京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3811新人合宿 比良ゆるテン泊

2019年9月7日(土) ~8(日)


【メンバー】
59期 江村一範(CL)、60期 YK、61期 近本かずみ、62期 波佐場春香、62期 岸田侑子、62期 筈井益夫

【行程記録】
9月7日 15:00イン谷登山口?16:20カモシカ台?17:15北比良峠?17:30八雲ヶ原(幕営
9月8日 8時半八雲ヶ原?10:30イン谷口(下山)

【記録・感想】 江村
9月7日 土曜日
テント泊をした事がない新人向けに比良山で軽いテント泊をしようという話になり、諸事情で夏の山の予定が総崩れとなっていた私にCLの御鉢が回ってきた。山や重さに慣れない新人も多いので、ピークハントよりテン泊自体に主眼を置いて、世にもゆるいテン泊を決行した。

土曜の昼過ぎに堅田駅で待ち合わせをし、スーパーで行動食や飲み物、晩飯の残りの食材を買う。 登山口となるイン谷口まで車で移動して、テントや食料・水など共同装備を分ける。 また比良の沢の水はあてにせず、共同用に一人1.5Lの水を持ってもらうことにした。
共同装備と水を分けると、ザックは全然ゆるくない重さになり(14キロ?17キロ)、新人の皆はパッキングに苦労していた。あれこれ外付けしたりギュウギュウに詰め込んで、なんとかザックに収まり予定通り15時にイン谷口を出発した。

出発するには遅い時間帯だが、今日の幕営予定地は北比良峠なので問題ない。
太陽の日差しも傾いてきているので、暑さも幾分かマシになってきた。
とは言え今までで一番重いというザックを背負っている新人の皆は、大量に汗を流した。
新人の中で一番先輩のYKさんは歩くフォームがとても綺麗で姿勢がぶれない。一番重い17キロを背負っている近本さんははじめ口数も少く背負うことに集中していたが、カモシカ台を過ぎたあたりから重さに慣れて笑顔も見られるようになってきた。

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こまめに休憩をとりながら17時15分に北比良峠に到着。

だが北比良峠は風をまともに受けるので幕営地としては今ひとつ。風を避ける場所を探していたら結局八雲ヶ原まで降りてきてしまった。この時点で17時半。
ヤクモ池の付近には既に3?4張くらいが貼られていて、今にも寝ようかという雰囲気。 そこから南へ少し離れた林の中でテントを貼る事にした。

日没が近づく薄暗がりの中、共同装備の4テンと個人で持ってきた2テンを2つ貼った。 落ち着く間もなくヘッデンをつけて晩飯を作りはじめた。
メニューは以下の通り。

・プルコギ
・松茸風炊き込みご飯
・油揚げのパリパリチーズ焼き
・インスタント味噌汁
・アボカド・ディップ

まずはご飯の準備。
炊飯用のメスティンにお米2合とエリンギと松茸のお吸い物の素を投入し、固形燃料に点火。あとはほっておくだけ。
炊飯を待っている間に油揚げを切って中にスライスチーズと韓国のりを挟んでコッヘルで焼く。
こんなに簡単なのにとても美味い。
ビールで乾杯をして、つまみのアボカド・ディップを作る。 アボカドを切って、クリームチーズとコンビーフを混ぜるだけ。クラッカーに載せて食べる。
続いてメインディッシュのプルコギを作る。 家で酒とコチジャンで漬け込み冷凍してきた牛肉は良い感じに解凍されていて、切ったパプリカやエリンギともやしを炒めてから牛肉を投入。肉が焼けてきたら最後に焼き肉のタレをかけて仕上げる。
ご飯が食べたいと蒸らしていたメスティンを開けると、固形燃料が小さかったらしく米の芯が残っている。
水を足してガスバーナーでリベンジ炊飯。15分後、ホクホク松茸ごはんもどきが出来上がった。

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最後はプルコギの焦げとタレが残ったコッヘルで湯を沸かし、それでインスタント味噌汁を作った。
これが美味しくて、プルコギを漬け込んだ酒・コチジャンと味噌が混ぜ合わさった絶妙な味わいの味噌汁だった。


そういえば波佐場さんのリクエストでオイルランタンを持ってきていたので点火する。 山でこんなに嵩張り重いランタンは持ってきた事がない。こういうゆるい山行だからこそ持ってこれた道具だと思う。
だが淡く温かい感じのするオイルランタンの灯りはとても綺麗だった。
食事後、YKさんがホシガラス山岳会のエッセイ集を持ってきていたので、
ランタンの灯りを頼りに波佐場さんが朗読を始めた。
暗闇に響く波佐場さんの声とランタンの灯りは、ほろ酔いの私達の胸を打った。
こんな文化的(?)なテン泊は初めてだ。朗読とランタンめっちゃ良いと誰かが独りごちた。酒もまわってきて皆良い感じにゆるくなってきた。
20時を過ぎてそろそろ就寝しようと各自テントに戻った。

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9月8日 日曜日
6時に起床。昨夜はテントに引っ込んでから雨が振り始め、一晩中テントを雨粒が叩き続けた。

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朝になって雨量はマシにはなってきたが、まだ止む様子はない。
タープを張ってそこで遅めの朝ごはんを食べる。
朝ごはんは鯖サンドとスープとサラダ。鯖サンドはセブンイレブンで買った鯖の塩焼きとカット野菜とレモンをパンで挟んでマヨネーズで味付するだけ。3年ぶりに作ったがやっぱり美味しい。 昨日の余った食材でオシャレなサラダを作る岸田さんのアドリブ力に感服する。
食後に筈井さんが慣れた手付きでコーヒードリップにお湯を入れてくれた。その姿が妙に様になって皆から「マスター」と呼ばれていた。

この日は武奈ヶ岳に登る予定だったが、この時点の雨雲ではどうも山頂に行っても展望が拝めそうにない。
今年、さんざん山で雨に振られていた私は下山を決意。最後までゆるい山行を貫くことにした。
結果、後は下りるだけとなり、気が楽になったのか皆余力たっぷりに元気よく降りていった。

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10時30分にイン谷へ下山。あんなに厚かった雨雲はどこかへ消え、私はピーカンの青空を恨めしそうに見上げた。
帰りに「比良とぴあ」の温泉で汗を流した後は、近くにある「豆腐レストラン 花のれん」でお昼ご飯。800円でランチとデザートとコーヒーまでついてくる大盤振る舞いっぷりに驚く。比良とぴあの帰りには是非よっていただきたいレストランである。

今回は力の読めない新人が多いこともあって、あえてテン泊だけに絞ってルートも短く、武奈ヶ岳さえもカットした山行だった。だが縦走級のザックの重さと雨のテン泊だけでも新人達にはいい経験になったと思う。
また普段の山行ではできない巨大オイルランタンや読書会など違った嗜好をおおいに楽しめた。下山して時間と余力が残っている状態というのもとても良い。そしてそれを叶えてくれる比良山系はパラダイスである。
またこんなゆる―い山行をやりたいと思う。 (了)

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【感想】60期 YK

昼過ぎから買い物して比良山に登るというのんびり山行、のつもりがテント泊なのでやはりボッカ並みの重さになりました。いい汗をかいた後に、八雲ヶ原で楽しく山ごはん。仕込みは全てリーダー任せで申し訳なかったですが、プルコギなど豪華メニューはどれも美味でした。私もですがテント泊初心者のメンバーが多く、経験豊富な江村リーダーと筈井さんにいろいろ教えていただく山の教室みたいでした。次の日は雨模様だったので鯖サンドをいただいたら即下山。武奈にも登らず読図もしてないけど、雨で大変だったしまあ、いいか。「山に登ったあとはいい顔になるよね」と話していましたが、今回も次の日は心身ともに元気になっていました。また山の話やその他の話をしながら、楽しくテント泊経験が積めたらよいなと思います。

 

【感想】61期 近本かずみ

今回はテント泊デビューの記念すべき山行でしたが、いざ荷物を準備するとザックに入りきらない!?これはヤバイ!!こんなスタートとなりました。
ザックの重さに四苦八苦しながら無事八雲ヶ原に到着。江村リーダーの指示のもとテント設営から食事の準備などを行い、ワイワイ話をしながら楽しい時間を過ごすことができました。プルコギ風味の味噌汁は絶品でした。朝起きると夜の雨と結露によりテント内はかなり濡れており、持ち物を濡らすというテント泊の怖さも体験しました。
今回の山行でいろいろな事を経験でき大きくレベルアップできたと思います。それも江村リーダーの入念な準備と的確な指示のおかげだと思います。本当にありがとうございました。参加された皆さんとも笑いの絶えない時間を過ごすことができ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。


【感想】62期 波佐場春香

当日は暑すぎず気持ちのよい天気、イン谷にて既に木々は美しく、期待が膨らみます。

登りは先頭を歩かせていただきました。歩いて20分ほどでなぜか腰が痛くなり、YKさんからパッキングがよくないのではないかとのアドバイスをいただきました。出発前、寝袋を外付けにしようとして水がバックパックの一番下に来ていたことに気付きました。江村さんに重いものが背中の中心に来るよう、詰めなおしていただいたところ、背中全体で背負えるようになり、快適に歩けました。ありがとうございました!

時折風を感じながら、川を越え、峠を越え、琵琶湖を望み、八雲ヶ原へ。

テントを張ったらごはんの準備です。山行の2日前に読んだ某登山マンガにメスティンが登場し、炊飯を楽しみにしていました。マンガのとおり固形燃料をセット、火が消えたら後は蒸らすだけ、、、のはずがまだ水分が残っており追い炊き、何度か様子をみていただいて炊き上がった松茸風ごはんは、ほかほかでとても美味しかったです!

夜。オイルランタンの灯りは暖かい色で、暗い森を照らします。揺れる火を囲みお酒を飲んでお話して過ごします。灯りの下、YKさんの持って来られた山の本で朗読会。ぽつぽつ雨が振り出し、テントへ、、、

山を降りるのが惜しくなるくらい、楽しい2日間でした。たくさんの準備や臨機応変な対応、気遣いに触れて、学ぶことが多くありました。ご一緒いただいた皆さま、ありがとうございました!


【感想】 62期 岸田侑子

初めての例会に、初めてのテント泊でした。
現地で共同装備を分け合って、ザックを計量すると13~14㎏程の重さに。この重さを背負うのは、私にとって初めての体験でした。ずっしりくる重圧に、途中でへばらないかな…と不安もありながら山行がスタートしました。
夕方出発ということもあり、心地よい風が吹くのと、林道に癒されながら登りました。慣れない重さで、肩に食い込む感じがありましたが、近本さんをはじめ、他のメンバーさんが重たい共同装備を運んでくださったおかげで目的地までたどり着けました。みなさん本当にありがとうございます。YKさんのぶれない歩き方を真似したいです。
夕食はどれも美味しくて、お腹も心も満たされました。プルコギの汚れを落としつつ、沸騰したお湯で味噌汁を作るというアイデアを初めて知りました。うまみ入りで美味しいし、山は汚さないし。新たな学びでした。オイルランタンの元でのプチ朗読会、心地よく楽しい時間でした。真っ暗な中、わいわい楽しい時間を過ごせました。
そしてその夜はずーっと雨。雨音は心地よかったのですが、マットの中でのポジショニングがなかなか難しく、初テントで熟睡はできませんでした。しかし睡眠時間が長かったので、次の日に寝不足にはなりませんでした。テントの中で荷物をうまく配置できるかも、次への課題となりました。
朝起きるとテント内のシートに水たまりがたくさんできていて、びっくりしました。結露、そして雨の中のテント、恐るべし。
朝ごはんは江村さんこだわりの鯖サンド。レモンのアクセントが美味しかったです。森の中でのコーヒー、贅沢な時間でした。
雨のため武奈ヶ岳登頂と読図は断念し、下山しました。下山後の昼食は江村さんお勧めの「花のれん」です。豆腐のコロッケ、田楽、どれも美味しくて美味しくて。比良に行ったときにはまた食べに行きたいです。(白ご飯もびっくりするくらい美味しかった…)
比良の山の魅力を感じ、新たな発見いっぱいの山行でした。江村さん、新人ばかりの山行でしたが、最後までありがとうございました。そして皆さんとご一緒できて、終始楽しい時間を過ごすことができました。またご一緒できたら嬉しいです。

 

【感想】62期 筈井益夫
台風の影響を心配していましたが、当日は快晴で逆に熱中症の心配をする事となりました。そこそこの重量の荷物での登山、全身汗ビッショリとなりながらも全員無事目的地に到着。夕食はリーダー江村さんのこだわりの献立、とても美味しくそして楽しく頂くことができました。野外ではいつもスピード重視での食事に慣れている私にとって、ちょっと戸惑うところもありましたが、とっても良かったです。
比良山頂付近は、下界は快晴でもガスっていることが多くあり、当日はまさしくそれでした。雨天での朝食・撤営と良い経験になったと思います。最初から最後まで、みんなでワイワイと楽しく過ごせたユル泊。初心者5人を引き連れた、リーダーの江村さんは大変だったと思いますが、本当にありがとうございました。