京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉 近畿百名山シリーズNo.73  敦賀半島の展望・西方ヶ岳

20141011西方ヶ岳1

 

20141011西方ヶ岳地図

 

平成26年10月11日(土)

 

敦賀湾を抱き込むように西に張り出した敦賀半島敦賀原発美浜原発そして高速増殖炉もんじゅ”があることで知られている。半島の背骨は岩混じりの稜線で、その最高峰西方ヶ岳(763m)から蠑螺ヶ岳(685m)を縦走した。

 

 

【メンバー】 山本浩史L(車)、成瀬由美子 計2名

【行  程】 京都駅5:50=7:45常宮神社7:56~8:20奥の院展望所~9:23オウム岩~10:00西方ヶ岳10:12~10:53蠑螺ヶ岳11:37~11:54一枚岩~12:58裏底登山口~13:15裏底BS 13:47=13:59常宮神社14:07=15:20朽木温泉16:33=17:38国際会館駅

【山データ】  晴れ 歩行距離10.1㎞ 5時間19分 延登高925m 延下降915m 2座登頂

 

2週続けて週末を台風が襲う。3連休で紀伊半島奥地の近畿百名山を予定していたが、襲来前の晴れ間の1日だけに短縮して西方ヶ岳に転戦した。京都駅に合流し早朝の国道161号線をすいすい走り2時間弱で登山口の常宮(じょうぐう)神社に到着した。車を置かせて頂くお礼と登山の無事を祈りお賽銭を捧げた。登山口を探すと神社の少し北に道票が出ている。正面に送電鉄塔のあるピークは岩が目立ち展望が期待できる。

標高が100mに満たない所で送電線を横切った。敦賀原発から送られてくる電気を運ぶものだが今は稼働していないので触っても感電死ないのだろうか? 関西電力原発だと「かんでん」だけに危なそうだが、こちらは日本原電、如何なものだろう・・・

高が150mに達する頃「奥の院展望所」と標識のある大岩が出現、岩の上に乗ると素晴らしい展望が得られる。オウム岩で予定していた近畿百名山シリーズ恒例のミッションを此処ですることにした。まずは「三周ヶ岳(1,292m)の山座同定」、本格的にコンパスを使うのが初めてだと云う、成瀬さんもマスターし正しい方向を見極めたが三周ヶ岳の山域は霞んで判別ができなかった。2番目のミッション「野坂岳(914m)を山座同定」は南に聳える山に方向が合い野坂岳だと同定したが、このあとオウム岩から見た時、その山の上に野坂岳が顔を出し、その山は手前の二内山(522m)であることが知れ、ミッションは二つとも果たすことができなかった。この間に二人の男性が追い越して行った。

登山道を行くと右に「奥の院」の表示があり分岐している。梯子を登り入って行くと木立の中に大岩があるだけで道が途切れてしまった。この大岩が奥の院なのかは分からない。下に続く“道”のようなものが見えるが下る訳にはいかない。元に戻るのは面倒なので藪を漕いで登山道に復した。やがて送電鉄塔の稜線に乗り北北西に進路を変える。読図勉強でコンパスを新しい進路に合わせ直しP238を目指す。送電鉄塔のあるピークは縦走路から30m程外れるが立寄ってみたが何もなかった。

P580へは尾根を直登せず標高310m位から巻道となる。最後の括れに銀命水なる水場がある。洞の奥にチョロチョロと滴り落ちる湧水が名水のようだ。オウム岩(約530m)はP580の南にあり、南方向の展望が開けるが奥の院の展望所より見える範囲が狭い。ここから三周ヶ岳の方向は木立で見えず、奥の院でミッションをやっておいてよかった。オウム岩の案内板には宝暦年間(1751~64)に樵夫によって発見され若狭の殿様(酒井氏)も来たとされている。

P580は何時の間に過ぎてしまったようだ。尾根の途中で「ここは何処」と問うと「傾斜が緩くなったので山頂付近の等高線の間隔の広い辺りではないか」との答えでしっかり地図を見ていたようで心強い。正解は標高620m位で2.5万図にある630m程のコブの地点だった。

西方ヶ岳避難小屋の広場に達し、山頂標識があるので山頂だと思って休憩したが実は山頂は避難小屋の西のピークにあり其方が標高所だ。避難小屋前では奥の院で追い越して行った男性が二人休憩中、常宮へ戻ると云う。秋の数少ない花ながらシオンやリンドウが健気に咲いていた。避難小屋裏の縦走路を進むとすぐに分岐し50m程入ると樹木に覆われた山頂には2等三角点「西方ヶ岳」(764m)があったが、ただ山頂を示す表示は何もなかった。ミッション3で「オオウム岩から西方ヶ岳までの所要時間を予想」を予定していたが、山座同定を奥の院でやったのですっかり忘れていた!

縦走路を進むとハングルの「이」のようなカモシカ台のピークを始め小さなアップダウウンの続く縦走路を2㎞近く歩き蠑螺ヶ岳(685m)に達した。山頂には3等三角点「螺ヶ岳」があり広場の西側は大岩が重なる。北東方向に薄い踏み跡があるが何処に下るのだろう? 此処から海を見れば敦賀半島の先に弓なりに伸びる美しい砂洲、天橋立か江の島への海の道のように素晴らしい。半島の先とは海が隔てているので完全な島となり「水島」と2.5万図に名前が載っており桟橋や灯台もある。浦底から4人のパーティーが登頂してきた。この人達もピストンのようだ。

ゆっくり休憩した後、北西への縦走路に踏み出した。蠑螺ヶ岳山頂で会った4人組の小母さんがアップダウンがきついと云っていたが大したことは無い。随所に大岩があり展望得られる。「一枚岩展望所」と薄れた標柱のある岩の上は最も展望が良い。“長命水”の水場からは本格的な下りで展望は無い。縦走路でずっと見てきたリンドウの花は花冠が閉じていたが此処に来て開いた花を見ることができた。紫色のアキノチョウジも頑張っていた。途中一ヶ所だけ少し開けた処があり、再び水島を見ることができた。やがて林道に飛び出し登山道はお終い。敦賀原発社員寮の横に出てきて浦底集落へと入って行った。花の手入れをしていた地元のお婆ちゃんにコミュニティーバスのバス停を尋ねようと呼び掛けるが中々振り向いてくれない。地元の人も朝昼晩の3本しかないので殆ど利用しないそうだ。其の昼の便にうまく乗ることができ7.5㎞の車道歩きを免れた。公共の福祉の為だけにやっているので敦賀駅まで乗っても200円の均一料金、安いものだ。

常宮神社に戻るとまだ14時高速代を節約して一般道で帰ることにした。そのため遠回りとなってしまう敦賀温泉には寄らず朽木てんくうの湯に立寄ることにした。県道33号線の馬背峠トンネルを抜けると美浜町に入る。ダイヤ浜からの景色が良く北の方に美浜原発が見え、敦賀半島先端の山とダイヤ浜に付きだした岩場が美しい。国道27号線から367号線を走り18時前国際会館駅で解散した。

 

20141011西方ヶ岳2

 

20141011西方ヶ岳3