京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3724 成生岬へ ※読図ポイント

2018年4月14日(土)

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写真:成生岬灯台

 

【メンバー】CL秋房伸一、AT、NF、TW、藤井康司、織田直子、小前竜吾

 会員7名

 

【行程】

14日(土)ロッジ前7:00=成生9:30~12:12三角点(P213)~12:58成生岬灯台13:20~(基本的にピストン)~14:28 P166~16:00成生=京都

 

【記録】52期 秋房伸一

 成生岬の突端にある灯台への道は無い。灯台の保守は船を利用しているらしい。

 陸路で灯台をみてみたく、例会を企画した。アイゼントレーニングの個人山行と合流したので、ロープや登攀具フル装備で、装備的には万全であった。

集落を出る時に地元の人から「灯台に行くのは無理」だと散々言われたが、「迷惑かけないように、無理と思ったらすぐ引き返しますし」ということで、なんとか通過。

地形図では岬のかなり奥まで破線の小径があり田のマークもあるので、離れた田んぼに通う小径があったと推測される。その小径がある程度残っているならば、案外簡単に灯台に到着するかもしれないと思ったが、集落を出てすぐに小径は消滅した。

 

尾根に登り、基本尾根歩きで小ピークをいくつも越えて灯台へ着いた。標高は低いがアップダウンは結構あり、体力的には負荷が大きかった。

 結果、登攀具を使うことはなく、普通の歩きで済んだが、道が無く全く管理されていない山の中を、地図を頼りに進むというエキサイティングな体験ができた。先頭は読図ポイント取得対象の小前さんが務めた。天気予報では午後から雨であったが、降雨前にデポ地に戻れた。

 

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写真:正面のピークを越えると灯台は近い

 

【感想】 61期 小前竜吾

舞鶴に来たのは何年ぶりか思い出せない程大昔の事。駐車ポイントに向かう道中で海上自衛隊の学校があり、セーラー服の学生さんが大勢歩いている。そう舞鶴は漁港と海上自衛隊の街といった感じ。その舞鶴の北端成生岬に読図しながらの目指すという冒険に参加した。

読図ポイント対象者が私だけという事もあり、僭越ながらトップを歩く。事前に印刷した地図を眺めていると、送電線や電波塔がまったく無く、読み解くヒントが少ないなと感じていたが、周囲の奈島、毛島、風島の島々と湾の地形がヒントになる事がよく理解できた。

登山道が明瞭でない場合は尾根道を歩くのがセオリーである事もよくわかり、道迷いした時にも役立つものと感じる。スマホGPSが大変重宝する昨今であるが、紙の地図とコンパスで進むなんて何と格好が良い事か。大切にしていきたい。

 

【感想】57期 藤井康司

アイゼントレが、成生例会と合流することになった。気になっていた岬巡りだけに一も二もなく参加を決めた。集落を抜けたところで畑仕事のおばさんたちに岬に向かう旨告げると、「やめとき!道もないし、猪も熊も出んで。去年も4人組が崖で動けんようになって、漁船を呼んだとこや。」とのこと。

怖いもの見たさというか、いつもの好奇心がムクムクと湧いてきた。地図と地形を見ながら進んでいくが、踏み跡がかなり明瞭についている。ハイカーのものというより獣のものか。グズグズのトラバースを抜け、藪尾根を進む。左側は断崖絶壁。百数十メートルの眼下に白波が砕け散る。右側には穏やかな海と島が広がる。正面には正三角形の山が。岬の細尾根ならではの景色だ。ワクワク感が増す。日露戦争時代のものだろうか。砲台跡を過ぎ、やがて白い無人灯台に。360度の絶景が広がる。ここまで3時間半。時間切れとなり、アイゼントレは断念せざるをえなかったが、下には魅力的な岩場が広がる。機会があれば下までいってみたいもんだ。

帰りはほぼ同じ道をたどる。最高到達点213メートルのプチ縦走とはいえ、細かいアップダウンとバケツのような冬靴が体力を奪う。

帰路舞鶴の道の駅で食べたアジフライ定食がおいしかった。山岳会ならではのプチ冒険でした。

 

【感想】57期 織田直子

今回藪こぎしながら岬の灯台を目指すという例会に参加させて頂きました。

漁村で畑仕事をされていたおばさま達に行き先を告げると「ムリ」と何度も言われたので、今日はきっと途中で帰ることになるんだろうなと思っていました。数年前に途中で動けなくて船で救助された人がおった話や、猪や鹿や熊の餌に私たちがなるよと脅かされながら見送られました。

読図例会となっていましたが私には全くのお手上げで、小前さんたちが先頭を行って下さり完璧なルート読みで無事灯台迄辿り着きました。灯台は、当たり前ですが岬の先っぽで、陸の一番端まで足で来れたんだなと感慨深かったです。

帰りもアップダウンが多く、「まだ登るの」ともう少しで終わりかなと思うところで出てくるのでげんなりしましたが、何はともあれ岬に導いて下さって無事帰って来れたのはATさん小前さんがしっかり地形を読んで下さったお陰で、また必ず間違いないように怪我ないように後ろから見守って下さって、このようなおもしろい企画をあげて下さった秋房さんに感謝致します。

ご一緒下さった皆様のお陰で、楽しく山行きを終えることが出来ました。本当にありがとうございました。

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写真:道は無いので、地形の弱点をついて斜面を登る

 

 

 

【感想】57期 TW

春の海と春の山が楽しめる「一度に、二度美味しい」成生岬例会に、すぐ参加を申し込みました。

秋房リーダーから成生岬まで道がないと聞き、家で1万分1地形図を見て、等高線の間隔や尾根の方向、海に浮かぶ島の位置などを確認していたのですが、予想と実際に歩くのとは感覚が全く違い、近そうに思った岬は遠く、数字上では低い山が心臓破りの高さに感じました。

ヤブ道が歩きづらい為なのか、読図力が足りない為なのか、思っていた以上に汗をかき「まだかなぁ」という思いをもちながら歩きました。それでも、海から聞こえる波の音や海風がとても気持ちよく、余り疲れた気はしませんでした。

心配していた天気ももち、岬では360度の春の日本海を眺められました。「春の海」というと与謝蕪村の俳句が思い出されますが、成生岬からみた舞鶴の海も、のどかでゆったりしていて、心が満たされました。秋房リーダー、ご一緒くださった皆様ありがとうございました。

 

【感想】54期 NF

山に登りはじめる前は、岬や島が好きで海ばかりを旅してました。

出発地点で、成生の集落の人に30年以上行ってないし、熊やイノシシのえさになるよ、といわれて始まった山行。確かに当時の道は薄いもののかつての人の生活がうかがえる跡かた。こまえさんたちの読図に導かれ、両側が海の稜線にみんなで歓声をあげ、灯台にたどり着いた時には感動ひとしおでした。これは冒険だ。

最高標高213メートルであってもアップダウンが続く道なりで疲労感は増し、山の面白さら標高じゃないなとつくづく感じる、発見多い1日でした。いつも優しさをくれるTWさん、藤井さん、ひさびさにお会いしてはっとする元気をくれる織田さん、なによりも企画してくださった秋房さん。みなさまに感謝です。

 

【感想】51期 AT

お誘いを受け今回成生岬を歩かせていただきましたが、なんだか不思議な体験をしたような、異世界を味わった様な気分にさせていただきました。

入り口で集落の方に言われた通り、鹿が目の前で何度も走り抜けていきましたが、よくぞ我々が疲労しながらノロノロと登っているこの急斜面を、あんなに素早く駆け上がるものだと感心させられました。

全体に地面は粘土質で急斜面が多かったので、よく滑りました。

時折遠くが見渡せるところへ出ると、海はずっと水平線まで続いて、眼下には切り立った断崖に波が打ち寄せ、稜線には強い風が吹き、見ていて美しいような、なんだか不安になるような日本海と岬の景色を楽しみながら歩きました。

見えていた風島(かざしま)について、ずいぶん爽やかな名前で、風が強いからかなと安易に思っていましたが、葛島(かつらじま)が訛ってついたものだそうで、昔はこの島に葛島神社があったそうです。(帰りに成生で通りかかって見かけた神社の中に現在は祀られているそうです)

 

 

 

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地図:GPS軌跡(往路)

 

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.47・48 翠黛山・金毘羅山

平成30413()

 

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写真1: 翠黛山(577m)山頂

 

 

大原寂光院から翠黛山(577m)に登り金毘羅山(572m)の京都百名山2座を登り、瓢箪崩山を通り上高野に下山した。稜線はミツバツツジが満開で石楠花や馬酔木の花も見られた。

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【メンバー】 山本浩史(単独)

【山  域】 京都市左京区

【行  程】  桂川6:206:49国際会館駅7:027:24大原7:277:44寂光院登山口~8:27翠黛山~8:48奥社9:039:07金毘羅山~9:42江文峠11:12瓢箪崩山11:2112:44崇道神社~13:03三宅八幡宮13:25国際会館駅13:2914:14桂川

【登山データ】 晴れ 歩行14.3 5時間58 延登高1,079m 延下降1,218m 3座登頂

 

国際会館駅から京都バスの始発で大原に入った。バス停の裏側から高野川の人道橋を渡り、ミチバタ谷に沿って長閑な大原の里道を進んだ。寂光院は未だ拝観時間前で、隣の建礼門院陵に立ち寄った。平清盛の娘で高倉天皇中宮に入内、安徳天皇を生み、源義経に追われ壇ノ浦で入水したが救い上げられこの地に隠棲した。ミチバタ谷を挟んで対岸の登山道を入った処には、一門の阿波内侍、大納言佐局、治部卿局、右京大夫、小侍従局の墓がある。

寂光院の門前を過ぎると左手に登山口があり階段を上ると件の侍女の墓があった。獣除けフェンスの扉を開け登って行くと高さ5mを超える大岩があり登山道は左側を巻いてた。稜線を歩きたく岩の直後を這い登った。かなり上の方で登山道が合流して来たが稜線も結構歩かれているようだった。翠黛山山頂直下で南側を巻く道が分岐したが勿論山頂を目指した。焼杉山からの道が合流した処が翠黛山(577m)山頂で、展望はなく大原の里10名山の標識が掲げられていた。案内板には建礼門院が仏さまに供える花を摘みに来られたとあるが山頂まで来る必要があったかどうか如何なものだろう。

西に進んで巻道と合流し顕著なピークを超えると金毘羅神社からの巻道が合流し少し登ると大原の里越しに比叡三系の横高山、水井山、小野山を望めるポイントがあった。ひと登りすると奥社に到った。三宝大神の石碑と岩があり朱色の柵に囲われているが正面の門は壊れていた。10m程先の大岩の上には天御中主之命、魔王大神、大国主命の神名が刻まれた円形のコンクリートの碑が西の方を向いていた。その先にはハングルで書かれた碑があり此処からの展望は良く金毘羅山や京都市街を望むことができた。地形図を確認しようとすると地図がない!探しに戻るが発見できず諦めて先に進んだ。

金毘羅山(572m)山頂には3等三角点「根王」と壊れた祠があるがこれも金毘羅神社所縁のものだろう。展望もなく4分の滞在で静原方面への続く南西尾根を下った。地形図には静原の東又川に向かって道が2途描かれているが江文峠に近い処に下りてくる尾根には道がない。南東に折れて尾根に入ると踏み跡があり所々テープも巻かれていた。何の問題もなく府道40号線に下り立ち、時折車の通る府道の坂を登り江文峠バス停に到った。嘗ては年に1本しかバスがなく路線維持の為だけに残されたバス停だったが最近毎日3貴船口と大原を結ぶバスが運行されている。

江文峠南尾根に入りP471に到るとまだ10時なのにお腹が空いて来た。超早めの昼食を取りふと見上げると小さなプレートに「P471」の表示があった。北山でよく見かける標高点の標識だ。ピークの少し西の分岐では箕ノ裏ヶ岳への指導標があった。尾根通しに行けるとは新発見だった。P476には何の表示も無く、鞍部で長谷を下り井手町に達する道が分岐した。寒谷峠(462m’)の手前には一寸したピークがあるが登山道は東側を巻いている。忠実に稜線を辿ると歩いている人はいるようでテープが巻かれていた。峠には長谷経由井手町への道と寒谷経由岩倉長谷町への道が記された岩倉北消防分団名の指導標が設置されていた。

瓢箪崩山へは東に進み少し上がった処にある岩場の上は西方面の展望が得られた。瓢箪崩山(532m)山頂には3等三角点「大谷」が置かれ比叡山方向と蓬莱山方向に展望が得られた。南に進み次のピークで振り返ると瓢箪崩山が望め、石楠花も咲き清々しい。花脊の電波塔が位置を示してくれ天狗杉(837m)のピークが確認できた。少し下ると花園町への下山路が分岐した。此処からは処女ルートに入りP461P346を越えると「入山禁止10/111/15まで 見つけ次第警察に通報します 山主」との表示があり松茸山であることを示していた。

複雑な稜線だが道がしっかりしていて間違うことはない三宅への道と分かれ宗道神社へ下る。宗道神社は上高野の山懐にある大きな神社で国宝の小野毛人(おののすくね・遣唐使小野妹子の子で刑部大卿)の銅製の墓誌奈良時代)が収蔵されている。街中歩きで三宅八幡宮に立ち寄り朝バスに乗った国際会館駅で山行を終えた。

 

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写真2: 南側のピークから金毘羅山(572m)を望む

 

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写真3: 金毘羅山(572m)山頂の3等三角点「根王」

〈個人山行〉Team BCS 蓮華温泉 ~山岳スキーツアー~

2018年3月31日(土曜日) ~4月1日(日曜日)

 【メンバー】

CL)梅村重和、藤井康司、TS  3

【行 程】

330()

ファミリーマート山科()20:30集合

五竜とおみエスカルプラザ仮眠室()

331日(土)

エスカルプラザ700=栂池ゴンドラ乗

り場830=栂池ゴンドラ&ロープウェ

イ=つがいけ自然園9:30-天狗原-白馬

乗鞍-天狗原-蓮華温泉ロッジ1500(泊)

41日(日)

蓮華温泉ロッジ7:30-ヤッホー平-角

小屋峠-木地屋部落13:00=栂池ゴン

ドラ乗り場=ヒスイの湯(温泉)=ヨー

ロッパ軒(夕食)=京都

 

【記 録】59期 梅村重和

330(金曜日)

山岳スキーのベストシーズンは3月~4

月。年度末から新年度初めは、不幸にし

てサラリーマンにとって1年中で最も忙

しい時期である。

期末の最終日、職場の打ち上げをスルー

18時過ぎに退社。大急ぎで出撃体制

を整える。今夜の宿は、五竜とおみのスキーハウス エスカルプラザの仮眠室。今夜の泊りが今年最後の営業である。ゲレンデ終了間近ということでさすがに空いていた。

 

331日(土曜日)

朝から絶好の山岳スキー日和。自然園から天狗原を目指す。さすがメジャーなルートだけあってボーダーやアルペンチームが何パーティも天狗原に向かって行動している

白銀に輝く後立山連峰鹿島槍がとっても美しい。

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白馬乗鞍山頂

大パノラマを堪能しつつ天狗原から白馬乗鞍山頂へ。白馬乗鞍山頂で暫し大展望を楽しむ。いよいよダウンヒル!シールを外しヒールを固定し大斜面に飛び込む。この一瞬がたまらない。

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白馬乗鞍岳の大斜面

山岳スキーの醍醐味である。心底スキーをやっていて良かった!と思う瞬間である。シーハイル!白馬乗鞍の大斜面にシュプールを刻みながら、あっという間に祠まで。

天狗原を横切って振子沢を快適に滑り15時前に蓮華温泉ロッジに着く。蓮華温泉と言えば何といっても露天風呂。ロッジの裏手から雪の斜面を登ること約15分。やや傾いた春の陽ざしを受けた朝日岳を見ながら露天風呂で至福の時を過ごす。

 

41日(日曜日)

今日も朝からいい天気。谷に滑り込むのに積雪量に憂いはない。ロッジを出て弥兵衛沢に滑り込みヤッホー平を行く。

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      ▲角小屋峠から雪倉岳の雄姿

林道に出て小一時間で角小屋峠の分岐点から今回最後の登り。峠に着けば朝日~雪倉岳の大パノラマが待っている。次回は雪倉のあの大斜面かな(^^♪

峠からは、このルート2番目のハイライト、ウド沢へのダウンヒルである。稜線には発達した大きな雪庇があり、割れ目が走っている。稜線から雪庇の下をまわりこんでトラバース気味に大斜面に飛び込む。雪質はやや重い。後続のパーティのギャラリーを意識しながらコケないように沢にむかってダウンヒル。   

f:id:hirasankun:20180515054601j:plain       ▲角小屋峠からのダウンヒル

ウド沢の右岸をトラバース気味にブナの森にスキーを走らす。耳元を切る風の音が心地よい。沢を離れ白池の手前で、“caféシーハイルの開店となる。

 

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     ▲caféシーハイル(白池付近)

13時、木地屋部落の手前1kmの除雪地点に到着。装備を整えてタクシーに乗車、14時頃、栂池ゴンドラ乗り場の駐車場に到着となった。

【山行メモ】

・この時期、蓮華温泉は盛況で早い目に予約しておいた方がいい。

木地屋部落から栂池までタクシー料金は1万円ほど。

 

 

No.3718 2018年3月31日(土) 岩登り練習(北小松の岩場)

2018年03月31日(土) 

 

【メンバー】CL AT、山形真知子、NF、YN、中村恵子、小前竜吾、星野ひとみ 以上7名

 

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31) 快晴

京都~北小松の岩場~京都

 

【記録】51 AT

ぎりぎりまでどのような内容の練習をするか決めていなかったが、メンバーの要望を聞いたところ、いろいろと要望はあったが、中村さんの「フリークライミングの岩場にあるルートでリードがしたい」という要望・星野さんの「劔岳に登るために岩に慣れたい」という要望から、岩場で岩に登る練習をすることにした。

行先としては、多数の集団がずっとルートを占拠することになり迷惑がかかるので、人気の少ない北小松の岩場へ行って練習することとなった。(人気の少ないとは失礼な言い方ですが)

この手の練習は毎回安全管理が難しく、多くの初心者にたいして一人で安全管理を行うので、かなり行動が制限されてしまう。

今回も参加者をトップロープで参加者を上げ下ろしするという内容に終始することになってしまったが、参加者のなかにビレイが出来る中村さんがおられたおかげでだいぶ助かりました。

また、ポイント欲しさに嫌々岩に取り付いた山形さん、お疲れさまでした。(チェストハーネスだけ持って参加されたのには仰天しました)

 

 

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【感想】54 中村恵子

今回の北小松は、一年ぶりの外岩でした。景色はいいけど高度感がすごくて、なかなか怖かったです。足元を良く見て登らないといけないのに、みると下界まで目に入って足が震えました。アプローチが急登で荒れててそれもまた怖かったです。 初リードをしたいと言う希望のため、リーダーが選んでくれた北小松でしたが、技術と実力が伴わずリードで登れなくて、本当に申し訳ありませんでした。精進して頑張るのでまたよろしくおねがいします。

 

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No.3731 上高地スノーハイク リーダーポイント

2018年3月26日(月)〜3月27日(火)

[メンバー]

CL 59期 江村一範、SL 54期 鹿嶽眞理子、57期 TW

 

【行程】

3月26日 月曜日

7:45坂巻温泉駐車場〜8:30釜トンネル〜9:10大正池〜10:10田代池〜10:50田代橋〜11:10ウェストン碑〜11:30河童橋〜12:00小梨平デポ(お茶休憩)〜13:30明神館〜13:50明神池〜16:20小梨平幕営

 

3月27日 火曜日

5:50小梨平〜6:00河童橋〜7:00田代橋〜梓川左岸〜工事用道路〜8:30釜トンネル〜9:00坂巻温泉駐車場

  

【記録と感想】 59期 江村一範

◯プロローグ

6年ほど前、12月に上高地から横尾までスノーハイクに行った。最初は蝶ヶ岳に行こうとしていたのだが当時の先輩にまだ早いと止められて、梓川沿いを歩く事にした。一泊目は徳沢、2泊目は横尾に一人でテントを張った。年末じゃない事もあって人が殆どおらず、静かでとても快適だった。その静かな山行が良かったのでもう一度行けたらと思っていたのだが、今年2月のジビエBBQの席でTWさんが上高地に行ったことが無いというので、「冬の上高地は静かで良いですよ!」と力説し、鹿獄さんにSLになってもらいリーダーポイント山行を組むことになった。当初はゆっくり2泊で横尾まで行こうとしていたが、仕事の都合で日程が一泊二日となり、公式に上高地幕営が許可されてるのが小梨平だけなのでそこで幕営する事にした。

 

◯3月26日月曜 快晴

26日早朝、夜行バスで松本駅まで来た2人を私の車でピックアップし、釜トンネル手前の坂巻温泉で車を停めて釜トンネルまで歩いた。快晴の中、出発する。冬の釜トンネルは真っ暗だったはずだが一部で電灯はついていおり、凍結箇所も無く快適に歩けた。トンネルを出ると焼岳(?)のてっぺんがちらっと見えて、晴天の下に西穂高の山並みが見えてきた。一同は大いに興奮。車道歩きが暫く続くが凍結も少なく、アイゼンをつけずに歩ける。

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(1日目 写真1 田代池前の樹林帯)

 

 大正池の手前で雪崩の跡があるが、踏み跡がついており難なく渡れた。10時頃、大正池に到着。雪を冠って壮大な焼岳や西穂高大正池に鏡のように反射しているので、一同しばし見惚れて写真を撮りまくる。この付近には家族連れや大正池までの歩きの人達で2グループぐらい賑わっていた。写真を沢山撮ってから田代湿原へ進む。田代池周辺では雪解け水が静かに流れ込んでおり、透明度の高さに驚く。ここからは霞沢岳が綺麗に見えた。田代橋近くのトイレ前で休憩をしていると、工事関係者らしい男性が来た。挨拶して話をしてみると近くの上高地帝国ホテルで内装作業の仕事をしているとの事。冬の帝国ホテルは、家具などがすべて片付けられてがらんどうになっているらしい。

折角だからウェストン碑を見に行ってみようと田代橋を渡って左岸へ進む。一度気づかず通り過ぎてしまい戻ってウェストン碑を確認。

 ウォルター・ウェストンは明治から大正にかけて来日していた宣教師で日本アルプスを西洋人の視点から再発見した人。雑誌やガイド本で知ってはいたが、実際にレリーフを見ると結構大きく、ウェストンの表情は微笑して優しそうな印象。日本各地にウェストン祭がある事といい、彼を知る当時の日本人に愛されていたのだなと思う。

 冬季休業中のホテルの並びを過ぎて河童橋へ。無雪期ならば人で溢れかえっている河童橋も今は誰も居ない。奥には荘厳な奥穂高岳前穂高岳が見える。3人で独占してワイワイと写真を撮る。鹿獄さんのポージングが妙に上手く、モデル立ちを習う。

 河童橋近くには日帰りと思わしき人たちが4グループほど昼食を取っていた。私達は今回の幕営地、小梨平へ進む。小梨平のちょうど雪が無くなっているところにテントを張って大休止。お茶を入れてダラダラする。このダラダラこそが上高地スノーハイクのいい所だと思う。普段なら槍穂へ向けて駆け足で通過するだけの上高地で一泊してゆっくりする贅沢。3月の平日なので辺りは誰も居らず、太陽がポカポカしており眠たくなる。たまにはこういう山行をするのも良い。

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(1日目 写真2 小梨平の昼食) 

 

 午後は荷物を小梨平でデポして明神池まで歩く予定。途中何箇所か雪崩の跡があった。明神橋を渡って明神池へ。背後の尖った明神岳がなんとも美しくいつか登りたいとTWさんが言う。明神岳はバリエーションルートでどこから登っても難しそうだがいつか自分も登ってみたいと思う。明神池にて暇つぶし撮影会。2人にポーズをつけて植田正治風に撮ろうとするがうまくいかず。明神池を出発すると嘉門次小屋の前のベンチで休憩している人たちがいる。小屋明けの準備をしているそうだ。

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(1日目 写真3 明神岳

 

 16時過ぎに小梨平へ戻って夕食。風も無いし外で食べようと、ベンチとテーブルで夕食の用意をする。今日の献立は鶏みそ鍋と〆のラーメン。風が無いとは言え、3月の上高地なので日没すると気温はぐんと下がる。冷えた体に温かい鍋の温度が染みわたり、鹿嶽さんの味付けは最高である。身体の中から温めようと、ビールと日本酒も進む。私の持参した上善如水の花見酒は飲みやすくて杯が進み”あかん水”と命名された。鍋に道中で採取したフキノトウを入れると苦くなくうまい。TWさんの持ってきた〆のサリ麺は麺が太く鍋向けの食材でこちらも美味。18時半時頃、残ったお酒を抱えてテントの中で二次会を行った。

 

◯3月27日火曜 快晴

4時半に起床して朝食。献立がアルファ米+鶏そぼろ+具だくさん味噌汁。河童橋で朝日を見ようと6時前に小梨平を出発。昨日に引き続いてこの日も快晴。6時頃、誰も居ない河童橋に到着。ディープブルーの奥穂高岳にゆっくり朝日が照らされ薄くピンク色を被る。「焼岳もすごい!」と言われて振り返ると焼岳が文字の如く焼けるように朱色に染まっていた。震えるくらいに美しかった。

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(2日目 写真1 焼ける焼岳)

 

 この日はもう帰るだけだが、二人の帰京するバスの昼便に間に合わせたいのでゆっくりもしていられない。朝日を見終えて元来た道を戻る。折角だから上高地帝国ホテルを見ていこうと立ち寄ってみる。レトロな外観と赤い三角屋根がメルヘンチックで美しい。いつか帝国ホテルに泊まる現地集合解散の「帝国例会」をやってみたいですねと言う。なんと鹿獄さんは昔に帝国ホテル内の喫茶店で茶をしばいた事があるそうである。お茶でもいいからいつか行きたい。

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(2日目 写真2 上高地帝国ホテル)

 

 田代橋から間違って左岸へ渡ってしまい、このままでは工事用道路歩きになるなと川ギリギリを歩いていたら、もうどうにも歩けなくなり雪に埋もれた湿地帯をトラバースして工事用道路に戻る。大正池も見られず工事車両が行き交う中をトボトボ歩く。釜トンネル出口に8時半に到着。車道歩きをして坂巻温泉に9時到着。坂巻温泉で温泉に入ろうとするも、ロビーで今は掃除中で使える浴槽には洗い場が無いと言われ、それは困ると周辺の温泉を必死に探す。白骨温泉が意外に近いよと、この時期に唯一営業していた白骨温泉「泡の湯」へ向かう。オープンの10時半まで待って開業と同時に入る。白骨温泉の泉質がとても良くて肌の通りが良い。この温泉は露天風呂はなんと男女混浴であるが、白く濁って底が深いのでなんとか隠しながら歩ける。外で浸かっていると鹿獄さんとTWさんがやってきた。まさか混浴する事になるとは。白骨温泉上高地から案外近いのでマイカーで帰りに寄るのは有りだなと思う。値段も800円で手頃だ。風呂から上がり、ここで昼飯を食べるぞと見定めていた蕎麦屋へ行くがなんと臨時休業! 仕方がないので向かいの道の駅で食べる。松本駅へ行く途中、亀田屋酒造店という酒蔵へ立ち寄りへ”あかん水”(日本酒)をお土産に買う。15時過ぎ松本駅前ロータリーに到着。バス出発1時間前に着けた。なんとここで2人から私に運転のお礼にと”あかん水”を頂く。とても嬉しかった。車で帰る私はここで別れ2日間の山行を終えた。

 3月末の上高地スノーハイクは雪も歩きやすく、人も少なくとても快適だった。2日ずっと晴れ渡っていて穂高連峰が本当に綺麗に拝めた。久しく北アルプスも歩いていないので縦走したくなった。この会に入って初のリーダーポイント例会で、段取りの悪い所も多々あったが、サポートしてくれた同行の先輩2人には感謝したい。 (了)

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(2日目写真3 白骨温泉泡の湯)

 

【感想】 54期 鹿嶽眞理子

 江村さんが、冬の上高地は素晴らしいです、是非行くべきです、案内しますと申し出てくださり、初上高地のTWさんと話がまとまり、私も一緒に行くことができまし

た。私自身は3度目の雪の上高地でした。一度目はふかふかのバージンスノー満喫のスノーシューハイクでした。二度目は冷たい風がびゅーびゅー吹き付け雪もちらつ

く日でした。そして今回は雪も少なく軽アイゼンすら不要な早春の上高地。風もほとんどなく、雲一つない晴天。おかげで今までで一番のんびりまったりと絶景を楽しむ

ことができました。なんといってもほとんど人がいないのが最高です。焼岳や穂高連峰は、大正池に鏡のように映るのも素敵でしたし、田代橋や河童橋からの風景も抜

群でした。明神岳も素敵でした。明神橋・明神池では、面白ポーズで写真を撮ったりして遊びました。小梨平のキャンプ場には私たちのテントがぽつんと一つ。心地よ

い静寂の中で、鶏みそ鍋とビールや美味しい水(上善如水)で盛り上がりました。途中で摘んだフキノトウを鍋に入れてみたら、なんとも美味でした。

 

カメラ操作を江村さんに教えてもらい、一つ技術を身に付けました。大収穫です。ハードな山もいいけれど、ゆるゆるも楽しいと言ってくださった江村さん、ありがと

うございました。リーダーポイント2個進呈したいくらいです。

 

【感想】57期 TW

 2月中旬、お酒の席で私が「上高地に行ったことがない」と話した事から始まった、この上高地企画。江村さん、鹿嶽さんという山のベテランから「それなら行こう!」とお声がけいただき大変ありがたい反面、周囲の方からは『接待山行』と言われ(私が接待される側)、何とも申し訳ないような、きまりの悪いような思いをしておりました。でも今は、接待していただいて本当に良かった!と思っています。上高地穂高連峰愛する人たちの気持ちが大変よく分かりました。

大正池に写る真っ白い焼岳、格好のよい姿の穂高連峰、ひときわ神々しい明神岳・・・スゴ腕カメラマンでもあるお二人が写真を撮る横で、梓川がそよそよ流れる音を聞きながら、ぼんやりと色々な姿の穂高連峰を見るのは楽しく、贅沢な時間に感じました。中でも、夕焼けの穂高連峰を見ながら、三人で囲んだ、味噌鍋と日本酒は格別でした。

北アルプスに対して興味のなかった私でしたが、穂高連峰に招かねているように感じた2日間でした。

鹿嶽さん、私に上高地への扉を開けてくださり、ありがとうございました。いつも背中を押してくださり感謝しています。

江村リーダーとは、2月末の企画立ち上げ当初から山行当日まで、メールでやりとりする事61通(!)。お忙しい中を色々とお心遣いいただき、本当にありがとうございました。山行後の白骨温泉含め、私は、江村さんのリーダーポイント100点満点だと思います。