京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3794 比良の沢・白滝谷

2019年5月19日 (日)

【メンバー】
CL.TW、SL.秋房伸一、上坂淳一、NF、KI、平川暁朗、中井純子、HI       計8名

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                        (サプライズゲストを囲んで☆)
【行程】
9:15坊村葛川市民センター駐車場集合・装備チェック9:30~10:20牛コバ~10:30開けた場所で沢装備10:50~11:00入渓~12:30白石谷出合~13:15クルミ谷出合~13:40白滝谷下~14:15白滝谷上~15:00 2段2条18m滝下~15:30夫婦滝(遡行終了)~15:15夫婦滝上の御堂 沢装備解除(15分)~15:45クルミ谷出合~~16:30牛コバ~17:30駐車地=20:00京都市

【記録】57期 TW
・天候くもり、気温22度前後。
ヒル・ハチ見かけず。カエルいました。
・牛コバから1つ目の渡渉点で入渓。遡行図に載っていた橋は流出しており、トラロープが川に渡してありました。
・水量そこそこ、水温もそこそこ。
・足場もホールドも豊富ですが、かなりヌメっていました。たわしが活躍。
・昨年の台風の影響か倒木が多く、倒木で沢が塞がっている箇所もありました。
・下山に使った登山道も所どころ荒れており、沢以上に注意が必要な場所がありました。
【感想】62期 中井純子
私にとって初めての沢登り体験となる、Wリーダーの白滝谷例会に参加しました。みなさまに助けていただいて、楽しく沢登りができました。
例会参加希望を出したものの、初めての沢登り、用語や装備を調べてみてもよく理解できませんでした。Wさんには、沢登りの服装や装備について何度もメールをさせていただきました。準備物品の買い物にも付き合って下さり、当日の服装から、ハーネスやガチャ類の付け方まで、ほんとうに細やかなご指導をいただき、おかげさまでどうにか身なりを整えることができました。
お忙しい中を本当に何度もメールしてしまいましたが、丁寧に答えてくださり、安心して参加できました。
初めての沢登りは、ワクワクドキドキでした。始めは思ったほど水が冷たいと思わず、次から次へと滑りやすい岩を相手に進むだけで一生懸命でした。川の流れに逆らって急な段差や岩の隙間をどうやって登ろうかと考えて全身を使って乗り越えて行くのが楽しくて、滑っても転んでも面白かったです。
一瞬の出来事で、ザアッと滑り落ちてから、急に緊張が強くなりました。Wさん、Fさんから、「顔色が悪いし、動きも悪くなってますよ、大丈夫ですか」と訊かれるまで、自分がどうなっているのか分かっていませんでした。今思い返すと、プチ滑落してからは、急に怖くなり、緊張で身体が強張っていたように思います。自力で登りたいという気持ちと、また落ちるかもという恐怖と半々になりました。身体が濡れたからか、寒くなり余計に手足が動きにくくなった感じでした。
 前の方から離れて、少し遅れてくると、前の方の動きを見ることができず、余計に焦りが生じてミスも増え、滑ったり転んだりがさらに増え、緊張感も疲労も蓄積していきました。登りかけて次の一歩が出せずに固まることが増え、その度に平川様にロープを出してもらっていたように思います。
Wさんからお白湯をいただき、疲労回復のサプリメント?をいただいて、休憩をしたら、ほっとしました。
みなさまから次々とアドバイスをいただき、上坂様が肩の上に乗せて押し上げてくださって、平川様が引っ張ってくださって、1人では登れない高さを一気に上げてもらったのが、とても心強く感じました。みなさまに支えてもらって登ってるんだなと思いました。Fさんからまたお白湯をいただいたり、Wさんからドライフルーツをいただいたりして、少しずつまた元気が出てきて、オヤツを食べられました。お白湯に感動してました。お白湯ってこんなに美味しくて温まるんだー。でもたぶん、お白湯の温もりを感じるだけでなく、お二人の温かさを感じてほっとしたんだと思います。感謝です。それと、前から2、3番目を歩かせてもらうと、焦りがなくなり、前の方の登り方をしっかり見られるので、とても登りやすかったです。
滝の横をロープで確保してもらって登るのも、よく教わってロープの確保の練習をしてから、さらに先に登られた方々をお手本にしてイメージしてから登りました。
実際に登りだすと、身体と筋力の違いもあり、お手本の通りにはいきませんでしたが、確実にホールドできる場所を探しながら落ち着いて登ることができました。上がりきった時、なんとも言えない達成感みたいなものがあり、ドキドキしていました。
年齢によるのか、身体能力の限界だったのか、今日は身体中のあちこち痛みますが、初めての沢登りは素敵な体験でした。みなさまには、大変お世話になり、ありがとうございました。筋トレや体力作りを頑張り、またご一緒させていただけるときに、お荷物にならないようにしたいです。またよろしくお願いします!

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                              (ショルダー!!)

 

【感想】62期 HI
 山岳会に入って初の沢登り、分からないことばかりで、初めて使うツールもあり、また、この季節で少し寒いのではないかと、少し不安を感じながら参加させていただきました。
 入渓前には、装備等のチェックもして頂き、ドキドキしながら、沢に入りました。
 最初は、足取りがおぼつかずフラフラ歩いていましたが、前を歩いてくださった上坂さんの歩いているところをついていくうちに、マシになってきたのか、リーダーのWさんに、歩き方がうまくなってる、と言ってもらって、嬉しかったです♪とはいっても、人生で2度目の沢登りで、やはり慣れていないのもあり?、小心者で恐る恐る歩くから?、何度か滑って落ちかけたり、腰を強打したり…大きなケガがなくてよかったです。
 白滝の高い壁を見たときは、こんなところを私も登れるのか…?と、足がすくみましたが、他の方々が登っているところを見て、登るルートを確認し、勇気を出して足をかけて登りました。何とか、上まで辿り着けたときは、感動でした!今後は、少しずつでも、もう少し余裕をもって歩けるようになって、もっと景色を楽しんだりできるといいな、と思います。
 フォローしてくださった皆様にはとても感謝しています。
 みなさま、ありがとうございました。

 

【感想】59期 平川暁朗
 二年前の四月に当会の例会で白滝谷へ連れて行って頂いたのが私の沢デビューでした。ぬめり岩に足をすべらせ流され、ずぶ濡れになったり、白滝登攀でも上部ですべってロープで引っ張りあげてもらったり。寒かったし、とにかく向いてないなあという印象が残った苦い沢デビューでした。
 これで通算四度目となる沢、多少はぬめりや水流の勝手も分かってきたので、二年前よりはマシになっただろうかというリベンジ的な意味も込めての参加でした。
今回は新緑祭後から引き続きの例会で、予定時刻よりは早めに坊村へ到着。おかげで準備万端で入れました。牛コバまでの道のりは記憶のイメージよりは少し長く感じました。入渓してからの印象は二年前とは少し違って、予期せぬ水の流れに足を取られていた以前よりは取っつきやすく感じました。
 今回は新人さん二人も一緒。沢経験は浅いとは言え、先輩らしくサポートせねばとお助けスリング投入したりしました。サポートする側の良い勉強にもなりました。メインの白滝は二年前と同じく上坂師匠のリードで。相変わらず威圧感のある滝で岩質も脆くなっていて多少の不安も抱きつつでしたが、今回は私もすべることなく登りきれて一安心。
 非常に美しい沢という感じではないが、変化に富んだ地形で楽しい沢だと思う。緊張していた前回とは違って今回は景色をよく楽しめました。

 

【感想】57期 KI
 先週に引き続き2週連続で沢登り例会に参加させて頂きました。
 白滝谷で沢デビューの方も多く歩きやすい沢とのことですが、思っていたより滑りやすく、ひやひやするような登りもあり初心者向けとは思えない緊張感がありました。ただ清流に、ナメ滝、お釜と岩登りにロープワークとフルコースを味わえるのでこれで沢にはまる人が出てくるのも納得です。曇天のため、あまり濡れないようにしていました。それでも浸かってでも取り付いてみたいという誘惑に駆られる所も数か所ありました。
 今回も途中からトップを歩かせていただき、いい勉強をさせて頂きました。出来るだけチャレンジしていこうと、また出来るかどうかの判断をしながら進むのは楽しかったです。上坂さん、秋房さんと経験豊富な先輩お二人もおられたので心強く、またアドバイスも頂きありがたかったです。次回はまだ装備のマイナーチェンジをして望みたいと思います。楽しい沢例会をWリーダー、皆様ありがとうございました。

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【感想】 52期 秋房伸一
 ちょうど10年前、入会して半年程経った頃、上坂さんから「君は岩をやりたいんか、沢をやりたいんか」と集会後に聞かれて、苦し紛れに入会アンケートに沢にはマルをつけてなかったのに、「沢です」と答えて、白滝と奥深のダブルヘッダーに小松さんと一緒に・・・松井さんにもご指導いただいて・・・連れて行ってもらいました。  
 その後何度も白滝谷にはお世話になりました。
 そんな思い出の白滝谷に、リーダーがWさんで新人さん2名と上坂さんもご一緒に遡行でき、とてもうれしく感じました。皆さん、ありがとうございました。

【感想】57期 TW
 はじめて沢登りに連れて行っていただいたのが、白滝谷でした。リーダーは秋房さん。不安と緊張でいっぱいでしたが、秋房さんとメンバーのみなさんに支えていただき、遮二無二歩き、めいいっぱい楽しみました。そんな私が沢のリーダーをしてしまうほど沢登りが好きになるなんて、今でも信じられない思いです。
 無我夢中だったあの時からどう変わって見えるのか、思い出の白滝谷へ行きたいと企画したのがこの例会です。サブリーダーは秋房さんに、沢登り初参加の方が2人いらっしゃる事になったので上坂さんにも参加をお願いし、ベテラン2人に囲まれての非常に心強い山行になりました。
 白滝谷は難しすぎず簡単すぎない小滝が続く世界で、以前よりも自分の力で登れるようになったのかな?とも思いましたが、核心の白滝谷は上坂さんにリードをお願いするていたらくでした。
 一番強く感じたのは「沢は団体競技」という秋房さんの言葉です。先行者がお助け紐を出し後続の人の安全確保をしながら遡行する様子、上坂さんがショルダーしてくださって新人さん達がCS滝を登る光景・・・。助けた人も助けられた人も、全員が達成感のあるお顔をされており、とても嬉しくなりました(私はCS滝を巻いてしまった為、上坂さんにショルダーしてもらう機会を逃しました。残念です)。白滝谷は初めての人も、そうでない人も様々に楽しむことのできる度量の深い沢でした。
 最後に、遡行終了地点まで堤さんがフルーツケーキを持って応援に来てくださったことがとても嬉しかったです。「僕は足が遅いし迷惑をかけるから・・・」とか言いつつ、猛烈なスピードで下山される姿に驚きました。(私は堤さんの速度について行こうとして一度転びました)。やはり堤さんは山の男だなぁと改めて感じた次第です。
 秋房さん、上坂さん、大変お世話なり、ありがとうございました。今後ともご指導お願いいたします。ご一緒いただきました皆さま、大変楽しい一日をどうもありがとうございました。

 

No.3792 鈴鹿の沢・元越谷

令和元年5月11日 (土)

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                              (元越谷大滝にて)

【メンバー】
CL TW、高橋秀治、NF、藤井康司、KI、平川暁朗、YN 計7名

【行程】
11日6:00京都市内 発~7:20道の駅『あいの土山』にて石田さんと合流~8:10国道477号線沿い林道入口手前の広場に駐車~8:15元越谷林道ゲート~8:50入渓~9:40第27堰堤~9:55元越谷大滝~13:15稜線(遡行終了)~13:30水沢峠~15:15駐車地=17:40京都

【記録】57期 TW
・天候:快晴、今年初の真夏日
・駐車場所:国道477林道入口手前広場 (林道ゲート手前の道が崩壊していた為)
・林道ゲートを越え、2つ目の橋の手前で入渓。ピンクテープあり。
・入渓後5つほど堰堤を巻いた。特に、第27堰堤の大まきは下りが悪く、残置ロープも古くて信用できない感じ。クライムダウンしたが、懸垂下降した方がいいのかも。
・上流は渓相が荒れており、遡行図とは違う様子。地形図は必携。
・水沢峠からの下りが不明瞭。途中から林道に出るが分かりにくかった。


【感想】60期 YN
 今年初の沢登り。沢は去年参加した奥の深谷以来でまだ2回目だ。前日まで5月はまだ水が冷たいのでは?と心配していたが当日は暑いくらいの快晴となり安堵する。 
藤井さんの沢着姿は沢着っぽくなくて驚きました。いつも試行錯誤をされていて勉強になります。入渓してから堰堤が沢山続くので、いささかげんなりしはじめたものの、いざ遡行がはじまるとそこは陽光に照らされたエメラルドグリーンの水と白い岩が織りなす絵画の世界。夢中になって先を進む、厚着をしていたせいか釜へ飛び込んだり滑ってみたりと水没3回目までは水の冷たさが気にならなかった。途中去年の台風の影響か倒木や土砂で渓谷が埋まってはいたが、それがなければもっとその景色に取り憑かれていたかもしれない。自分の知らない沢はまだまだある。もっと登れるようになって色々な沢に行ってみたいと強く思わせてくれる良い沢だった。企画していただいたWリーダー、トップを務めて頂いた高橋様、参加された皆様ありがとうございました。

 

【感想】59期 平川暁朗
 昨年は沢例会へ二度エントリーしたものの、どちらも天候不順で流れてしまい沢へ行く機会がないままでした。
 そのようなわけで、久しぶりの沢靴の出動。愛用するトレランシューズは年間3足くらい履きつぶしている私にしては、沢靴は購入からの日数の割には新品のようである。
当然沢の経験値の少なさを表しているとも言えるので、まだ濡れた岩場と沢靴のフリクションの感覚がつかめないし、指がしっかりかからない箇所では足先がとても不安である。
それでもこれで通算三度目の沢。多少は要領も得てきたところもあった。
天候は最高で澄んだ水の底が綺麗なエメラルドグリーンに輝く様子は、まさに秘境という感じ。アクセスが容易なら間違いなく観光パンフレットの目玉になるだろう。そんな絶景を少人数で堪能できるのだから贅沢なことだと思う。
詰め終わって稜線上に出てからは普通の登山道だと思って、街と山を走れるルナサンダルで下山したが、ザレた下りではやたらと滑るので失敗だった。
沢靴、アプローチ用、下山後のリラックス用の三足は必要だったと学習した。

 

【感想】57期 藤井康司
今シーズンの沢初めだ。ヌメリ、虫も少なく、新緑の沢は綺麗。水はまだ冷たいが、太陽がさんさんと降り注ぐ。林道では涼風が吹き抜け、まったくもって気持ちがいい。上流は昨年の台風の影響か、倒木が多く荒れてきたが、総じて比良に比べて明るく、エメラルドグリーンが映える美渓だ。登攀要素はないが、ところどころ飛び込める釜もあり、沢遊びには最高だ。いい沢に連れて行ってもらった。ありがとうございました。
スマホの収まりが良く、この冬散歩時に愛用していたユニクロの化繊ジャージ素材のパンツ。アルファルンゼ、奥駆道に続いて3度目の山行使用となったが、使えます。

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【感想】57期 KI
 遠隔地会員になり4年ほどになります。現在は鈴鹿在住で、鈴鹿山脈の例会でタイミング合えばと思っていました。
 ちょうどWリーダーの沢企画があり、案内の言葉にも魅せられて参加させて頂きました。四年ぶりで2回目の沢となりました。
当日は快晴で気温も高く気持ちよく歩けました。鈴鹿でエメラルドグリーンの水やナメ滝、ゴルジュなどが見られるとは知らなかったです。泳いだのは寒かったですが、いい経験ができました。4mや6mの滝登りは緊張感もありましたが気持ちよかったです。厳しいところはまだまだできないですが、少しずつやっていけたらと思います。
 あとは結構テンション上がっていました。アドレナリンも危険個所歩く時にでていましたね。沢は楽しい要素がいっぱいでした。Wリーダー、皆様、素敵な例会ありがとうございました。またよろしくお願い致します。

【感想】54期 NF
 エメラルドグリーンの沢につられて、沢始め山行に参加させていただきました。元越谷は、3回目にもかかわらず、高巻きの部分しか覚えておらず、恥ずかしながら新鮮な気持ちで遡行しました。初夏を思わせる晴天で気温も高く、沢始めとは思えないくらい快適でした。とはいえ、泳いだり、スライダーしたり、全力で沢を味わっているWリーダーやNさんを眺めつつ、濡れたくないを徹底してしまいました、、、。それでも、なめ滝やゴルジュ、小さな滝の登攀はとっても楽しく、沢の魅力を改めて実感した1日でした。昨夏の豪雨の影響か、沢も下山道も荒れていて、少し残念に感じたけれど、自然ゆえに仕方のないことかもしれません。
 このところ、例会に参加する機会が非常に減っていましたので、久しぶりにご一緒できてとても楽しかったです。Wリーダー、みなさま。本当にありがとうございました。

 

【感想】53期 高橋秀治
 「元越谷は穏やかな流れの中に、美しいナメとそれを受けるエメラルドグリーン釜の連続した饗宴があって、遡る者を酔いしれさせる魔力を秘める。」と紹介されているから、以前から遡行したく思っていました。Wリーダーから今年の沢初めの企画を頂き、すぐに参加表明しました。
 林道入口に通行止めの立て看板が有り、いやな気分が頭をよぎる。しかし、林道ゲート前の駐車地点が直ぐにあるとの事で、国道の広い駐車スペースに戻りスタートする。
 まだ水も冷たいだろうと厚手のウエットスーツで入渓したが、当日は初夏の様な気候で沢日和となり熱い。皆さんが釜に飛び込んでおられる様子をみてやりたくなるが、やはり後で寒くなるかと思いやめる。気が付けば沢が狭まり釜もなくなりザレ場を這い上がり稜線に出て終了となりました。
 Wリーダーお世話になりました。またご一緒頂いた皆様ありがとうございました。次回は前夜泊で焚火を囲み山談議で盛り上がり、翌朝から遡行する計画を是非お願いします(笑)

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【感想】57期 TW
 初めての沢企画は、行ったことがある所+沢登りファンが増えそうな所、という条件で鈴鹿NO.1の美渓と名高い、元越谷を選びました。鈴鹿にお住まいで同期のKIさんが参加申し込みをしてくださった事も嬉しく、元越谷を選んで正解だったと思っています。
  元越谷は4年ぶりでしたが渓相が変わっており、自然の脅威や台風の力を強く感じました。真新しい「平成30年より進入禁止」の看板、沢山の倒木、遡行図に書かれていない分岐、ザレザレの下山道…。エメラルドグリーンの淵は健在ながら、もっと綺麗でやさしい沢だった筈では?と驚きました。荒れた道ながら予定通り下山できたのは、トップで歩いてくださった高橋さんと身体能力の高いメンバーの皆さんが引っ張ってくださったおかげです。
 出発前夜は、私のような新米リーダーがメンバーの安全を確保できるのかという不安で眠れませんでした。沢登りは楽しいけれどリーダーとして行くのはこれほど重圧を感じるものなのかと、くたびれました。

 今まで初心者の私を色々な沢に連れて行ってくださったリーダー各位に、改めて感謝いたします。
 ご一緒いただきました皆さま、ありがとうございました。

 

〈個人山行〉《山紀行996》京都百名山シリーズNo. 77 深山

令和元年5月11日(土)

 深山(みやま791m)は、京都府南丹市大阪府能勢町の境にある展望の山で山頂には高皇産霊尊を祀る深山宮や国交省のレーダーが設置され北側は笹原が広がる。今回はささやまの森公園から西尾根・東尾根を歩いた。南丹市のるり渓や能勢町からも登山道がある。

 【メンバー】 山本浩史L、土井司、波佐場春香

【山  域】 京都府南丹市兵庫県丹波篠山市大阪府能勢町

【行  程】 桂川8:00=8:48ささやまの森公園9:58~10:18 P683 10:32~10:53庫阪峠~11:07船谷山~11:26深山12:11~12:28船谷山~13:01蛇岩~13:24満燈山~14:45ささやまの森公園14:51=15:11るり渓温泉16:26=17:17桂川

【登山データ】曇り 歩行9.0㎞ 5時間47分 延登高888m 延下降888m 4座登頂

 

篠山市は、4月から“丹波篠山市”となった。河原川を遡ると八幡谷ダムがあり、ダム湖が収束すると広い駐車場があった。“ささやまの森公園”のエリアで散策路が奥の方まで整備されている。深山への登山道は、川原川を遡り庫阪峠に上がる深山古道がメインで巻道の大正古道、大阪府境尾根の西尾根、京都府境の東尾根に登山道がある。公園事務所で登山届に記帳し、情報満載の案内地図を貰った。ただこの地図は上が南で持参の地形図と天地が逆になり使い難い。

今日は余裕があるので読図の勉強のため波佐場さんを先頭に西尾根登山道に入った。“湖上の散策路”を暫く進み湖畔から上がって来た送電巡視路に取付いた。送電鉄塔が現れると稜線に達し、西尾根の縦走となった。なだらかな稜線歩きで地形の変化ごとに現在地を確認しコンパスを合せ直した。標高530mに達すると西から兵庫・大阪府県境尾根が合流した。2本目の送電鉄塔を過ぎると送電巡視路と分かれ純粋な登山道となり徐々に傾斜が増してきた。P683で、傾斜が落ち着き小さなアップダウンとなった。緩やかな谷の源頭が気持ちよく庫阪峠に到った。

庫阪峠(くらさかとうげ638m)は、公園事務所から発し、川原川を遡って来た深山古道が合流し、犬を連れた男女が登って来た。東の斜面を登ると舩谷山(730m) で京都・大阪・兵庫の三府県境となっている。残念ながら展望は得られない。深山へは30分の表示があったが19分で行けた。なだらかな稜線は新緑が美しく馬酔木の新芽の紅を帯びた葉とのコントラストが素晴らしかった。樹林が途切れ土饅頭の上に大きな石が置かれた墳丘を見上げる。墳丘の両側に道があり回り込むと深山(791m)山頂に達した。

山頂の墳丘は、“深山宮”の人工物で高皇産霊尊を祀っているようだがWebで検索しても詳細が分からず神社と位置付けられているものではないのだろうか。鳥居の向こうの参道の真ん中に3等三角点「天王」があったが“深山”を示す標識はなかった。山頂からは略360°の展望が得られ、六甲山迄見通すことができた。ゆっくり昼食休憩を取っていると庫阪峠で見た犬連れの男女、るり渓側からは子連れの夫婦が乗って来た。るり渓側からは国交省のレーダー施設のフェンスがあり西側を迂回して来られた。

来た道を引き返し舩谷山に戻ると来た時の西尾根を見送り東尾根へと入って行った。500m位まで標高を下げて登り返すと蛇岩(526m)で山頂部は岩で舩谷山を望むことができた。“雑木林の散策路”への道が分岐した。公園事務所で貰った案内図には、この先「満燈山~杉木立の道はわかりにくいので通らないで下さい。」と書かれていたが自己責任で入って行った。急登斜面を登り切り満燈山(566m)に到った。西側に巻道があり西側からピストンする方が楽なようだ。展望のない静かな山頂で集合写真を撮って北西方向に下りだした。

直ぐに送電鉄塔があり展望が良い。此の辺りは道が不明瞭でしっかりコンパスを合せて下山路を定めた。急斜面で足を滑らさないように慎重に標高差100mを下ると傾斜が落ち着いた。P462に到ると後は下るだけ西に進んで“アカマツ林の散策路”に下り立ち奥坪ヶ谷右岸に渡った。広い谷をトラバースするように散策路が付いていた。地形図には記載がないが溜池のような池があり、“風わたりの散策路”が分岐して行った。

少し下ると谷間に突然水田が現れた。篠山藩への年貢を逃れるために秘密裡に開墾した「隠し田」だと説明書きがあった。その傍にクリンソウが咲いているのを見つけ近寄ってみた。「湖岸の散策路」が分岐すると直ぐに公園事務所に出てきて山行を終えた。立ち寄り湯はるり渓温泉、土日は800円だが母の日で女性は500円で入れたようだ。桂川に戻り反省会を行い解散した。

 

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写真1: 深山(791m)山頂の深山宮

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写真2: 深山山頂にて

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写真3: 舩谷山(730m) 東尾根展望地より

No.3791  新緑の氷ノ山ハイキング

2019年5月5日〜6日

【メンバー】

CL. YN、SⅬ.高橋秀治、HI、鹿嶽眞理子、近本かずみ、辻晴見、NF、船木佐織、松井篤、I(会員外)

計 会員9名、非会員1名

【記 録】60期YN

【行 程】5/5烏丸ロッジ前(車)20:00~道の駅京丹波味夢の里(西村車と合流)20:30~道の駅ようか但馬蔵10:45(幕)

5/6道の駅ようか但馬蔵6:00~福定親水公園6:40~布滝~不動滝~地蔵堂7:32~木地屋跡~氷ノ山避難小屋8:34~仙谷登山道9:13~こしき岩~氷ノ山頂上9:40~神大ヒュッテ10:08~一ノ谷休憩所~東尾根休憩小屋~東尾根登山口11:38~福定親水公園~帰京

午後からは天気が悪くなる予報なので早めに幕地を出発、福定親水公園から登り始めると初めから急登が続くが、時折覗くイワカガミや滝と新緑が清々しい。尾根筋にさしかかると風が吹いていたが、熊笹に遮られて音だけが聞こえた。山頂付近はまだ雪が残っていたが軽アイゼンを履くほどでもなかった。山頂で集合写真を撮り、神大ヒュッテまで降りたところで早めの昼食。小屋はしっかりと手入れされている。帰りは万灯の湯に立ち寄り帰京した。

【感想】60期YN

今年3月に行った個人山行でご一緒した高橋様から5月に氷ノ山に沢の下見にいくからリーダーされたらと勧められ、計画書も作成されていた形で引き受けることになりました。鈍くさく、かつまだまだ山行経験の浅い自分にとってリーダーなんてまだ先の話と思っていたので、参加者がどんどん増えて合計10名となり、かなりプレッシャーでしたが前日まで悪かった天候も好転し、最後までお世話になったSLの高橋様始め、頼もしい参加者の皆様に支えられ令和最初の素晴らしい山行になりました。全て出来ていないですが、実際にやってみてリーダーの大変さがよく分かりました。今度は計画から頑張りたいです。皆様ありがとうございました。

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【感想】53期 辻 春見

何年か前に雨のため、登山口から引き返した氷ノ山。
今回も午後からお天気が崩れるとの予報でしたが、決行になりました。
まず氷ノ山へのアクセスですが、以前数時間かけて移動した記憶があり、今回も覚悟していましたが、新しい道が整備されたのと、高速と地道をうまく併用することで半分の時間で到着することができました。
由って19:30のスタートでも、余裕をもって幕営地に到着し、ゆっくり休むことができました。
時間に余裕があるという事は、朝も早く出発できるため結果、午後からの天気が崩れる前に山行を終えることができました。
午前中好天だった新緑の氷ノ山は、緑が青空に映え、爽やかで美しい山歩きを経験させてくれました。寒さ対策もして行ったのですが、ジャケットも使うことなく、穏やかな気候にもめぐまれました。
下山後露天風呂に入っていると、天気予報通りかなりの雷雨に遭遇しました。
今回の山行は、正に「人よし、山よし、天気よし」の山行だったと思います。
参加の皆さま、お世話になりありがとうございました。

【感想】53期 高橋秀治

 近いようで行けなかった、兵庫槍と文太郎が名付けた氷ノ山 に行くべしと重い腰を上げて企画しました。前夜泊で皆さんと行くのは、小学生の遠足に行く前夜を思い出しわくわくします。

 新緑の明るい登山道を進み、布滝、不動滝、と魅力的な滝を眺めながらさらに進み稜線に出ると、ようやく春が始まったばかりの景色。絵に出てくるような山頂の小屋が見えて一同笑顔で記念写真を撮る。これがまた絵に描いたような素晴らしいショットとなりました。

 ご一緒頂いた皆さんお世話になりありがとうございました。また、リーダーを引き受けて頂いたNさんお疲れ様でした。

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【54期NF】  

氷ノ山は数年前の冬、弾丸低気圧が迫る中、突入し、ホワイトアウトに見舞われ、大変怖い経験をした思い出があります。どんな山だったんだろうとかねがね気になっていて、参加させていただきました。初めてお会いする方がたくさんおられる例会ということで、ちょっと緊張しましたが、みなさま明るくてきさくですぐになじめました。雨の心配もありましたが、登山中は快晴で、新緑がまぶしく、穏やかなハイキングを楽しむことができました。前夜泊でいただいたかたけさんのコシアブラもとても楽しかったです。Nリーダー、みなさま、本当にありがとうございました。

【感想】55期 船木佐織

氷ノ山は、せっかく兵庫県に近い大阪に住んでいるので行ってみようかと色々調べてみては、アクセスの悪さから行けなかった山でした。そんな時に例会があり、喜んで参加をしました。登山道を入ると期待通り柔らかな緑色の新緑があふれている景色は、行ってよかった!と思えるほどでした。それから360度視界が開けた山頂の景色も最高でした。花もたくさん咲いていて、今回も鹿嶽さんからいくつかの花の名前を教えてもらいましたが、かろうじて頭に残っているのは、なぜか毒のある「ハシリドコロ」のみでした。最近買い換えたスマホに、カメラでピントを合わせると検索してくれていろんな物の名前が分かるという便利な機能があり頼っていましたが、やはり鹿嶽さんの方が断然早くて正確なのです。そもそも電波がつながらないところではこの機能も使えないし。地道に覚えていくに限るようです。例会を企画してくださった高橋さん、リーダーのNさん、参加された皆さん、楽しく山行させていだだきました。ありがとうございました。

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【感想】62期HI

今回の氷ノ山は、京都山岳会に入会して最初の例会でした。初めてお会いする方がほとんどで、ちゃんと馴染めるか、また山岳会の登山についていけるか、とても不安な中参加させていただきました。そして、はじめての大勢でのテントでの前泊で分からないことだらけでしたが、皆様にフォローして頂き、とても感謝しています。登山中は、前の方を歩かせていただき、ゆっくりペースで歩いていただいたので、なんとか最後まで自力で歩くことができました。下の方では、太陽の陽でブナの葉っぱがキラキラしてとてもきれいでした。

 標高があがるにつれ、周りに見える景色も素晴らしく、心配されたお天気も、下山までもってくれて、とても楽しい登山となりました。お世話になった皆さま、ありがとうございました。

 

No.3790  残雪期の五竜岳山行

2019年4月27日(金) 夜発~29日(月)*テント泊P

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 【メンバー】

CL土井司、SL高橋秀治、鹿嶽眞理子、小前竜吾、TW、YN     計6名

【記録・感想】61期 小前竜吾

4月27日(土)

京都20:00=(名神高速)=20:45草津SA=(中央道)安曇野IC=25:00 道の駅「安曇野松川」幕営

 28日(日)

道の駅「安曇野松川」6:30=7:30エイブル白馬五竜(車デポ) 五竜テレキャビンとおみ駅8:20-8:30アルプス平駅 (アイゼン装着)~9:10 地蔵の頭~10:50小遠見山~11:30中遠見山~12:20大遠見山~13:30 標高2170mあたりに幕営

 29日(月)

幕営地4:00~4:40西遠見山~5:45五竜山荘~6:50 標高2630m鞍部 これ以上の登頂は危険と判断し小休止後下山開始7:25五竜山荘~8:30幕営地 雪のテーブルにて朝食を取った後に幕撤収 10:10~12:10地蔵の頭~12:30アルプス平駅12:50-とおみ駅14:00=14:20 手打ちそば山品 15:20=安曇野IC=20:40草津SA=21:10京都

 

五竜と言えば険しい山という認識と私の名前が竜吾なので必ず踏まなければならない山と思っていました。土井Lより企画を伺ったので、即答で参加表明させていただきました。山と高原の地図にてルートを確認しイメージをインプットしていると、2日前に八方尾根から唐松岳をピストンした知人がおり、計画ルートを説明すると「かなりやんちゃですね(笑)」と回答がありました。五竜山荘を越えたところで下山ハイカーに「私たちは敗退ですよ」と聞いた際にやっと回答の意味が分かりました。噂通りの険しい山であり、私にはクリアする術がない事を突きつけられます。夏山でもなかなか難しい登頂と聞いていますが、まず夏山から再チャレンジしたいと強く感じ、準備を進めていきたいと思います。同行いただきましたメンバーに感謝申し上げます。

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【感想】57期 TW

お天気と景色、メンバーのみなさんに恵まれ、自分の実力不足を助けてもらった山行でした。出発日から体調が悪く、アップダウンが多く長い遠見尾根に苦しみましたが、中遠見を過ぎた辺りから五竜岳の迫力ある武田菱や、鹿島槍の双耳峰が間近に見えて、晴れ晴れした気持ちになりました。また予定よりも手前に幕地を決めていただき、早めに就寝できた事で2日目は元気に行動できました。メンバーの皆様には申し訳なかったのですが、リーダーのご判断は本当にありがたかったです。

出発前に会のHさんから「残雪期の五竜は初心者の山とちゃうで、気を付けてね」とアドバイスをもらっていましたが、ピークに近づく程その言葉の通り、五竜岳はきびしい山だなぁと実感しました。白岳までは踏み跡のはるか上にある雪庇の大きさにビビりながらも進めましたが、山頂直下の雪壁トラバースは見るだけでも恐ろしく、先へ行く気になれませんでした。天気もよく、風もほとんどない絶好の状況でしたが、ハッキリと私の実力では無理だと感じました。頂上付近を見上げると大きな荷を背負い、ダブルアックスで切り立った雪壁を慎重に登る登山者がくっきりと見えました。やはり冬山はえげつない、でも私ももっと雪山登山の総合力を高めて、頂上からの景色を見てみたいと強く感じました。ピークを踏むことは出来ませんでしたが、この五竜岳山行が平成最後の登山として、次に繋がる良い締めくくりになったと感謝しています。土井リーダー、高橋さん、細やかなお心遣いを頂き、どうもありがとうございました。鹿嶽さん、出発前から励まして下さり、ありがとうございました。晩ごはんの鯖缶鍋とっても美味しかったです。小前さん、Nさん、テントを担いでくださってありがとうございました。

 

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【感想】60期 YN

残雪期五竜岳山行、当初五竜岳など全く知らず、あまり深く考えず参加した。後から普通の山でなかったと思い知ることになる。テレキャビンとおみ駅からアイゼンを装着し先頭を任されていざ出発、無風で雲一つない空の下、地蔵の頭に着くとくっきりと武田菱を見せる五竜岳鹿島槍ヶ岳が最高の表情で見えてくる。あれに登るのかとワクワクしながら進むが、途中小遠見山を過ぎたあたりから左太ももに違和感を感じつつ歩いていたら大遠見山手前でかなり痛みだし歩けなくなる。雪山だからそんなに喉は乾かんやろと少ししか水分をとっていなかったからか、冬靴とアイゼンの重さに耐えるだけの筋力がなかったからかもしれない。鹿獄さんやWさんに助けられてなんとか幕営地まで辿り着く。少し休ませて頂き、先に幕営地を探しに行かれていたリーダーと高橋さんと小前さんが地面を掘り下げるのを眺めていると何とかましになり、切り出された雪のブロックを風よけに積んでゆく。自分が忘れた土嚢袋も使わないで済む立木の横に幕地を張られていたのには感心しつつ、申し訳なかったです。雪山のテント泊は初体験で水作りから色々と勉強になった。翌日は3時起床の4時出発で無風の中五竜山荘まで登る。パーティーの安全を考慮されやむなく撤退となる。最終的にピークは踏めませんでしたが、次回は実力をつけ計画のルートを踏破したい。アイトレや滑落停止の訓練もせず、鈍くさい自分を心よく受け入れてくださった土井リーダー始め、的確にアドバイスされる高橋様、美味しい鯖缶鍋を作って下さった鹿獄様,色々と助けて頂いたW様、話題の豊富な頼もしい小前様、大変お世話になりありがとうございました。

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【感想】53期 高橋秀治

「今年の残雪期は五龍岳です。」の発言で、早速に五龍岳についてググると、「トラバース」と「雪庇」に要注意の表現が多く気になる。さらに計画書には、ピストンでなく唐松岳縦走とある。不安と縦走ができた時の充実感とが混在した気持ちで当日を迎えました。

スキーやスノボーを担いだ人混みに混じりアルプス平に到着。五龍岳や鹿島槍のカッコ良さに見とれてスタート。地蔵の頭を過ぎ、遠見尾根を進むにつれて、切れ落ちたナイフリッジが出現し、これはやばいとアドレナリンが出てくる。

中遠見山を過ぎたあたりから、前方に急登の西遠見山がはっきりと見え、白岳直下のトラバースルートも見えてくる。ここをテント装備を担いで這い上がるのかと想像すると、「無理」の単語が頭をよぎる。リーダーから、「大遠見山付近で幕営します。」と告げられ、一安心となりました。夜半に目が覚めてテントから抜け出すと、眩いばかりの大町の夜景と星空で明日の登頂の不安より期待が勝りました。しかし、五竜山荘から先は、アイゼンとピッケルで確保して一歩一歩慎重に急斜面のトラバースを進みます。そして、先行しているパーティーが雪壁をトラバース通過している様子を見て、リーダーが登頂を断念。コルであえて残念な表情をして記念写真を撮り、幕営地に戻り、快晴の下での遅い朝食となりました。

土井リーダーとは、1月の甲斐駒岳登頂、2月の赤岳から硫黄岳縦走と厳冬期の山行きを楽しみましたが、今回は残雪期ではありましたが、一番こわかったです。しかし、毎度ながら、土井リーダーの判断力と山に対する造詣の深さには頭がさがりました。ご一緒頂いた皆様ありがとうございました。

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【感想】56期 土井司

今年は残雪が多く雪庇に気をつけるよう白馬五竜のパトロール隊の方に注意喚起され遠見尾根を登った。地蔵の頭からはっきりと武田菱が見える。あれが目指す五竜岳だと気持ちが高揚し、まだ一面雪世界の急登を登る。晴れ渡り真っ青な空、真っ白な山々、気温は寒くもなく暑くもなく風もなく最高の景色と最高のコンディションである。これだけで今山行の満足度は30%をクリア。当初は長い遠見尾根を登り五竜山荘のテン場で幕営の予定であったが諸事情により大遠見山を越えたところでの幕営に変更した。が、これはこれで正解であった。この付近では我々以外にも数パーティー幕営しており、皆とる行動は似たり寄ったりという事であろう。この時点で八方尾根下山はあきらめ遠見尾根のピストンとした。

翌朝五竜岳の頂上をめざし暗いうちから出発。暗い中に堂々たる五竜岳の雄姿がうかぶ。一歩一歩近づくにつれ少しずつ明るくなり一層山が迫ってくる。太陽が顔を出すと山域全体がモルゲンロートで赤く燃え輝く。素晴らしいの言葉しか出てこない。白岳直下の急登を登りきると山荘に到着した。すでに多くのパーティーがアタックをかけておりピークを目指している様子が見える。我々も後を追ってアタック開始する。途中、下山者に話を聞くとピーク直下のトラバース道はかなり危険であり一旦第2峰へ登り、そこから頂上を目指した方がよいとのアドバイスを受ける。しかし我々はロープを持参しておらず、よじ登ったとしても下山がかなり難しいと判断しトラバース道手前で引き返すことにした。尚、アドバイスをくれた登山者も頂上はあきらめたとの事であった。頂上での万歳写真ではなく、途中での頂上をバックの残念写真撮影に切換え下山した。

あまりに天候が素晴らしいので幕営地まで戻りテント横にテーブルをつくりそこで遅い朝食をとった。五竜岳のバックと降り注ぐ太陽の下での食事は最高においしい。

今回頂上は踏めませんでしたが、それでも充実した素晴らしい山行でした。ご一緒いただいた皆さんありがとうございました。来年はもう少し雪の少ない時期にリベンジしますので是非ご同行下さい。

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