京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2994「白銀の燕岳」

当初、山中2泊としていたが、雪質・天候もよく、山中一泊の弾丸ツアーになってしまった。

 

山頂からの絶景を二人で独占し記念写真を撮って下山を開始した。

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燕岳頂上

 

 

例会№ 2994 「白銀の燕岳」  

【参加者】

 CL丸山 弘 小松久剛  計2名

【天候】3月26日(金) 小雪

      27日(土) 晴れ

【記録】 25日(木)20時山科集合

  26日1時 安曇野市有明着 仮眠

  26日7時

 宮城ゲート前(標高720,m)出発

 11時 中房温泉着(標高1452m)

 12時 中房温泉登山口発

 14時30分 第2ベンチ

 16時40分 2280m地点 幕営 

27日4時 起床 

5時30分 テント発

   6時00分 合戦小屋(2380m)

   7時30分 燕山荘前(2704m)

   8時10分 燕岳山頂(2762m)

   8時50分 燕山荘前

   9時50分 テント着 撤収

  12時30分 中房温泉登山口

15時30分 宮城ゲート駐車場着

   21時30分 京都帰着解散

【CL所感】    43期 丸山 弘

当初、山中2泊としていたが、雪質・天候もよく、山中一泊の弾丸ツアーになってしまった。小屋が閉まっている時期としては最速のパターンと思われるので、今後計画される場合はこの記録を参考にされないように。

 燕岳は「日本雪山登山ルート集」では技術・体力ともに☆☆☆」だが、今は燕山荘が休業中で、登山者もまれであるため、トレースが期待できず、宮城ゲート標高720mから中房温泉標高1452mまで12.6㎞、標高差730m+αを20キロ超の重荷で歩く部分がおまけで付いてくるので体力的なハードルはかなり高くなる。

今回はメンバーが2名と最小パーティーになったので、前日までに降っていた新雪が深ければ合戦尾根のラッセル敗退も覚悟していたが、幸い新雪はさほど深くなく、しまり雪を踏み抜かずに順調に高度を稼げた。

ただ「白銀の燕岳」というタイトルが災いしたか、駐車場から小雪の中、舗装路を歩き出してすぐに雪道となり、「白銀すぎる燕岳」になってしまった。

中房温泉まで先行者の足跡は無く、黙々と歩くこと4時間、予定通り中房温泉登山口についたが、ここまででかなり疲れており、長めの昼休みをとって、いよいよ合戦尾根にとりつく。

前日のものと思われるトレースが新雪に埋もれ切らずに、とぎれとぎれにうっすら残っているが、踏み跡のないところも新雪の下の雪がしまっていてあまり沈まない。

自分のトレースも全て消え、視界不良になる場合を想定して、地形・赤布にGPSを参照しつつ下降路を記憶しながらゆっくり登る。

出だしの急登が終わって、第2ベンチから先は明瞭な尾根を進む。第3ベンチに前日のものと思われる幕営跡があった。

幕営適地を探しつつ高度をあげ、合戦小屋を過ぎると強風になるので、標高2280m地点でテントを設営し、行動時間10時間、標高差1500m超のメガボッカを終了。狭いテント(エアライズ1)で夕食をとり、翌日に備えてラジオでプロ野球開幕戦を聞きながら早々に就寝した。

 

二日目は快晴、満天の星空。朝食をとり、前日とは対照的に亀からウサギに変身して即攻でピークを目指す。合戦小屋から先の尾根は下山時のために竹竿を用意したが、すでに要所に立ててあり、数本補うだけですんだ。雪庇は場所により東側に最大10m程度だが、引き込まれる部分を見込んで西寄りを登る。

燕山荘に立ち寄り、冬季小屋の位置と入口の開け方を確認しているうちにも裏銀座方面にガスがかかり、雲が流れてくる。休憩すると強風で体温を奪われるので、休まず頂上へ。気温はマイナス10度までだが、風速は常時15m前後、体感温度はかなり低い。山頂からの絶景を二人で独占し記念写真を撮って下山を開始した。

小屋前に戻ると今回であった唯一のパーティーが蛙岩方面偵察から帰って休憩していた。中には入らずそのまま通過、合戦小屋を過ぎる頃にはガスが出て、小雪が舞い始めた。

テント場についてゆっくり行動食をとり、

張り綱を残したままポールを抜く強風下での撤収練習をする。

 当初中房温泉まで下山の予定だったが、登山口でまだ昼だったので予定変更して車まで戻り、疲労もさほどでないので、入浴。夕食のあと一気に京都まで戻った。

 雪の状態にもメンバーにも恵まれたので、大変順調で、頂上からの展望も素晴らしかったが、あの12キロの林道歩きはしばらくは遠慮したいものである。

小松さん、ハードな例会にお付き合い頂き本当にお疲れ様でした。また、来シーズンも冬山を楽しみましょう。

 

【感想】 52期 小松久

 長い長い林道を越えて、さらに1000mを登るという辛い辛い1日目を終え、2日目。

 快晴の空の元、モルゲンロートが白い尾根を桃色に染めています。

 それを背に、合戦小屋を越えて広い尾根を登っていくと左手に鋭い槍の穂先が現れました。

 夏の槍に比べ、鋭利な刃物のようなその姿の、そのあまりの荘厳さにおもわず涙を流してしまっている自分がいました。

 私が京都比良山岳会に入って、ちょうど一年が経とうとしています。入会当時、まさかこれほどまでに充実した登山生活が送れるとは夢にも思っていませんでした。

 丸山リーダー、すばらしい例会をありがとうございました。来シーズンには少しはお役に立てるように、いろいろと学んでいきます。

 

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写真:燕山荘直下を登る

 

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写真:燕山荘より槍ヶ岳北鎌尾根を望む

 

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写真:燕岳頂上直下