 今シーズンは12月から京都市内では降雪がみられて積雪には期待していたが、私のこれまでの経験上では最も少なかった。

 毎回、積雪量のメルクマールにしている、出だしの林道の廃車には、全く雪がなかった。結局、電波塔のところまでスノーシューは装着せず。

 さすがに尾根上はスノーシューの必要があり、やっとスノーシュー例会らしくなった。蛇谷ヶ峰の山頂は三角点が露出。

 蛇谷ヶ峰を過ぎると雪山らしくなり、スノーシューハイクを楽しんだ。

 しかし、アラ谷峠でスノーシューを外し、横谷峠の幕地に到着。

 横谷峠には雪山キャンプに必要な雪が十二分にあった。到着時間は早かったが、これ以上進んでも、翌日の楽しみが減るので、余裕をもってまったりテント生活を楽しむことにした。

 美味しい鍋をいただき、早々に就寝。

 翌日は、スノーシューを装着して出発。良い天気で、快調に進み、イクワタ峠北峰に到着。下山にはスノーシューを外した。

 デポ地に戻るのに、安曇川左岸の国道でない静かな道を選んだが、国土地理院の国土基本図web版にも昭文社の地図にも記載されている朽木大野の橋が消失しており、若干のロスタイムが生じたが、正午にはデポ地に戻り、隣のお店で昼食を食べて帰った。

 

【感想】57期 TW

比良全縦には雪に埋もれながら強烈なラッセルで進んでいくヘビーな縦走、というイメージがあり、短いコースとはいえ私の体力で付いてゆけるかな…とドキドキしながら参加を申し込みました。

しかし、桑野橋から見える比良の山肌は茶色。埋もれるような雪もラッセルして進む箇所もなく、かき氷のような雪面をスノーシューとツボ足を使ってざくざく進む、気持ちの良い縦走でした。

2日間とも雲一つない穏やかな快晴で、1日目の蛇谷が峰、2日目の地蔵山から見た琵琶湖や比良の山々の広がる景色が美しかったです。急登や道迷いしそうな箇所、トラバースに来ると、秋房リーダーが雪山で注意する点や歩くコツなど、比良全縦のスペシャリストならではの話を教えてくださり、大変勉強になりました。

今回は雪が少なく視界も良好だったため順調に通過できましたが、大雪が積もった時の景色や苦労を想像しながら歩きました。

秋房リーダーや辻さんのような冬山エキスパートには物足りない雪量だったかもしれません。私も、もっと雪を味わいたかったという気持ちがありますが、雪が少なかったおかげでお二人から冬山の知識と技術をゆっくり教えていただくことが出来、私にとってはいい経験になりました。

秋房リーダー、辻さん、大変お世話になりありがとうございました。

 

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写真:蛇谷ヶ峰

 

【53期 辻博史】

冬の蛇谷ヶ峰は初めての訪問でした。

過去の冬季比良全従の話や昨年の降雪後の蛇谷敗退の話を聞いていたので、「どんなかな」と思っていましたが、取り付きの林道には全く雪が無い状態で、蛇谷ヶ峰までは夏道とさほど変わらず、ちょっとがっかりでした。

さすがに蛇谷ヶ峰以降は雪に覆われていて、雪山での道迷いし易い箇所の確認や、ルートファインディングのいい練習になりました。

また、夜は気温があまり下がらず、快適なテント泊ができました。

色々準備いただいた秋房リーダー、食担していただいたWさん、大変お世話になりありがとうございました。

余裕のある雪山テント泊は本当に楽しいですね。おかげさまでリラックスした楽しい山行が出来ました。

 

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写真:横谷峠 幕地

 

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写真:イクワタ峠北峰

No.3710 京都外周ウォーク⑧ ~西山古道を歩く~

2018年1月 20 日(土)

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【楊谷寺山門】

【メンバー】57崎山康治

【天候】曇り 時折薄日が差す 12時の気温10

【行程】8:40阪急長岡天神駅出発~9:00

長岡天神(トイレ有)~[竹林の道]~

配水池()~阪急バス停上ノ町~9:30

西山キャンプ場への標識・石柱~ほた

る橋~9:35西代里山公園管理棟(休憩

所・トイレ有)~京都縦貫道下~9:55

石橋~[西山古道]=10:00鉄橋左岸~

11:00京青の森=12:10楊谷寺(休憩

所・トイレ有)昼食休憩12:50~[舗装

竹林道]~13:30乗願寺~13:45189

~[天王山ハイキングコース]=14:20

小倉神社分岐~14:50天王山・山崎城址

酒解神社~旗立松展望台~15:30

崎聖天・観音寺~15:45桜の広場公園

(トイレ有)16:00離宮八幡宮

16:10JR山崎駅到着

【歩行距離等】

歩行距離:15km

所要時間:7時間30

累積標高差(+)799m(-):811m

【記録】阪急長岡天神駅西口から南に向かい踏切の通りを西に進み大鳥居の脇から八条ヶ池を渡り長岡天神に参拝。 

少し戻って山の池の脇から柳谷道を渡り竹林道を進み、配水塔から北へ住宅街を辿り、奥海印寺通りに至る。西に向かい上ノ町バス停を経て西山キャンプ場への標識・石柱を北に折れ竹藪道に取り付く。ほたる橋を経て西代里山公園管理棟(ほたるの養殖池有)に到着、小休止。

少し戻って京都縦貫道の下を過ぎ西山古道に入る。立石橋を渡り谷の左岸を進む。西山古道の標識と119番通報ポイントの標識を辿ることになる。標識「長-38」の前後の急坂を登り、釈迦岳・柳谷観音分岐の四差路に到着、ベンチで小休止。

南東の柳谷観音への道を辿り、ベニーCCの脇を下り、こもれび広場を経て小橋を渡って坂道を登り、金網を2枚越えて楊谷寺に到着、参拝。独鈷水を頂き、昼食休憩。 

南に進み境内を出て道路を南に辿り

 霊園駐車場の脇から東に折れ高架下を 

 過ぎ、舗装された竹林道を進む。T字路

に至り、南に折れて西山の大仏で知ら

れる乗願寺に参拝。北に引返して峠を

下り、p189にある天王山ハイキングコ

ースの標識を東に折れ天王山に向かう。

再び119番通報ポイントの標識を辿

り、倒木を越えながら、小倉神社への 

分岐のベンチで小休止。十方山への分

岐、植林地を過ぎ、天王山山頂(270m)に到着、小休止。東に下り、酒解神社を経て旗立松展望台に到着、小休止。 

南に下り、宝積寺との分岐で山崎聖天へ向かい観音寺の案内板を折れ、急な百段程の石段を登り観音堂と聖天堂に参拝、小休止。再び石段を下って元の道に戻り、桜の広場公園を南に折れて住宅街を通り、JRの踏切を渡る。JR山崎駅前を南に折れ離宮八幡宮に到着、参拝。JR山崎駅に引返す。

【感想】今回は、「京・おとくに西山連峰トレッキングマップ」(NPO法人京おとくに・街おこしネットワーク)を参考にし、初詣を兼ねて次の4つのタイプのコースが楽しめました。

長岡天神駅から西代里山公園までは、長岡天神の大鳥居、八条ヶ池や錦水亭を眺めながらの静かな長岡天神の参道と竹林の道。②立石橋から柳谷観音への西山古道は、起伏に富んだ道で、「長-39」からの眺め素晴らしい。③楊谷寺から浄土谷、乗願寺へは舗装された竹林道で、乗願寺の阿弥陀さんは2,8mとのこと。外から参拝、猫が日向ぼっこをしている。④p189からは天王山ハイキングコース。分岐の近くに楊谷寺への標識があり同寺への別のルートがある模様。次の機会に歩きたい。 

旗立松展望台から山崎聖天に下る途中に、同寺の南門があり出入り可能で、聖天堂への近道となっていた。

腰折れを2

「柳谷渇きも癒す独鈷水」

「日向ぼこ猫も極楽乗願寺」

 

【経路図】

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〈個人山行〉京都百名山シリーズ番外編 愛宕山・スカイライン

平成30120()

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毎年恒例の新年愛宕登山、今年は梨ノ木谷から砥石谷を通りタムシバ尾根(月輪寺北尾根)に乗り上り山頂を目指した。例年雪を踏んでの登山だが今年は全く雪が無く一寸がっかりだったが行程は予想以上に捗った。下山はスカイライン経由で愛宕山ケーブル駅跡を見てオーソドックスな水尾道で水尾に下った。何時ものつじの家で柚子風呂と鶏すきを楽しんだ。

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【メンバー】 山本浩史L、中尾諭、高橋秀治、土井司、藤井康司、TS、江村一範、小前竜吾  計8

【山  域】 京都市右京区

【行  程】 阪急嵐山7:397:55清滝~8:00金鈴橋8:038:29大杉谷出合~9:07梨木大神~10:09大杉谷分岐~10:27愛宕山10:4110:48社務所11:0411:15大杉谷出合~(スカイライン)~11:53愛宕ケーブル駅跡12:0512:11水尾分れ~(水尾道)~12:40水尾辻の家16:25=(送迎バス)16:36保津峡16:5016:54嵯峨嵐山~阪急嵐山17:1417:27

【登山データ】 晴れ 歩行11.3 4時間45  延登高 1,022m 延下降 851m  1座登頂

 

阪急嵐山駅7:39発の京都バスに集合とした。阪急嵐山駅から5名、嵯峨小学校前から小前さんが乗り、清滝駅で待っていたTSさんと藤井さんに合流して8人が揃った。金鈴橋のトイレ前で登山準備を整え東海自然歩道へと歩き出した。歩き出すとすぐ左手に岩壁の険しい谷があり上の方にケーブル跡のコンクリート橋があり、その上を行く人が見えた。此のケーブル道は平成23年の関西百名山シリーズで通った道だ。

林道は、東海自然歩道を右に分け清滝川の支流堂承川へと入って行った。大杉谷林道が左に分岐し、暫く行くと空也の滝への道と月輪寺道が左に分岐した。堂承川は大杉谷と梨ノ木谷に分かれ大杉谷の橋を渡ると林道のグレードが下がり傾斜もきつくなってきた。すぐに平成25年の関西百名山シリーズで登った八丁山への登山道が右に分岐した。林道にゲートがあり閉まっていた。以前は開いていたような気がするが・・・

この後林道は荒れ方が酷く、杉の木が何本も倒れ林道を塞いでいたり、林道が侵食され歩いて通るのも危険な状態の個所もあった。恐らく昨年の台風でやられたのだろう。林道が徐々に左にカーブし梨木大神に達した。石碑に「梨木大神」を掘られ林道の分岐点となっていた。平成27年の関西百名山シリーズではこのまま梨ノ木谷を詰めサカサマ峠(首無地蔵)に乗り上った。今日は砥石谷を歩く、土井さんをトップに入って行くと最初は林道跡があったが右岸に渡渉するあたりで無くなり登山道となった。道があるかどうか分からなかったが、比較的明瞭な道が高巻き加減に危険もなく続いていた。

15分ほど遡ると二股に達し、登山道は高巻いたまま左の枝谷に入った。等高線が詰まっていて道がないと谷を詰めるのは難しそうだ。傾斜が緩みトラバースするように砥石谷との間の尾根に乗り上った。先に踏み跡があり砥谷へと下りているようだが赤テープに「いくな」とあったので相当状態が悪いようだ。この尾根は愛宕山に抱かれるように裏参道の尾根とタムシバ尾根(月輪寺北尾根)の懐にあるちっぽけな尾根だが広葉樹が葉を落とし明るく樹林越しに愛宕山も認めることができた。

タムシバ尾根に近づいて来ると回り込むようにして尾根に合流した。月輪寺道のしっかりした登山道があり電力線も通っていた。すぐに大杉谷登山道が左側から合流し大岩が散在する尾根となった。傾いた電柱もあり送電できているのだろうかと疑問のある状態だった。やがて愛宕山東側の林道に達し人の往来があった。白髭神社経由で愛宕山(924m)山頂に達した。例年この時期は積雪があるのだが今年は全く無い。神社の石段も完全に露出し歩き易い。山頂の愛宕神社に参拝し、お札を買ったり、お神酒を頂いたりして社務所前へと下り休憩舎で小休止を取った。休憩舎前のトイレは汚く不評だったが、個室が3つ新設されていた。

今日は、雪がなく砥石谷のルートに道があったのと何より健脚の男性ばかりで行程が捗り社務所前を出発したのは未だ11時で1時間も短縮した。登って来たタムシバ尾根を下り大杉谷分岐まで戻った。右に折れて大杉谷へと下り、スカイラインへの入口を注意深く探った。最初にあった分岐に入りそうになるのを堪えて、もう少し下って正しい入口を見つけた。愛宕スカイラインは小さなアップダウンはあるが表参道の尾根の東側を略水平に進む道で、名に反して「スカイライン」は一切見えない。途中で尾根へと上がりそうな踏み跡が右に分岐していたが忠実に巻道を進んだ。

表参道の尾根が低くなってきて表参道の登山者が見え出すと大杉谷ルートとの分岐点、未だ12時前! 一寸寄り道をして愛宕ケーブル跡の遺跡を見に行くことにした。P745へと乗り上るとそこは嘗ての愛宕山ホテルの遺跡、直下に小じんまりしたエントランスの跡が80年前の繁栄を物語っていた。少し東に進むと広場がありコンクリートの廃墟ケーブル駅跡に到った。2階建ての駅でホーム側に木組みが残るだけで、朽ちたコンクリートが無残な姿を晒していた。嘗て2階にはハイカラなレストランがあったという。その2階は、天井から解けたコンクリートが鍾乳石のようにぶら下がっていた。

嘗てのメイン道路跡を辿り表参道に出ると水尾分れは直ぐ、12年ぶりに水尾道を下った。以前はなかった鹿除けネットが登山道の両側にあり、取り付けそうな尾根を物色して歩いた。社務所裏道の分岐には「農道行き止まり」との表示がありやんわりと進入を阻止していた。何組か登山者を追い越し、最後に若い女性ばかりのグループを追い越すと水尾の集落に達した。新しい道ができていいたりして12年の歳月を感じさせられた。

何時ものつじの家に到着すると今日は離れの2階に案内された。お風呂に行くとき最後に追い越した女性が下りて来た。彼女達も此処の客だった。改築された風呂には柚子のぎっしり詰まった布袋が浮き香りを楽しみ温まった。隔年ごとに鶏すきと鶏鍋を頼んでいるので今年は鶏すきに舌鼓を打ち、送りのバスまで3時間余り、夢心地の時間を過ごした。

帰路初めての発見があった。保津峡駅のホームから愛宕山が素晴らしく、時恰も夕暮れ時、夕日を浴びて輝く愛宕の姿が旅の終わりに感動を与えてくれた。

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No.3708 スノーシュー高島トレイルの武奈ヶ嶽

2018年1月13日(土)

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写真:武奈ヶ嶽山頂にて

 

【メンバー】L秋房伸一、小泉賀奈子、高橋秀治、NF、鹿嶽眞理子、TW、小前竜吾 会員7名(申請者含む)

 

【行程】

13日(土):JR山科駅近くのコンビニ7:05=(湖西道路)=今津町角川(デポ)8:55~11:16赤岩山(740.1m)~11:27高島トレイル合流~12:06武奈ヶ嶽12:36~13:08往路合流地点~13:50△620m~高島トレイル離脱地点14:48~15:27角川(デポ地)=京都

 

【記録】52期 秋房伸一

 当初、京都北山でスノーシュー例会を企画していたが、諸般の事情で目的地を変更した。

 天気予報では大雪警報が滋賀県湖北地方に出ていたが、風もなく視界も抜群。予想よりも積雪量が少なくスノーシューを装着したのは地形図上で標高340mあたりの尾根。雪が締まっていて、春山のようであった。

 丹波高地の山々、琵琶湖、若狭湾と素晴らしい展望の中、武奈ヶ嶽のピークに到着。

帰路は途中から小雪が舞い、高島トレイルを外して角川の集落に下る道は、風水害でか寸断されており渡渉を繰り返したが、無事15時半にはデポ地に着いた。

 メンバーにも恵まれ、楽しいスノーシュー例会ができて、ありがたいことである。

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写真:GPS軌跡

 

【感想】 52 期 小泉賀奈子

 年末の大掃除で久しぶりに手にしたスノーシュー。前回使ったのは…比良全山縦走の時!あまりに放っておきすぎたのを反省し、武奈ヶ嶽例会への参加を決めました。前日夜から当日朝にかけて出ていた「湖北 大雪警報」にドキドキしながら集合場所へ。しかし、心配は杞憂に終わり、昼から粉雪が舞う程度だったので、ほっとしました。稜線に出たあたりから、お待ちかねのスノーシュー。ふわふわの雪がたまらなく気持ちが良かったです。久しぶりに活躍してくれたマイスノーシューも、嬉しそうでした。

武奈ヶ嶽山頂からは若狭湾も琵琶湖も見え、贅沢な気分。眺望がとても良かったので急きょ撮影会がスタート。脚長効果を狙えるポーズを、Wさんが実践。なるほど、本当に足が長く見えました。交代しながら何枚写真を撮ったのでしょうか。うちの会は本当に仲がいいなあと思います。

下山ルートは斜度のきついところを後ろ向きで下るところがあったり、沢の徒渉があったりして、アドベンチャー要素が満載でした。角川の駐車場にぴったり出てきた時は、鳥肌ものでしたね。秋房リーダーの正確な読みに感動。いつも頼りにしております。秋房さん、ご一緒していただいた皆さん、ありがとうございました。

 

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写真:スノーシュー

 

【感想】57期 TW

今年初の山行がこの武奈ヶ嶽スノーシューとなり、とても好いスタートを切らせていただけたと思っています。天気良し、景色良し、道好しで、とても楽しい山行でした。頂上から見る景色は特に素晴らしく、小浜の海と光る琵琶湖、ソフトクリームみたいな形の伊吹山、風も弱くて最高でした。

今回初めてトップを歩かせていただいた事で、分かった事もたくさんありました。雪山はどこへでも足を運んでいけそうに見えるので、先頭を歩いていると楽しくて、行きたい方向へどんどん進みたくなること、でも雪庇や尾根筋などを注意して見ないといけないので、浮かれてばかりじゃいけない、という事。

それに歩く速度。普段私は歩くのが遅いので、いつものペースで歩けばちょうど良い遅さになるかな?…と思っていたのですが、速かったようです。足跡のない白色が一面に広がる景色がきれいで、知らないうちに興奮したからかもしれません。楽しくても冷静に。いろいろと学ばせていただきました。秋房リーダー、この度も色々とお教えいただきありがとうございました。クライムダウンの方法、しっかり身につけたいと思います。

ご一緒していただいた皆さん、ありがとうございました。

 

【感想】例会見学 小前竜吾

1年前に初めて積雪の山行(蓬莱山)にトライし、中間点に至らずUターンした苦い思い出があります。肩を落として下山し始めて間もなく3人のパーティーにお会いし、アイゼン装着は当然のこと、ザックにワカンを携行しておられました。腰高まである積雪にソロのツボ足では歯が立たない事を実感したものです。

それ以降素人ながらいろいろ調べ、ワカンのほかにさらに浮力があるスノーシューなる優れたツールがあることを知りました。昨年11月の集会を見学させていただき、スノーシューハイクのことが話題になり、連れて行ってくださる方々が間違いなく居られることを実感し、ひとまずワカンよりスノーシューから始めてみようと思いました。

 このたびの山行で、秋房Lにはスノーシューの取り扱いの基本を教えていただき、本当に感謝いたします。登りでは、雪面に対し親指を蹴り入れること、下りで急斜面の場合は、後ろ向きになり、登り同様に蹴り入れながら後退するなど、大変勉強になりました。

板を踏んで前につんのめったり、狭い林間では板を木にぶつけたりと、まだまだ経験が足りませんが、今後山行を重ね上達したいと思います。またワカンも経験し、お互いの長短所を体感したいと思っております。

 武奈ヶ嶽ピークでは、若狭湾、琵琶湖、伊吹山武奈ヶ岳と360度のパノラマビューを堪能できました。無雪期の武奈ヶ嶽は違う景色を提供してくれるはず 、また訪れたいと強く感じる山行となりました。秋房L、ご一緒いただいた皆様に感謝申し上げます。

 

【感想】54期 NF

今年はじめてのスノーシュー、どころか、昨年も行けなかったため、2年ぶりとなりました。しかも、いつも親しくさせていただいている大好きなメンバーとの久しぶりの山行で、とても楽しみにしていました。

いつぞやの体力はどこへやら、すっかり非力になったため、ついていけるか不安でしたが、雪の感触や、琵琶湖と日本海が一望できる絶景、何よりもみなさまの笑顔に引っ張られて、のびのびと歩くことができました。

Wさんや小前さんの、「初めての経験」に触れられて、わたしも初心に返る気持ちでした。山は楽しい。みなさまと行くとなお楽しい。それが原点そのものです。

秋房リーダー、みなさま、ほんとにありがとうございました。またご一緒してください。

 

【感想】53期 高橋秀治

水が緩むと沢例会が始まり、奥山に雪がつくとスノーシュー例会が始まります。そんな非日常的な世界を入会以来今年も無事味わえ幸せいっぱいです。

昨年は大雪警報の中を一度ならず2度も突っ込み惨憺たる結果となりました。

今回も日本海側は大雪警報が出ていて不安でしたが、武奈ヶ嶽からは素晴らしい展望に感激し、今回も秋房リーダーが企画して頂いたお陰で冬の景気が堪能できた有意義な山行きでした。

皆ありがとうございました。

 

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写真:丹波高地の山々をバックに

 

【感想】54期 鹿嶽眞理子

連日の北日本豪雪報道に、武奈ヶ嶽も深雪ではと心配しながら出発しましたが、意外に雪が少なく安堵しました。最初はツボ足で出発し、深くなってきたところでスノーシューを履いて歩きましたが、せいぜい30センチほど沈むくらいでラッセルとはならず、冬山にしてはずいぶん楽な登りとなりました。

残念ながら晴は朝のみでだんだん曇っていき、午後には雪もちらつきましたが、視界は良好で素晴らしい景色を見ることができ感激でした。時間に余裕があったので、みんなで撮影大会も。細見え足長ポーズも試み面白かったです。

下山はスノーシューでの細尾根の激下りがちょっと怖かったですが、後ろ向きに降りる方法を習得できました。最後は渡渉が何度かあり、アドベンチャーで楽しい一日でした。ご一緒の皆様ありがとうございました。

〈個人山行〉御坂山地~毛無山 縦走

2017年12月30日~2018年1月1日 

【メンバー】

江村一範+I(会員外)

 【日程】

2017年12月30日〜2018年1月1日

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【行程】

12月30日 8時半河口湖駅集合 富士急行バス・河口湖駅9時5分発~

天下茶屋9時半着、

10:00 天下茶屋~10:54 御坂山~12:13 黒岳~13:32 中藤山〜14:20 大石峠(ビバーク

 

12月31日 6:00 大石峠~6:57 節刀ヶ岳~7:19 金山〜7:42 鬼ヶ岳~8:39 鍵掛峠〜9:55 王岳~11:25 五湖山〜12:09 女坂峠〜12:49三方分山~14:38 パノラマ台〜15:54 本栖湖~17:15 本栖湖キャンプ場(泊)

 

1月1日 3:36 本栖湖キャンプ場~端足峠~6:09 雨ヶ岳~7:03タカデッキ~8:20毛無山~10:30 朝霧グリーンパーク下山 

富士急山梨バス 朝霧グリーンパーク発~河口湖駅着(当初乗る予定だったバス)

 

(はじめに)

御坂山地は甲府盆地と富士山北麓の間に位置し、東の三つ峠から西の三方分山まで伸びる山塊である。端から縦走すると南に富士五湖と富士山を拝めながら歩く事ができ、また多くの峠が繋がっているので甲府側へも富士五湖側へも降りやすい。地味ながらも手軽に富士山の眺望が長く楽しめる縦走ルートなのである。

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(写真 黒岳からの眺め)

 

ここ数年、関西に住む私は東京在住の友人・Iさんと2人で正月山行を奥秩父の山で行ってきた。一年前には雁ヶ腹摺山から三つ峠まで縦走し、三つ峠で正面に見える富士山と西へ伸びる御坂山地に感激した。次はぜひ続きをやろうと意気込み、今年は大晦日までに御坂山から本栖湖まで縦走し、正月を富士山の西に位置する毛無山で富士山からのご来光を見ようと計画した。

 

(1日目 12/30 天下茶屋〜大石峠)

この日の行程では水場は峠から降りたところが多く確実ではないので、水を一人5Lボッカすることにした。8時半に河口湖駅に集合し、富士急行バス・9時5分発天下茶屋行きのバスに乗り天下茶屋で下車する。 富士三景のひとつであるここからの眺めは、絵葉書のような富士と河口湖が見える。茶屋周辺の道路から太宰治の文学碑のある遊歩道へ入っていく。文学碑には「富士には月見草がよく似合ふ」と刻まれている。

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(写真 天下茶屋からの上り)

 

最初の登りはきつくはないが、急登がありそれを登り切ると御坂山だ。山頂の展望は雑木のせいでそれほど良くはない。

御坂山を下ると、枝越しに富士山が見えるポイントが何箇所かある。

御坂峠まで下りると小屋があるが廃屋となっている。そこから尾根を下りて旧坂を登るとすぐに黒岳である。展望良と書かれた道標を頼りに南へ200Mほど行くと、開けた展望場所が設けられ富士山と河口湖、南アルプスの山々が見える。少し離れているがこの展望場所はぜひ行っておいた方がいいだろう。

 

黒岳山頂に戻り破風山・中藤山を目指す。正月休みだというのに他の登山者とは遭遇しない。代わりにトレイルランナーと数人すれ違った。この辺りは比較的平坦な尾根が多く、極端なアップダウンも少ない。山を走るには最適だろうと思うも、我々は生活水を満載にしたザックを背負っている。破風山を過ぎて新道峠へ。ここにはカメラ台つきの展望台があった。中藤山・不遭山を過ぎてここに来て私とさんもだんだん富士山の景色にも飽きてきた。

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(写真 疾走するトレイルランナー)

 

14時半に大石峠に到着。ここは富士山と毛無山の大展望である。ここで今日の幕営地で迷う。明日は本栖湖のキャンプ場まで下りたいので今日はなるべく先へ進みたい。だがここから先の節刀ヶ岳と鬼ヶ岳はザレていて気を抜けない箇所が多いと聞いていた。鋭く尖った節刀ヶ岳に気持ちが負けて、日没に間に合わず核心部で暗くなるのはゴメンだと今日は大石峠でビバークする事にした。写真を撮ったり、コーヒーを飲んだりしていると時間は経ち、17時には日が傾いてきた。Iさんお手製の餃子野菜鍋をつつきビールを飲みながら、夕日に染められた黄金色の枯れすすきと富士山が茜色から群青色に変わる光景に見とれてしまう。景色が勿体無いので、火を止めた鍋が凍結するくらい寒いにもかかわらず、私達はテントに入らずギリギリまで外で時間を過ごした。ここからの富士山の眺めは天下茶屋よりも素晴らしい。太宰治もここなら素直に富士の美しさを受け止められたろうにと考えながら就寝した。

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(写真 大石峠でビバーク

 

(2日目 12/31 大晦日 大石峠〜本栖湖

2017年の山納め。明るくなるのを待って6時に大石峠を出発する。夜明け前から雪がちらついており、薄く積もっていたが軽アイゼンを付けるほどではない。ゆるいアップダウンを繰り返し、急登を少し登ると節刀ヶ岳に着いた。節刀ヶ岳は御坂山地では最高峰の山であり、晴れていれば眼下に西湖・正面に富士山が見える好展望らしいが、この日は白くガスっていて何も見えなかった。金山分岐点を過ぎて、十二ヶ岳方面を見るもガスで何も見えない。ここから十二ヶ岳へも行ってみたいが、今日は行程がたんまり残っているので先を急ぐ。此処から先、ザレた急峻なアップダウンが続くが、鎖やお助けロープが張られており注意すれば問題ない。鬼ヶ岳というおとぎ話に出てきそうな山を過ぎて、崩れた登山道のある岩をトラバースして、鍵掛峠へ。そこから西へ少し進むと2張りくらい張れそうなビバーク箇所がある。寒いので黙々と足を進める。

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(写真 鍵掛峠の登り)

 

王岳に着くとガスも多少晴れて、急峻な下りも落ち着いてきた。標高が低くなると雪も溶けて、空から晴れ間が差してきた。熊笹の茂る尾根を何度か過ぎた後、五湖山へ。ここでIさんが靴ずれが痛みだしたので応急処置をする。西を見るとこれから登る三方分山が遠くに見えた。

車道の車の音がだんだん近くなってきて、正午ごろに女坂峠を通過する。ここから南へ30分も降りると精進湖だ。町へ下って温かい物でも食べたいなと一瞬思う。エスケープし放題というのも考えものだ。眼の前の町の誘惑に惑わされる。女坂峠から50分位で三方分山に到着する。三方分山はその名の通り、北に釈迦ヶ岳、南へ行くと精進峠を過ぎて本栖湖へ下りる尾根とに分かれている。私達はここで昼ごはんを食べて、精進山・精進峠へと進む。精進峠を過ぎるとパノラマ台という展望良さそうな箇所がある。

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(写真 樹海しか見えないパノラマ台)

 

本来ならここから、毛無山と富士山が眼前に見えるのであろうが、昨日あんなに見えていた富士山は雲に隠れ、樹海しか見えなかった。ここから南の烏帽子岳を下って本栖湖に降りても良いのだが、車道歩きは極力避けたいので、中之倉峠に連なる尾根を歩く。ここで私は寒さのあまり具合が悪くなり、Iさんには申し訳ないが走って身体を温める事にした。穏やかな尾根が続き、とても気持ちよく走れるトレイルだった。中之倉峠から本栖湖に降りた。本当は浩庵キャンプ場という所でテントを張るつもりだったのだが、テン場は正月を過ごすお客さん達で溢れ返っていた。年末とは言えまさかここまで人が多いとは予想しておらず、トイレで水を給水しながらIさんと対応を考える。翌日は少しでも毛無山に近づいた方がいいだろうと、本栖湖の南にある、いこいの森キャンプ場でビバークしようという事になった。ただしここは冬季閉鎖されているので、管理している浩庵キャンプ場の事務所に赴いて交渉しビバークする許可を取った。車道を一時間ほど歩いて本栖湖いこいの森キャンプ場へ。 先ほどとは打って変わって誰も居ない真っ暗なキャンプ場でテントを張った。ラジオで明日の天気予報と紅白歌合戦を聞きながら、夕食の年越しそばを食べる。天気予報では明日は晴れるみたいだ。本当は宴会でもしたいところだが、今日は景色も見えず寒く長い一日で、とても私達は疲れていた。明日のご来光で全てチャラにしたいと願って就寝した。

 

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(写真 大晦日なので年越しそば)

 

(3日目 1/1 元旦 本栖湖〜毛無山)

元旦。寝坊して3時に起床。一富士二鷹三茄子を見れたかは覚えていない。棒ラーメンを主食に、正月気分にと雑煮とインスタントおしるこを食べた。3時半に出発するも雨ヶ岳へ続く端足峠の登山口がわからない。しばらく徘徊して、道標を見つけてやっと登山道へ入る。標高が上がると、雪がうっすらと積もっている。寝てる間に雪が降ったのか、それとも一昨日の雪が残っていたのか。とりあえず今は雪は降っておらず、空も星が見えている。

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(写真 夜明け前の富士を背に歩く)

 

夜明けが近づくに連れて、6時過ぎ、雨ヶ岳にて富士山のシルエットが薄っすらと浮かんできて、これは素晴らしいご来光が拝めるぞとほくそ笑む。だがご来光には時間がない。これはもう毛無山でご来光を迎えるのは無理そうだ。

7時、当初のビバーク予定地であったタカデッキに着いた頃には完全に日の出を迎えた。それでも富士山の背後から初日の出が出てくる瞬間は見ることが出来た。今年も良い山に登れますようにと合掌してみる。もう日は昇ってしまったので、落ち着いて毛無山へ進む。

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(写真 タカデッキからのご来光)

 

昨日とは打って変わって今日は雲ひとつ無い快晴である。だんだん暖かくなってくる。雪は積もっているが少ないので、ギリギリまでアイゼンを履かずにストックを差して歩く。8時過ぎについに毛無山山頂に到着。辺りは朝霧高原から登ってきたであろう人がチラホラいる。 富士山をバックにIさんと記念写真を撮った。幸先の良い写真が撮れたので二人で満足して東の朝霧高原の方へ下りる。太陽の当たるこの斜面には雪は全くついておらず、暑いくらいだった。10時半、毛無山登山口へ下山。 だがバスの便が無い時間帯なので、そのまま車道歩きで朝霧高原の道の駅まで1時間半ほど歩いた。道の駅のレストランでビールと定食を食べ、河口湖駅行きのバスを待つ。30分過ぎてもバスは来ない。どうやら初詣のお客さんで遅延が発生しており、次に来るのは2時間後という情報がきた。ここでIさんがヒッチハイクをやろうと言い出し、薄汚れた登山者なんて無理だろと思いながらも笑顔でサムズアップをしてみる。10分ほど経つと、なんと親切な車が一台停まってくれた。やってみるもんだ。河口湖駅へは行かないが、本栖湖へは行くとの事。そこまで行けば別の系統のバスがあるだろうと乗せてもらう。乗せてくれたご夫婦に、さっき撮った初日の出の写真を見せて山の話をした。いい人はいるものである。本栖湖で降ろしてもらい、別の系統のバスにうまいこと乗れてなんとか河口湖駅へ。河口湖駅からはホリデー快速で東京のIさん宅へ向かい、改めて正月を祝った。

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(写真 ホリデー快速に乗って帰京)

 

(ふりかえって)

御坂山地は峠からエスケープできる箇所がとても多く、どこからも入山できて、どこからも降りれる安心感があった。今回は東の端から西の端まで歩いたが、もっとバリエーション豊かな様々なプランを考えられるだろう。ただ確実な水場が少ないので、初日は多めに水のボッカをしなくてはならない。また毛無山までつなぐとなると行動時間も長くなり、多少の脚力も必要だと感じた。この年はたまたま雪が少なかったが、年によっては雪で苦労を強いられるだろう。また2日目に幕営した本栖湖いこいの森キャンプ場は冬季は通常閉鎖されており、毎回許可を貰える訳ではない事も注意が必要だ。

 それでも御坂山地から毛無山は、晴れてさえいれば終始富士山が眺められて正月山行にはこれ以上無いうってつけの山域だった。また正月以外にも歩きたいと思う。

(了)