平成28年2月11日(木)
鈴鹿山脈も今年は雪が少なかった。しかしこの2日間纏まった雪があったようで、山頂付近の深いところで50㎝程あった。釈迦ヶ岳(1,097m)は展望が良い。処女雪の東尾根は厳しく下りの焼合川南尾根もトレースはなった。
【メンバー】 山本 浩史(単独)
【行 程】 京都5:07=(名神・新名神)=6:07四日市IC=6:38三重県民の森P 6:51~7:36尾高山~(東尾根)~10:21釈迦ヶ岳三角点10:54~11:02釈迦ヶ岳~11:21松尾尾根の頭~12:20水無尾根の頭~(焼合川南尾根)~13:06堰堤~13:36三重県民の森P 13:43=14:11片岡温泉15:05=四日市IC=(新名神・名神)=16:39京都
【登山データ】 晴れ 歩行10.9㎞ 6時間45分 延登高1,121m 延下降1,121m 2座登頂
今回の山行は参加希望者がなかった。一人なので出発時刻を早め、5時に京都を発った。四日市ICを下り菰野町に達し朝まだきの鈴鹿山脈を見上げると鎌ヶ岳や御在所岳そして今日登る釈迦ヶ岳が雪を湛えて優雅な姿を見せている。この数日の寒波で積雪を増したようだ。期待を高め三重県民の森の駐車場に車を止めた。尾高キャンプ場への車道を歩きキャンプ場の最上部から尾高山長坂コースに入り登山道へと入った。登山口で既に積雪があり、登り始めるとすぐに雪道となった。樹林帯の道を進むと尾高観音からの道と合流し、登山口から30分程の歩行で尾高山(533m)山頂に達した。
尾高山は東面が開け四日市のコンビナート、伊勢の海が一望できた。背後に展望櫓があり上がるとこれから向かう釈迦ヶ岳が朝日を浴びて雪景色の山体が青空に映えていた。樹木が邪魔をするが御在所岳や鎌ヶ岳も見ることができた。ここまではトレースがあったがこの先昭文社地図にも2.5万図にも道はなく当然のようにトレースはなくなった。70m程下って鞍部に達するとなだらかな登り返しとなる。積雪は10~20㎝となり気持ちよく進んで行った。要所要所に赤テープもありもの好きが歩いているようだ。標高が600mに達すると傾斜がきつくなり新雪の下に潜んだ熊笹が曲者で足を滑らせる。スパッツとアイゼンを付けて先に進んだ。
標高800m位からは厳しい急斜面で木に摑まって這い上がらなければならない。岩場で手掛り足掛りがなく進退窮まりそうになったが身長を活かして木に摑まり懸垂で体を持ち上げ攀じ登るとどうも反対側に楽な道があったようで・・・直下の苦闘を脱し稜線に達すると樹氷の花が咲き素晴らしい。主稜線に付けられたトレースに安心して北上すると直ぐに3等三角点「釈迦ヶ岳」のピークに達した。標高は1,092mあり展望は素晴らしい。男性が一人休憩中で快晴の素晴らしさを祝福しあった。今日は高気圧の真ん中で文句なしの快晴無風、空気も澄んで遠望も利く。北アルプス、そして未だに噴煙上がる御嶽山(3,067m)、中央アルプスと辿って行くと南アルプスを背負って恵那山が聳える。一際白い山は白山(2,702m)で名は良く体を表している。昼食を取っていると名古屋の女性が完全装備で登ってきた。春のような陽気だがバラクラバまでしていたが、これは防寒ではなく日焼け対策のようだった。これから猫岳からハト峰に向かうそうだ。
主稜線を南下し釈迦ヶ岳最高点分岐に到り振り返ると釈迦ヶ岳三角点峰が東尾根を従え感慨無量だ。釈迦ヶ岳は主稜線上にある三角点の位置に山頂標識が立てられていたが、本当の山頂は分岐を焼合川南尾根に少し入り標高1,097mの位置だ。指導票に“釈迦ヶ岳最高点”と記されていた。ここも展望が良く御在所岳や雨乞山、イブネなど鈴鹿山脈南方の山々が良く見えた。そして遠く比良山系の蓬莱山と武奈ヶ岳は山頂を白くしてはっきりと見分けられた。
釈迦ヶ岳の南斜面も急傾斜だがトレースがあり心強い。南西斜面はガレ場で昭文社地図に“大蔭”とあるのがそれのようだ。焼合川の南に連なる尾根を10分余り下ると中尾根が西に分岐し朝明渓谷へと下って行った。三角点で出会った名古屋の女性はこの尾根を登ってきたと言っていた。更に10分余り行くと松尾尾根の頭(985m)に達した。山名として期待していたがピーク性はなく単なる分岐点で右手に松尾尾根が分岐して行った。薄くなっていたトレースも松尾尾根のものでこの先、焼合川南尾根にトレースは無くなった。
道は樹林帯に飲み込まれ只管下り続けるがP774を過ぎた辺りで釈迦ヶ岳を望むポイントがあった。次に現れた指導標は“水無尾根の頭”と現在地が記されているがここもやはりピーク性はなく単なる水無尾根の始まりだった(標高750m)。焼合川南尾根は東に向きを変えて下り続けた。標高が550mを切ると雪が少なくなり傾斜が急になった。何処で見落としたのか踏み跡を辿って行くと何時しか焼合川に達し堰堤が現れた。予定では稜線をそのまま行く筈だったのに・・・。2.5万図にある川沿いの道は道形なく再び稜線へ戻ろうと斜面を這い上がった。林道を一本横断し稜線に復帰したが其処は藪で道はなかった。藪を掻き分け進んでいくと尾根が収束し三重県民の森の散策路の最上部に達し遊歩道と先程の林道の合流点に達した。
県民の森内の林道を歩き自然学習展示館に達すると駐車場はすぐ近くだ。今日の行程は10.9㎞と僅かだったが積雪と急な斜面を這い上がるため腕の筋肉を使いぱなしで疲れた。片岡温泉に立ち寄り汗を流そう。以前関西百名山シリーズ御在所岳・鎌ヶ岳で来たときは近鉄湯の山線の南側にあったが、いつの間にか北側に移転し巨大な施設になっていた。内湯が一つとと露天風呂が三つ、しかしサウナがなく一寸物足りないが入浴料は600円と良心的だった。
帰路は渋滞もなく新名神から名神を走り16:39早くも帰宅することができた。
写真2: 釈迦ヶ岳三角点では白山(2,702m)がくっきり見えた