京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3023 岩登り練習:御在所

登攀終了後、今度は懸垂下降にて取り付き点まで下降する。

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No.3023 2010年6月18日(金)夜~20日(日)

岩登り練習:御在所      

【参加者】L上坂淳一 秋房伸一 向昌宏 亀島文子 小松久

計5名

【天候】18日夜 雨

    19日  曇り時々雨

    20日  曇り時々雨

【記録】

<18日>記録:小松

21:30山科駅=新名神=23:30鈴鹿スカイライン裏道登山口にて車中泊

 

 本降りの雨の中、予定時刻どおりに上坂L、亀島、小松が山科駅に集合。小松の運転で一途、四日市に向かう。

途中雨脚が強まり、ほぼ前が見えなくなったりもしながら、四日市に到着。

 鈴鹿スカイラインに入り、裏道登山口手前にて駐車し、車中泊する。

 午前2時半ころに車の窓を叩く音。何かと思えば雨量が一定量を越えたとのことでスカイラインのゲートを閉鎖するらしい。

 半分寝ぼけながら運転してゲートのすぐ下に駐車。そのまま車中泊を続けた。

 

<19日>記録:小松

4:15出発~5:00藤内小屋付近着・ベースキャンプ設営・朝食~7:40秋房・向と合流~8:40出発~9:15テスト岩~10:00一壁取り付き点着~11:45登攀練習開始~16:40登攀練習終了~17:30テン場着・小松離脱~18:30デポしてある車に到着→小松帰宅

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(写真:新兵器ポッドラックを張る)

 

 夜半のうちに雨は小康状態になっていた。夜も明ける前に出発。藤内小屋につくまでに一箇所だけ正規ルートを外したため途中渡渉箇所もあったが、それほどの増水もなく、問題なく通過。藤内小屋付近は前年の土砂災害の傷痕を生々しく残しており、瓦礫がつみあがっていた。

 愛知岳連小屋前にテント適地があったため、ここに幕営。お茶漬けの朝食の後、後発組の秋房・向を待ちつつ、うたた寝をする。1時間ほど待って秋房・向がテント場に到着。紅茶・カフェオレを飲んで落ち着いた後、出発。

 藤内壁までは川沿いのガレ場を行くが、若干沢登りのような趣もある道。

 1時間ほど歩いてテスト岩に到着。登山靴でスラブを上がる練習をするが、クライミングシューズと異なり足裏の感覚が遠いので難しい。

 そこから一壁取り付き点に移動。

 取り付き点では上坂リーダーによるダブルロープ講習会が行われ、フォローのセルフビレイの取り方、ダブルロープのランニングビレーのかけ方などの内容について説明があった。

 講習会後、短時間の補給タイムの後、早速登攀練習開始。

 まずは2ルートを登るとのことで上坂Lがリード、秋房がビレイで登攀開始したが、壁のど真ん中で上坂Lがルートを間違えたことに気付く。実際は3ルートを登っていたが、そのまま終了点まで登攀。2番手亀島、3番手向、4番手小松が登高器で確保しつつ登攀。ラスト秋房はロープをつけ、上坂Lの確保を受けて登攀

 上坂L以外はそのまま巻き道を使って取り付き点まで下降。上坂Lは懸垂にて下降。

 次に、今度こそ2ルートを登る。

 まずは上坂リード、小松フォローで登り、2人とも巻き道にて下降。

 次に小松リード、向ビレイで登り、秋房、向の順にそれぞれのロープで小松が確保して登攀。上坂Lが巻き道から終了点まで上がり、確保のアドバイスをする。

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(写真:2ルートをリードする小松)

 

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(写真:2ルートをフォローする向)

 

 秋房、向が登攀終了後、今度は懸垂下降にて取り付き点まで下降する。今度は小松・秋房・向・上坂Lの順に下降し、亀島は下でロープを引き補助。

 全員下降し終わった頃には16時半をまわっていたため、その時点で登攀練習は終了し、テン場に戻った。

 

 小松はここで他のメンバーと別れ、帰宅した。

 

 <20日>記録:向

5:00起床~7:40幕地発~8:40テスト岩~9:20P5取り付き~13:10P3~15:20藤内小屋~16:00裏道登山口=19:00京都(解散)

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曇り空のなか撤収を終え出発。

20日のテーマは全山装備でのマルチピッチトレーニングであり、前尾根ルートで御在所山頂を目標とすることを確認した。

テスト岩で足慣らしと登攀装備をセット、P7P6は巻き道を通りP5の取り付きへ。上坂CLがトップ(リード、フォローのビレイ)、亀島(リードのビレイ、フォロー)、向(フォロー、ラストのビレイ)、秋房(フォロー)の順で続いた。ガスも濃く声が通りづらいので無線が役立った。

雷鳴とぱらつく程度の雨で何とかもっていた天気もP3の途中で本降りになり雷音もやや大きくなった。時間は短くて助かったが岩はすべりやすく、シャワークライミングの様な状況で少しだが危険を感じた。

P3も皆クリアしたところで、気象状況から、御在所ピークをあきらめ、裏道へエスケープし下山することとなった。裏道までの前壁ルンゼのルートも険しかったが雨は本降りにならず北谷も難なく通過できた。

藤内沢で土石流の大きな爪あととコアジサイの花など見ながら自然の回復について少し思ううちに登山口へ。湯ノ山温泉で疲れを癒し京都への帰路についた。

 

【感想】48期 上坂淳一

 先週入会したばかりの亀島さんの参加(入会当日にお申し込み)と、このところCRUX通いで成長著しいTさん、小松さん、向さんが参加するとのこと(Tさんは勤務の都合でキャンセル)で、リーダーとしても彼らと登る残り少ない機会(ついていけなくなりそうなので)に思わず気合いが入った例会でした。

初日は一壁に貼りついて、じっくり練習をしました。

小松さん、向さん、秋房さんのフレッシャーズトリオには2ルートを登って(小松リード)もらい、懸垂で同ルート下降もしてもらいました。また、向さんには二日目の前尾根でラストのビレイも練習してもらいました。これからはマルチピッチを展望してさらなる研鑽に励んでもらいたいものです。

 先週入会したばかりの亀島さんは、初めての例会参加にもかかわらず、メンバーに溶け込んで登攀、幕営に頑張っていただきました。今後とも積極的に挑戦してください。

 唯一の御在所経験者である秋房さんには、全ピッチでしんがりを務めてもらい、ご自分のトレーニングができなかったことは申し訳なく思いますが、快く若手の成長を下支えしていただけたことに深謝いたします。

 雨の御在所はまさにエースTさんのためにあるようなルートばかりで、仕事の都合とはいえキャンセルは、ご本人が一番残念だっただろうと思いますが、CLにとっても他のメンバーにとっても大変残念でした。今後、個人山行や金毘羅例会等もありますので、みんなをリードして、早めのご返済をお願いいたします。

 最後になりましたが、二日目の前尾根が、緩慢なパーティ運営により前壁ルンゼエスケープとなったことは反省しております。梅雨時にもかかわらず、多くのメンバーにご参加いただきましたことをあらためて感謝申し上げます。

 

【感想】 52期 秋房伸一

 御在所はたったの3回目ですが、幾分精神的余裕をもって例会に参加できました。ところが、初日の一ノ壁3ルートは「まだまだお前の来るところではない」と岩から言われているようで、核心部では、もう駄目だと思いましたが、なんとかロープを掴んでA0で切り抜けました。手段を選ばず、というか、セカンド以下はトップが突破している以上、なりふり構わず怪我の無いように抜ける、ということではありますが・・・。今回は、天気予報のおかげで周りに他のパーティが無く、周囲の目を気にすることもないので、ロープ掴みでも難しければ、前回の講習で作った手製スリングアブミも使いたかったくらいです。下でビレイしているときには、そんなに大変な壁ではないと思っていましたので、ちゃんと壁の難易度を見極めができるようにならないと、危険だと思いました。一壁の懸垂下降は、実践的で良い経験になりました。

 小松さんの初リード、一壁2ルートは立派でした。努力(練習)なくして成果なし、というシンプルな事実を改めて認識しました。

 2日目の前尾根はアルパインな雰囲気で、マルチピッチで前に進んでいく感じが大好きです。また行きたいと思いました。リーダーはじめ、同行の皆様、ありがとうございました。

 

【感想】52期 向昌宏

天気予報から雨を覚悟してきたが、本降りにあったのは一時だけで梅雨時期を考えるとラッキーであった。

はじめての本格的な外岩で緊張した。

まず一ノ壁で3ルートを登ることになった。

固定ロープをセットしてもらっているのでアッセンダーがあるから落ちて死ぬことはないといわれても落ちるのは嫌だし恐怖心はぬぐえなかった。

登り出すと目の前しか見えないのでとにかく上へ。核心部が乗り越えられずどうしようもなくなってしまった。クラックスなら飛び降りれば済むがそうはいかない。腕も足もそう長くもたないことは解っているので反則だがヌンチャクをつかんで何とか先へ進んだ。

2ルートは小松さんのリードをビレイさせてもらった。こちらも初ビレイだったので責任重大で緊張した。

さすがにクラックスで鍛えられているので美しく登るなと感心する動きだった。私はフォローの上、若干テンションをかけてくれているからか楽しく登れた。このくらいのレベルから徐々になれていきたい。

続けて懸垂下降。金毘羅のワイケンの頭で一度経験しているが高度感が全く違う。おそるおそるロープに身をゆだね下まで降りた。

2回目の岩例会に御在所を選んだのは飛ばし過ぎな感じはしたが、随所で1回目の金毘羅例会での経験が支えになって何とか乗り切れた。2日目は前尾根ルートで御在所山頂を目指した。ザックの重さにとても岩など登れないと思い、軽量化に取り組む意味を思い知った。P7に着いたときここは巻きますとの指示がありほっとした。 

P7P6は私には乗り越えられなかった気がする。上坂リーダーの判断に感謝です。

次回は軽量化しトライできるよう鍛えときます。

あいにくの天気で眺望はあまりきかず、たまのガスの切れ間でこんなところに来ていたのだと実感する。今回の例会ではほんとにたくさんのことを教わった。岩の場合、間違いは生命に関わることが多いのでじっくり復習しながら経験をつんでいきたいと思います。上坂CLはじめご一緒いただいた皆様ありがとうございました。

 

【感想】52期 小松久

今回は自分としては夏の沢登りの登攀練習として参加させていただきました。

外岩の経験としては2回目で、外岩1回目の千石岩では全く身動きが取れなかった辛い思い出があったので、今度こそは!とリベンジを誓っておりましたが、日ごろのクライミングジムでの練習の成果か比較的落ち着いて、というかむしろ楽しんでクライミングすることができ、初リードもできて大変楽しい例会となりました。

 ダブルロープによるフォローの確保も初めての経験でしたが上坂リーダーの熱い講義を聞いた後でしたし、沢例会で基本的な確保については経験済みでしたので、それほど戸惑うことなく実行できました。

山の技術はデスクワークのような成長が分かりにくいものとは異なり、学んだ上で経験した数だけ技術が身につきます。

頭に知識を詰め込んでばかりの私のこれまで人生の中では技術の研鑽、というのは全く経験していなかったことなので、斬新で、かつ、やりがいにあふれていて、ますますのめりこんでしまいそうです。

今後もよりいっそうの研鑽を積み、クライミング技術、確保技術を身につけて、パーティの戦力を目指しますのでよろしくお願いします。

上坂リーダーをはじめ、今回の山行でお世話になった皆様ありがとうございました。

亀島さん、初例会ありがとうございました。今後もいろいろと山の経験談を聞かせてください。

 

【感想】53期 亀島文子

6月の総会に出席し、体験山行で入会を

考えていたのですが総会の進行、活動報告等を聞き即入会即、その場で藤内壁参加をお願いしました。

 CLの上坂にしてみれば、どれだけのレベルなのか分からず連れて行くのに不安だったと思います。

 失敗は、

1 登山靴で行き、中まで濡れ、足に靴擦れができ、歩くのに痛かった事。          

2 軽装備、軽荷物に徹していなかった事。

CLの上坂さんに岩登りのロープさばき、テクニック等ご指導いただき、安心のできるCLで不安なく楽しく岩登りができた事。有難う御座いました。