*強風雨のため,テント泊を見合わせて小屋泊(素泊まり)に変更しました。
2016年9月16日(金)~9月18日(日)
【メンバー】
小泉賀奈子(CL),竹山昌孝,土井司,星野ひとみ,T・S 計5名
【行 程】
9月16日(金) 晴れ
22:00JR 山科駅=翌2:35扇沢駐車場(仮眠)
9月17日(土) 午前曇り,午後曇後雨
7:15扇沢駐車場~7:20柏原新道登山口7:30~8:40八ツ見ベンチ~9:05ケルン~11:45種池山荘12:30~爺ヶ岳中峰~14:45冷池山荘(小屋泊)
9月18日(日) 雨
6:05冷池山荘~6:45布引山~7:25鹿島槍ヶ岳7:35~7:55布引山~8:25冷池山荘9:20~9:32冷乗越~10:25爺ヶ岳中峰巻き道~11:12種池山荘(昼食)12:25~14:05ケルン~15:00柏原新道登山口~15:05扇沢駐車場=帰京
【記 録】 55期 竹山昌孝
9月17日(土)
柏原新道登山口からモミジ坂を登る。地形図では,登り始めの急登を想像させるが,実際に歩いてみるとガイドブックに書いてあるようにとても歩きやすい坂だった。
モミジ坂にて
稜線が見えたところで読図タイム。地形図と地形を見比べて,それぞれに解読してみる。しかし,最後にはリーダーが説明。なるほど皆納得してスッキリする。読図をしていると山と人とが近づいた気分になる。
そして稜線に出て,種池山荘から爺ヶ岳に向かう。曇り空ながら,前方には緑におおわれた美しい爺ヶ岳,左前方には双耳峰が際立つ鹿島槍ヶ岳,左手には頭を隠した剣と立山連峰。振り返ると緑のなかにポツンとオレンジ色の種池山荘,その先には針ノ木岳へとつづく稜線,さながらおとぎの世界。疲れた体がスッと癒される。
爺ヶ岳 中峰にて
夢心地もさてここまで。いよいよ雨が降りだす。雨具をつけて黙々と歩き初めて間もなく,爺ヶ岳北峰の北側直下あたりで5羽の雷鳥家族にであった。皆でちょこちょこ歩く姿は雨にうたれていることさえ忘れさせてくれる。しかし冷池山荘に着いた時には雨がさらにひどくなり,小屋に素泊まりすることにした。
夕食は自炊室で中華風炊き込みごはん,マーボ茄子,海草サラダ,スープを食し暖まる。この小屋は対応がとても丁寧で,トイレまできれいで心地よい小屋だった。天候が悪いため,小屋泊のキャンセルが多く出たという。談話室として使われていた部屋に布団を敷いてもらい,一人一枚分のスペースで贅沢に寝ることができた。
コルを過ぎた辺りに見える冷池山荘
9月18日(日)
朝食は自炊室でホットドッグとスープ。夜中には小屋に叩きつけていた雨も少しおさまったが,今夜も雨が小降りになる予報ではない。今回は鹿島槍ヶ岳南峰まで行って戻り,1日繰り上げて今日下山することにした。星野さんを小屋に残し,鹿島槍ヶ岳に向かう。空荷のため難なく鹿島槍ヶ岳南峰に着くが,ガスで何も見えない。
鹿島槍ヶ岳 南峰にて
冷池山荘に戻り,皆で下山する。また同じところで,今度は4羽の雷鳥家族にであった。歩を進め,種池山荘に着く。受付で尋ねると,「自炊室を使ってもらっていいですよ。雨具をとってもらったら,上がって休んでもらっていいですよ。」なんて信じられない対応。昨日の冷池,ここ種池,針ノ木岳への稜線にある新越山荘は同じオーナーの小屋。評判は聞いていたものの,雨に打たれ冷えた体に沁みる対応だった。お言葉に甘え,昼食は自炊室で餅入りトマトクリームスープを食し,体じゅう温まった。ここから一気に下山し,温泉であたたまり,T・Sさん繋がりで,知る人ぞ知る信州そばの店でそばを堪能し,帰京した。山と人,すばらしい山行となった。
雨の中を下山する一行
【感想】 59期 星野 ひとみ
例会に参加された皆さん,2日間ありがとうございました。 例会の1週間前から,台風や秋雨前線の影響で雨の予報。当初は2泊3日の爺ヶ岳~鹿島槍岳テント泊縦走予定でしたが,結局 雨予報は変わらず。いったいどうなるのだろう・・・とハラハラしながら,迎えた例会でした。
9/17(土)は曇りのち雨で予定をこなしたものの,爺ヶ岳を過ぎた辺りで大雨に。でも5羽の雷鳥親子に出会えて,癒されました。
冷池山荘に着くと,リーダーの決断で素泊まりに変更となり,居心地の良い山荘でした。キンキンに冷えたキリンの信州づくりが美味しくて,疲れた体に染み渡りました。夜ご飯はリーダー特製の中華風炊き込みご飯・マーボーナス・海草サラダ・スープと,山とは思えないくらいの豪華で美味しいメニュー。
9/18(日)は朝から大雨。しかも夜中は何度か目が覚めてしまうくらいの暴風雨。鹿島槍岳ピストンは4人のメンバーで行かれて,何となく胸騒ぎがしたので私は山荘でお留守番。その間に漫画の「岳」を読み耽って,岳の世界にどっぷり浸かり,気分は主人公の三歩君に救助された気分に・・・。
結局18日中に下山することになり,雨の中を歩いてるとまた爺ヶ岳北峰直下辺りで雷鳥親子に遭遇。前日の親子と一緒かも。扇沢の駐車場に着くまで,大雨は変わらずでした。
雷鳥親子・美味しい山ご飯・下山後の温泉と美味しいお蕎麦。爺ヶ岳中峰から種池方面の稜線・鹿島槍方面の稜線が見えたのと,鹿島槍の双耳峰が圧巻でした。雨でテント泊できずに残念でしたが,色々満喫できて,良かったです。鹿島槍岳は宿題になってしまったので,また機会作って登ろうと思います。
【感想】 59期 T・S
天気予報は,今まで見たことがないほどの長期間の雨予報でした。秋雨前線が停滞し,そこに台風まで近づいていました。
9月16日(金)22時頃 京都を出発して,17日(土)2:30頃扇沢の駐車場に到着して仮眠をとる。朝になりテントから出てみると,晴れている!「3日間,天気もつかも」と甘いことを本気で考えていました。
しかし,爺ヶ岳を過ぎた辺りで雨が降り出して,やがて本降りになりました。冷池小屋の周りには大きな水溜まりまでできていました。立山や富士山など素晴らしい景色を楽しむことを期待していましたが,全然見えません。元気が完全に無くなりました。
そんなボクを救ってくれたのは,夕食でした。中華風炊き込みごはん,麻婆なすなど,温かい食事が体に染み渡るようでした。完全復活できました。食事担当してくださった小泉さん,星野さん有難うございました。
次に鹿島槍ヶ岳に行く時には,八峰キレット~五竜岳に抜けることができる技量を身に着けていたいと思います。
【感想】 56期 土井 司
台風16号接近のニュースの中,不安を抱えての出発でしたが,今回の山行は「高級車で行くグルメ山行」と言うべき例会でした。
まずはT・Sさんの超高級車による往復。最近購入されたばかりの高級車で驚きの装備&疲れを感じさせない走行を体感しました。更に契約されているコンシェルジュのおかげで隠れた名店のそばも頂けました。
次は小泉さん&星野さんの献立。お二人の工夫を凝らしたメニューで毎食大変美味しく頂きました。辛いボッカをした甲斐以上の喜びで,労力に報われるとはこういう事だと実感しました。今後の山行メニューに加えさせて頂きます。
と言うことで肝心の山頂での感想は差し控えさせていただきますが,山行はピーク到達だけでなく過程も重要との思いを改めて認識しました。それはご一緒いただいた皆さんが良きメンバーであった所以は言うまでもありませんが。
小泉リーダーをはじめご一緒いただいた皆さん,楽しい時間と空間を共有させていただきありがとうございました。
後書:「雷鳥に出逢えば雨」の確率100%を更新しました。
雷鳥の親子
【感想】 52期 小泉 賀奈子
久しぶりの雨山登山となりました。ここ数年,8~10月のテント泊山行は晴天に恵まれてきたので,爺ヶ岳を過ぎたところで雨が降り出した時は,その冷たさに恨めしい気持ちにさえなりました。雨でもテント派の私ですが,テント初挑戦のT・Sさん,テント2回目の竹山さんに無理を強いるわけにはいかず,冷池山荘に泊まることにしました。T・Sさんが寒さに弱いことが後から分かり,強行しなくて良かったと思いました。
登るにつれて色づく山肌。柏原新道は歩きやすくて良い登山道でした。黒すぐりや赤い実を見つけてはみんなで食べ,「すっぱい」だの「これは甘い」,「おなかが痛くなったらどうしよう。」だの,わいわい言いながら登りました。小屋ではストーブで温まりながらお酒タイム。雨に濡れた衣服も乾き,快適な小屋泊まりとなりました。みんなで作る食事は元気の素です。食後の晩酌には星野さん持参のホタルイカの一夜干をあてにしっぽり。土井さんがボッカされた900mlのお酒の減りはイマイチでしたが,みなさん,よい感じになっておられました。
翌日もあいかわらず雨でしたが,小降りだったので,予定通り鹿島槍へ。視界が悪く,剣や立山は見えませんでしたが,頂に立てたことに満足です。竹山さんは,鹿島槍のいわれにまつわる歴史講座をしてくださいました。ただ登るだけでなく,その土地について知ると,とても親近感が沸きます。ぜひ見習いたいと思いました。天候の回復は望めないようなので,この日のうちに下山。すっかり防水スプレーの効果がきれた雨具のせいでずぶ濡れになってしまいましたが,ゆっくり温泉に入って,おいしいお蕎麦を食べて,何とも贅沢な山行になりました。ご一緒してくださった皆様,ありがとうございました。次回は雨でもぜひテント泊をしましょう!