京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3102 RDBの会 第27回 「由良ヶ岳の植生観察」―自然と歴史を訪ねる一日旅―

20110424由良ヶ岳例会A

 

電車を乗り継ぎ3時間半、やっとたどり着いた丹後由良駅。駅舎の後方には、未踏の由良ヶ岳が新録に包まれて私たちを待っていてくれました。RDBの例会は植生観察が主な目的ですから、気になる植物があればその場でじっくり観察し、図鑑で名前を調べたり写真に撮ったりしながらゆっくり進みます。

 

 

[No.3102]RDBの会 第27回

「由良ヶ岳の植生観察」―自然と歴史を訪ねる一日旅―

 

【日時】 平成23年4月24日(日)

【L】   CL山本憲彦 SL西田和美  

【山域】 由良ヶ岳

【行程予定】

JR京都駅6:38―綾部―西舞鶴―9:53丹後由良駅―登山―西峰―東峰―下山

―由良ヶ浜―由良浜温泉―丹後由良駅17:31―西舞鶴―19:53JR京都駅(解散)

 

【記 録】     53期 亀島 文子

【参加者】

山本 憲彦(CL)西田 和美(SL)四方 宗和 安井 一枝 四方 真知子 井上 純子 向 昌宏

亀島 文子 橋本 年弘 宮森 千治(体験山行) (以上10名)

 

【記 録】

6時30分嵯峨野線ホーム集合

6時38分の電車に乗る

綾部ー西舞鶴ー9時35分に丹後由良駅着。快晴

四方会長夫妻と駅で合流

国民休暇宿舎のすぐ上の登山口10時出発

11:05分270mの4合目着。花木々の名前を調べながらの

登山でかなりスローペース。

12:00お昼のサイレン後、大粒氷と、雨が降りだし、合羽を

あわてて着る。近場で雷が鳴り響き、杉林の中で昼食。

12:20分、雷鳴りやまず下山する。7合目からの撤退

12:50分4合目、13:20早々と登山口迄降りて集合写真

15:35分丹後由良駅の電車に乗ったのですが、

西舞鶴~綾部~京都間が落雷の為(信号機故障)

電車が大幅に送れ(1Hr)車掌に文句を言うがしっかりと

特急料金取られてしまった。

やっと8時に家に帰宅。

 

【感想】     54期 橋本 年弘

入会して2回目の山行でした。1回目は,音羽山での読図。

実は「地図のどこを読むのだろう?」と少々能天気なことを考えながら参加しました。

今回も,山本さんと京都駅ではじめてお会いして第一声が「RDBって何ですか?」

きっとずいぶん閉口されたことと思います。すみません。

 さて,今回の山行は,私にとって,ほんとにバラエティーにとんだものでした。

久しぶりの列車の長旅。久しぶりの向かい合わせの座席。

駅員のいない駅舎。潮の香り。地元のおばあちゃんの道案内。足を止めながらの

野草や樹木の観察。山菜に盛り上がり,オオイワカガミとのはじめての出会い。

ショウジョウバカマの意味に納得。心配していた天気に,追い討ちをかける雹に雷。

十数年ぶりの雨具とスパッツ。下山。待合室でのおやつパーティ,地酒の味。

落雷による信号機の故障。思わぬ列車の遅れ。車内に広がる笑い声…。

本当にバラエティにとんだ楽しい1日でした。ありがとうございました。

 少しずつ,自分の背丈にあった「山の形」を探っていこうと思います。

いろいろ迷惑かけるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします。

 

【感想】       48期 井上 純子

 京都府北部はほとんど行ったことがないので、半ば遠足気分で、当日をとても楽しみにしていました。途中、今年お初のイワカガミ(正確にはオオイワカガミらしい。)の群落に出会い、感激でした。天気予報では夕方までもつ・・・はずだったのに、山頂まで残すところ、あと100メートル弱の所で雷とヒョウの襲来。勇気ある撤退は賢明な選択でしたが、リベンジ山行に参加させていただき、次回こそ若狭湾を山頂から臨みたいと思っています。帰りに遭遇したJRの思わぬアクシデントで、さらに思い出深い山行になったように思います。リーダー他参加の皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました。

 

【感想】

丹後由良ヶ岳  40期 西田和美

 

 電車を乗り継ぎ3時間半、やっとたどり着いた丹後由良駅。駅舎の後方には、未踏の由良ヶ岳が新録に包まれて私たちを待っていてくれました。RDBの例会は植生観察が主な目的ですから、気になる植物があればその場でじっくり観察し、図鑑で名前を調べたり写真に撮ったりしながらゆっくり進みます。そのため、山行に思わぬ時間がかかってしまうことがあります。今回はそれに加えて雷雨に襲われるというおまけがつき、

残念ながら頂上は踏めませんでした。下山途中、雨に濡れながら木々の間に垣間見た美しい景色を、次回は是非とも山頂から眺めてみたいと思いました。

 未踏の由良ヶ岳は未踏のままに終わりましたが、『もう一度来るからね!』車窓から遠ざかっていく双耳峰を見送りながら、固く心に誓った私たちでした。

 

【感想】    14期 安井一枝

 由良ヶ岳はミツバツツジが満開で目を楽しませてもらい、タカノツメやコゴミは天ぷらにして舌を楽しませてもらいました。一方、私のペースが遅かったりして皆が登頂できず迷惑をおかけしたことは申し訳なく思っています。今年に入り胃腸の調子が悪くて体重が減っていましたが、脂肪でなく筋肉が減っていたことを思い知らされました。体力不足等反省の山行となりました。

昨年の秋、紅葉を求めて安達太良山に登り、裏磐梯、浄土平を散策、またオオハクチョウ、マガンを求めて伊豆沼を散策しました。半年もたたないうちに東日本大震災原発事故が起きるなんて、信じられない思いです。4、  5年前の秋に栗駒山を歩いた時も、1年もたたないうちに岩手・宮城内陸地震が起きて、昔お世話になった駒の湯温泉が流されました。当会の山行で比婆山に登った時は鳥取県西部地震の2日後で、余震のゴーッという地鳴りを聞き急ぎ山頂を離れました。地球の歴史からすると一瞬の差であり、背筋がゾクッとします。「YouTube-世界の衝撃映像集 岩手・宮城内陸地震 栗駒山の大崩落他」を見ると、原発などひとたまりもない地震のエネルギーのものすごさに圧倒されます。日本は地震列島なので、原発に変わる安全なエネルギーの開発に力を結集してほしいし、節電の生活を心がけねばと思っています。

 

【感想】  44期 山本 憲彦

 実はかなり以前から「由良川の河口」を見てみたい!という意識がありました。

その意識があってか、私が新人カリキュラムを消化するやいなや、「さあ、リーダーやってや!」と言われて初めて京都比良山岳会のリーダーなるもののまねごとをやらせてもらったのが、やはり由良川河口を意識した、「由良川源流」でした。

 たくさんのメンバーが協力してくれて盛大な例会になりました。いまでもこの「原点」を忘れることは出来ません。

 最初の一滴でロックを呑もうとたくらんで現会長の四方さんも引き込んだのですが、あいにくの雨。泥水を呑むわけにもいかず、ロックはあきらめました。(悪いことをしました!)

 その原点から何年も経っていますが、いよいよその「由良川の河口」が見られるという企画にたどり着きました。由良川は、珍しく、京都府内から発して京都府内の海に流れ込む大河です。

 RDBの会(最初は「花巡り例会」)を山岳会の中でシリーズものの例会として立ち上げたときは、本会には、まだシリーズものは無かったのですが、徐々に他のシリーズもの例会が登場したのは、さすが実力者揃いの本会だと思います。

 「RDBの会」の例会は、京都府下の山域を中心に絶滅危惧種の植物を意識しながらその植生を観察しながら山行するというのが目的です。

 植生観察を、京都府南部地域から初めて、北部地域も観察し、さらに今年は京都府北部地域のまだ観ていない山域の植生を観察していこうという例会をシリーズ的に組みました。

 そのいわば一回目です。が、この舞鶴市宮津市の境にある由良ヶ岳がある地域は初めてでした。のどかな集落が駅の前に広がっています。

 いきなり道端には豊富な野草が満開になっています。外来種ヒメオドリコソウが最近はどこにも増えています。「シソ科の特徴は?」と冗談交じりに尋ねると、橋本さんが、すかさず「茎が四角になっている」とご名答。「今日は楽しい充実した例会になりそうだ!」と私は独り言。

 井上純子さんは、最近手に入れた優れものの小型一眼レフで記録してくれます。頼もしい限りです。四方夫妻は、花芽の付いた木本に目がないようです。向さんはいつものように図鑑を手にしてくれているので、心強い。彼は木本は専門なのです。RDBの会の大事なレギュラー・メンバーの一人です。安井さんも長年使っているビデオカメラを駆使してくれます。彼女は野鳥に強いのです。亀島さんは、お友達の宮森さんを従えての参加です。実は、亀島さんは野草や高山の花が大好きな女性だったのです!(失礼)以前にRDBの会の甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳例会でそのことを知りました。

 この季節は、「山笑う」という俳句の季語にもあるように一日違うと山の景色が一変するほど新芽が一気に吹き出します。アベマキ、コバノガマズミ、オオカメノキ、ウグイスカグラ、クヌギミツバツツジ、ミネカエデ、イロハモミジ、ウリハダカエデ、シデ類の目が痛いほどの新芽。それに花を付けたアセビコイワカガミタムシバなど。

途中で雨が降ってきました。覚悟はしていたが、早すぎる。ゴロゴロと遠鳴りも聞こえる。アラレやヒョウまで降ってくる。途中に林道の工事中か大きなブルが放置されています。そのドロドロの林道を越えて頂上に向かいます。

 もうあと少しで頂上に続く尾根が目の前に見えたところで、雨がきつくなり、いきなりパーンとどこかに落雷か。携帯で雷雲のレーダーを見ると、雷雲のまっただ中。これ以上の登山は危険と判断して、中止。杉の大木の下で、昼食にしました。雨の中を下山して駅に着くと、なんと晴れてきました。

 「くやしいな!」必ずリベンジするぞ!と誓いました。

 

 駅で1時間近く待って電車に乗り、西舞鶴駅で、亀島さんの記録の通り、かなり待たされました。電車タイムに馴れていないので、みなさんそれぞれおもしろい待ち合わせになりました。特に亀島さんと宮森さんの姿に、「こんな待ち時間の過ごし方もあるんだ」と関心した次第です。

 それにしても、丹後由良駅で、電車を待つ間に亀島さんが手に入れてきた「和美」という地酒のうまかったこと。由良ヶ岳の湧水を使っているというのが売りでした。

 みなさん、お疲れ様でした。これからもRDBの会では、京都府北部の山域の植生観察例会が続きますが、電車はちょっと無理かな?と思い始めています。電車で行くと案内に書いていましても、車が都合出来たときはマイカーに切り替えるかもしれません。参加希望の方は、事前に確認してください。

 これからもよろしくお願いします。