京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2685 冬山合宿:比良の縦走

2005年1月8日~10日

京阪出町柳駅に集合し、京都バスで出発した。3連休ということもあり、我々の他にも登山客は10名ほどいたが皆日帰り装備だった。

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 【日程】2005年1月8日(土)~10日(月)

【参加者】4名

【コースタイム】

1月8日(土)くもり

京都バス出町柳停留所7:30集合-桑野橋9:30-蛇谷ヶ峰15:50-テント場16:30

1月9日(日)くもりのち雪

出発7:20-荒川峠7:55-横谷峠9:10-地蔵峠10:50-釣瓶岳15:00-細川越(幕営)17:00

1月10日(月)晴れ

出発7:00-武奈ヶ岳8:25-コヤマノ岳分岐9:00-比良スキー場跡10:00-イン谷口(下山)13:00

【記録】47期 C.O.

1月8日(土)

 京阪出町柳駅に集合し、京都バスで出発した。3連休ということもあり、我々の他にも登山客は10名ほどいたが皆日帰り装備だった。そのほとんどが坊村で下車し、桑野橋まで乗車していたのは我々と温泉客(と思われる)のみだった。バス停付近にも雪はすでに10-20cmほど積もっていた。昨年の12月までは本当に暖冬で、雪は期待していなかった。それが、大晦日からの一気の冷え込みで、幸か不幸か、比良山にもかなり積もっていそうに思えた。

 雪山初体験の私は、スパッツの装着方法、手袋の上からオーバミトンをつけることなど、一から教えていただき、林道を歩き始めた。はじめは足首ぐらいだった積雪も、しだいに膝下ぐらいになり、出発30分ほどで、わかんをはめて歩くことになった。こんな雪の中に好んで入山する物好きは我々の他いないようで、踏み跡は全くなかった。踏み跡がないということは、距離を稼ぐ上でマイナスだが、まっさらの雪面に自分が足跡をつけるという行為はまた爽快であった。

 私も何度か先頭を歩かせていただいたが、思わぬ運動量にバッテリーが切れてしまい、この日は終日最後尾で、M井さん・A月さん・N野さんが舗装した路を楽に歩かせていただいた。ベテラン3人は本当に心強く、N野さんの重量級ラッセル(たまにひとり埋もれるのは重量のせいだろうか?)、M井さんは熟年の職人をおもわせるようなラッセル、A月さんは小動物のように身軽なラッセル、と後ろから人間観察を楽しんでいたのでした。 結局、蛇谷ヶ峰のピークに到達したのが午後4時前。この日は蛇谷のピークを降り荒川峠に行く途中で幕営した。風もなく静かな場所でテント場として最適であった。夕食の鍋は冷えた体を暖めてくれた。特に冬は暖かい汁物に限ると思った。雪で水をつくることも私は初体験だったが、雪で作ったお茶がなぜかおいしく感じた。

 

1月9日(日)

 出発前の天気予報では、この日は暴風だったので心配していたが、朝起きた時点では天気もよく、雪は降っていなかった。蛇谷のピークから踏み跡があり、横谷峠までは順調に進むことができた。このまま武奈まで踏み跡があれば、全山縦走も現実化したのだが、横谷峠からは、やはりラッセルだった。

 道中、雪山でしか見られない「えびのしっぽ」と「雪屁」を見ることができた。N野さんの話で聞く八ヶ岳のえびのしっぽと比べれば、比良のえびは小さかっただろうが、風と雪がつくりだした自然の芸術作品を鑑賞できるのも、また雪山の楽しさだと思った。  この日も相変わらずのラッセル三昧で、釣瓶岳のピークに到着したのが午後3時。細川越付近でテント場を見つけようという話になった。釣瓶から細川越に行くには、もうひと山越える必要があった。このピークに向かうまでの稜線に大きな雪屁が東向きに張り出していて、雪屁の軒下は危険との判断から、稜線の西側をピークに向かって南進した。赤いテープを目印にピークを降り、細川越を探したのだが、ここで違う尾根を下っていたことに気づいた。急遽頂上まで引き返し、正しいルートに復帰できたのだが、はて細川越は?道標でもあるかと期待していたが、特に目印はなにもなかった。たぶん雪屁に埋もれていたのだろう。5時近くになり、しだいに辺りが暗くなり始めたので、今日はここまでとし、急いでテントをはった。

 

1月10日(月)

 雪は降っていなく、武奈までの順調な道のりを約束するような、すがすがしい朝だった。踏み跡は相変わらずないが、ピークはもうすぐだった。ピークに向かって北稜をラッセルしていると、朝日が昇ってきて、雪面が紫色に光り大変美しかった。また後ろを振り向くと、京都の北山、比良山系がくっきり浮かんできて、これまた言葉にできない美しさだった。武奈の一番乗りは新人の私がとらせていただいた。いったん晴れた天気が、ピークに到達するまでもたなかったのが唯一残念だった。

 武奈ヶ岳からはコヤマノ岳方面に向かい、比良スキー場、北比良峠を経て、ダケ道から下山した。この日は天気もよかったので、八雲ヶ原からやっと登山者に会うことができた。八雲ヶ原からは雪も固められていたので、わかんをはずして歩いた。キックステップを教えてもらったが、私はどうもうまくいかず、転んではお尻ですべり降りる人間ボブスレー状態だった。いつになったら3人のようにうまく下れるのやら。

 さてここからは個人的な感想。A月さんからお話をいただき参加を決めたのですが、終わってみれば参加してよかったと思いました。ラッセルやわかんを履いて歩くなど新しいことを覚えることができたのも収穫だったし、比良の美しい雪景色も忘れることはないでしょう。また夏山以上にチームで協力して行動することの大切さを痛感できました。本当に今回の山行では3名のサポートがなければ、私は途中で音を上げていたでしょう。皆さんに感謝です。それから、またラッセルしたいです。よろしくお願いします。