京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3809 甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・栗沢山

2019 年9 月14 日(土)〜16 日(月)

 【メンバー】 CL平川暁朗、SⅬ鹿嶽眞理子、TW、YN、YK、岸田侑子  会員6名

【行 程】

9/14 長衛小屋(8:00)-双児山(9:45)-駒津峰(10:40)-甲斐駒ヶ岳山頂(12:05)-駒津峰(13:56)-双児山(14:24)-長衛小屋(15:57)

9/15 長衛小屋(7:30)小仙丈ヶ岳(10:05)-仙丈ヶ岳山頂(11:55)-仙丈小屋(12:20)-馬の背ヒュッテ(12:55)-長衛小屋(15:20)

9/16 長衛小屋(3:10)-栗沢山(4:50)-長衛小屋(6:20)

 

【記 録】59期 平川暁朗

昨年も同様の内容で例会を立てていたが、天候不良により中止としていた。秋の三連休は台風とのせめぎ合いもあり中々ままならない。だが今回は上手く間隙を縫うことができた。

初日の仙流荘にはバス待ちの長蛇の列。私は悠長に車中で仮眠を取っていたが、トイレへ立ち寄ったメンバーが心配の声を上げて予定より早く並んでくれた。それでも若干出遅れてしまったようだ。バスは一通り出発してしまい、回送して戻ってくるまで時間がかかったので、結局予定の時刻よりも遅い出発となってしまった。私が乗り込んだのは補助席の一番先頭だったが、これはこれで景色がよく当たりだと感じた。運転手さんもこなれた感じで周辺のガイドをしながらバスを走らせてくれた。長衛小屋のテン場はハイシーズンともあり満員御礼だったが、無事に6テンを張ることができた。

予定より遅れたが、甲斐駒ヶ岳へ向け出発した。序盤は樹林帯だが、低山とは違い苔の繊細な姿が楽しませてくれる。双児山を過ぎると徐々に展望が開けてきて、駒津峰まで来ると甲斐駒ヶ岳花崗岩質の白い山肌が眼前に迫る。その存在感は主峰北岳にも劣らない。山頂へのアタックは直登か巻き道かでしばし議論になったが、結局皆で直登ルートを進んだ。手がかりは多いが、間違って落ちれば軽傷では済まないので慎重に登る。皆無事に登頂し、楽しんでもらえたことに一安心。好天に恵まれ気持ち良い景色だった。下りは巻き道を利用したが、やはりかなり渋滞があった。道もザレ気味なので慎重に。駒津峰からは仙水峠側へ下る予定だったが、メンバーに疲労も見られたので最短の往路と同じ双児山ルートをピストンした。

テン場に戻り夕食。メニューは鹿嶽さんのステーキ!山飯とは思えぬ豪華さ、背後を通る人からも羨ましがられた。運転からの登山でろくに眠れていなかったので、その夜はぐっすりと眠れた。

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▲豪華ステーキを黒船(鉄板)で焼く

 

二日目は南アルプスの女王、仙丈ヶ岳。朝食は岸田さんに用意してもらった親子丼で精をつけていざ出発。この日もよく晴れていて、遠くは穂高連峰まで望むことができた。メンバーの疲れもあり、予定していた大仙丈ヶ岳までは踏まなかったが、晴天下で百名山二座のピークを踏めて満足度の高い山行になったのではないかと思う。やはり仙丈のカールは美しい。下山後はYKさんプロデュースのクスクスカレー。初めてクスクスを食べたが、不思議な食感だった。軽くてすぐ作れるので山に便利なのだそう。

夜中の3時からは最後の締めにと用意していた栗沢山登山だったが、テントを出ると予報と違い小雨が降っていた。メンバーにどうする?と尋ねてみた。絶対に最低ひとりは行かないと言う人がいるものと考えていたが、予想外に皆やる気で全員で出発することに。だが途中で鹿嶽さんがかなり呼吸が乱れていたので、そのままだと他のメンバーのペースが保てなくなるので、Wさんにサポートを託して他のメンバーを連れ登頂を目指した。結果的には5時前には登頂。まだ日の出まで30分近くあり、完全に私の誤算だったが、皆思った以上に元気だったのは良かった。展望は生憎だったが、雲海に浮かぶ甲斐駒は絶品なので、機会があればまた登ってみてほしい。山頂付近でWさんと電話することができ現状を報告しあったが、鹿嶽さんの状態が思わしくなく、無理をすると怪我の原因にもなりかねないので下山を勧めた。登頂の意思がある人にそれを言うのは酷かもしれないが、余裕のない状態の人が滑落や遭難を起こしやすいことを経験上感じているので、その辺は私は厳しめに判断したいと考えている。

下山し撤収した後は仙流荘で風呂。駒ヶ根ソースカツ丼と信州そばの王道コースを堪能し帰京した。

トラブルがなかったわけではないが、比較的安全なこのルートで、標高もあり、連泊し、色んな路面や時間帯のハイクを経験してもらえことは、アルプス登山の入門編としては十分すぎる内容だったのではないかと思う。

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甲斐駒ヶ岳山頂への直登

 

【感想】57期 TW

甲斐駒ヶ岳から見た仙丈ケ岳の優美な山容が印象的で、今回の例会に参加しました。両日とも快晴。南アルプスの女王と南北アルプスの貴公子、2つの山に登れ素晴らしい景色を楽しめました。

どちらの山からも、北岳八ヶ岳、富士山、鳳凰三山御嶽山など、山界のスター選手を一度に見ることが出来、感動しました。仙丈ケ岳は山頂近くのカールが特に美しくて、ドレスのドレープのように見えました。また、各日の共同ごはんにはステーキ・親子丼・クスクスと豪華で女子力の高いメニューが並び、お腹と気持ちが満たされるとともに、大変勉強になりました。

栗沢山には登れず残念でしたが、良い連休を過ごすことができました。平川リーダー、ご一緒くださった皆さま、お世話になりありがとうございました。

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▲薮沢カールと仙丈小屋

 

【感想】62期 岸田侑子

今回の例会で2回目のテント泊でした。甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳、栗沢山と、毎日素晴らしい山々に登れてとても贅沢な経験をすることができました。体力的に、ハードな山行でしたが、皆様のサポートのおかげで乗り越えることができました。必要十分量のお水と食料が重要であること、岩の登り下りのコツ、テントの準備方法など、学びがたくさんありました。また、甲斐駒ヶ岳のごつごつした岩場、仙丈ケ岳の緩やかに続く登り道など、近くにありながらも山の様子の違いに、面白いなぁと感じました。富士山と北岳のコラボ、北アルプス八ヶ岳など錚々たる顔ぶれを一望でき、感無量でした。こんなに素晴らしい景色が見れるなんて、本当に天気に恵まれた2日間だったと思います。3日目の栗沢山は、雨の中の登山でしたが、山頂でのおぼろ月と、甲斐駒ヶ岳のシルエットが美しかったです。

夕食のステーキ、クスクスカレー、とっても美味しくて心も体も満たされました。次の山行のエネルギーになりました。山ご飯の作り方、保存方法、軽量化など皆様のアイデアがとても参考になりました。

リーダーの平川さんをはじめ、皆様大変お世話になりました。とっても楽しい3日間を過ごすことができました。

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▲雲海に浮かぶ鳳凰三山と富士山

 

【感想】60期 YK

ベースキャンプから、日本百名山2つプラス、南アルプス天然水ロケ地の栗沢山に登れるというお得な山行。ボルダリングのように登る箇所がある甲斐駒(※巻き道コースもあります)、眼前に名だたる名山、眼下に美しいカールを眺めながら登る仙丈ヶ岳。富士山と北岳のツーショットなども見られ、山の紅白歌合戦のようでした(意味不明でしたらすみません)。栗沢山は霧雨のなかのナイトハイクとなりましたが、それはそれで嫌いじゃない感じでした。明日登る山や昨日登った山をあーだこーだチェックしながら登るのも楽しかったです。2泊3日ものテント泊を最後まで楽しめるのか?というのも個人的な裏テーマでしたが、おシャレな山ごはんを皆で食べられたおかげでとても楽しく過ごせました。天候にも帰りのソースカツ丼屋さんにも、恵まれた山行だったと思います。

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▲小仙丈沢カール

 

【感想】60期 YN

社会人になって登山を始めてから、一番に登りたいと考えていた山が甲斐駒ヶ岳だった。一昨年と昨年と9月に個人山行でのお誘いはあったが、その2回とも台風とか悪天候で中止になり、登山には魔の9月やなと思いつつ、今年は例会で計画された山行に3度目の正直と申し込んだ。当日の天気は雲一つ無い快晴、9月半ばなのにまだ暑い位だ。甲斐駒ヶ岳ピークでは北岳八ヶ岳穂高連峰、富士山まで見える最高の登山日和だった。2日目の仙丈ヶ岳もピークでは前日同様の快晴で有名なカール、威風堂々の甲斐駒始め、そこからの名だたる山々を一望できた。快晴もそうだが軽い荷物も気持ちを解放させてくれるようだった。3日目の栗沢山は最近までマイナーだったせいか、前2座に比べてあまり道が荒れておらず、静かに登山を楽しめるいい山だなと感じた。また朝夕の共同の食事ではステーキ、親子丼、クスクスカレーとどれも山で男子が作りそうにない美味しい料理を手軽に出来るよう工夫されていて大変勉強になった。メニューは事前に分かっていたので登るときは山、下山時は料理とその日の楽しみは2つあった。このような楽しい山行を企画していただいた平川リーダー始め、皆さんに感謝致します。

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▲甲斐駒や八ヶ岳を背に歩く

 

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仙丈ヶ岳山頂にて

 

【感想】54期 鹿嶽眞理子

この夏は台風等の諸事情もあり、初めて晴天に恵まれたアルプス連泊となりました。凛々しい甲斐駒ヶ岳と穏やかな仙丈ケ岳、どちらも素晴らしい景色に感動でした。甲斐駒ヶ岳は2度目でしたが今回は直登ルートで登れてよかったです。北沢峠がテン場なので、夕食のメニューをステーキにしてみましたが、メンバーに喜んでもらえたようで良かったです。翌朝の親子どんぶりも、2日目夕食のクスクスの野菜カレーも美味しくて、食に恵まれた例会でした。皆さんありがとうございました。

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▲クスクスカレー