京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3097 比良55-19 荒川峠から水晶小屋

2011年4月16日(土)

今回は前回の轍を踏まず、しっかり地形図をみながら谷を下って水晶小屋からの谷と合流するところまで進むつもりであったが、忠実に谷筋をたどると、残雪の下は岩や石がゴロゴロしているのに加えて水流になっている気配もあり、ズボズボ脚が落ちて場合によってはケガをしたり、水流に靴がつかったりすることも想像され...

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写真:今回のメンバー

 

【参加者】L)秋房伸一、AT、米山佳秀、亀島文子、須河麻衣、藤松奈美、(見学)宮森千治 会員6名、見学1名、合計7名

【天候】曇り

【記録】ロッジ前8:00=JR山科8:30~荒川峠登山口手前デポ地9:25~稜線指導標10:50~荒川峠11:10~謎の小屋11:37~水晶小屋13:10-15:00~荒川峠15:40~デポ地16:35

 

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地図:GPS軌跡

 

 2010年3月の例会で米山さんと擂鉢山(地図の1008mピーク)から水晶小屋を目指したが雪とガスとで視界が利かない中、道をロストし、稜線へ登り返して荒川峠へポッカリ出たことがあった。今回はそのリベンジという意味合いも込め、荒川峠から水晶小屋を目指すことにした。

 

 今年は積雪量が多く、荒川峠へ向かう人工林エリアでも残雪がある。稜線に出て指導標のあるところで小休止。帰りに時間があれば登山道ではなく大岩谷に直接降りるルートをとりたいので、若干の下見をする。

荒川峠はそこそこの残雪。天気はこの季節にしては寒く、琵琶湖側は穏やかだが、朽木側はガスに覆われ、北西の冷たい風が吹いている。冬山のような雰囲気。

 

 縦走路ではなく、直進し、谷を降りる。残雪の中、時々膝までズボッとはまりながら30分ほど歩くと、作業小屋なのか山岳会の小屋なのかよくわからない「謎の小屋」に到着。前回、この小屋が何なのかわからず、読図上、混乱した。地図にある大橋の小屋かもしれないと思ったのだ。それにしては周囲の地形が違うし、よくわからなかった。しっかりした小屋だが、地形図にも登山地図にも出ておらず、そういうこともあるという当たり前の発想がそのときは浮かばなかったのだ。

 継続的に手入れがされている小屋なので、下界とは道で繋がっているはずだが、一面の残雪で道がどの程度なのかはわからない。

 

 今回は前回の轍を踏まず、しっかり地形図をみながら谷を下って水晶小屋からの谷と合流するところまで進むつもりであったが、忠実に谷筋をたどると、残雪の下は岩や石がゴロゴロしているのに加えて水流になっている気配もあり、ズボズボ脚が落ちて場合によってはケガをしたり、水流に靴がつかったりすることも想像され、谷底よりも少し高い斜面をトラバース気味に歩いた。

そうしているとだんだん谷底から離れて高度が上がってしまう。やがて行く先は、谷幅が狭まり、左側の川(地形図には記されてないが、そこそこの大きさに見える川)に滑ると落ちそう。慎重に歩けば大丈夫だろうが、斜面の中程を歩いているので、右手の稜線にあがるとしてもたいしたことなく、危険に見えるところをわざわざ行くよりも、尾根を越すルートをとることにした。

 

帰宅して前回のGPS軌跡をみると、やはり今回と同じところで引き返している。心理的に核心部といえる地形になっているのだろう。

沢登りの高巻きのような感覚で、尾根にとりついた。道なき道になると、ベテラン組(亀島、宮森、米山)の方々が俄然ハッスルし、先行。というか、藪の中を登るには自分の登りやすいルートというのがあるようで、バラバラになってしまったということなのかもしれない。

 

尾根をひとつ越すと、そこは水晶小屋の谷かと期待していたが、事実は異なった。

結局、尾根を3回登り、2回目の下降では須河・藤松の若手女性には懸垂の練習も兼ねた。

先行するベテラン組から「小屋があった~」という声が聞こえた時には、一同安堵した。結局、荒川峠から水晶小屋へは2時間もかかった。

 

帰宅後GPSで軌跡をみると、地形図上ではほんの小さな尾根を確かに3回越えている。地形図の等高線と現場での尾根の大きさの感覚を磨くべきだと痛感した。地形図ではっきり表現されている尾根や谷は現地ではとても大きい。

 

 小屋ではTさんに持参いただいたホットサンドで共同昼食をとり、楽しく美味なひとときを過ごした。時間も遅くなり、小屋からは通常登山道ルートを素直にたどって下山した。

 

【感想】 51期 AT

比良55!例会はハードな例会が多いという噂を聞いてはいましたが、久しぶりに参加させていただくと落とし穴だらけの雪に突っ込んでいったり、藪尾根を登ったり下りたりと、噂に違わぬハードな秋房例会。(藪こぎになると皆が勝手に動き出しおよそ山岳会とは思えぬ統率の無さに。)

 しかし皆でワイワイと歩くのはとても楽しく、春の比良山を堪能させていただきました。

 小屋に着くと、用意していたホットサンドメーカーでホットサンドを作りましたが、ホットサンドは胃にもたれるので料理にうるさい亀さんの口には合わぬだろう、と思ってましたが、意外にも大好評で 「私もホットサンドメーカー買う」とのことでした。

そういえばこの人いつもコンビニで肉まんとか食べてるし、意外とジャンクフード好きですね。ホットサンドメーカーはアマゾンで買えますよ。

 

【感想】 53期 亀島文子

リーダーの秋房さん・車運転の米山さん・ボッカで沢山の食料と飲み物を担いでくれたTさん有難うございました。

荒川峠まではハイキング気分でしたが残雪が多く、峠~の道無き道はハードでやはり秋房例会だー!

木々を握り下山、登攀の繰り返しでやっと水晶小屋を発見した時はホットしました。

ストーブで温まり(雪と小雨で手がかじかむ)Tさん自慢のホットサンドがグルメ!・・ホッペが落ちる程 う・ま・い。

登山道もいいけど、道ない道も楽しいですね

 

【感想】 53期 須河 麻衣

久しぶりの山例会参加でとても楽しみにしていたのと、素敵だと聞いていた水晶小屋についに行けるという事でとてもウキウキ参加させてもらいました。春の比良ということで、暖かいと思っていましたが実際は雪が沢山残っており、歩く度にすぼずぼはまるし、寒くて震えつつ懸垂下降をしてみたり、遂には靴の中に雪が入るなど中々過酷な山行になりました。でも水晶小屋に辿りついた時の嬉しさと、皆でストーブを囲み食べたホットサンドや、フルーツの盛り合わせの美味しさは最高の思い出となりました。リーダーさんをはじめ一緒に参加した皆様色々御世話になりありがとうございました。

 

【感想】 54期 藤松奈美

久しぶりの山だと思って楽しみにしてました。冬山から登り始めたので、今度は、春山~山桜~の気分で、ハーフ パンツにタイツ(山ガールになろうとした。無理だけど)で、ふわふわと登るつもりが、一転、まるで雪山、サバイバル山行でびっくり。スパッツも持っていないし、いっぱい雪が靴にはいって、そのとき、ビニール袋で代用できますよと教えて頂いて、ビニール袋の威力を知りました。でも、サバイバルと言っても、道なき道をやぶこぎするのは本当に楽しくて、自分が選んだ枝や根っこに支えられて、登っていっている感覚が面白かった。

暖かいはずが、極寒(そんなふうに感じた)の中、小屋について、薪をたいて、ホットサンドを頂いた時の、安心感。なんとも言えないですね。つづの先輩特製のスパムとクリームチーズも絶品で(わたしはクリームチーズなのかと実は少し驚いていました)、そのあと、亀島さんの思いつき、バナナチョコレートも、非常においしかったです。定番になります!(麻衣ちゃんとわたしの、おかしがちょっとだけ活躍しましたね)。びっくりしたけど、楽しかったです。

 

【感想】 52期 秋房伸一

水晶小屋へは素直に到達できると踏んでいましたが、荒川峠から2時間もかかったのは、反省すべきところであります。

荒川峠への稜線道標から大岩谷への直下降ルートは、別の機会に例会として組みたいと思います。又の参加をよろしくお願いします。

皆で力を合わせて楽しく山行できましたことに感謝です。特に、ホットサンド、絶品でした。ストーブの温もりも幸せでした。参加の皆さん、ありがとうございました。

 

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写真:荒川峠から、まっすぐ下降

 

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写真:小屋でホットサンド