京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3685  堂倉谷沢登り交流会

2017年9月9日(土) ~10日(日)

【参加者】L髙橋秀治 SL秋房伸一

 NF TW MK 

計5名

【天候】曇りのち晴れ 遡行中小雨

【コースタイム】57期 TW

9月9日(土)16:00烏丸御池ロッジ前・集合⇒21:00大台ケ原ドライブウェイ駐車場(幕)

10日(日)5:00大台ケ原ビジターセンター前(交流会参加者顔合わせ)/5:10発~

5:30日出ヶ岳~7:00堂倉避難小屋~7:50堂倉橋(入渓準備)/8:00発~

8:40入渓~10:00アザミ谷出合~11:00奥七つ釜~11:50堰堤(遡行終了)~

12:30林道発~13:30粟谷小屋(見学)~15:00日出ヶ岳~15:20大台ケ原ドライブウェイ駐車場・解散式⇒ホテル杉の湯⇒京都

【記録】57期 TW

この例会は、京都府山岳連盟主催の沢登り交流会が堂倉谷で行われるのを機に、高橋さんと秋房さんが例会化してくださったものである。関西一の美渓と名高い堂倉谷で、和気藹々とした沢登り交流会に…と思いきや、出発前からどんでん返しの多い沢山行となった。

まず、出発の数日前。我らが比良山岳会の沢大将(と、勝手に内緒で呼ばせてもらっている)小松さんより、『今回は、日帰り行程としては時間的にシビアであり、先行パーティーの状況や難所での渋滞を考えると、最悪ビバークに可能性がある。装備・日程を検討した方が良いかもしれない。』とのアドバイスが届く。検討の上、ビバーク有での日程が難しい土井さんが、残念ながら参加キャンセルとなった。残った参加者はビバーク装備を追加し、集合時間を1時間早めて当日に備えることとした。

そして本番の10日、比良山チームは集合場所に一番乗りし、交流会の参加者と顔合わせをした。ん??・・・前評判では、『岳連参加者は初心者から上級者まで、様々な技量の方々が入り混じっており、ご年配の参加者が多い傾向がある(=難所で渋滞が発生が)』。と聞いていたのに、フタを開けてみると、参加者は沢(と山)のエキスパートらしき30~40代の屈強そうな人々が殆ど。ヤバい、私が渋滞を起こす側やった・・・、と焦る。参加者は比良山のパーティーを合わせて16人、解散迄この16人で行動することになる。

5:10駐車場発。うすうす予想はしていたが、全員歩くのが早い。猛烈なスピードだ。山の景色を楽しむ余裕もなく、懸命に先頭に付いて歩き、日出ヶ岳に到着。普通30分~40分程かかる日出ヶ岳の行程が20分だった。ここで、秋房さんが体調不良のため離脱。比良山パーティーにさらに不安が走る。

日出ヶ岳からはトップが交代して歩行速度も落ち着いたが、開始早々の高速歩行と堂倉橋までの標高差900mの下りは身体への負担が大きく、入渓後も尾を引く人が多いようだった。

堂倉避難小屋を通過し、7:50堂倉滝吊橋に到着。轟々と音を立てているが、堂倉滝はいつもより水量は少ないらしい。滝を見ながら、ゆっくりと沢装備を付ける。曇り空だった為か、水が暗く少し濁って見えたが、堂倉滝は大きく、とてもカッコイイ形の滝だった。晴れた下で、もう一度見てみたい。

 

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▲堂倉滝吊橋から見た堂倉滝

8:00堂倉滝吊橋を出発。またしても猛スピードな歩調。すてきな堂倉滝を見て、沢に入りたい気持ちが昴まっている為だろうか?高巻きに差し掛かっても速度は衰えず、全員どんどんと進む。感服するやらしんどいやら。堂倉滝吊橋の次の橋の基部から、階段を伝ってモノレール架線場跡まで上がり、残置ロープを使ってゴボウで沢へ降りた。

 

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▲堂倉滝まきの取り付き

 

8:40堂倉沢中に到着。沢の幅いっぱいにナメ滝が広がり、奥に7mと30mの斜瀑が見える。広々として、とてもいい気持ち。先行者は泳いで7m滝を直登し、30m滝の下で遊んでいる様子だった。ちょっと悔しいが、体力を温存すべく、7m滝手前から左岸を上がり、30m滝と合わせて巻く事にする。

巻き終わって、中七つ釜。ここで急遽、岳連の湯浅理事長の沢スクールが開校される。選抜メンバーは、他会のIさん、Fさん、私。「さっさとせえ!」「あかんときはあかん!」「大丈夫やから付いてこい!!」と、かなりグイグイくる指導で、楽しい。夢中で後ろを付いて行く内に、自分が思っている以上に体が動くことが分かり、嬉しかった。湯浅理事長、ありがとうございます。その後、中七つ釜の3m(←記憶曖昧です)や斜瀑10mでは、ロープを出してもらって登ったが、ロープの出し入れが非常に早く、とても感動した。

10:00、アザミ谷出合いで鹿を見たりしながら、着々と進む。そこここに、残置ロープが点在していて、堂倉谷ルートの人気を窺い知れる気がした。小雨が降りだしたが、通り雨で済んだ。

11:00奥七つ釜到着、小休止。水量が少ない為か、噂に聞く、ナメ滝は見られなかったが、巨大なポットホールが列をなしていて、異様な景色。ポットホールは深く澄んだ緑色で、飛び込みたい気持ちになるが、我慢した。奥七ツ釜は、というよりも、堂倉谷は、巨岩・奇岩が多く、ゆっくり観察して写真でも撮りたい気持ちになったが、私の体力と時間的余裕が不足しており、大変残念であった。引き続き、湯浅スクールは開催中で、景色を楽しむいとまもなく、どんどんと進む。奥七つ釜を抜けると、あっという間に、堰堤に到着した。

11:50堰堤(遡行終了)。驚くほどに早い終了だった。堰堤の手前の左岸から林道に詰めあがり、途中、粟谷小屋を外から見学しながら帰る。延々下ってきた900mを登りかえして、15:20大台ケ原ドライブウェイ駐車場に到着。交流会の解散式は、一緒に沢を楽しんだ仲間同士ならではの和やかな雰囲気だった。

 

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▲ナメ滝

【感想】 52期 秋房伸一

夏風邪が長引いていましたが、さすがにもう大丈夫だろうと思って予定通り参加しました。迷いはありませんでした。

しかし、スタート直後の日出ヶ岳まででリタイアしました。すみません。深く息をすると咳き込むので、酸素を有効に取り込めず、クルマでいうとアクセルを踏むとノッキングを起こしてエンストしそうになる感じ。普通に過ごす分には問題なくても、荷物を背負って負荷がかかると、駄目でした。やはり健康管理は大事です。山では平地以上に自己管理が大切なことを肝に銘じました。同行の皆さんには、誠に面目無い次第ですが、またよろしくお願いします。

 

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▲斜瀑10m

 

【感想】 60期 MK

岳連主催の沢登りに初めて参加させていただきましたが、堂倉谷はアプローチと下山がカクシン?いう感じでした。

会でパーティーというより、16人全部で沢登りという感じで、主催の湯浅さんの惚れ惚れするほどの足さばきと的確な判断、滑ってバランス崩しても即座に立て直せる体幹の強さに感動しました。

最後に振り返った時の太陽にてらされた釜のブルーが名残惜しい程綺麗な沢でした。

色々心配りして頂いた高橋リーダー、ご一緒させて頂いた皆様、ありがとございました。

 

【感想】57期 TW

いつか行けたらいいなと思っていた、憧れの堂倉谷。技術も体力も足りない私が、今年遡行できたのは、ひとえに高橋リーダーが連れて行ってくださったおかげです。お天気、メンバー、全てに恵まれたからこそ、無事に日帰り遡行ができた、ラッキー山行でした。

しかし、私にとっては色々とハード過ぎたのか、他会の方に着いていくのに必死で、堂倉の景色を楽しんだり、深い釜へ飛び込んだり、という余裕が全くなく、全てが猛スピードで過ぎ去ってしまった感じでいます(もちろん、他会の方達との交流も嬉しかったし、湯浅理事長からのスパルタ教室など、有難い経験もいっぱいありましたが…)。

下山後3日経った今も筋肉痛に泣いている状況ですが、堂倉谷の素晴らしい景色をゆっくり楽しみ、巨大ポットフォールに飛び込み、沢を満喫すべく、また来年、堂倉谷に行きたいなぁと思う次第です。

高橋リーダー、ご一緒いただいた皆様、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

 

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▲アザミ谷出会

 

【感想】54期 NF

数年前に一度訪れた堂倉谷。川の色や奇岩が大変美しく、とても印象に残った沢でした。

再行できる機会に恵まれ、今のわたしの体力だと不安かなと思いつつ、誘惑に勝てずに参加しました。

他会との交流会ということでどんな方がいらっしゃるのかと思っていたら、

猛者そろいで、歩いたり滝を登ったりするスピードの速いこと早いこと。

湯浅理事長に叱られながら、ついていくのがやっとと言いたいところですが、

ついていけてないレベルでした。みなさまにご迷惑かけてすみません。

しんどかったせいか、高速遡行だったせいか、水が少なかったせいか、前回行った時より、沢の美しさが少し色あせていたような…気のせいかもしれません。

それでも、最後、林道に詰めるときに上から見た釜の、なんともいえない深く透明なブルー色が忘れられません。

また力を付けて、行きたいと思います。

余裕がなさすぎて他会の人とほとんど交流できませんでしたが、それでも、遡行後はパーティに何となく連帯感が生まれた気がしました。交流会もなかなかよいものです。

髙橋リーダー、ご一緒した皆様ありがとうございました。

 

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▲奥七ツ釜の巨大ポットフォール

 

【感想】53期 高橋秀治

3年前より是非行きたいと思いながら実現できず、昨今では体力的にもテント装備を背おって遡行するには無理かと半ば諦めていたら、岳連主催でそれも堰堤までの遡行と言う企画。これなら憧れの堂倉谷遡行が出来ると理事会の席で秋房さんに声を掛け、例会として実現できました。

しかし、3時間弱と言う速さで堂倉橋までかけ下り、また3時間弱で堰堤に着き遡行終了。

これが憧れていた堂倉谷と実感するには少し時間が少なすぎました。確かにスケールの大きい谷だと実感し、またここが奥七つ釜だと確認はしましたが、そこに飛び込まず必死に着いて行くだけで精一杯の遡行でした。

そんな堂倉谷遡行でしたが、岳連の他の山岳会メンバーとの沢登り交流もでき、さらに自分の実力等も確認できた充実した時間でした。皆さんありがとうございました。

「来年は堰堤から上をやる」と湯浅岳連理事長が宣言しておられましたが、それまでに体力アップを目指します(笑)