京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3814 読図合宿 丹波自然運動公園〜綾部・四つ尾山

2019年10月5日(土)~6日(日)

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【メンバー】CL江村一範、吉田史和、YK、岸田侑子

【行程】10/5(土)京都〜丹波自然運動公園〜綾部市・栄温泉 うし乃湯〜蒼鳩庵

10/6(日)蒼鳩庵〜綾部市市民センター〜四つ尾山〜綾部市市民センター〜栄温泉 うし乃湯〜帰京

【記録・感想】59期 江村一範 

(山行の目的)

10月のはじめに読図例会ならぬ読図合宿を行った。大学の部活動ならともかく山岳会で読図のための合宿をやるのは珍しいように思う。発端は2019年の全日本オリエンテーリング大会。今年は滋賀の比良山麓で行われるというので、皆でエントリーして大会までにトレーニングしようと私1人だけで盛り上がっていた。

エントリーだけは済ませたものの日々の忙しさからなかなかトレーニングはできず、慌てて大会の1週間前に2日かけて読図トレ例会を設定した。場所はオリエンテーリングの施設とオリ用の地図が揃っている所を探した。京都オリエンテーリング協会のホームページに京都府内の公認コース一覧が載っているのでそこから探す。

http://www.orienteering.com/~kyotofu/index.php?category=pc

すると丹波自然運動公園によさそうなコースを見つけた。

http://www.orienteering.com/~kyotofu/rsc/other/pc/8_a.pdf

普段は丹波まで遠征する事もなかなかないので1日目はそこに決定。その日の夜は、綾部の民泊「蒼鳩庵」に泊まり、翌日は綾部市内の四尾山のOLコースを巡る事にした。

いろりの宿 蒼鳩庵

https://sokyuan.com

結局、全日本オリにエントリーしたのは私だけだったが、合宿には山岳会の若手3人が参加してくれた。 

【1日目 丹波自然運動公園】

9時に洛西口駅前に集まり車で出発。丹波まで1時間ほど。道中に丹波ワインの看板を見つけて今回の山行にワイナリー見学を盛り込まなかった事を後悔。ともかく10時半頃に自然運動公園に到着。広場にてまずは座学から始める。

今回の参加メンバーは私以外オリエンテーリング未経験者。コンパスの使い方から始まり、オリエンテーリングのルール説明を行う。山座同定のやり方に苦心するも時間をかけてなんとか皆ができるようになった。

近くのコントロール(ポイント)まで山座同定をして移動して地図と実際のスケール感の違いを体感してもらう。

そこからは各自で公園内に設置されたコントロールを巡って貰うことに。

オリエンテーリングのルールならば数字の順番どおりに取得しなければならないのだが、今回は初心者が多いので自由にコントロールをまわるロゲイニングの形式にした。 

時間は正午に設定しスタート。各々散らばっていく。公園内のポイントは殆どが簡単なもので、子供でも楽しめそうなものばかりだった。

実際、学校の先生と思われる方達が下見をしていた。

だが途中どうしてもポイントがわからないコントロールがあり、他のメンバーと手分けして探してもなかなか見つからない。一度はあきらめて別のコントロールを探しに行ったが、気になってもう1度戻ると斜面の死角に隠れていたコントロールが見つかった。

これぞオリエンテーリングの醍醐味だなと痛感していると残り時間はほぼ無くなり、急いで帰りの道中で巡れそうなコントロールだけ巡った。

正午に戻ってきたが、少し時間が足りなかったようで全員公園内のコントロールは全部巡れなかった。

そこから公園内のレストラン「ラフレシール」に移動して昼飯を食べた。値段がお手頃で一同満足。

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そこから綾部に移動し、本日の宿の蒼鳩庵へ。山岳会の先輩にしてオーナーの四方さんに出迎えていただく。蒼鳩庵は古民家を改装したとても居心地のいい宿。荷物を下ろして家の中を案内してもらい、四方さんの山の思い出話を聞く。

時間はまだ15時。お土産に持っていったごま豆腐を四方さん夫妻と皆で食べて、日向ぼっこしながら思う存分ゴロゴロする。夕方頃に買い出しと駅前の温泉に入りに出かけた。

綾部駅前の栄温泉 うし乃湯でお風呂に入った後、近くのスーパーで晩飯とお酒の買い出し。夜は自炊することになっていたので、大きな囲炉裏を皆で囲んで宴会。サンマやサザエなど秋の味覚を堪能し、就寝前に各自持ち込んだボードゲーム「CLUEDO」と「DOMEMO」で盛り上がった。

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【2日目 四つ尾山】

7時に朝ごはんを食べて、残ったご飯を昼飯用のおにぎりにした。この日の読図トレは四つ尾山の公認コースで行う。

四つ尾山 健脚コース 詳細

https://www.ayabe-kankou.net/experience/orienteering.html

四つ尾山は綾部市街に近い標高287メートル程の低山である。昨日の公園のコースは人工的につくられた公園内にあったが、今回の自然のロケーション中にコントロールが設置されているのでより実践的な能力が必要と思われる。

今回は2人ずつにチームを組み、順にコントロールを巡る事にした。

9時に綾部市市民センターから出発し、麓の若宮神社境内にある1番のコントロールから山中へはいっていく。とはいっても基本的には登山道沿いにあるので前半はそれほど難しくは感じなかった。

山頂の3番のコントロールを取得して、どうやって麓のコントロールに降りようかと思案していると、結局もう1チームと合流して4人で行動することにした。

山頂から西側の麓4番のコントロールに行くには、北西の登山道を行くか、西側の途切れ途切れの登山道をおりるかの2つ。北西登山道の方が地図上では登山道は繋がっており確実ではあるが、遠回りになるので西側の波線の登山道を降りる事に。

昨日習得した山座同定をして皆で山を降りていく。

ところがこの西側の登山道がなかなかの急傾斜で、降りるのに難儀した。踏み跡も薄くバリエーションに近い。麓に下りるつもりが川にぶつかりなんとか渡渉できるところが無いか、川沿いを彷徨い歩いた。結局、北側登山道を歩いた方が近かったが、ロゲイニングやオリではよくある事である。

最後、川を渡渉して集落に合流してほっとしていると、ダンボールを被った人とそれをGopro(カメラ)で撮影している2人組が居た。何事かと聞いてみるとYoutuberらしかった。

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下山してYoutuberの撮影に立ち会えるとはなんとも令和的な展開で得した気分になった。その後は麓と町中のコントロールを取得して13時過ぎに元の綾部市市民センターに戻った。

帰りに栄温泉 うし乃湯に立ち寄って風呂に入り、遅めの昼ごはんを食べた。16時には洛西口に戻り解散した。

今回は1日目に読図の座学と基本をやってから、2日目の低山でより難しく実践的な読図を行えたので、読図の知識だけではなく実地での経験により深く習得できたと思う。

2日目の四尾山のバリエーションが不安を覚えるくらいの歩き応え・読み応えがあったのも良かった。

全体的なスケジュールを緩めに設定したので、蒼鳩庵でもゆっくりまったり過ごす事も出来た。

残念ながら翌週の全日本オリエンテーリング大会は台風により中止となってしまったが、読図合宿だけでも良い経験となった。

京都府北部の山はなかなか行く機会が無いのでまた蒼鳩庵をベースに読図合宿をやりたいなと思う。

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【感想】58期 吉田 史和

2日間にわたり、基礎から丁寧にご指導、また、実践いただきました。

OLの地図は、普段見ている地形図とは記号や記載内容、縮尺が違い、なかなか苦戦しましたが、読図の重要さを再認識するとともに、地図読みの面白さ、奥深さも感じるとることができました。

宿泊した四方さんの古民家民宿では、立派&素敵な囲炉裏で、食事をさせていただき、良い思い出となりました。開館から10年以上になるようで、飾ってあった過去の宿泊者の写真の中に、当会のベテランメンバーのものもあり、若かりし姿(?)にほっこりしました。

なかなか稀な例会でしたが、ワイワイ楽しみつつ、押さえるところしっかり押さえ、各自のレベルアップに繋がったと思います。リーダーの江村さん、ありがとうございました。 

 

【感想】60期 YK

読図をしっかりマスターしたいという気持ちはあるものの、整地も忘れかけている2回目の読図例会。座学もしっかりしていただき、丹波自然公園のコースで腕ならし。歩いたので半分しかとれなかったのはいいとして、集合場所に戻る時に普通に道に迷ったのは情けなかったです。2日めは四つ尾山のコースをチームで歩きましたが、山の起伏を見ながら歩けたのがよかったです。2日連続の読図+座学で知識が定着し、もうさすがに整地を忘れることはないだろう、と思えました。引き続き目と腕を磨いていきたいです。また今回は囲炉裏の宿・蒼鳩庵に泊めていただけたことが素敵な思い出となりました。秋の味覚、四方さんの山のお話、いろんな生き物、ボードゲームなど、皆さんとゆったりした時間を楽しめました。秋の訪れを楽しめた癒しの例会でした。

 

【感想】62期 岸田侑子

私にとって、初めての読図でした。

初めてコンパスを使うため、その使い方を一から教えていただきました。

1日目の丹波自然公園、2日目の四つ尾山と、2日連続の読図合宿で、やっとコンパスとお友だちになれた気がします。

2日目の山での読図で、実践的に学べたのが良かったです。

地図の距離と、実際の歩行距離がいまいち繋がらないままですが、少しずつ学んでいけたらと思います。

夜は四方さんのお宿に泊めていただきました。秋刀魚やサザエなど、囲炉裏で秋の味覚を堪能しました。夜のボードゲームも楽しかったです。また機会があれば、遊びに行きたいなぁと思います。

みなさま、2日間ありがとうございました。

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No.3809 甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・栗沢山

2019 年9 月14 日(土)〜16 日(月)

 【メンバー】 CL平川暁朗、SⅬ鹿嶽眞理子、TW、YN、YK、岸田侑子  会員6名

【行 程】

9/14 長衛小屋(8:00)-双児山(9:45)-駒津峰(10:40)-甲斐駒ヶ岳山頂(12:05)-駒津峰(13:56)-双児山(14:24)-長衛小屋(15:57)

9/15 長衛小屋(7:30)小仙丈ヶ岳(10:05)-仙丈ヶ岳山頂(11:55)-仙丈小屋(12:20)-馬の背ヒュッテ(12:55)-長衛小屋(15:20)

9/16 長衛小屋(3:10)-栗沢山(4:50)-長衛小屋(6:20)

 

【記 録】59期 平川暁朗

昨年も同様の内容で例会を立てていたが、天候不良により中止としていた。秋の三連休は台風とのせめぎ合いもあり中々ままならない。だが今回は上手く間隙を縫うことができた。

初日の仙流荘にはバス待ちの長蛇の列。私は悠長に車中で仮眠を取っていたが、トイレへ立ち寄ったメンバーが心配の声を上げて予定より早く並んでくれた。それでも若干出遅れてしまったようだ。バスは一通り出発してしまい、回送して戻ってくるまで時間がかかったので、結局予定の時刻よりも遅い出発となってしまった。私が乗り込んだのは補助席の一番先頭だったが、これはこれで景色がよく当たりだと感じた。運転手さんもこなれた感じで周辺のガイドをしながらバスを走らせてくれた。長衛小屋のテン場はハイシーズンともあり満員御礼だったが、無事に6テンを張ることができた。

予定より遅れたが、甲斐駒ヶ岳へ向け出発した。序盤は樹林帯だが、低山とは違い苔の繊細な姿が楽しませてくれる。双児山を過ぎると徐々に展望が開けてきて、駒津峰まで来ると甲斐駒ヶ岳花崗岩質の白い山肌が眼前に迫る。その存在感は主峰北岳にも劣らない。山頂へのアタックは直登か巻き道かでしばし議論になったが、結局皆で直登ルートを進んだ。手がかりは多いが、間違って落ちれば軽傷では済まないので慎重に登る。皆無事に登頂し、楽しんでもらえたことに一安心。好天に恵まれ気持ち良い景色だった。下りは巻き道を利用したが、やはりかなり渋滞があった。道もザレ気味なので慎重に。駒津峰からは仙水峠側へ下る予定だったが、メンバーに疲労も見られたので最短の往路と同じ双児山ルートをピストンした。

テン場に戻り夕食。メニューは鹿嶽さんのステーキ!山飯とは思えぬ豪華さ、背後を通る人からも羨ましがられた。運転からの登山でろくに眠れていなかったので、その夜はぐっすりと眠れた。

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▲豪華ステーキを黒船(鉄板)で焼く

 

二日目は南アルプスの女王、仙丈ヶ岳。朝食は岸田さんに用意してもらった親子丼で精をつけていざ出発。この日もよく晴れていて、遠くは穂高連峰まで望むことができた。メンバーの疲れもあり、予定していた大仙丈ヶ岳までは踏まなかったが、晴天下で百名山二座のピークを踏めて満足度の高い山行になったのではないかと思う。やはり仙丈のカールは美しい。下山後はYKさんプロデュースのクスクスカレー。初めてクスクスを食べたが、不思議な食感だった。軽くてすぐ作れるので山に便利なのだそう。

夜中の3時からは最後の締めにと用意していた栗沢山登山だったが、テントを出ると予報と違い小雨が降っていた。メンバーにどうする?と尋ねてみた。絶対に最低ひとりは行かないと言う人がいるものと考えていたが、予想外に皆やる気で全員で出発することに。だが途中で鹿嶽さんがかなり呼吸が乱れていたので、そのままだと他のメンバーのペースが保てなくなるので、Wさんにサポートを託して他のメンバーを連れ登頂を目指した。結果的には5時前には登頂。まだ日の出まで30分近くあり、完全に私の誤算だったが、皆思った以上に元気だったのは良かった。展望は生憎だったが、雲海に浮かぶ甲斐駒は絶品なので、機会があればまた登ってみてほしい。山頂付近でWさんと電話することができ現状を報告しあったが、鹿嶽さんの状態が思わしくなく、無理をすると怪我の原因にもなりかねないので下山を勧めた。登頂の意思がある人にそれを言うのは酷かもしれないが、余裕のない状態の人が滑落や遭難を起こしやすいことを経験上感じているので、その辺は私は厳しめに判断したいと考えている。

下山し撤収した後は仙流荘で風呂。駒ヶ根ソースカツ丼と信州そばの王道コースを堪能し帰京した。

トラブルがなかったわけではないが、比較的安全なこのルートで、標高もあり、連泊し、色んな路面や時間帯のハイクを経験してもらえことは、アルプス登山の入門編としては十分すぎる内容だったのではないかと思う。

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甲斐駒ヶ岳山頂への直登

 

【感想】57期 TW

甲斐駒ヶ岳から見た仙丈ケ岳の優美な山容が印象的で、今回の例会に参加しました。両日とも快晴。南アルプスの女王と南北アルプスの貴公子、2つの山に登れ素晴らしい景色を楽しめました。

どちらの山からも、北岳八ヶ岳、富士山、鳳凰三山御嶽山など、山界のスター選手を一度に見ることが出来、感動しました。仙丈ケ岳は山頂近くのカールが特に美しくて、ドレスのドレープのように見えました。また、各日の共同ごはんにはステーキ・親子丼・クスクスと豪華で女子力の高いメニューが並び、お腹と気持ちが満たされるとともに、大変勉強になりました。

栗沢山には登れず残念でしたが、良い連休を過ごすことができました。平川リーダー、ご一緒くださった皆さま、お世話になりありがとうございました。

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▲薮沢カールと仙丈小屋

 

【感想】62期 岸田侑子

今回の例会で2回目のテント泊でした。甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳、栗沢山と、毎日素晴らしい山々に登れてとても贅沢な経験をすることができました。体力的に、ハードな山行でしたが、皆様のサポートのおかげで乗り越えることができました。必要十分量のお水と食料が重要であること、岩の登り下りのコツ、テントの準備方法など、学びがたくさんありました。また、甲斐駒ヶ岳のごつごつした岩場、仙丈ケ岳の緩やかに続く登り道など、近くにありながらも山の様子の違いに、面白いなぁと感じました。富士山と北岳のコラボ、北アルプス八ヶ岳など錚々たる顔ぶれを一望でき、感無量でした。こんなに素晴らしい景色が見れるなんて、本当に天気に恵まれた2日間だったと思います。3日目の栗沢山は、雨の中の登山でしたが、山頂でのおぼろ月と、甲斐駒ヶ岳のシルエットが美しかったです。

夕食のステーキ、クスクスカレー、とっても美味しくて心も体も満たされました。次の山行のエネルギーになりました。山ご飯の作り方、保存方法、軽量化など皆様のアイデアがとても参考になりました。

リーダーの平川さんをはじめ、皆様大変お世話になりました。とっても楽しい3日間を過ごすことができました。

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▲雲海に浮かぶ鳳凰三山と富士山

 

【感想】60期 YK

ベースキャンプから、日本百名山2つプラス、南アルプス天然水ロケ地の栗沢山に登れるというお得な山行。ボルダリングのように登る箇所がある甲斐駒(※巻き道コースもあります)、眼前に名だたる名山、眼下に美しいカールを眺めながら登る仙丈ヶ岳。富士山と北岳のツーショットなども見られ、山の紅白歌合戦のようでした(意味不明でしたらすみません)。栗沢山は霧雨のなかのナイトハイクとなりましたが、それはそれで嫌いじゃない感じでした。明日登る山や昨日登った山をあーだこーだチェックしながら登るのも楽しかったです。2泊3日ものテント泊を最後まで楽しめるのか?というのも個人的な裏テーマでしたが、おシャレな山ごはんを皆で食べられたおかげでとても楽しく過ごせました。天候にも帰りのソースカツ丼屋さんにも、恵まれた山行だったと思います。

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▲小仙丈沢カール

 

【感想】60期 YN

社会人になって登山を始めてから、一番に登りたいと考えていた山が甲斐駒ヶ岳だった。一昨年と昨年と9月に個人山行でのお誘いはあったが、その2回とも台風とか悪天候で中止になり、登山には魔の9月やなと思いつつ、今年は例会で計画された山行に3度目の正直と申し込んだ。当日の天気は雲一つ無い快晴、9月半ばなのにまだ暑い位だ。甲斐駒ヶ岳ピークでは北岳八ヶ岳穂高連峰、富士山まで見える最高の登山日和だった。2日目の仙丈ヶ岳もピークでは前日同様の快晴で有名なカール、威風堂々の甲斐駒始め、そこからの名だたる山々を一望できた。快晴もそうだが軽い荷物も気持ちを解放させてくれるようだった。3日目の栗沢山は最近までマイナーだったせいか、前2座に比べてあまり道が荒れておらず、静かに登山を楽しめるいい山だなと感じた。また朝夕の共同の食事ではステーキ、親子丼、クスクスカレーとどれも山で男子が作りそうにない美味しい料理を手軽に出来るよう工夫されていて大変勉強になった。メニューは事前に分かっていたので登るときは山、下山時は料理とその日の楽しみは2つあった。このような楽しい山行を企画していただいた平川リーダー始め、皆さんに感謝致します。

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▲甲斐駒や八ヶ岳を背に歩く

 

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仙丈ヶ岳山頂にて

 

【感想】54期 鹿嶽眞理子

この夏は台風等の諸事情もあり、初めて晴天に恵まれたアルプス連泊となりました。凛々しい甲斐駒ヶ岳と穏やかな仙丈ケ岳、どちらも素晴らしい景色に感動でした。甲斐駒ヶ岳は2度目でしたが今回は直登ルートで登れてよかったです。北沢峠がテン場なので、夕食のメニューをステーキにしてみましたが、メンバーに喜んでもらえたようで良かったです。翌朝の親子どんぶりも、2日目夕食のクスクスの野菜カレーも美味しくて、食に恵まれた例会でした。皆さんありがとうございました。

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▲クスクスカレー

 

No.3811新人合宿 比良ゆるテン泊

2019年9月7日(土) ~8(日)


【メンバー】
59期 江村一範(CL)、60期 YK、61期 近本かずみ、62期 波佐場春香、62期 岸田侑子、62期 筈井益夫

【行程記録】
9月7日 15:00イン谷登山口?16:20カモシカ台?17:15北比良峠?17:30八雲ヶ原(幕営
9月8日 8時半八雲ヶ原?10:30イン谷口(下山)

【記録・感想】 江村
9月7日 土曜日
テント泊をした事がない新人向けに比良山で軽いテント泊をしようという話になり、諸事情で夏の山の予定が総崩れとなっていた私にCLの御鉢が回ってきた。山や重さに慣れない新人も多いので、ピークハントよりテン泊自体に主眼を置いて、世にもゆるいテン泊を決行した。

土曜の昼過ぎに堅田駅で待ち合わせをし、スーパーで行動食や飲み物、晩飯の残りの食材を買う。 登山口となるイン谷口まで車で移動して、テントや食料・水など共同装備を分ける。 また比良の沢の水はあてにせず、共同用に一人1.5Lの水を持ってもらうことにした。
共同装備と水を分けると、ザックは全然ゆるくない重さになり(14キロ?17キロ)、新人の皆はパッキングに苦労していた。あれこれ外付けしたりギュウギュウに詰め込んで、なんとかザックに収まり予定通り15時にイン谷口を出発した。

出発するには遅い時間帯だが、今日の幕営予定地は北比良峠なので問題ない。
太陽の日差しも傾いてきているので、暑さも幾分かマシになってきた。
とは言え今までで一番重いというザックを背負っている新人の皆は、大量に汗を流した。
新人の中で一番先輩のYKさんは歩くフォームがとても綺麗で姿勢がぶれない。一番重い17キロを背負っている近本さんははじめ口数も少く背負うことに集中していたが、カモシカ台を過ぎたあたりから重さに慣れて笑顔も見られるようになってきた。

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こまめに休憩をとりながら17時15分に北比良峠に到着。

だが北比良峠は風をまともに受けるので幕営地としては今ひとつ。風を避ける場所を探していたら結局八雲ヶ原まで降りてきてしまった。この時点で17時半。
ヤクモ池の付近には既に3?4張くらいが貼られていて、今にも寝ようかという雰囲気。 そこから南へ少し離れた林の中でテントを貼る事にした。

日没が近づく薄暗がりの中、共同装備の4テンと個人で持ってきた2テンを2つ貼った。 落ち着く間もなくヘッデンをつけて晩飯を作りはじめた。
メニューは以下の通り。

・プルコギ
・松茸風炊き込みご飯
・油揚げのパリパリチーズ焼き
・インスタント味噌汁
・アボカド・ディップ

まずはご飯の準備。
炊飯用のメスティンにお米2合とエリンギと松茸のお吸い物の素を投入し、固形燃料に点火。あとはほっておくだけ。
炊飯を待っている間に油揚げを切って中にスライスチーズと韓国のりを挟んでコッヘルで焼く。
こんなに簡単なのにとても美味い。
ビールで乾杯をして、つまみのアボカド・ディップを作る。 アボカドを切って、クリームチーズとコンビーフを混ぜるだけ。クラッカーに載せて食べる。
続いてメインディッシュのプルコギを作る。 家で酒とコチジャンで漬け込み冷凍してきた牛肉は良い感じに解凍されていて、切ったパプリカやエリンギともやしを炒めてから牛肉を投入。肉が焼けてきたら最後に焼き肉のタレをかけて仕上げる。
ご飯が食べたいと蒸らしていたメスティンを開けると、固形燃料が小さかったらしく米の芯が残っている。
水を足してガスバーナーでリベンジ炊飯。15分後、ホクホク松茸ごはんもどきが出来上がった。

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最後はプルコギの焦げとタレが残ったコッヘルで湯を沸かし、それでインスタント味噌汁を作った。
これが美味しくて、プルコギを漬け込んだ酒・コチジャンと味噌が混ぜ合わさった絶妙な味わいの味噌汁だった。


そういえば波佐場さんのリクエストでオイルランタンを持ってきていたので点火する。 山でこんなに嵩張り重いランタンは持ってきた事がない。こういうゆるい山行だからこそ持ってこれた道具だと思う。
だが淡く温かい感じのするオイルランタンの灯りはとても綺麗だった。
食事後、YKさんがホシガラス山岳会のエッセイ集を持ってきていたので、
ランタンの灯りを頼りに波佐場さんが朗読を始めた。
暗闇に響く波佐場さんの声とランタンの灯りは、ほろ酔いの私達の胸を打った。
こんな文化的(?)なテン泊は初めてだ。朗読とランタンめっちゃ良いと誰かが独りごちた。酒もまわってきて皆良い感じにゆるくなってきた。
20時を過ぎてそろそろ就寝しようと各自テントに戻った。

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9月8日 日曜日
6時に起床。昨夜はテントに引っ込んでから雨が振り始め、一晩中テントを雨粒が叩き続けた。

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朝になって雨量はマシにはなってきたが、まだ止む様子はない。
タープを張ってそこで遅めの朝ごはんを食べる。
朝ごはんは鯖サンドとスープとサラダ。鯖サンドはセブンイレブンで買った鯖の塩焼きとカット野菜とレモンをパンで挟んでマヨネーズで味付するだけ。3年ぶりに作ったがやっぱり美味しい。 昨日の余った食材でオシャレなサラダを作る岸田さんのアドリブ力に感服する。
食後に筈井さんが慣れた手付きでコーヒードリップにお湯を入れてくれた。その姿が妙に様になって皆から「マスター」と呼ばれていた。

この日は武奈ヶ岳に登る予定だったが、この時点の雨雲ではどうも山頂に行っても展望が拝めそうにない。
今年、さんざん山で雨に振られていた私は下山を決意。最後までゆるい山行を貫くことにした。
結果、後は下りるだけとなり、気が楽になったのか皆余力たっぷりに元気よく降りていった。

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10時30分にイン谷へ下山。あんなに厚かった雨雲はどこかへ消え、私はピーカンの青空を恨めしそうに見上げた。
帰りに「比良とぴあ」の温泉で汗を流した後は、近くにある「豆腐レストラン 花のれん」でお昼ご飯。800円でランチとデザートとコーヒーまでついてくる大盤振る舞いっぷりに驚く。比良とぴあの帰りには是非よっていただきたいレストランである。

今回は力の読めない新人が多いこともあって、あえてテン泊だけに絞ってルートも短く、武奈ヶ岳さえもカットした山行だった。だが縦走級のザックの重さと雨のテン泊だけでも新人達にはいい経験になったと思う。
また普段の山行ではできない巨大オイルランタンや読書会など違った嗜好をおおいに楽しめた。下山して時間と余力が残っている状態というのもとても良い。そしてそれを叶えてくれる比良山系はパラダイスである。
またこんなゆる―い山行をやりたいと思う。 (了)

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【感想】60期 YK

昼過ぎから買い物して比良山に登るというのんびり山行、のつもりがテント泊なのでやはりボッカ並みの重さになりました。いい汗をかいた後に、八雲ヶ原で楽しく山ごはん。仕込みは全てリーダー任せで申し訳なかったですが、プルコギなど豪華メニューはどれも美味でした。私もですがテント泊初心者のメンバーが多く、経験豊富な江村リーダーと筈井さんにいろいろ教えていただく山の教室みたいでした。次の日は雨模様だったので鯖サンドをいただいたら即下山。武奈にも登らず読図もしてないけど、雨で大変だったしまあ、いいか。「山に登ったあとはいい顔になるよね」と話していましたが、今回も次の日は心身ともに元気になっていました。また山の話やその他の話をしながら、楽しくテント泊経験が積めたらよいなと思います。

 

【感想】61期 近本かずみ

今回はテント泊デビューの記念すべき山行でしたが、いざ荷物を準備するとザックに入りきらない!?これはヤバイ!!こんなスタートとなりました。
ザックの重さに四苦八苦しながら無事八雲ヶ原に到着。江村リーダーの指示のもとテント設営から食事の準備などを行い、ワイワイ話をしながら楽しい時間を過ごすことができました。プルコギ風味の味噌汁は絶品でした。朝起きると夜の雨と結露によりテント内はかなり濡れており、持ち物を濡らすというテント泊の怖さも体験しました。
今回の山行でいろいろな事を経験でき大きくレベルアップできたと思います。それも江村リーダーの入念な準備と的確な指示のおかげだと思います。本当にありがとうございました。参加された皆さんとも笑いの絶えない時間を過ごすことができ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。


【感想】62期 波佐場春香

当日は暑すぎず気持ちのよい天気、イン谷にて既に木々は美しく、期待が膨らみます。

登りは先頭を歩かせていただきました。歩いて20分ほどでなぜか腰が痛くなり、YKさんからパッキングがよくないのではないかとのアドバイスをいただきました。出発前、寝袋を外付けにしようとして水がバックパックの一番下に来ていたことに気付きました。江村さんに重いものが背中の中心に来るよう、詰めなおしていただいたところ、背中全体で背負えるようになり、快適に歩けました。ありがとうございました!

時折風を感じながら、川を越え、峠を越え、琵琶湖を望み、八雲ヶ原へ。

テントを張ったらごはんの準備です。山行の2日前に読んだ某登山マンガにメスティンが登場し、炊飯を楽しみにしていました。マンガのとおり固形燃料をセット、火が消えたら後は蒸らすだけ、、、のはずがまだ水分が残っており追い炊き、何度か様子をみていただいて炊き上がった松茸風ごはんは、ほかほかでとても美味しかったです!

夜。オイルランタンの灯りは暖かい色で、暗い森を照らします。揺れる火を囲みお酒を飲んでお話して過ごします。灯りの下、YKさんの持って来られた山の本で朗読会。ぽつぽつ雨が振り出し、テントへ、、、

山を降りるのが惜しくなるくらい、楽しい2日間でした。たくさんの準備や臨機応変な対応、気遣いに触れて、学ぶことが多くありました。ご一緒いただいた皆さま、ありがとうございました!


【感想】 62期 岸田侑子

初めての例会に、初めてのテント泊でした。
現地で共同装備を分け合って、ザックを計量すると13~14㎏程の重さに。この重さを背負うのは、私にとって初めての体験でした。ずっしりくる重圧に、途中でへばらないかな…と不安もありながら山行がスタートしました。
夕方出発ということもあり、心地よい風が吹くのと、林道に癒されながら登りました。慣れない重さで、肩に食い込む感じがありましたが、近本さんをはじめ、他のメンバーさんが重たい共同装備を運んでくださったおかげで目的地までたどり着けました。みなさん本当にありがとうございます。YKさんのぶれない歩き方を真似したいです。
夕食はどれも美味しくて、お腹も心も満たされました。プルコギの汚れを落としつつ、沸騰したお湯で味噌汁を作るというアイデアを初めて知りました。うまみ入りで美味しいし、山は汚さないし。新たな学びでした。オイルランタンの元でのプチ朗読会、心地よく楽しい時間でした。真っ暗な中、わいわい楽しい時間を過ごせました。
そしてその夜はずーっと雨。雨音は心地よかったのですが、マットの中でのポジショニングがなかなか難しく、初テントで熟睡はできませんでした。しかし睡眠時間が長かったので、次の日に寝不足にはなりませんでした。テントの中で荷物をうまく配置できるかも、次への課題となりました。
朝起きるとテント内のシートに水たまりがたくさんできていて、びっくりしました。結露、そして雨の中のテント、恐るべし。
朝ごはんは江村さんこだわりの鯖サンド。レモンのアクセントが美味しかったです。森の中でのコーヒー、贅沢な時間でした。
雨のため武奈ヶ岳登頂と読図は断念し、下山しました。下山後の昼食は江村さんお勧めの「花のれん」です。豆腐のコロッケ、田楽、どれも美味しくて美味しくて。比良に行ったときにはまた食べに行きたいです。(白ご飯もびっくりするくらい美味しかった…)
比良の山の魅力を感じ、新たな発見いっぱいの山行でした。江村さん、新人ばかりの山行でしたが、最後までありがとうございました。そして皆さんとご一緒できて、終始楽しい時間を過ごすことができました。またご一緒できたら嬉しいです。

 

【感想】62期 筈井益夫
台風の影響を心配していましたが、当日は快晴で逆に熱中症の心配をする事となりました。そこそこの重量の荷物での登山、全身汗ビッショリとなりながらも全員無事目的地に到着。夕食はリーダー江村さんのこだわりの献立、とても美味しくそして楽しく頂くことができました。野外ではいつもスピード重視での食事に慣れている私にとって、ちょっと戸惑うところもありましたが、とっても良かったです。
比良山頂付近は、下界は快晴でもガスっていることが多くあり、当日はまさしくそれでした。雨天での朝食・撤営と良い経験になったと思います。最初から最後まで、みんなでワイワイと楽しく過ごせたユル泊。初心者5人を引き連れた、リーダーの江村さんは大変だったと思いますが、本当にありがとうございました。

 

〈個人山行〉大山 甲川 沢登り

2019年8月30日(金)~31日(土)

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写真:ゴルジュを力合わせて突破

 

【メンバー】CL: AT、上坂淳一、

秋房伸一、TW、石田晃司 会員5名

【行程】

30日(金):ファミリーマート山科三条通店20:00=(鳥取道)=23:30道の駅「琴の浦」仮眠

31日(土)晴 6:30起床=鶯橋(入渓)8:50~9:43天王滝~二股(遡行終了)17:55~19:00デポ地=大山寺(入浴)=(米子道)=蒜山SA(食事)21:20=24:00京都

 

【記録と感想】52期 秋房伸一

 中国地方では屈指の沢といわれる甲川(きのえがわ)。

台風の影響を勘案して、日帰りに変更。結果的に日帰りで良かった。泊まりの荷物を背負っての遡行になると、一層シビアだっただろう。クルマ2台で、1台は遡行終了予定地点から詰め上がった開拓地の林道にデポ。スタートは鶯橋。

 天気は快晴だが気温は低い。一昨日まで降雨が続いていたはずなので、水量を心配したが、さほどでもない(初見なので通常との比較はできないが)。入渓すると谷が狭くて空も狭い。日光が差し込まず、暗く冷たい渓という印象。

 天王滝までは、サクサク進み、この調子だと案外早く抜けられるかと思ったりしたが、その後は厳しいゴルジュの連続。流れが早く、水深は浅くとも脚をすくわれそうになる箇所もしばしば。高度感はさほどないものの、落ちたら怪我をするのは一定の高さ以上では同じなので、シビアなシーンが続く。高巻きはせず、基本、水線沿い突破で進んだ。

 リーダーが泳いで取り付き、微妙な壁面をフリーソロで突破してロープをセット。石田さんがセカンドで登ってお助け紐も垂らして、後続はロープで確保されながら、お助け紐も全面的に活用、というか石田さんに引っ張りあげてもらい、なんとか突破する、上坂さんが装備回収を引き受けラストを固めるというパターンが続いた。お助け紐を必死で掴んだので、帰宅後、指の皮が剥けていることに気づいた。

 沢の師匠である上坂さんもおり心強い。TWさんもパーティーの雰囲気を明るくする力があり、険しくシビアな沢ではあるが、それぞれの経験と力を結集して進むことができた。

 水温が低いと記録されていたので、各自普段よりも着込んでおり、「寒い」という声は聞かれなかったが、私の場合、下半身はいつもと同じだからか、寒さは感じなくても脚が冷えてか筋肉の動きが鈍くなり、これまで経験したことがなかった「脚が上がらない」「脚に力が入らない」という症状が出た。空腹になったことも影響していたかもしれないが。

 それにつけてもリーダーの突破力はすごく、無事遡行できたのは、なんといってもリーダーのお陰である。

 下ノ廊下を抜けて、平流となり、河原歩きで距離を稼ぎ、そろそろ「二俣(遡行終了地点)か」と期待しながら歩いていると、中ノ廊下が目の前に現れ、時間も押してきていたので、かなり危機感をもった。二股からの詰めは紀伊半島の沢と比較すると、たいしたことないが、一旦林道に出てヤレヤレと思って林道沿いに歩いていると林道が消失して再び笹をかき分けてGPSを頼りにデポ地を目指すことになった。とはいえ先頭を歩くリーダーには迷いはなかったようで、思惑どおり到着した。詰めの途中でヘッドライト点灯となった。

 遡行を終了して、これまでで一番安堵感が湧き上がった。無事に帰れてよかった。パーティーの皆に大感謝。

 

【感想】57期 TW

甲川は今年の夏の一番の思い出になりました。

今となっては素晴らしい景色ばかりが記憶にありますが、沢の中では、先の見えないゴルジュや白泡立ちまくる釜、いつ足を掬われてもおかしくない水圧。人の侵入を拒むような世界に体がすくんでしまいそうでした。エライところに来てしまった・・・と何度か思いましたが、リーダーが激流とゴルジュを突破されていく姿に心を励まさ れながら進みました。

ロープ、お助け紐、ショルダー、皆さんのサポートのおかげで何とか遡行できたわけですが、そんな危ない場所を通過する時の緊張感と達成感が強く残っています。

沢は危険だゴルジュは怖い、と思いながらも、次行くときは甲川の上の廊下の淵まで見たい、なんて気持ちになっています。我ながら複雑な思いです。もっと経験を積み、技量をあげたいです。

ATさんはじめメンバーの皆さまには何度も励まし助けて頂き、感謝しています。お世話になり、ありがとうございました。

 

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写真:まだ平和な天皇滝。この後、壮絶なゴルジュに突入

 

【感想】48期 上坂淳一

ひょんなことから勢いで参加させていただきました。

ガイドブックの片隅に載っていたけど、あまり興味の湧かなかった甲川。

西日本の山は馴染みもないし、大山エリアとはいえ本峰からは離れている。

地形図を見ても、終了点は平凡な峠。

実際現地へ行ってもインターから15分ほど。周辺は牧草地とかに囲まれ幽邃な雰囲気はない。

入渓点から天王滝までは、わざわざガソリン焚いてくるほどのモノはなし。頭の中は終了後の海鮮丼のことのみ、だった。  

しかし、である。板取然り、大峰然り、 誰が見つけたのか、 こういう何にもなさそうなところにある沢ほど、入ってみれば予想だにしなかった玄人好みの遡行が待ち受けているものだ。

天皇滝で川がなくなったかのように見えたが、滝つぼに近づけば右手から本流が流れ込んでいる。狭く深い下の廊下の始まり。

少なく思えた水量も、ゴルジュでは一点に集中し逆らうことを許さない。落差わずか1mあまりの小滝でリーダーの引いていったロープの動きが止まったかと思うとしばらくして流されているのが見えた。跳ね返されること三度ばかり、無理かと思ったところセカンドのショルダーで見事に突破、ファインプレーお見事。ほっとしたのもつかの間、次々と樋状の滝が現れる。水線には近寄れず側壁は完璧に磨き上げられて絶望的に見える滝ばかりだったが、リーダーがうまく弱点をついて突破してはお助け紐を出してくれたので、何とかついていくことができた。

そんなことを繰り返し、8月末の日足は短いこともあって、中の廊下を抜けたところで左岸にエスケープ。

一般的な沢登り(沢ルート経由の山登り)のイメージでは甲川はスケールの小さい沢に見えるが、こういう隠れゴルジュを売りにしているルートは核心部の100mだけで丸一日かわいがってもらえる。この日も日没まで粘ったはずだが、振り返ってみれば何かしていたのは下の廊下、中の廊下を合わせても500mぐらいだったのではないだろうか。やはりフランス語は簡単には身につかない。

時間切れで日本海の海の幸は味わえなかったが、沢の水を散々飲まされておなか一杯になった一日だった。

自分としてはずっと引っ張り上げてもらってばかりで、技術的に満足のいく遡行とはいえなかったが、全員が持ち場をこなして無事に通過していけたことで、甲川は大変思い出深い遡行となった。

リーダーをはじめ、ご同行いただいた皆様ありがとうございました。

 

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写真:ゴルジュを這い上がる


 

〈個人山行〉台高の沢 向流谷

2019年8月25日(日)  

【メンバー】TS、KM2(会員外)、TW  計3名

元会員のKさんと、奈良県天川村の向流谷(むくりゅうだに)へ沢登りに行ってきました。

さすがKさんおススメとあって、橋の崩落、写真に納まらないほど大きな滝、岩登り・・・冒険要素満載の沢でとても楽しかったです。

 

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KM2さん、TSさんどうもありがとうございました!