2009年8 月21 日(金)夜~23 日(日)
上坂淳一CL 寒川陽子 竹田樹世子 AT 秋房伸一 小松久剛
[行程]
8/21(金)
20:00竹田駅北西口20:30=(マイカ―) ⇒24:10白谷林道入口24:20(自転車デポ)=(マイカ―) ⇒25:05七泰ダム(泊・25:15就寝)
8/22(土) 晴れのち曇り
5:00起床・6:10出発→6:40七泰の滝上→7:40ヒイラギ谷出合→8:50ヒイラギ大淵9:00→11:40焼下部→11:55焼上部→12:10休憩12:30→13:55 8mの滝下→19:50 8mの滝上→20:20 8mの滝上中洲(泊・22:30就寝)
8/23(日) 晴れ
6:00起床・8:10出発→10:35ツボ谷手前10:50→14:30狼返しの滝上部14:45→15:25堰堤→15:35怒田谷取付→16:05白谷林道出合(16:15車回収18:15)・18:30出発=(マイカ―)⇒ 20:00橿原神宮付近20:45=(マイカ―) ⇒23:00ごろ京都市内(解散)
<記録 上坂>
21日
夜、竹田駅に集合し、自転車2台を秋房車に積んで出発。ほぼ予定通りの時間で七泰ダムに到着、仮眠。
22日
七泰の滝は右岸を簡単に巻く。しばらくは桟道の残骸や朽ちたワイヤーがあって土木系の匂いが残る。
次々に現れる淵を膝渡渉、腰渡渉、胸渡渉で通過し、泳ぎの出てくるところはザックを抱いたり、肩ひもをはずしたり、あるいはライフジャケットを着け、シュノーケルを使ったりと各自いろいろな方法を試してみる。初心者にはザックの浮力や防水の重要性など良い体験学習になったと思われる。ちなみに一番人気は秋房泳法(ショルダーベルト片外し)だった。
焼淵の出口はロープを出したが、取り付くと見た目よりも簡単で必要はなかった。
少しゆっくり目だったが、この先は8mの滝を越えれば、予定の泊地まで難しいところはなさそうなのでエッセンにする。
ためしに小松が竿を出したら二投目でハヤがかかった。渓流では好まれない魚種だが、銀鱗が美しい。
間もなく、核心と言われる8mの滝に出る。釜を10mばかり泳いでから左岸を登るようだが傾斜も緩く威圧感はない。
上坂が泳いで取り付いてみると、意外にもヌメっていて全く足ホールドが取れない。1フォールの後、ついにザックを取り付きにデポして残置を頼りにA0で抜ける。ロープは固定したものの、後続がどうして良いかわからず、コールも届かない。セカンドのTが登りきったところで、一旦、フローティングロープを回収して懸垂で上坂が取り付きに戻り、デポしてあったザックから補助ロープを取り出してルートに張り直し、残置にお助け紐をセットする。
五時間以上かかって全員が滝上に出たときには、すっかりあたりは闇に包まれていた。先行した奈良労山のペアが100mほど上流で焚火をする匂いが漂っている。暗くなるころからこちらにラテを向けてくれているようだ。明るければ何でもないようなキャンバーの通過も暗闇のなかでは動きづらく、ロープを出しながら慎重に河原に辿り着くと、温かい豚汁のもてなしを受ける。ありがたい。
気温は高かったので、テントは非常用の一張りだけにして、少し塩辛い素麺をたっぷりのウナギと一緒に食べる。食当の竹田がせっかく準備してくれたメニューだったが、暗い中ででたらめな炊事になり申し訳ないことだった。
23日
朝食のキノコ入りラーメンで体を暖めてから出発。さっそく何度かの泳ぎが出てくる。昨夜のことがあるので、陽光がいつになくうれしい。
寒川、Tの2トップはコンビネーションも良く、後続も信頼していける。
そろそろ泳ぎにも飽きてきたころ、細谷出合上流の河原に出る。広い河原が数百mも続き、その上流は快適なナメという穏やかな溪相。
時間的に怒田谷の堰堤で終了と考えていたので、狼返しさえ越えればと思っていたら、一つ手前の小滝を巻いたところで、懸垂で沢身に戻ることになった。(巻き道もあったようだ)
懸垂は外見上は容易な技術だが、実はセッティング以外にも荷物の重量やロープとの相性も影響するので、思わぬ危険が潜んでいて初心者の重大事故が多い。今回の参加者は大半が未熟なメンバーであったので無謀の誹りは免れないところではあるが、二日間の遡行で培われた集中力によって全員が無事に下降できた。
最後の狼返しの滝は、この谷では唯一明瞭な踏み跡があって小さく巻けた。
この先の堰堤手前で遡行は終了し、怒田谷にエスケープ。途中の砂防堰堤に阻まれたところから右岸の藪をたどり、全員で林道に飛び出して二日間の山行を締めた。
<感想 48期 寒川 陽子>
久々の沢、ロープワークも覚束なければ運動不足と不安だらけで入渓。沢ほぼ初心者の各メンバーがすいすいと前進するのを見て、沢の勘を取り戻すのを意識しながら進む。せっかくの沢、次週に65km走る予定もあるため怪我を避けるべく水中に進路を求めた。厳しい巻きに見えても泳ぎで突破可能な所ばかりだったので、楽しみながらロープでの渡しやライフジャケットの着用を行えた。
8mの滝では突破するにもサポートするにも全く手が出ず、完全なるお荷物になっていることに非常に歯痒さを感じた。本来ここで撤退すべきだったのだろうが、1人の技量に頼りきり過負担をかけてしまった。滝上では完全に陽が落ち暗闇に沢音が響いていた。夜の遡行経験はあるのだが萎縮してしまい、パーティーらしい動きができなかった。 それ以降についてはトップとしてルート選定を意識を傾けたが、セカンドTさんの見えていない部分補正により、パーティーとしてはスムーズに進めた。私の泳ぎに対し彼は巻き主体としていたので、後続は選択の余地があって楽しい遡行になったと思う。しっかり選定できていれば懸垂下降の機会はなかったはずだが、実地での下降から学べたものもあった。
大幅に時間を食い、危険な場面もいくつかあった。無事下山するのに個人の体力やスキルが必要なのは当然だが、最後にもの言うのはパーティーのモチベーションの高さ。終始楽しむ姿勢を貫けたこのメンバーを誇りに思い、自己鍛練に励みたい。
<感想 51期 竹田樹世子>
芦廼瀬川の遡行を終えて、なんと濃い時間だったのだろうと、あらためて思い返してしまいます。
本流なので、増水していなくてもふつうに泳いでばかり。焼淵は100m。私は秋房泳法をマスターできず、ザック抱えて泳ぎます。もうラッコ気分。ところどころフローティングロープ出してもらいます。
私自身は行くぜ!って思ってもリーダーさんは慎重なので急流や長い泳ぎでは必ず確実な確保と的確な事前アドバイスもいただきほんとに感謝しています。ショルダーしたりお助け紐出したり、沢登りは団体競技ですね。
1日目の午後にアタックした核心部の8m滝はリーダーさんが格闘して直登。
その後クライミングロープ張った上、一歩目はスリングであぶみにして登ります。
見事なまでに岩はつるっつるでしたが、私はいちばんよわよわのへたれなオバチャンなのでむっちゃ保護下で申し訳ありません(笑)空中懸垂にて現れた上坂CLは、不謹慎ですがターミネーターのシュワちゃんに見えました。
鈍い私はその時やっと、あーなんとしてもみんなで突破するんだって、そういう意味なんだなって分かった。
核心の滝を越えたあとの一枚岩のトラバースは正直言って、あーこわー。。。って感じでしたが、不安じゃなくて、ふつうに怖かったです。まあ、その恐さも持ち続けられれば慎重さに結びつくんだと心を強くしましたしクライミング上手なは方はやっぱこういうところでも実力発揮ですね。岩登りのトレってほんと、大切なものだと痛感しました。
帰ってきてからは、仏教徒になりそこねた私なのに三帰依文ばかり思い出します。
それは仏に帰依し、仏法に帰依し、僧(サンガ)に帰依する、と言うものです。
帰依とは拠りどころにするという意味のようです。サンガとは仲間のことです。
でもこうして皆で行く山行きも三帰依だなあと思いました。
皆様から情熱をいっぱい分けていただいてありがとうございます。そのあふれんばかりの情熱を胸にしばらく嬉嬉として山登りできそうです。
皆様とまたご一緒できるのを楽しみにしています。
<報告&感想 51期 AT>
初の沢登り、事前に秋房さんに、沢登りはいかに恐ろしいかということをさんざん聞かされ脅かされていたので(また、ケガをしたり眼鏡のレンズを落としたりしている様を見て)、「これは骨の一本でも折れたって仕方がない」くらいの覚悟を決めて行きました。
装備品については、沢登りのために新たに購入したのは靴とモンベルの防水袋。それに一眼レフカメラを入れたまま撮影出来る防水パックで、衣類については 沢用にものはあらためて購入しませんでした。
8月21日、夜8時20分くらいに遅れて竹田駅に到着すると、メンバーの皆さんは気持ちが弾んでいるようで全員とても明るい。僕も含め、皆さん明日の沢行き前にとてもワクワクしていることが伝わってきました。
僕が購入した沢靴はアクアステルス(ゴム底)の靴ですが、気になって皆さんの靴底はどちらなのか尋ねてみると、上坂さん秋房さん小松さんはアクア、寒川さん竹田さんはフェルト底という構成。ちょうど男性はアクア、女性はフェルトと分かれるチョイスとなりました。(僕はフェルトで歩いたことが無いのでけっきょくどちらが良いかということについては解りませんでした。)
夜中に白倉林道に自転車をデポして七泰ダムに到着し、テントを張って就寝。
翌日朝6時頃出発、入渓地点を探して川の左岸を歩くと、足が上手くグリップしないので、登山靴のように考えてはいけないなと気を引き締めました。
初めの滝(七泰ノ滝?)を通過したところで寒川さんが水の深いところに入って早速泳ぎ出したので「すごいなあ」と思いました。寒川さんは泳ぐのが好きな様で、その後もことあるごとにわざと深いところを選んで泳いでいましたが、僕は服装が悪くとても寒かったので、極力泳ぐことを避けて歩きました。しかし、のちに四方さんに聞いた沢登りの心得によると、
「沢に到着したらまず、わざと入水して水に慣れよ」
「水の流れるところは滑らない」
とのことですので、この寒川さんの行動は正しかったのだなと後に思う。
この沢は泳ぐ機会が多い沢で、沢で流れに逆らって泳ぐのはとても体力がいってしんどいものだと思いました。特に長い淵を泳いでいくのはとてもしんどくて、先に泳いでロープで引いてもらわなかったらひょっとすると渡れなかったかもしれません。秋房さんと寒川さんが盛んに先頭で泳いでロープを引いてくださったのでとても助かりました。(ザックが頭にひっかからない様に片方の肩を抜いて泳ぐ秋房さんの泳ぎ方がとても参考になりました。)
核心部の8mの滝までは、比較的順調に進んでいたのですが(それでも一般的なスピードよりは相当遅い)、核心部に来てからがとても長い戦いになりました。
まず上坂さんがロープを持って登られ、その後僕がそのロープに引っ張ってもらいながら登っていきましたが、先端をハーネスに結んで登ったので後に続く人のロープがなくなってしまいました。後から考えると、この登り方が良くなかったのかもしれません。
その後ロープを下に渡すのに、上坂さんがまた滝を下りたりしなければならなくなり、上坂さんは結局核心部の滝を何度も上下に往復することになってしまいました。(あの滝を何度も往復するというのは考えられません。)
そのまま滝の上から見守ること3、4時間?ほど。メンバーが全員滝を通過するころにはあたりはすっかり真っ暗になっていました。(それにしても、核心部だというのに「8mの滝」なんていう呼び方しか無いのがなんだか盛り上がりません。これが山なら多分何かしら呼称があるようなものだと思うのですが…。何かもっともらしい名前を着ければ良いのに。)その少し先に先行者が幕営をしているところがあり、僕らが到着すると豚汁を振舞ってねぎらいの言葉をかけてくださいました。
その横でテントを一張りして、何人かは外でシュラフに入って寝ることになりました。こんな石のゴツゴツした河原でも、エアマットさえしけば快適そのもの。エアマットは偉大です。その日はグッスリ寝ることが出来ました。
翌日は朝から快適なコース。ものすごく平和な沢がしばらく続きました。のちに聞いたところによるとこれが地図に記載された「幕営適地」とのことで、こんなところでテントを張って焚き火なんかしちゃったりしたら、なんと素敵なことだろうか。と思いましたがこれも運命、仕方がありません。次回行くことがあれば是非ともここまでたどりついて焚き火をしながら幕営したいものです。
その後、(多分)岩間ノ滝?を巻いたところで懸垂下降で沢まで下りることになりました。
懸垂下降は初めてのことでしたが、以前に丸山さんにロワーダウンをご指導いただいていたので、それほど恐い思いをすることなく下降することが出来ました。
今回のこの沢では、すごく鍛えられたというか、勉強になったというか、これほどロープワークやギアの使い方などの必要性が感じられたことがありませんでしたし、練習ではなく命がかかっているので教わったことは即覚えることが出来ました。
二日目の行程で最後のほうにある「狼返しの滝」といういかにも厳しい名前のついた滝があって、小松さんと「どんな恐ろしい滝だろうか」と恐れていたのですがそこまでたどり着いてみると、滝は確かに恐ろしい滝でしたが、階段の様な巻き道がありあっさり通過できました。
あとはもう何も難しいようなところはなく、しばらく歩いて時間の問題から藪こぎをして林道まで上がることになりました。
リーダーの指示で寒川さんが先頭に立ち、藪をこいで上がっていった先は、ちょうどぴったり自転車デポ地に上がって来て、一同驚く。さすがは寒川さん、野生の勘が働きました。
今回のコースは初心者には少し危険なコースだったのかもしれませんが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。おかげさまですごく美しい沢の姿をたくさん見ることが出来ました。とはいえ、リーダーのほうとしては僕らのような頼りないメンバーを連れて行くのはほんとうに気が気でなかったのではないかと思います。
いつものほほんと例会に参加しておりますが、リーダーというのは、何かあれば社会的にまっ先に責められてしまう存在。
そんな負担を負ってあえて例会を開いてくださるリーダー(とツアーコンダクター)の方々にはもっと感謝しなければいけないなと思いました。
個人的なカメラに関する反省点としては、途中でカメラ防水パックに穴があいて軽く浸水してしまい、レンズが曇って以降まともに写真が撮れなくなってしまったことです。一番綺麗だったところが写真に撮れなかったのはとても無念でした。おそらく防水パックの穴は岩などにこすって空いたものだと思うので、今度行くときは防水パックに入れたうえで、なおかつ何かスポンジのケースなどに入れて防水パック自体も保護する必要があると感じました。
小松さん、秋房さんに聞いてはいましたが、沢登りはおもしろい!自分の楽しみがまたひとつひろがった気分です。
次回の夏が待ち遠しい心境です。
<感想 52期 秋房伸一>
「経験することで(自分自身が)変わる」そんな例会だったと思う。
後日「補講」として実施いただいたロープワーク講習には、参加メンバー全員が顔を揃えた。クライミングに興味があるか無いかではなく、前進する「手段」や安全を確保する必要条件として、ロープワークやクライミング技術取得の必要性を痛切に感じた。ロープやスリングで助けられ、時には助けながらパーティーで前進していく醍醐味、充実感は得がたい経験だった。
芦廼瀬川本流に身を任せ、この先はどんな手段でクリアしていくのか――泳ぎか、へつりか、ロープが必要な登攀なのか、リラックスして歩ける河原なのか――全身を集中させて遡行する。緊張と安穏の組み合わせ、次に出てくる風景への期待、感動、驚き。沢登りの魅力を全身で感じることができた。そして何より、メンバーへの信頼と共感。
「山岳会って素晴らしい」そんな思いを得た例会であった。リーダーとメンバーの皆さんに感謝。
<報告&感想 52期 小松久剛>
さっぱり夏らしい暑さがない夏の終わりに、奈良南部、大峰山系の芦廼瀬川の沢登り練習会に参加させていただきましたので報告いたします。
【1日目】
午後八時に竹田駅集合、九時ごろに出発。
奈良南部に一路向かいます。
今回の沢には2,3年前に私が自転車で奈良南部一周をした時に走った道と同じ道でアプローチしたので車内では自転車の話で盛り上がっていました。
無事、入渓地点に到着したはいいものの、 ヘッドランプに浮かび上がる山のような巨岩を見て、これはもしかして来てはいけないところに来てしまったか、と、かなりびくびくしながら蒸し暑い夜を過ごしました。
【2日目】
6時過ぎに出発。最初トップを歩かせていただきましたが、いつも通りルートファインディングが全くダメで、まともに入渓さえできません・・だめだこりゃ。
七泰の滝は左壁をよじ登り越えましたが、それ以外ほとんどルートを覚えていません・・・腰まで浸かって渡渉したり、高巻きしたりしながら9時前まで前進。聳え立つ百間の下で一本立てます。
百間からは「比較的」穏やかな様相になり、高巻きしたり急流を渡渉したりへつったりしながら焼淵にたどり着きます。ここは穏やかな100mプールになっていて、泳ぎの力を試されるわけですが、泳ぎもいまいちな私はロープで引っ張ってもらって通過。
今回の沢はどのポイントをとってもハードで、以前私が連れて行って頂いた奥深谷が延々と続くような沢が続き、正直気持ち的には負けていました。
それでも限りなく透明な淵にどんどん入っていったり、口をあけて川の水を飲んだりするのを楽しんで進んでいたのですが、岩登り的な要素を持つパートが出てくると途端にお荷物状態になってしまっていたので、今後の課題として残します。
比較的大きな4m程の滝の左岸を巻いて越えた後に核心部の8mの滝が見えてきました。ここで14時前です。
地図の解説には残置ピトンがあるからそれを使って登る、くらいに軽く書いてあった滝なのですが、実際は取り付き地点までまず泳いで、ヌルヌルの岩を登らなければならず、リーダーの上坂さんでさえ苦戦されていたほどの悪場でした。
そこをリーダーが越えるのに約1時間半、続いてTさんが上から垂らされたロープを使って登られるのに30分程。
後ろから追いついたパーティーは登攀を諦めて一つ下の滝を降りてテン場を探しにいかれたようでした。
核心部の滝の上部は確保できるような場所もほとんどなく、後に残された4人が登るための環境整備にリーダーが非常に苦心されていました。
滝上部からロープを一直線に垂らしていただき、ようやく小松が滝を登り始めたのが15時半頃。
ロープが滝取り付き地点のすぐ上のハングした岩から垂れ下がっている状態で、小松には最初の一歩がまったく出ず、一度敗退。
そうこうしているうちに2人連れのパーティーが後ろから追いつき、上坂リーダーが垂らしたロープも少し使いながら滝を越えていかれましたが、これが後で私たちのパーティーに大きな幸運をもたらします。
その後もリーダーが散々苦労された末、ようやくルートに沿った形でロープが下ろされ、小松2度目のチャレンジです。
今度はプルージック結びで自己確保しながら登攀していく方法を取ったため、多少滑っても堕ちることはないので安心して登れました。
小松が滝上部に抜けた時点で既に18時過ぎ。あたりはかなり暗くなってきていました。
滝上部に来たものの、8m滝上にさらに滝があり、非常に巻きにくい道になっています。
全員が8m滝上にたどり着いたのが7時前。ロープで確保しつつ、メンバーが安全地帯にたどり着いたのが、7時半、リーダーがロープを回収されて安全地帯にたどり着く頃には8時前になっていて、あたりは真っ暗です。
山行中に予想外に夜になってしまったのはこれが初めてだったので、非常に緊張するとともに、ヘッドランプと予備のヘッドランプの重要性を改めて感じました。
安全地帯にたどり着いたものの、平坦な場所ではなく、油断して落ちれば滝下に逆戻り、と言う場所だったのでどこでビバークするかと思っていたのですが、先ほど私たちを追い抜いていかれた2人パーティーがヘッドランプでこちらを照らしてくださり、近くにテン場があることが判明。暗闇の中を進むことになりました。
テン場までの道は非常に滑りやすいへつりで、確保する場所もなく、特に傾斜が急な場所では一応ロープを出していただきましたが、落ちたら川までは止められないようなところでしたので緊張の連続でした。
テン場にようやくの思いでたどり着くと、先ほどのパーティーの方が豚汁を振舞ってくださり、非常にありがたい思いをしました。
素麺を大量に食べて、21時半ごろ就寝。
細長い空に満天の星、時々流れ星も流れるのを見ながらシュラフカバーに包まって眠りに落ちました。
【3日目】
8時10分頃出発。
この日はそれほど厳しい滝はないと地図に書いてありましたが、油断は出来ません。
緊張しつつ進みましたが、前日とはうって変わってかなり平和な道が連続しました。
泳ぎもそれほどなく、一箇所懸垂下降が必要な場所もありましたが、かなり落ち着いて歩くことが出来ました。
ただ、狼返しの滝付近で何故かハンガーノックに陥り、動けなくなってしまいました。
ああ、なんとスタミナまでダメだったとは・・・一体何がとりえなのでしょうか。
とりあえずカロリーメイトを大量に食べて元気になり、狼返しの滝は右岸を巻いて越え、まもなくの堰堤付近から林道に上がりました。
上がり口が自転車デポ地ぴったりの上に、ちょうど登り切ったところに昨晩助けていただいた2人パーティーが通りがかったりして、1年の運を一気に消費した感がありました。
車に乗り込んでも困難は終わりません。ガソリンの残量との戦いが始まります。
奈良南部は8時以降に営業しているガソリンスタンドが皆無なため、24号線まで出なければなりません。
今後の教訓にさせていただきます。
今回は自分にとっては非常に厳しい沢登りとなりましたが、その分非常に多くの学ぶことがありました。
リーダーをはじめ、あらゆる場所で先行して人柱になってくださった寒川さん、同行をしてくださった皆様、ありがとうございました。