京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3716 荒島岳

2018年3月17(土)夜~18(日)

 【メンバー】

L高橋秀治、中尾諭、松井篤、FN、鹿嶽眞理子、土井司、TW、平川暁朗、小前竜吾、会員9名

【行程】
17日 ロッジ前20時00分集合―

三条山科FM前20時30分集合―

道の駅禅の里着11時30分 幕

18日 4時00分起床―勝原スキー場跡駐車場着7時10分 7時30分出発~シャクナゲ平着10時00分~荒島岳着11時30分12時00出発~シャクナゲ平下西側斜面 滑落停止訓練~駐車場跡着14時30分―入浴―京都帰着 解散

 

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勝原スキー場跡駐車場にて

 

【記録・感想】53期 高槁秀治

4年前の3月に登って観た景色、稜線から山頂まで雲一つ無い青空の下を真っ白な白山を眺めながら歩ける非日常の世界をもう一度見たいと思い続けやっと実現できました。

山談議で盛り上がりながら、道の駅に到着。早速テントを張れる場所を確保して設営。

寝つけの一杯と飲み始めると6テンに9人が入り、暫しの宴。4時に起床して暖房の効いている室内に移り朝食。食後のお茶うけに土井さんから「天国と地獄」というゆずあんの中に辛子等が入った激辛饅頭でロシアンルーレットタイム。益々盛り上がって快晴の中を勝原目指します。しかし、勝原スキー場跡まですぐの下唯野でこの先雪崩のおそれが有り、午前7時からしか通行できず、1時間余り足止め。

 駐車場から松井さんを先頭に歩き出し、1時間余りでリフト残骸跡に到着。そこからは気持ちの良いブナ林を進み、最後の急登を登り終えると、シャクナゲ平。ここでアイゼンを装着してもちがかべを通過。

 稜線に出ると期待通り真っ白な白山を横に眺めながら、整然とした隊列で進み荒島岳に到着。ピークの標識等は雪の下ですが、祠は顔を出していました。南斜面で風をよけて行動食等で昼食。もちがかべを過ぎるまでは慎重にと思いながら進むも、会長が急斜面の足の運び等を指導と、一気に降りていきびっくり。

 しゃくなげ平に着きアイゼンを外し、急斜面を確認し、滑落停止訓練の用意。こんな急斜面でするのかとみんなが思っていると、会長が頭から一回転し滑落停止の見本を披露。しばらく誰も動こうともしない。それでは、しりもちをついて滑り出すという設定で行こうと言われ、ようやく練習開始。みんな真剣な表情で繰り返し練習する。これが青氷の世界ならピッケルを刺す行為等比べ物にならないと実感。これくらいの斜度がないと練習にならなかったと思いました。

 無事駐車場に着きお風呂に入り帰路に着きました。

 中尾会長をはじめ参加頂いた皆さんと青と白だけの非日常の世界を十分楽しみ、さらにアイゼン歩行や滑落停止訓練等充実した時間が過ごせありがとうございました。

 

【感想】46期 松井 篤

これ以上は望めない好天と足並みの揃ったメンバー、さらに程度の積雪状況のおかげで、私にとって何故か近くて遠かった荒島岳に初めて登ることができました。

樹林帯も素敵なルートでしたが、稜線は本当に気持ちのいいルートで、周りの山々の景色を楽しみながら、気持ちよく頂上に達することができました。

頂上は360°の景色が楽しめ、特に白山の文字通り真っ白の山容が間近に望め、いつまで見ても飽きないような素晴らしい場所でした。

また、下山の途中には滑落停止訓練もあり、中尾会長の回転レシーブのようなアクロバティックな模範演技には驚愕しました。

素晴らしい例会を企画していただいた高橋リーダー、足の痛みにも関わらず多くの写真を撮っていただいた小前さんをはじめ参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

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トトロの木のあるブナ林を行く

 

【感想】 57期 TW

以前の会報で大雪で真っ白になっている荒島岳山行の写真を見て、名前通り荒々しい山だなぁという印象を持っていました。ところが、この山行では終日穏やかな上天気。雪は少し腐っている感じでしたが、とても歩きやすく、登り始めから下り終えるまで、ずっと360度の景色を見渡せる大変気持ちのいい山でした。

下り道では中尾会長にアイゼンワークと滑落訓練の稽古をつけていただき、今後のよう山行につながる経験ができて、大変ありがたかったです。

以前から気になっていたのですが、アイゼンワークで私は急下りする際に怖さが勝って腰が引けてしまい、結果、滑りやすい体制を取ってしまうので、なんとか克服しないといけないなぁと再確認しました。

滑落停止訓練では中尾会長のお手本がとても華麗であった為、意外と簡単に出来るものかな?と一瞬思いましたが、大間違いでした。滑落とは練習に使うような緩斜面であっても大変怖いもので、いかに早く滑落停止動作を開始できるかが肝心なのかなと思いました。

晴れ女・晴れ男揃いのメンバーのおかげで、最高の山行でした。

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雲一つない空の下を歩く

 

【感想】61期 小前竜吾

荒島岳日本百名山であり、登山に猛烈にのめり込んだ昨年から登りたい山のひとつになっていました。山岳会に先月に入会し、またまたやってきた絶好のチャンスです。高橋Lに早々に参加のお願いをしました。週間天気予報は「くもり」、加えて158号線は雪崩の影響で一時不通となっており、はらはらしましたが、当日はこれ以上無い快晴に恵まれました。白い雪、青い空 そして北側に雄大な白山、南側に能郷白山 なんと贅沢な景色でしょう。さすが日本百名山荒島岳と感服しました。しゃくなげ平からピークまでの稜線で、メンバー9人が縦列をなし登山する様は、メンバーの一員であることに感謝し、そして感動させてくれました。下山途中で、中尾会長による雪上滑落停止訓練は、ピッケルの重要性を肌で感じることができました。YOUTUBEでよく見ていた停止訓練は、「何の意味があるんだろう?ただ、滑って遊んでいる?」と半信半疑でしたが、実際に訓練をしてみて、よくよく理解できました。ピッケルは歩行を支援する杖ではないんですね。登りはピックを前方に、下りは後方に構える意味が分かりました。中尾会長ありがとうございました。

山と高原の地図「白山」には、「荒島岳」と「能郷白山」が併記されています。白山も、能郷白山も登ったことがありません。登山中の会話で、2つの山の話題が頻繁に出てきました。近いうちに是非登ってみたいと思います。

今回の例会を企画していただいた高橋L、一緒に登っていただいた皆様、本当にありがとうございました。

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急斜面を慎重に下りる

 

【感想】59期 平川暁朗

昨年の四月初旬にこの山で滑落事故を起こした因縁もあって、積雪期の荒島岳にリベンジしたいという思いがずっとあった。

今回は久々の前泊登山。道の駅の休憩所にてDさんから配給された向日市銘菓ゆず饅頭「天国と地獄」。甘いの7個に激辛2個のロシアンルーレットで見事に当たりを引き当てた私。

何やら不吉な前振りをもらったような気もしたが、とりあえず気にしないことにした。

はずだったが、登りはじめまだ唐辛子が腹の中で暴れまわっていた。なんたる破壊力。

過去に二度この山を訪れていたが、どちらもガスガスで今回のような快晴は初めてだった。確かに見覚えのある地形ではあるものの、こんな山だったっけ?と良い意味でイメージを払拭させられた。もちが壁も越え、因縁の400メートル大滑落の現場も過ぎ、最後は先頭のMさんのお言葉に甘え先行して登頂させてもらった。個人的に息を切らすほど追い込んで立つ頂が好きだったりもする。眼前に浮かぶ白山がまさしく抜きんでて白い山だった。なんと清々しい。

気が付けばもう地獄は消えて天国だけが広がっていた。

下山時には適当な斜面で会長指導のもと滑落停止訓練を行った。

最初は躊躇したでんぐり返りからの滑落停止も一応クリアできた。

この技術が生死を分ける場合もあることは、おそらく大多数の人よりも身に染みている。良い経験をさせていただいた。

 

【感想】56期 土井司

一週間前の予報では雨もしくは雪の予報であったが、同行メンバーに祈祷師と同等ほどの力を備えたFNさんがいらっしゃるので晴れるであろうと予想していたら、期待通り絶好の天気になった。「真っ青の空のなか白い山を登る」なんと気持ちのいいことか、素晴らしい!の他には言葉が出てこない。高橋リーダーをはじめ気のあったメンバーで山へ行くだけでも楽しいのに天も加担してくれた。積雪期の荒島岳は初めてで頂上からの展望は期待以上。正面に堂々と横たわる白山が「こっちにもおいで」と誘いかけてくる。後ろを振り返ると能郷白山が「私も忘れないで」と白い微笑みでウィンクする。それぞれの誘いに応えてあげなければな、と思いながら山頂を後にしたが、はたしてできることやら。

最後になりましたが、高橋リーダー、ご一緒くださいました皆様、滑落停止方法をご教授いただきました中尾会長、松井様、素晴らしい時間を共有頂きありがとうございました。

 

【感想】54期 鹿嶽眞理子

直前に雪崩による通行止め等があり心配しましたが、当日は通行時間制限はあったものの無時に行けてよかったです。雪は良くしまって歩きやすく、お天気も最高で、予告通りの360度の素晴らしい景色は最高でした。

私はピッケルはずいぶん前から持っているものの使ったことがなかったのですが、今回は中尾会長より滑落停止の訓練をしていただき、常に山側に歯が行くように持つ意味も理解できました。滑落停止はまだまだへたくそなので、機会があればまた練習したいです。お世話になった皆様、ありがとうございました。

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滑落停止訓練風景

 

【感想】54期 FN

 青い空に銀世界の森。理想的な雪山の世界がそこにありました。会に入るきっかけは、冬のリトル比良に連れて行ってもらったことでした。見たことのないほど美しく、スリリングな体験に、すっかり魅了されてしまったのでした。

 その後、皮肉にも冬山でけがをしてしまい、今は、冬山が怖くなっています。今回も、みなさまが普通に通過しておられる場所でも、あの日の記憶がよみがえり、密かに緊張感を強く持っていたりもしました。それでも、信頼できる方々とご一緒できたことで、少しずつ、取り戻せていっているような気がしています。

 滑落停止訓練も、何度かしたことがありましたが、より実感をもってできました(あの時と状況は違いましたが)。中尾会長ありがとうございます。

 信頼できる方と登る山が一番楽しい。また山に来られてよかったとしみじみ思った山行でした。

 みなさま。大変ありがとうございました。

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荒島岳山頂で記念写真

 

【感想】26期 中尾諭

 今回の山行は、スキーで登るつもりで、スキーを車に乗せて行った。ところが、勝原スキー場跡辺りが、公園化により多数植林されて、土が多く見えていたので雪があまり無いと思い、歩いて登ることにした。

 歩き始めてすぐにスキーでも行けそうと思ったが、中腹のブナ林の混み具合が分からないので、偵察山行と割り切って登ることにした。

 しゃくなげ平までの一部のやせ尾根で、スキーで下りるには、私の技術では苦戦するところが数箇所あったが、何とか下りれそうなので、来シーズンチャンスがあったら挑戦しようかと思った。

 山の景色のほうは、晴天の中稜線に出ると、白山や能郷白山、大日岳等の高い山はブルーの空を背景に雪で白く輝いており、郷に目を転じると、田や畑が黒々としており、ちょっぴり早い春山気分で楽しい雪山遊びの山行になりました。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.41~43 北雲取山・雲取山・滝谷山

平成30年3月10日(土)

 

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写真3: 滝谷山山頂にて

花脊別所町の谷間を取り囲むように西側に北雲取山(約900m)、雲取山(911m)、滝谷山(876m)はある。花脊大布施(おぶせ)町から別所町の西尾根から花脊峠まで南下し東尾根を北上、反時計回りの周回大縦走を行った。

 

【メンバー】 山本 浩史L(車)、秋房 伸一、高橋秀治(車)、土井司、YN、(車)、藤井 康司、藤井ニカン

  計7名

【山  域】 京都府京都市左京区右京区

【行  程】 洛西口5:50=7:13大布施7:25~8:57三ツ又山~9:15くまさ山~9:20北雲取山~9:33三ツ又山~9:56ハタカリ峠~10:25雲取山~10:47ハタカリ峠~11:21寺山峠11:42~12:07寺山~12:35旧花脊峠~12:47天狗杉~13:06花脊峠~13:50滝谷山~15:31小野谷峠~16:43大布施16:52=19:00桂川

【登山データ】 曇り後晴れ 歩行21.0㎞ 9時間18分 延登高1,508m 延下降1,508m 7座登頂

 

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寒の戻りで京都市内は冷え込んだ。国道477号線花脊峠を越えると薄らと積雪があり凍結していた。花脊大布施町の桂川を渡りイナヤ谷の林道に入ってすぐの橋を渡り、オサ谷に入った処に車を置いた。秋房さんを先頭にイナヤ谷とオサ谷の間の尾根に取付きたいが道は無い。恐ろしく急な斜面で木に摑まりジグザグに這い登った。80m程標高を上げると傾斜は落ち着き普通に歩けるようになった。

高度を上げると木は雪を持ち、地面も白くなって行った。思っていたより気温は低く標高を上げると冷たい風が吹き抜けていた。P843を過ぎると一際急傾斜となり三又山(890m’)に乗り上った。展望もなく何の表示もない山頂だった。平成17年に来たときの記録を見ると山頂標識が掲げられていたようだ。

此処からは左京区花脊と右京区芹生を分ける尾根で昭和63年の京都国体で縦走競技のルートとなったことから“国体尾根”と呼ばれている。次のピークは、くまさ山(881m’)で南に飛び出している。此方も山頂標識はなかった。西に進んで京都百名山の北雲取山(900m’)に達した。京都府山岳連盟による「ゴミ持ち帰り運動に協力を!」というブリキの看板が古びて木に食い込んでいた。此れ自体がゴミのようで自然破壊に思えるが・・・それともう1枚「高瀬900m」の標識があったが、勝手に付けられた間違った名称のようだ。北にある829mのピークが高瀬山だ。

三又山に戻り区境尾根を南下しハタカリ峠に達した。区境尾根を一旦離れ、雲取山を目指した。ピークを一つ越えた処が雲取峠で広々として気持ちが良い。京都府立大学のりょうぶ小屋があるが静かで誰もいなかった。雲取山北峰の北端をトラバースし小ピークを越えて雲取山(911m)に達した。3等三角点「川上」が置かれているが展望は得られなかった。暫し休憩するが風かあり体が冷えるので4分で山頂を後にした。

時間があれば雲取山北峰に立ち寄ろうと思っていたが予定時間より25分も遅れていたのでそのまま雲取峠に戻った。峠を越えると花脊から登って来たと云う中年の男女と出会った。ハタカリ峠まで戻ると左京・右京境の尾根に復帰し、南西へと進んだ。時間回復のため予定していた地蔵杉山は端折り、北側の山麓を掠めて通過した。一ノ谷に繋がる南の谷の源頭部を見ると京都産業大学の小屋があり、規模が大きく営業小屋のような佇まいだった。稜線を忠実に進み小ピークから南下するとまた産大の小屋が見え、小屋前を迂回した方が近かったようだ。ピークを2つ越えた鞍部辺りから地形図に無い林道が現れ略稜線に沿って付けられていた。

寺山峠(807m’)は、花脊別所町から雲取山に登る人たちが越えて行く峠で稜線ルートと一ノ谷経由のルートがある。先程出会った男女は此処を通って稜線ルート取り帰りに谷ルートを取るようだ。時刻は11:21樹林帯で風が防げるので昼食休憩にした。寺山峠には稜線を挟んで東に左京区、西に右京区の標識が掲げられていた。嘗ては愛宕郡花脊村と北桑田郡黒田村で花脊村は昭和24年京都市編入され、黒田村は昭和30年京北町となり平成17年に京都市編入された。

寺山峠の北側で稜線に絡みついた林道は、峠の南側でも続いていた。泥濘んで酷い状態なので稜線を忠実に辿ったが林道開削の為か伐採された木が稜線に置かれたままで歩き難い。この先林道は旧花脊峠まで続いていた。次の目標は寺山(862m)だったが迂闊にも知らない間に通り過ぎてしまった。所々開けた所があり花脊別所町の集落を挟んで東側の滝谷山やその向こうには蓬莱山(1,174m)を望むことができた。小さなピークを幾つも越え区境が稜線を離れ西側に去っていくと旧花脊峠(756m’)に達した。現在の花脊峠ができるまでは国道477号線(当時は府道)の旧道が越えていた。地蔵堂があり峠を行き交う人々が手を合わせていたことだろう。

峠の東側へと歩を進め標高差80mを登ると天狗杉(837m)で3等三角点「三輪谷」があり天狗の絵の描かれた亀岡カブスカウトによる山頂標識が掲げられていた。東に進みピークを一つ越えると花脊峠(759m)だが地形図の道とは違い北側の谷に向かって道が付いていた。朝車で通った時にあった道路の雪はもうなく、一度歩いてみたいと思っていた峠に来ることができて感慨一入だった。

杉ノ峠への林道に入って行くと谷越しにNTTの電波塔が大きく見えた。京都市内からやたら目立っているこの電波塔、今まで何処にあるのだろうと位置が良く分からなかったが杉ノ峠にあったことを今日知ることができ積年の疑問が晴れた。電波塔まで行ってみようと提案したが誰も乗り気なく却下されてしまった。

杉ノ峠(828m)では電波塔への作業道が分岐するがゲートで閉ざされていた。峠のすぐ北の東斜面は不法投棄されたゴミの現状回復命令が貼られたフェンスの先に蓬莱山の眺めが良かった。少し北に行くと「琵琶湖展望→」の標識があり蓬莱山から霊仙山と琵琶湖が展望できた。また林道が稜線に並走しているがP841のピークを取るべく稜線を歩いた。P841の後は林道を歩き、大原百井町と花脊別所町を結ぶ和佐谷峠(805m)に達した。滝谷山西端の斜面に取付くが「滝谷山、奥の奥」と書かれていた。

「奥の奥」と云うとおり、小さなピークを2つ3つ越えて滝谷山(876m)に達すると2等三角点「別所村」が置かれていたが、展望は得られなかった。暫し休憩し北へと進んだ。再び林道に下りたがすぐに林道を離れP845の稜線に取付いた。展望のない稜線を進み小ピークを幾つも越えP771に到ると北山でよく見る小さなプレートが掲げられていた。最後の休憩を取り小野谷峠へと下って行った。

小野谷峠(652m’)はひっそりとして小さな標識が掲げられていた。大原大見町と花脊大布施町を結ぶ峠で嘗ては生活道路として村人が歩いたことだろう。洗掘の跡が歴史を物語っていた。大布施町へと歩を進めると急な小野谷の荒れた道となり、今は殆ど歩く人もなく崩れて道形が怪しい部分や倒木が塞いでいる処が随所にあった。標高を160m程下げるとフェンスに囲われたプールのような施設がありその上を倒木が襲い凄い荒れ方をしていた。浄水施設の跡かと思ったが山葵の栽培試験場の跡だった。

山葵田跡からは林道となり格段に歩き易くなった。上方に立派な道路が見えて来た。京都市による主要地方道大原花脊線で大原小出石町から花脊大布施町に到る11.9㎞の計画道路だが平成2年以来工事は止まっているようで供用されていない。やがてこの道と合流し別所川との合流地点で国道477号線に達した。大神宮(花脊神社)に立ち寄り、秋房さんの提案で、別所川左岸の道を歩いて戻ることにした。嘗て水田であったであろう平坦な土地には杉が植林されていた。誰も住まなくなった家屋が寂しく、最期の一軒だけは生活があるようだった。イナヤ谷の林道に出てオサ谷出合の駐車地点に戻り21㎞に及ぶ大周回縦走を終えた。

 

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写真1: 寺山の北稜線から滝谷山(876m)を望む

 

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写真2: 杉ノ峠から蓬莱山(1,174m)を望む

 

 

No.3715 京都外周ウォーク⑨ 早春の大原森林公園

2018年2月24日(土)

 

【メンバー】

CL 57期 崎山康治  55期 船木佐織 計2名

【行 程】

2月24日 晴れ時々曇り

阪急バス停JR向日町8時35分発小塩行

乗車=バス停小塩9:00着・出発~9:25

善峯寺駐車場脇登山口~9:35柳谷観音

分岐~10:20主尾根出合小休止~

10;40631m釈迦岳~おおさか環状自

然歩道出合~11:10678mポンポン山

休憩・昼食①11:20~[大原野森林公園

西尾根ルート]11:40リョウブの丘~

12:00福寿草園~ツツジの丘~12:35出

灰町分岐~アカマツ広場分岐~出灰川第

三橋・第二橋・第一橋~13:00森の案内

所休憩・昼食②13:20~小塩山登山口~

外畑分岐~14:10小塩山642m~カタク

リ園脇~車道脇市有林看板~15:00

568m大暑山~グランド~15:15西

山団地~16:00京阪京都交通バス停沓

掛西口到着

【歩行距離等】善峯寺から

歩行距離:14km

所要時間:6時間30分

累積標高差(+)975m(-)1,130m

【記 録】57期崎山康治

2月4日 JR向日町から阪急バスで善峯寺に向かう。1月6日から2月末までは小塩止まりということで、30分程かけて善峯寺駐車場に到着(トイレ有)。車道右カーブにある案内標識から左脇の谷川の小橋を渡り、善峯寺を眺めながら東南に登り返す。展望台への標識から西に向かい、柳谷観音分岐、所々の急坂を経て支尾根から主尾根筋に到着。

大阪湾方面を眺めたが見通し悪く、休憩後、西北に向かう。おおさか環状自然歩道と合流し、釈迦岳(眺望なし)を経て送電線を2本潜り、杉谷分岐を過ぎ眺望の良いポンポン山に到着。20人位の登山者に交じって早めの昼食を摂る。

北の急坂を下り、出灰町分岐から西尾根ルートで、大原野森林公園のリョプブの丘を経て、案内標識に沿って進む。20分程で鹿除けネットに囲まれた福寿草園入口に到着。坂道を降り、公園運営管理協会のテントで受付を済ませ、斜面に咲いた花に出会う。今年の開園は2月10日から3月25日までとのこと。一方通行で斜面を登り、元のルートに戻る。

 

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 森林公園の福寿草
 

 

 

ツツジの丘、出灰町分岐、アカマツひろば分岐へと下り、出灰川に沿って森の案内所に到着(トイレ、大規模休憩所有)。途中で出会った登山者も見られる屋内休憩所で、遅めの昼食を摂る。

  休憩後は小塩山へスタート。案内所入口の外畑町⇔杉谷への車道東脇の登山口から、急坂を北東に登り、送電線を3本潜り東に辿る。中畑回転場バス停分岐を経て、淳和天皇陵西の小塩山に到着。眺望なく、ひっそりした天皇陵に参拝し、東へ進む。  

車道に出て電波塔を見ながら下り、ヘアピンカーブの先端にある電波塔施設の入口ゲート脇のネット沿いを下り、カタクリ園の脇を通って再び車道に出会う。 

少し下って車道脇にある大原野市有林の大看板前から北へ、大暑山登山口に向かう。送電線を潜って大暑山に到着(眺望なし)。元の道に戻って、北東に下り、野球練習中のグランドに到着。グランドネット横を北から東に進み西山団地に入る。車道を30分程延々と下り、成章高校前、京都縦貫道高架下を通ってゴールの沓掛西口バス停に到着

【感想】55期 船木佐織

いつかは行ってみたいと思いながら近すぎて機会がなかったポンポン山にやっと行くことができました。ポンポン山の名前の由来は山頂に近づくにつれてポンポンと音がするからだとか。残念ながら音は確認することができませんでしたが、ポンポン山を含め今回行くことが出来た大原野森林公園は、京都のすぐ近くに自然が豊かで、低山といえどもアップダウンの繰り返しがあり、歩きごたえのある楽しいハイキングをすることができるんだと里山歩きが癖になりそうな楽しさがありました。

里山歩きの楽しさを教えてくださった崎山リーダー、ありがとうございました。本当に楽しかったです。

最後に一句「里山で出会う人は皆家族」

 【感想】57期 崎山康治

  ゴルフ場建設防止のために市が巨費を投じた経過がある大原野森林公園は、福寿草カタクリ、桜、ツツジと折々の花が楽しめる所ですが、今回は福寿草が見られて良かったです。鹿が踏み荒らすということで、地元では大変苦労して保護されているそうです。御陵があるためでしょうか、小塩山に三角点がないのは不思議ですが、中腹にあるカタクリ園は井上隆雄師匠に案内していただいた所で、また立ち寄りたいところです。最後の西山団地からの下りの30分は膝に負担がかかりましたが、同行二人で退屈せずに済みました。

腰折1句「西山を巡る尾根路や春淡し」

 

 

 

 

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【ルート図】

 

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.40 皆子山

平成30211()

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写真1: 皆子山(971m)山頂にて

 

京都にもたくさん山はあるが1,000mを越える山はない。府最高峰は皆子山971mの標高がある。平成264月の標高改訂までは972mとされていたが1m縮んだ。谷コースは避け、平から正教院尾根を往復する山行を行った。バス待ち時間を有効活用し、旧国道経由で花折峠を越えて途中町からバスで帰った。

 

【メンバー】 山本浩史L、土井司、小前竜吾

【山  域】 滋賀県大津市京都府京都市

【行  程】 京都8:158:35堅田8:5010:0010:0311:48 P94112:16皆子山12:3212:58 P94113:49正教院14:0613:46花折峠15:07花折峠入口15:2016:03途中16:0916:30堅田16:3816:57京都

【登山データ】 雪時々晴れ 歩行12.3 6時間00 延登高822m 延下降976m 1座登頂

 

集合場所の堅田駅バス乗り場に行くと江若バスの係員がしきりに説明している。聞き耳を立てると「8:50発細川行のバスは花折峠の多重事故の為途中行となります。」、「強風で琵琶湖バレイのロープウェイは運休している。」とのことで後者は此処に居る人たちは関係ないだろうが、多くの登山者はこのバスで坊村を目指していたようだ。武奈ヶ岳行の人は諦めて代替手段を講じたようだが、途中までを承知で我々と他の1グループが乗り込んだ。

バスは定刻に発車し伊香立中学校前まで来た。国道367号線は途中交差点から先が通行止めとなり渋滞しているので、バス会社の指示により此処で待機することになった。暫くすると「開通見込みあり」が告げられ途中集落内で待機することになった。計画では帰り平から旧国道経由で花折峠を越えて花折峠入口か途中まで歩くつもりだったので、これを逆にして往路に峠越えをしようと目論見下車する気になった処で規制解除の報が入り途中交差点へと進んだ。事故現場と規制担当の警察官の意思が相違し交差点で再び待たされが10分足らずで峠へと進むことができた。レッカー牽引された事故車が3台反対車線を通り過ぎて行った。花折トンネルを抜けるとまだ雪の壁に突っ込んだ乗用車が3台残っており、10台程が絡んだ事故だったようで、警官が交通整理をしていた。

一緒に乗り込んでいた男性3人のグループは花折峠登山口で降り、権現山から蓬莱山を目指した。我々は最後の乗客となり平(だいら)でバスを降りた。百井川を渡り正教院まで行って輪檋やスノーシューを履き足元を固め、小前さんを先頭に歩き始めた。正教院の墓地の手前から尾根に取付き30㎝余りの積雪に輪檋が気持ちよく急斜面を這い上った。途中では霙だったが、略雪になり一安心だ。P837を当面の目標地点として歩いたが大したピーク性がなく確信を持てないまま通り過ぎてしまった。そうなると次のピークは1/3以上過ぎた所のP941までない。政教院尾根は10年前に下りに使った時は、ルートファインディングの必要な尾根だったが今では赤テープが氾濫し、地図見るまでもなくルートが分かってしまう状態になっていた。

P941は双耳峰の西ピークで、見上げると東ピークに人がいるようだ。乗り上ると4人パーティーが休憩していた。年配の女性が「ここがP941だ。」と云ったが、此処は違う。西ピークに達すると2枚のプレートに表示があった。P941で此のパーティーを追い越し、急な下りではスノーシューは一寸危険で小前さんは一寸おっかなそうだった。此処は輪檋が優位な領域だった。この後は比較的なだらかに進み寺谷との分岐点に達した。

皆子山(971m)は北北西に100m余り行った処にあり、山頂には、「ぐるり大原の山」の山頂標識に「972m京都府最高峰」と一寸昔の標高が記載されていた。3等三角点「葛川」がある筈だが50㎝の雪に埋もれ見つけることはできなかった。北北東に展望が開け芦火谷越しに伊賀谷山(910m)が望めた。手前の木々は霧氷を付けて、発達した雪庇を伴い素晴らしかった。峰床山(970m)も肩に電波塔を背負って佇んでいた。

P941で追い越した4人グループが到着した。平までどうして来たかと問うと、堅田からタクシーに乗り規制線を越えてくることができたそうだ。そういえば途中交差点で入って行ったタクシーを見たのはそれだったようだ。風が通り寒いので15分程で休憩を切り上げ下山に掛った。時々日が射す天気となり寺谷分岐では、琵琶湖や霊仙山(751m)や権現山(996m)を望むことができた。

帰り道ではP837の位置を特定し、急斜面を下り正教院に戻った。山頂でゆっくり休憩できなかったので正教院の門の下でラーメンを食べたり、コーヒーを飲んだりして休憩した。1日に2往復しかしないバスの時刻まで2時間近くあるので花折峠を越えて途中まで行きたい。平集落内はアスファルト道が露出しているが少しの間なので輪檋、スノーシューを履いたまま国道へと抜けて旧道の花折峠への道に踏み出した。

旧道入口にはゲートがあり一般車は通年進入できない。旧道沿いに水道施設があり連絡路として道はしっかりしている。300m程進むと権現山(996m)への分岐に達した。朝バスに乗り合わせた3人組は此処から登山道に入ったようだ。旧国道を1.1㎞進むと花折峠に達した。峠部分は西側の杉が倒れ道を塞いでいた。「花折峠」と記された石碑があり、案内板も建てられて、「嘗て葛川の明王院への参詣者がこの峠付近で樒を手折って参るのを常としたことからその名が付いたと言われている。現在も716日から20日に催される蓮華会では葛川参詣する行者が峠の手前で樒を摘む習慣が残っている」と案内があった。

峠から西には天ケ森(ナッチョ813m)に繋がる尾根があり4年前に歩いた。峠を越え暫く行くと点が森への尾根にあるP762が存在感を持って望められる処があった。やがて国道367号線に到りすぐ前に花折峠入口のバス停があった。輪檋やスノーシューを外し身軽になって国道を歩き途中の集落に帰って来た。堅田行のバス停は2ヶ所あり細川から来るバスはバイパスの途中交差点付近にあり、途中始発着のバスが止まる集落内とは別になっていた。

16:09発のバスに乗ると入口付近には皆子山で出会った4人グループ、後方の座席には朝権現山に行った3人組と見た人達ばかりが乗っていた。京都駅帰着後の反省会はいろはがるた3時間半も反省を行った。

 

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写真2: 皆子山より伊賀谷山(910m)を望む

 

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写真3: 花折峠は嘗て明王院参詣者が樒を手折って行った

〈個人山行〉Team BCS ゲレンデ&オフピステ~山岳スキートレ~

2018年2月9日(金曜日) ~2月12日(月曜日)

 

【メンバー】

CL)梅村重和、藤井康司、中尾諭、T.S

   M.K

5

【行 程】

29()

京都&大阪=五竜とおみ エスカルプラ

ザ仮眠室(泊)

210(土)

エスカルプラザ730=八方尾根スキー

(終日ゲレンデトレ&フォーム撮影会)

=中野トラベラーズイン(泊)

211(日)

トラベラーズイン=黒姫スノーパーク

800=ゲレンデ上部-稜線-ゲレンデ

上部-リフト乗り場=中野トラベラーズ

イン()

212()

トラベラーズイン=野沢温泉スキー場

(午前券にてゲレンデトレ)=京都&

大阪

 

【記 録】59期 梅村重和

29()

時間を効率よく使うため居住地ごとに京

都組と大阪組の2台のクルマで出発。五

竜とおみエスカルプラザ集合となった。今回のエスカルプラザは個室を確保。ソファベッドの並ぶ大部屋に比べ割高となるが、我々だけで個室を独占できるのは快適である。

210()

今回は七沖でゲレンデトレ

スマホで動画を撮り食事時や休憩中に

チェック。自分の滑りはこのように動画

で見るとよく解る。もっとトレーニン

グに精進しましょう。

211()

黒姫スノーパークから黒姫山往復。小雪

の舞うコンデションで視界はイマイチ。

リフトを2本乗り継ぎゲレンデトップ

へ。

 

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▲黒姫スノーパークゲレンデトップから

樹林帯の登行

 

オープンバーンの斜面を出来るだけ樹林

寄りにシール登行する。オープンバーン

の上部から樹林帯に入ったあたりから雪

はやみ天候が良くなってくる。思いのほ

か密な樹氷の森の中、稜線を目指す。初

めてのルートではないものの天候次第で

印象はずいぶん違ってくるものだ。いつ

のまにか空は晴れ渡り青空をバックに樹

氷がキラキラと輝いている。

 

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▲雲が切れ青空が広がる

 

風もほとんどなく快適な登行である。

シールを履いたスキーが心地よく雪面を捉え、登行を促す。ダウンヒルへと、はやる心を押さえひたすら稜線を目指す。稜線からは樹氷の向こうに野尻湖が見えている。

 

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黒姫山の稜線から

 

シール外して、樹林帯へダウンヒル新雪

を蹴り、樹林の疎な所を選びながらゲレンデトップへ。クラストしたゲレンデをかっ飛ばし無事下山となる。

212日(月)

最終日は野沢温泉スキー場でゲレンデトレ。午前中、目いっぱい滑り帰京となった。