京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.76 比叡山

平成31年4月20日(土)

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比叡山(848m)は京都市を代表する山、愛宕山と並んで京都人の心のふる里の山。八瀬ふるさと前バス停か稜線ルート西山(559m)経由で東塔に到り比叡山駐車場南の尾根を下りてんこ山(442m)経由で曼殊院横に下山した。

【メンバー】 山本浩史L、 船木佐織、中井純子、井上はるみ

【山  域】 京都市左京区

【行  程】 国際会館9:54=(京都バス19系統)=10:07ふるさと前10:15~11:36西山12:02~13:34大比叡13:42~14:48音羽川~15:08大鳥居~15:27てんこ山~16:11武田薬品薬用植物園~16:40一乗寺16:44-16:51出町柳16:55-17:00京阪三条

【登山データ】 曇り 歩行13.4㎞ 6時間25分 延登高913m 延下降998m 3座登頂

八瀬秋元町の“ふるさと前”で京都バスを降りると中井さんが待っていた。国道を横断すると道端にお地蔵様があり登山道の入口のようなので入って行った。西山北尾根の側面から取付くと倒木が道を阻んでいた。何処からともなく表れた踏み跡を辿って尾根道を行くと展望地があり八瀬の里と反対側の山襞に咲く山桜がまだ盛りを誇っていた。

今日のルートは登山地図にはルートの記載がなく地形図の点線道が途中からあり此れを辿る。比較的時間に余裕があるので皆にしっかり地形図とコンパスで進行方向を定めてもらい、適宜地形確認をしながら進んだ。また展望地があり、横高山(767m)や水井山(794m)、八瀬秋元町の集落越しに焼杉山(717m)などを展望することができた。歩き始めて45分でP445に達したが何もなく給水を行って先に進んだ。登り返しは一貫した登りで西山(559m)に達した。山頂標識はなく、小さな石塔が並び異様な雰囲気を醸していた。少し下った処には大きめの石碑でどう見ても墓のようだ。刻まれた文字を見るとどうも延暦寺の僧侶の墓のようだった。

昼食休憩を取っていると話題は、“霊”がどうのこうのと云うことになり、皆何かを感じたのだろうか。少し進むと西山峠で八瀬に下る松尾坂と釈迦堂への道が越え、直進すればケーブル駅へと達する。釈迦堂方面に進み八丁谷に下ると林道に出た。尾根の先端部に展望地があり、横高山(767m)や水井山(794m)や京都北山が一望できた。1週間前に登った瓢箪崩山(532m)や小倉山(157m)も望めた。

奥比叡ドライブウェイの直前で林道はヘアピンカーブして南に向きを変えた。“元三大師道”の石碑があり横川へと導いていた。「40丁、4粁5」と付記され。1丁=109mで正確に記されていた。その先には何の施設の跡だったのか正体不明のコンクリートの残骸があった。更に進むとケーブル駅からの道に合流した。“国家鎮護”の石碑と京都一周トレイルの「北山No.5」の標識があった。東塔を目指して歩いているとゼッケンを付けたランナーが走って来た。先ほど掲示されていた“京都一周トレイルラン”の大会の参加者のようだ。そう云えば、3月末に水井・横高に登った時、スタッフが団体で試走していたのに遭遇した。4/20が本番だと云っていたのを思い出した。後日譚だが当会の長野さんはやはり出場していた。

東塔に到ると料金所があり有料エリアとなるが大比叡に登ると告げると、切符を買わせず通してくれた。東塔阿弥陀堂前でトイレ休憩を取って、東塔院の裏から今日のメイン大比叡(848m)へと登り出した。山頂域は駐車場の跡?や電波塔、給水施設等があり、山頂は小塚のように僅かに残された丘に上がり1等三角点「大谷」と対面した。展望はなくしっかりした山頂標識が数枚掲げられていた。広大な比叡山駐車場に下りると売店があり、日差しが強く初夏を感じる気候になっていたので300円を投資してソフトクリームを賞味した。

下山は四明岳南尾根を下る。途中から登山道が描かれているが下り口が分からない。駐車場は石垣で降りることができないのでガーデンミュージアム入口付近のトイレの横から下りて行った。トラバースして東の支尾根に乗るが急な下りで気が抜けない。そして南尾根への乗り換えは殆ど歩かれていないようで危険、比叡山にこんな処があったのかと思わせる高さ10mの岩壁の下を通り尾根の乗り換えに成功し一安心した。微かに付いた踏み跡を辿って尾根を下り音羽川へと達した。

この辺りの音羽川は砂防工事による堰堤設置や河川改修ですっかり人工の河川になり、川沿いは山桜が満開だった。大鳥居に到ると清掃登山でおなじみのエリア、最後の山、てんこ山(432m)に取付くが意外と険しい。3等三角点「掛橋」が置かれているが展望は得られない。集合写真を撮って下り出しが10分ほど歩いた処で山頂にストックを忘れてきたことに気が付き取りに戻る羽目に陥ってしまった。

地形図にはてんこ山西側の道は南を巻く林道に出るように描かれているが、明瞭な道は南西尾根に乗って曼殊院へと下っている。予定とは違うがそのまま下ることにした。モトクロスバイクの轍がはっきり残り、登山道はかなり荒れていた。それでなくても結構険しい道なのに嘆かわしい。曼殊院の裏側で林道に飛び出すと直ぐにゲートがあり施錠されていたが自転車は此の脇をすり抜けて侵入するのだろう。看板には「自転車・諸車の通行禁止」と明確に書かれていた。

気持ちよく整備された庭園があった。“武田薬品薬草植物園”で観光客が楽しむ植物園ではなく研究のための施設のようだ。曼殊院に立ち寄り拝観の予定をしていたが380m坂道を登らなければならないので皆のテンションが上がらず敢無く中止にした。街の道路が2.5万図と一致せず修学院へ行く積もりだったが分かり易い曼殊院道一乗寺へと出ることにした。途中に一乗寺下り松があり宮本武蔵と吉岡一門の決闘の地を見ることができ若干歴史に触れて叡電の駅に達した。

 

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写真1: 西山(599m)山頂、延暦寺の僧侶の墓であろうか小さな石塔が多数ある

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写真2: 大比叡(848m)山頂

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写真3: 比叡山駐車場より大比叡(848m)を望む

 

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.74・75 瓢簞崩山・小倉山

平成31年4月13日(土)

 瓢簞崩山(532m)は北山の入口、八瀬と岩倉の間の稜線にある。小倉山(157m)は、岩倉の盆地の中央にある丘で京都百名山の名が重い山だった。岩倉では実相院や岩倉具視幽棲旧宅の拝観にゆっくり時間を取り桜満開に岩倉の里を満喫した。

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 【メンバー】 山本浩史L、小泉賀奈子、船木佐織、SS(会員外)

【山  域】 京都市左京区

【行  程】 桂川9:00-9:06京都9:21-9:42国際会館9:54=(京都バス)=10:12戸寺10:20~12:31寒谷峠~11:52瓢簞崩山12:22~12:31寒谷峠~13:08ブルージュ13:20~14:22小倉山~14:38実相院15:08~15:12岩倉具視幽棲旧居15:48~16:04岩倉16:07-16:20出町柳16:25-16:29京阪三条河原町19:24-19:36洛西口

【登山データ】 晴れ 歩行10.9㎞ 5時間41分 延登高450m 延下降562m 2座登頂

 

大原の里戸寺は今を盛りに桜が咲き誇っていた。高野川の堤防は桜並木になっており、背景に横高山(767m)を従え、静かな山里の素晴らしい風景を醸し出していた。旧家の庭に咲く紅枝垂桜も一際美しく、満ち足りた気分で長谷の林道へと入って行った。真新しい堰堤は未だ工事中のようで、左岸を高巻いて付けられた林道はコンクリートの色もまだ白かった。獣除けフェンスの扉を開け入って行くと暫く幅の広い林道が続いた。

当初の予定では左岸の尾根に上がる登山道を行く予定だったが道形が認められず、指導標もあり確実な長谷から寒谷峠経由で登ることにした。徐々に道が狭まり小泉さんを先頭に隊列を組んだ。台風の爪痕は比較的軽微だったようで、苔生した倒木の方が目立った。傾斜が強まり稜線に乗り上ると寒谷峠に達した。戸寺と岩倉を結ぶ峠で稜線は江文峠からの道が瓢箪崩山へと繋がっている。

倒木の目立つ稜線の南側に道があり偵察してみるが山頂を目指しているようではないので倒木を避けて稜線道に取付いた。東南東に進み10分余りで瓢箪崩山(532m)山頂に到った。角の欠けた3等三角点「大谷」とケルンがあった。南東方向が開け比叡山(848m)が真正面だった。行動時間はまだ1時間半しか経っていないが長閑な日差しを浴びて昼食休憩を取った。

寒谷峠に戻り岩倉へと寒谷を下って行った。満開のツツジが点在し足元にはタチツボスミレ、着実に春は深まっているようだった。岩倉の里に近づくと聖護院門跡の長谷廟所を左手に見た。歴史がある筈なのに比較的新しい施設のようだった。“飛騨の池”は溜池で鴨が3羽長閑に泳いでいた。住宅が始まる頃、“ブルージュ洛北”というベーカリー&スイーツの店があり立ち寄ってお持ち帰りのパンなどを買った。

岩倉の静かな街を歩き小倉山(157m)を目指したが、屈辱的な道間違いを犯し西側の山中に迷い行ってしまった。引き返す途中比叡山が素晴らしく展望できる箇所があり、それだけが慰めだった。小倉山(157m)は岩倉上蔵町の北西側から踏み跡がある。山頂は特に何もなく最高所を探し山頂写真を撮って引き返した。

今日の登山はこれでお終。後は岩倉観光で実相院を訪ねた。実相院は寛喜元年(1229)に静基(じょうき)によって開山された単立寺院で嘗て天台宗に属していた門跡寺院である。枯山水の庭は桜が見事で比叡山を借景として素晴らしい眺めだった。この後、岩倉具視幽棲旧宅に立ち寄りボランティアガイドの説明を受け充実したひと時を過ごした。岩倉具視は、都を追われ3年間この地で隠棲したがこの屋敷で過ごしたのは後の1年間だったそうだ。

岩倉川に沿って駅に向かうと、山住神社の鳥居前に到った。実相院の北にある石座神社の旧地で御旅所になっている。「岩倉」の地名は「石座」がから来ており、この神社の鳥居の向こうには、高い処に小さな祠があり石座にまします神が宿る神々しさが感じられた。鳥居前で岩倉川を左岸に渡り叡電岩倉駅に到った。

 

 

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写真1: 瓢箪崩山(532m) 岩倉の里より

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写真2: 小倉山(157m)は岩倉の里真ん中にある

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写真3: 小倉山山頂にて

〈個人山行〉京都百名山シリーズNo.71~73 大尾山・水井山・横高山

平成31年3月30日(土)

大尾山(681m)、水井山(794m)、横高山(767m)は、比叡山の北稜線上に位置し京都市内からも望め親しみのある山だ。桜の開花が待たれる大原の里から登り、八瀬秋元町の登山口バス停に下った。

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【メンバー】 山本浩史L、梅村重和、ST、小前竜吾

【山  域】 京都市左京区滋賀県大津市

【行  程】 国際会館8:26=8:48大原8:54~9:13音無滝~10:09大尾山10:19~10:52小野山~11:27仰木峠~12:01水井山12:31~12:45横高山~12:55峰辻~13:44登山口14:02=14:32国際会館

【登山データ】 曇り一時小雨 歩行9.9㎞ 4時間50分 延登高924m 延下降992m 4座登頂

 この1年京都百名山シリーズ山行に雨はなく天候に恵まれてきたが、今日は午後から雨の予報が出ている。27日に京都市開花宣言のあった桜も大原ではまだ蕾、三千院の入り口前を通り来迎院の奥から登山道が始まった。川迫谷を遡ると落差20mの音無滝に到った。案内板には、「平安時代に来迎院を建立した聖応大師良忍上人がこの滝に向かって声明の修行をしていると滝の音と声明の声が和して遂に滝の音が聞こえなくなったことから『音無滝』と呼ばれるようになった。」とあった。

この先谷沿いの道は、昨秋の台風の被害が放置され荒れ方が酷い。谷を埋め尽くすように大木が倒れ辛うじて確保された隙間を縫って進んで行った。谷の分岐点に達すると地形図には真ん中の尾根に登山道が描かれているが、現地には道形が全くなく、恐ろしい急斜面が立ちはだかっていた。右の谷に指導標があり登山道が続いているので予定していた尾根ルートを捨てて谷ルートを進んだ。谷が狭まり梯子で高巻くと三の滝の標識のあり、落差5m程の滝の上部に出た。

暫く行くと谷が分岐し左の谷に登山道が続き、次の分岐点で尾根に取付いた。稜線に達し右方向に進むと大尾山(だいおさん681m)山頂で、地形図には“梶山”と記され、現地には“童髯山(どうぜんやま)”の表示もあった。2等三角点「大原村」があり琵琶湖方向が辛うじて望めた。

暫し休憩して断然明瞭になった稜線を南下した。P662を知らない間に通過し西に回り込んで小野山(670m)に達した。山頂標識には括弧書きで「大原山」とも書かれていた。山頂で一瞬ポツポツと来たがまだ大丈夫だろうと高を括ったが5分ほど歩くとザザっと来たので本格的な雨になる前に雨具を着た。仰木峠の手前で展望箇所があり振り返ると小野山が望め、前方には延暦寺横川エリアの稜線が望めた。仰木峠(573m)に到ると東海自然歩道と京都一周トレイルの指導標があった。“ぐるり!大原の里”の標識には「大原の里と仰木の里を結ぶ峠で江州米や藁工品が運ばれた。」と記されていた。

峠を過ぎると水井山への一貫した登りとなり、グループで走るトレイルランナー達と頻繁にすれ違った。水井山(794m)に達するとゆっくり昼食休憩を取った。3等三角点「釈迦岳」があったが展望は得られない。10人位のランナー集団が来たので話をすると5月25日に開催される「第5回 比叡山 International Trail Run 2019」の運営スタッフで試走に来たとのことだった。ランナーが多いのはこの大会のためだったようだ。

600m程南下すると横高山(767m)で京都市内から見ると水井山とセットで駱駝の瘤のように見える分かり易い山だ。山頂には「比叡山」と読める石柱があった。横高山の下りは恐ろしく急で傍らには倒木が散乱していた。鞍部の“峰辻”に下りると3体の地蔵があり傍らに“元三大師道”の石碑があり北に進むと横川(よかわ)中堂へと続く。反対側の八瀬秋元町への道は京都一周トレイルの標識には「大原街道登山口(難路)」とあったが赤で「×」が記されていたのが気になった。

“難路”に入ったがさしたることはなく谷のトラバース地点の倒木が気になる程度だった。国道367号線に下り立ち単に“登山口”とだけ書かれたバス停から国際会館行の京都バスに乗り帰路に着いた。京都タワー浴場で汗を流し反省会をして解散した。

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〈個人山行〉御在所岳から鎌ヶ岳周回

2019年3月24日(日)

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【メンバー】

CL高橋秀治、SⅬ鹿嶽眞理子、小西幸一郎、YN、YK、近本かずみ  計 会員6名

【行 程】

3月24日くもり

6:30ロッジ前集合→8:10蒼谷駐車場~8:45中道登山口~おばれ石~キレット~11:20御在所岳~武平峠~13:15鎌ヶ岳~長石尾根~14:30長石谷登山口→京都   

 

【記 録】

山岳会に入会して以来、藤内小屋から前尾根には何回か行った事は有るが、まだ一度も御在所岳のピークを踏んでいないので急遽個人山行として企画した。

当日は天気予報では晴れと出ていたが、四日市インターを下りて御在所岳を眺めると真白で雲が薄っすらとかかっている。昨日藤原岳や雨乞岳に登れたメンバーは一晩で雪が着いたと言っていた。やはりこの時期の山は天候が不安定だ。

事前に駐車場を調べていたが、登山口近くの駐車場がわからず蒼谷駐車場に車を停め出発。中道登山口まで20分余り歩き登山開始。ゴロゴロとした石が現れ、ひときわ大きな石には、あばれ石の表示がある。キレット付近からはうっすらと雪が着きだし、8合目からは石の上に氷が張っている。先頭を歩いている小西さんが皆の足下を確認しながら進み、また滑りやすい箇所等では的確なアドバイスを出してくれて慎重に進み、山頂の舗装路に出る。

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山頂では家族連れがソリ遊びを楽しんでいる。冬の御在所岳らしく閑散としている。風裏を探して少し早めの昼食をとり、その後記念写真を撮り鎌ヶ岳を目指す。

武平峠までは展望も良く、緩やかな稜線が続く。最後の急登を登ると2座目の鎌ヶ岳山頂に着く。そこから本日歩いて来たコースが一望できた。

鎌ヶ岳山頂の岩の上で、皆さん思い思いのポーズで記念写真を撮り、長石尾根を急いで降り登山口に到着。その後、駐車場までの長い距離をくたくたの足で歩く予定であったが、小西さんとYNさんが気を利かして駐車場に先回りして頂き途中でピックアップして頂きました。

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〈個人山行〉野伏ヶ岳 ~山岳スキーツアー~

2019年3月8日(金)~3月9日(土)

【メンバー】

(CL&記録) 梅村重和、会員外1名  計2名

【行 程】

3月8日(金)

京都21:00=道の駅 渓流の里 白鳥(車中泊)

3月9日(土)

白山中居神社6:40-登山口7:00-和田山牧場跡9:00-尾根取り付き10:30-北東尾根合流地点13:00-野伏ヶ岳山頂13:30-北東尾根合流地点14:00-北東尾根末端15:00-湿地北端16:00-和田山牧場跡入口16:30-白山中居神社17:50=満天の湯=京都

 【記 録】59期 梅村重和

3月8日(金)

奥美濃・白山界隈のお山は当方にとってほとんど未知のエリアである。野伏ヶ岳は関西の山スキーヤーにとっては馴染み深いお山であり山行報告が多く寄せられている。当会でも中尾会長らが過去トレースしている。3月は決算期と同時に山スキーの絶好のシーズン。適当に仕事を切り上げ21時に京都を出撃、今夜の宿は道の駅 渓流の里 白鳥となった。

 

3月9日(土)

集合地点の白山中居神社に5時20分到着。天候の憂いは全くない絶好の春山日和である。ピーカンに晴れ渡った空のもと、テンションは自ずと高まるのであった。ここで相棒と合流し7:00に登山口をスタート。今年は全国的に寡雪で、豪雪地帯であるここ野伏ヶ岳も雪が少ない。スキーを担いで暫く林道を行く。林道を行くこと30分ほどでようやく雪がつながりスキーを履く。林道を抜けると、和田山牧場跡から雪原の向こうに野伏ヶ岳が大きく広がっている。山頂に続くルートがはっきりと望める。さあ、がんばるぞ!

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 ▲牧場跡から見た野伏ヶ岳

 

林をまわりこみダイレクト尾根に取り付く。藪っぽい斜面を適当に躱し、灌木の隙間をシールの効き具合を確かめながら稜線を目指す。スキーの先端が木々に引っかからない様に結構気を遣う登行となる。

ダイレクト尾根に出ても同じく藪っぽいルートを行くことになる。いい加減、灌木との格闘に疲れた頃、稜線の手前で綺麗な斜面となり北東尾根合流地点に到着。ここから山頂までもう一息。15分ほどで山頂に到着。山頂は何にもない雪の台地である。真っ青な空をバックに真っ白な白山。

その山名のごとく真っ白に輝いている。来てよかったと思う一瞬である。遠くアルプスの山並みから360度の大パノラマを楽しむことが出来た。これも日頃の心がけの賜物か?!

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▲野伏ヶ岳山頂 *うしろは白山

 

そろそろ下山のタイミングである。心は残れどシールを外し、ヒールを固定し、北東尾根に滑り込む。雪面は先行パーティのトレースでデコボコ&ギッタギタになって、やや凍った決して快適とは言えないコンディション。スキーが引っかかるのなんのって。チーとも楽しくないダウンヒルとなった。コケながらも適当にボーゲンでかわし、尾根を少し降りたところで樹林帯に突入する。藪っぽい尾根を、方向を外さないように注意しながら、出来るだけ灌木の疎な所を狙って高度を下げていく。スキーのトップが藪に突っ込めば抜き差しならなくなり、スキーを外して脱出。まさに修行系山岳スキーとなった。これじゃ歩く方がよほど早かった。藪尾根の下降も陽が傾く頃にはようやく終わりとなり、尾根の末端をトラバース気味に滑って和田山牧場跡に滑り込む。ホッとしてテルモスのお茶を飲み、振り返れば野伏ヶ岳に彩雲が掛かっていた。ここからは林道を快適に滑走。今回、一番楽しかったスキーはこの林道の滑走かな?夕方の気配が濃くなってきたころ登山口に到着した。白山中居神社で相棒と別れ、ひとり睡魔と戦いながら帰京となった。

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▲振り返れば野伏ヶ岳

 

【山行メモ】

・満天の湯

 ウィングヒルズ白鳥リゾートの施設のひとつ。お風呂は広く露天風呂もある。食事ができる広い休憩所もあり快適な立ち寄り湯。700円はコストパフォーマンス大。野伏ヶ岳下山後のお勧めの立ち寄り湯。

・白山中居神社に駐車場がある。また、神社の少し先、坂道を降りたところ、登山口となる林道の橋の手前広場にクルマを停めた方が広くていいかも。トイレは神社に有るらしい。探したけれど解らなかった。神社の駐車場のトイレは冬季は閉鎖されている。