京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉  八淵の滝遡行

 2010年7月18日(日)

梅雨も過ぎ去り、絶好の沢日和・・のはずが、梅雨の豪雨の影響で大増水の沢をこわごわ遡行することになった。

1007八淵の滝写真2

写真:増水した小滝を登る

 【参加者】

小松久剛 秋房伸一 米山佳秀 亀島文子 計4名

【天候】 曇のち晴

【記録】(担当:小松)

7:10ロッジ前発→161号線→9:00ガリバー旅行村→9:30入渓口~12:15オガサカ道分岐~13:00まぼろしの滝~14:15ガリバー旅行村→帰京

 

  梅雨も過ぎ去り、絶好の沢日和・・のはずが、梅雨の豪雨の影響で大増水の沢をこわごわ遡行することになった。

 出発は順調で、京都を出るころには天気も快晴だったが、ガリバー旅行村付近は曇り。さらに高島鴨川は増水気味で水もにごっていてかなり不安な状況。

 とりあえず入渓点まで行って中止か否か判断しようということで、駐車場で準備を整え、ガリバー旅行村を通り抜けて滝道に入る。

 河原に出ると水量は平水より多いが、ぎりぎりにごらない量なので、慎重に行けば遡行可能と判断し、出発。

1007八淵の滝写真1

<増水気味の入渓地点にて>

 

入渓時点では豪雨で河原の形が変わってしまっていたため、いまいち増水の程度が分からなかったが、最初の滝である魚止めの滝までの時点でかなりの水量であることを感じる。基本的に水が泡立っていて水流も強い。

 魚止めの滝も滝つぼが泡立っていて取り付き点までたどり着きそうも無いので左岸を巻く。

 次の障子の滝は取り付くどころではなく、滝の前に顔を出すだけで爆風で息が苦しいような状況。

 空戸の滝のゴルジュに入るのは危険と判断し、横の登山道への急な登りをよじ登る。

 この時点で今回の沢登りは滝の登攀は諦めて滝見見物を主な目的とする。

 大擂鉢も以前は滝つぼに立って、滝に取り付けたが、今日は滝つぼが深くなって足が着きそうもないほどになっていた。

 貴船の滝付近はすべて巻き、その上から再度入渓。

 普段なんでもないような小滝が立派な滝になっているので、それをよじ登って遊ぶ。

岩についているコケがすべてはがされていたのでフリクションがよく効いて登りやすい。

 

 

七編返しの滝は、下部は滝つぼ側から滝の横を登攀したが、上部は増水の影響で完全な水の中になっていて、全く歯が立たなかった。

このあたりで20人くらいの小・中学生の団体に追い抜かされる。

 七編返しの滝を越えるとさしたる困難も無く、小滝を乗り越えて進んでいける。

 

1007八淵の滝写真3

<七編返しの滝に取り付く>

 

 

オガサカ道分岐に予定より1時間以上早く到着したため、まぼろしの滝の手前まで滝見見物に行くことにする。

 オガサカ道付近は特に大雨の影響が色濃く、倒木やがけ崩れで谷がだいぶ荒れている状況であった。

 オガサカ道分岐から30分ほどでまぼろしの滝に到着。

 平水時の姿を知らないが、滝つぼを持った端正な滝で、巻き道も着いていたので右岸のバンドを登る。

 その後は巻き道を下り、登山道を使ってガリバー旅行村まで下山した。

 

 

 

【感想 52期 小松】

梅雨もあけたのでお手軽で綺麗な沢に行こうという安易な考えで八淵の滝を選びました。

 しかし実際は八淵の滝は集水面積も多く、梅雨の影響をもろに受けていたため大増水中で、平水時の姿を知っているからこそ、なおいっそうこわごわ遡行することになりました。

 今回は私のこわがりな性格が良い方に出て、巻き道がかなりしっかりした沢に行ったため、増水中でも無事遡行・下降できましたが、これが巻き道も下降路も不明瞭な沢だったら・・と思うと恐ろしくなります。

 今回はほとんど沢登りというよりは滝見見物といった趣の山行となりましたが、平水時と増水時との沢の雰囲気の違いがよく分かり(そもそも景色が変わります)、また、自然の力の莫大さを感じられて、その意味では有意義な沢行でした。

 数をこなすとこのようにいろんな経験もできるので、引き続き数多くの沢に行きたいと考えております。

今日、ご一緒くださった皆様ありがとうございました。

 

【感想 52期 秋房】

小松さんはこのところ毎週のように個人山行で沢の計画を入れ、燃えています。

明日の比良山岳会の沢を背負って、個人の楽しみとしても、どんどん経験を積んでほしいものです。

 そんな今回の山行ですが、2日前までのゲリラ豪雨的な大雨の影響もあってか、水量が多く、思ったように水線を遡行できず、平行して走る一般登山道を巻き道に使うことが多くなりました。

 しかし、それはそれとして、状況に合わせた安全な沢登りということからすると小松リーダーの判断は的確であり、これもひとつの経験として意義深いものになったと思います。八淵の滝はもう一度、平常水位の時に行きたいと思いますので、その節は、よろしくお願いします。

 

【感想 52期 米山】

 私としては今年初めての沢で、梅雨も明け水温も上げってきて絶好のコンデションと思っていたが、梅雨末期の雨で水量が多く、滝登りが出来ずこの沢の核心部はどこなのか解らなかった。

 まぼろしの滝付近も、豪雨のため倒木が多く荒れていたが、普段は確認出来ない滝がはっきり確認できました。

次回は普通の状態の八池谷を楽しみたい。