2012年5月20日(日)
[No. 4004-B]
芦生の森歩き 櫃倉谷~上谷~下谷
【参加者】L)高橋秀治、加藤一子、富岡慶子、上坂淳一、秋房伸一、辻春見、小松真衣、藤松奈美、鹿嶽真理子、藤田哲陽、鶴田信介、南部桂、長野元、川嶋美帆、横川陽子、東野政行 合計16名
【天候】晴時々曇り
【行程】20日坊村キャンプ場出発08:00
須後駐車場09:35~10:50横山峠~11:05坂谷~11:40権蔵谷出合~12:30杉尾峠取付き~12:50杉尾峠~上谷~14:00長治作業所~ケヤキ坂~16:50須後駐車場=京都
【記録】54期 鶴田信介
前日の新緑祭の余韻も冷めやらぬ中、8時前に坊村キャンプ場を出発。
そこから延々と車で山道を移動し、9時30過ぎには須後駐車場に到着。
そして、ほぼ予定通り9時40分過ぎに芦生の森へと出発した。
しばらく歩くと「京都大学芦生研究林」との看板が見えてくる。
いよいよかと思うと気持も高鳴る。秘境・芦生に足を踏み入れるのである。
高ぶる気持ちを胸にいざ入林。
新緑の気持ちいいい空気を吸いながらひたすら林道を行くと
櫃倉線と内杉線の分岐点が見えてきた。
我々は櫃倉谷川沿いのルートを取るため、左に曲がり進む。
横山峠までなだらかな道がひたすら続き、途中4つの橋を渡ってゆく。
このルートを歩いている途中、川べりにおたまじゃくしの群れを発見。
なかなか見ることのできない、めずらしくも貴重な光景である。
先程の分岐点から約30分ばかり歩いて横山峠にたどり着く。
ここで、しばし休憩。各々用意した沢靴に履き替える。
ここから先、沢に足を入れ徒渉するポイントが続くことになるので靴の選択肢はとても重要。
今回の芦生例会は、どのくらいまで足が濡れることになるのか不透明な部分があり、リーダーの高橋さんのもとに問い合わせが殺到していたようである。
私もそのうちの1人であるが、結局は登山靴とスパッツで臨んだ。
やはり、というべきか登山靴では岩の上を歩くとかなり滑った。途中からは観念して、沢に足をズッポリ入れて突き進むことにした。
この後、櫃倉谷から杉尾峠までは沢を何回か渡渉することとなる。
坂谷分岐を経て櫃倉谷をひたすら歩いてゆくと、その途中で大木の穴に人が1人スッポリと入れるポイントがあり記念撮影で賑わっていた。
山岳会のメンバーも何人か撮影していたが、個人的には南部さんの少年のような笑顔が眩しかった。
ここから権蔵谷出合まで歩き、さらに杉尾峠を目指す。
原生林が生い茂る森を順調につき進んでゆくと、この日一番の急登が待ち受けていた。
登り始めは軽く考えていたが、これがけっこう堪える。よくは覚えていないが、時間にして10分くらいは登っていたのではないか。
無事この急登を越え、その後、安心しきってゆるやかな気分で歩いていたところここでちょっとしたトラブルが発生。
藤松さんが足に違和感を感じ、急に動きを止める。ヒルが沢靴の中に混入してしまっている可能性があるとのことで一応、靴を脱いでチェックする。
その間、先頭グループはトラブルに気付かずそのまま進んでいってしまったため、最後尾の上坂さんが笛でトラブルを先頭グループに知らせる。
さらに後続グループの1人が伝令に走り、口頭でも伝えに行った。
この連携プレーは見事。こういう動きは全ての山行で特に必要となるものだと思うのでとても勉強になる。
結局、藤松さんは何事もなく無事であったので安心した。
その後、食事休憩を取り再び杉尾峠に向った。
そこから少し歩き、杉尾峠・上谷ルートに入る歩道入り口のポイントに到着。
リーダーである高橋さんを先頭に登り始める。しばらくしてから中団グループの藤松さんが急に思いだしたかのように、仕事の取材用として写真を撮りたいと言いだす。
先頭グループはちょっと先まで進んでしまっていたので、入り口前まで戻ってから再び登り直すことに。
なかなか微妙で面白い光景であった。
現在、芦生は大人数での入林に厳しい規制が敷かれているとのこと。
そう考えると、今回16名もの大人数で入林認可が得られたことの有難さを感じずにはいられなかった。
これは、ぜひ記事にしてもらわなくては。
ここからなだらかな緑の森が続き、杉尾峠(標高765m)に到着。
続いて上谷を下ってゆく。上谷から長治作業所までのルートは小鳥のさえずりが響き、バイケイソウが広がっていたりと、芦生の魅力を存分に感じさせるもので森の雰囲気は、最高に気持ちのよいものであった。
途中、モンドリ谷を過ぎてすぐだったと思うが、実際に熊が冬眠に使用したとされる小さな穴のある大木にも遭遇した。
(芦生専門ガイドが我々とは別の団体を相手にそう解説をしていたので、間違いないだろう。)
アン谷~中山神社を経て、14時頃には長治作業所に辿りついた。
芦生の森は、近年の鹿の大量繁殖により急速に荒廃が進んでいるとの話だったので、かつての森の姿はいか程のものだったのかと想像した。
しばらく休憩してから、写真撮影。あとはひたすら林道続きだ。
ここで富岡さんと加藤さんがここぞとばかりにRUNのトレーニングを始めると宣言。我々よりも先に出発することとなった。
たしかに、ここからは緩やかな道が続くので走るのには持って来いの感じではある。
それにしても元気だ。
残されたメンバーは、マイペースに歩きながら予定通りケヤキ坂を経て、須後へと戻った。最終下山は16時50分。
先発した加藤さんは15時43分、富岡さんは16時03分であった。
【感想】48期 上坂淳一
新緑の季節に、お天気も良く芦生を存分に味わうことができました。コースは藪も滝もなく、快適でした。リーダー及びご一緒に参加された皆様
ありがとうございました。
初リーダーが多人数の例会でお疲れさまでした。
【感想】52期 秋房伸一
地形的には比較的緩やかで、ゆったりした山歩きを楽しめました。
雪のシーズンも、すごく魅力的だと思いましたが、特徴的な地形がなく、現在地
の特定がわかりにくいだけに、いったん吹雪いたりホワイトアウトすれば、難易
度の高いところだと思いました。
今回、高橋さんリーダーの初例会ということでしたが、至れり尽くせりで、諸
準備万端、ありがとうございました。
参加者がともに試行錯誤しながら進む例会も有りかと思いますので(すみませ
ん、私のはそんなのばかりかも)、初めて行くところも含めて、様々な例会を、
これからもよろしくお願いします。
【感想】55期 川嶋美帆
当日までの一番の懸念事項だったのが沢靴でした。
コースや装備の必要可否については事前にアドバイスいただき、結局沢靴を買う踏ん切りは付かず登山靴で挑むことに。水が入らないよう無駄な動きをしながら徒渉していましたが、完全に浸水しました。靴にジャブジャブ水が入る感覚は気持ち良いようなそうでもないような…
最初はそんなことに気を取られていましたが、道を進むにつれて深まる芦生の新緑にすっかり気持ちが洗われました。植物には疎くて何が違うのかは分かりませんが、1つ1つの木に存在感があるというか、どこに目を向けても絵になる風景でした。高橋Lの引率があったからこそよそ見しながら歩けましたが、1度や2度行った位ではどこが道だか判断できない気がします。
大所帯でしたがしっかり纏めてくださり、安心して歩けました。どうもありがとうございました。
【感想】54期 南部 桂
芦生演習林は私が山歩きを好きになった思い出深い場所であり、楽しみにして参加させていただきました。約10年ぶりに歩いた感想は、鹿の影響で下草や灌木が激減していたり(向さんから伺っていた通りでした)、林道が素晴らしく整備されていたりと、山の移り変わりを感じると同時に、新緑のすがすがしさは全く変わらないなということです。今回は初めて同行させていただく方が多く、ご一緒に楽しめて良かったです。後から思えば、前夜の酒の影響で私が疲れていたせいか、歩きながらあまり他の方とお話しなかったのが反省点です。素晴らしい例会を企画いただいたリーダーの高橋さんに感謝です。
【感想】53期 辻 春見
今回参加させて頂いた例会を含め、芦生は3回目となります。
実は芦生には良い思い出はなく、来る度にケガをしていました。それも回を追って激しく。
心配性の私は、今度はもっと大きな痛い目にあわないかしら、と前日の新緑祭から少し不安でした。
しかし、リーダー他皆さんのおかげで、楽しくお話ししながら23kmの道のりを完歩できました。一回目、二回目には味わえなかった芦生の、朽ちてゆく様を身近に感じられたような気がします。ただひたすら歩き続ける山行もあるのでしょうが、リーダーから植生や所々の説明を伺いながら歩く山行も、趣があって良いものだと思います。今回、完全に芦生の嫌なイメージは払拭され、又このような企画を是非組んで頂きたいと思います。リーダー、皆様、本当にありがとうございました。
【感想】54期 鹿嶽真理子
あふれんばかりの緑と静かにたたずむ古木たち。芦生は何度訪れても自然の鼓動を感じて心が和みます。新緑祭の名にふさわしい、素晴らしい企画をしてくださった高橋さんに感謝です。
大好きな森ではありますが、鹿の食害で下生えがどんどんなくなってきている現状も実感します。人と動物と自然が調和して、森を守っていくのはとても難しいことですね。
【感想】55期 横川陽子
芦生例会楽しかったです。
新緑がとてもきれいで、今まで歩いた山のどれにも似ていない、やわらかい印象を受けました。
今回初めて川を渡る体験をしました。最初は登山靴が濡れないようにしてましたが、一度踏み外して濡れてからは、濡れるのは仕方ないと開き直ってじゃぶじゃぶ川に足を入れて歩きました。靴の中まで水浸しになりましたが、安全にまた逆に気分良く川を渡ることができました。
水の中では足をのせるのに良さそうなひらべったい石でも、水の流れによって安定感が変わることを知りました。
もしまた今度芦生に行くことがあれば、その時は地下足袋を活用したいと思います。足が濡れるのを気にしないで川を渡りたいし、やわらかい土の感触を味わいたいと思ったからです。あと、登山靴でも問題なく川は渡れるけれど、靴の中が濡れた状態で残りの道を歩くのは結構しんどかったので、その時の状況に合った道具を選ぶことが快適に山を歩く上で大切だと改めて感じました。
もっと体力をつけて、足元ばかりでなく顔をあげて景色を楽しめる山登りができるようになりたいです。
最後に、例会前から相談にのっていただいたリーダーの高橋さん、お世話になりました。ありがとうございました。また、加藤さんには自分が落とした手袋を取りに行っていただいて、ご迷惑をおかけしました。ご一緒した皆さま、ありがとうございました。またよろしくお願いします。
【感想】55期 藤松奈美
新緑の芦生ということでとても楽しみにしていました。京大演習林の林長には、シカ害やオーバーユースなど芦生の現状について何度か電話で取材させていただき、記事にもしたのですが、実際に行ってみると、本当に植生が全くなく、見通しがよすぎて驚きました。知らない方が見れば、広くて明くて、よい森だと思われたかもしれません。
これはやはり4月から始まった入林規定の変更とともに記事にしようと思い、急きょカメラを鶴田さんから借り、みなさまをモデルに写真を撮らせただきました。ご協力ありがとうございました。
山行自体は、天気もよく、新緑が美しく、これまでご一緒したことない方々と、ゆっくりおしゃべりしながら歩くことができたので非常に楽しかったです。新妻の麻衣ちゃんと久々に話せたのがとてもよかったし、秋房さんが何度も「足の置き場を心配せずに歩けるのはいいですねえ。昨日の沢と全く違う」と言っておられたのが面白かったです。下山の林道をかろやかに走っていかれた一子さんと富岡さんには驚き、うらやましくなりました。
帰りに上坂さん、高橋さん、かたけさんと、腰を痛められたつづの先輩のお見舞いに行ったのですが、玄関の前に、富士山登山のつえが置かれていたのが印象的でした。霊峰はさすがにいろんな場面で助けてくれますね。
楽しい1日でした。みなさま、本当にありがとうございました。
【感想】54期 鶴田信介
今回の芦生例会は、沢を渡渉する楽しさや気持ち良さはもちろんですが、新緑の清々しさや静かな沢の音などにも心癒される、とても充実度の高いものであったと思いました。
鹿の大量繁殖が原因で森の荒廃が進んでいるそうですが、森の雰囲気は優しくも美しい壮大なもので、噂通りの素晴らしさでした。
でも、昔はもっと良かったのでしょうね。
私にもっと植物への関心や知識があったならば、また違った魅力を発見することができたことでしょう。
そう思うと、ある意味もったいない山行でもあったと言えるかもしれません。
次回は、そのあたりもフォローしてから来たいものです。
ご一緒した皆様方、本当にありがとうございました。
【感想】54期 藤田哲陽
芦生例会ではいろいろとお世話になり、ありがとうございました。この例会では、長い距離を歩きましたが、それに見合う京大演習林の素晴らしい自然を堪能することができ、満足しています。また、参加者が多くリーダーの高橋さんはいろいろとご苦労されたと思いますが、多くの人と交流することもでき楽しい山行きでした。またこれからもよろしくお願いいたします。
【感想】53期 高橋秀治
新緑祭後であり、初めての例会になった芦生例会に17名も参加表明を頂き緊張した朝を迎えましたが、車の手配や集合時間等でスムーズに参加者の皆さんが協力して頂き須後の駐車場に予定通り到着。
コース等の説明をして芦生の森歩きが始まりました。大所帯で歩き出すと自然と長い列になり予定時間で23キロ余りを歩けるかが心配でしたが駐車場に戻った時には予定より30分余り遅れで到着し全員事故も無く例会が終了できました。
今回の狙いは春の芦生の森歩きを楽しんで頂く事に重きを置き、また芦生の森の現状を知って頂ければと思い、当初の櫃倉谷~杉尾峠~権蔵坂と言うコースから一般的な櫃倉谷~上谷~下谷にコースを変更しました。
参加頂いた皆さんが満足頂けた例会になったかは甚だ疑問が残りますが、例会を企画すると言う行為を通じて少しでも諸先輩方の思いを感じさせて頂いた初例会でした。