京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3618 比叡山 読図例会  *読図ポイント

2016年11月23日(水) 

【メンバー】

小泉賀奈子(CL),山本夏雄,穐月大介,船木佐織,竹山昌孝,山本雅也,織田直子,梅村重和,江村一範,水岩雄一,吉井利一    

計11名
【行 程】
11
23日(水・祝) 晴れ
9:00
京都バス 野村別れバス停集合。地図記号などについて説明後,9:21歩き始める。

10:54仰木峠(小休止)11:0512:00△水井山~12:20横高山(大休止)12:5813:10玉体杉~14:10釈迦堂~14:30阿弥陀堂14:55△大比叡~15:25ケーブル比叡駅15:31千種忠顕の碑~15:42雲母坂登山口


【記 録】     52期 小泉賀奈子
 野村別れのバス停に着くと,北風が激しく吹きすさんでいた。昨日までの暖かさはどこへやら。自己紹介を終えた後,寒さに耐えつつ,リーダーの読図講座がスタート。今回のルートは,山中に延暦寺の境内があるため,地形図に人工物がたくさん記載されている。あまり馴染みのない地図記号は見落としがちだが,国土地理院1/25000地形図にはきちんと説明が載っている。等高線の間隔も,磁北線の傾きも。これらを予習した上で出発した。

トップバッターは水岩さん。「A地点は谷が合流したところ。」と宣言して進まれた。分かりにくいだろうと思われた登山口を難なく見つけ,ゲートの開け方までご存知だった。もしや一度来られたことがあるのだろうかと思ったほどだったが,A地点はスルー。2番手の竹山さんと相談しながら「まだ先ですね。」とおっしゃっていたので,一度止まってもらった。向かって右手にある谷に沿って行ったので,左側に現れた谷を目視できなかったようだ。みんなで引き返し,間にある尾根を確認して,A地点を決定づけた。

梅村さんへの課題,E地点は意見が分かれた。谷が突き上がっていて,短い木の橋が架かっている所だと思っていたが,穐月さんの文明の利器(GPS)が登場したり,「もう一つ前の谷だ。」という意見が出たりして,大きな不安がリーダーを襲った。再訪する時に,もう一度考えようと思う。

その先はコル5連発。難なくクリアしていくも,I地点は偽コルを過ぎた後に出てくる,水井山直下のコル。一度は止まったものの,「あれ。」と思ってさらに進まれた水岩さん,竹山さんはさすがだった。水井山には三等三角点があり,みんなで石柱の一辺を計測。二等,三等は15㎝,一等は18㎝と決まっていて,後に訪れた大比叡の三角点は,一回り大きくて美しかった。

 

 

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現在地を確認中

 

横高山で大休止。その前に,ピークからの下山ルートをみんなで探した。地形図で確認すると何てことないのだが,思わず尾根を横切って南西に下りてしまいそうになるのが怖いところである。

山本夏雄氏さんによる読図講座のあと,後半戦スタート。織田さんは読図がかなり苦手だとおっしゃっていたが,K地点の説明を的確に言い当てられていた。さらに進んでいくと,それまでピンポイントで止まっておられた吉井さんが,L地点で悩まれた。穐月さんから,「ドライブウェイの曲がり方を見てください。」とのアドバイスを受け,納得された。右側には谷が現れる地点でもあった。続く梅村さんは,リーダーが余裕をかまして釣瓶の話をしていた時に突然「ここ。」と止まられた。先頭を歩くと,何故かこじつけて地図を読もうとするから面白い。答え合わせをして,実際のM地点まで行ってみると,興味深く地図と地形を照らし合わせておられた。その後に出てくるトンネルは,江村さんには簡単すぎた様子。N地点がトンネルの入口だということがすっと分かるのはすごいと思う。山本雅也さんも,コルといい,電波塔(これは簡単でしたね。)といい,迷いなく立ち止まられて,的確だった。

 比叡山の境内に入ってからは,人工物が多く,勘が狂いやすい。下見の時に通してもらえなかった関所には,誰もおられなかったので,阿弥陀堂に直に行くことができた。今回,最難所と思っていたO地点がすぐに解明されてしまうのでは・・・と内心焦りを隠せずにいたが,否,思ったとおりに皆さん迷われた。船木さんが,阿弥陀堂に上がる石段だと言われたが,実は,全ての石段が地形図に載っているわけではない。大比叡の方向と阿弥陀堂の位置から考えて,Oの石段は裏手にあることを確認した。細い登山道を見つけて進まれた船木さんを先頭に,辿りけた時は,「この石段か。」とみんな憎らしいやら安堵するやら,心地よい疲労感が漂った。

 

 

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大比叡の一等三角点を前にして

 

 紅葉の時期を過ぎた比叡山を後にし,ケーブル比叡駅を横切る。千種忠顕碑は,とても立派だった。お喋りに高じていたにも関わらず,S地点の送電線を見落とさなかった織田さん。「読図が苦手。」は思い込みだと思いますよ。夕暮れの空に見守られながら雲母坂登山口まで歩き,解散した。

      

【感想】     59期 吉井利一。

昨日はお疲れ様でした。また、資料等の準備、下見でも大変お世話になりありがとうございました。参加者のレベルが異なる中での講習会、わかりやすく良かったです。

地図読みの目的は登る山を頭の中で立体的に描き、その中を移動している感覚をつかむことと思います。実際にコンパスを持ってポイントを探すのは初めての経験です。

これを機会に慣れていきたいと思います。

 

【感想】     59期 江村一範

入会後,はじめての読図山行でした。地形を読み取るポイントをリーダーに設定して頂いたのですが,これが本当に難しかったです。ルート上にあるのに谷や尾根の細かな形状を見逃すとそのまま素通りしてしまう。そして偽尾根や偽コルなどと見誤ってしまう沢山の罠がありました。

ロゲイニングには何回か出た事はあったのですが,また違う難しさがありました。普通に歩いていたらなんてことない登山道なのに,いやはや読図は面白いと思いました。

 

【感想】     55期 船木佐織

恥ずかしい話ですが,読図は苦手です。さらに恥ずかしいことに,どのように現在地を見極めるのかさえ分かりませんでした。
今回の例会では,地図記号の見方から教わり,地形図と実際の地形の見方を教わりました。やっとスタートに立てた気持ちです。
例会を企画してくださった小泉さん,楽しくご一緒させていただいた皆様,ありがとうございました。

 

【感想】     57期 山本雅也

もっと読図力を身に着けたいと思い参加させていただきました。地図記号から,シルバコンパスの使い方,地形の読み方等いろいろ勉強になりました。ご指導くださいました小泉リーダー,みなさまありがとうございました。

 

【感想】     59期 梅村重和

読図はイマイチ自信がなくて,今迄,出たとこ勝負でやっつけていたが,機会があればきちんと練習してみたい課題だった。

今回のトレーニングは,まず,集合地点で小泉隊長お手製のスケッチブック(これは上手い!)を使っての地図の基本のレクチャー。ずいぶん過去に学校で習ったような・・・。地図を見るにあたっての基本中の基本。意外とわかっていない!

フィールドに出て,まず講習生が交代でルート上にプロットされたポイントの特徴を説明し,そこを探し当てるのであるが,意外と難しい。今までいかに適当に歩いていたかが反省させられる。パーティが正しい地点に到着したら,小泉隊長が地形と地図を解説するのであるが,なるほど,とってもわかりやすい説明で,充分納得!

ルート上の19個のポイントは地形上の特徴が色々取り入れられ,よく考えられて設定されている。このポイントの設定もうまい!講習会としての全体の組み立てもよく練られたものであった。カラダを使うだけではなく,頭も使ってパズルを解くような面白さもあり,充実した一日だった。小泉隊長,どうもありがとうございました。

 

【感想】    57期 織田 直子

1年以上ぶりの例会,しかも苦手な読図。

朝から緊張でお腹が痛かったのですが,参加できて本当に良かったなと思いました。小泉さんお手製の記号のイラスト集が後の地図読みにすごく活かされました。

先頭を交代で進むのですが,「なぜここだと思ったのですか?」という小泉先生の質問にドキドキ。先頭の方の答えや小泉先生の正解を聞いて,考え方のポイントも勉強になりました。私自身,尾根を見落としやすいと感じました。

また,山本夏雄さんが1/25000の地図の時,02個とって・・・とアドバイス頂き,なるほど,そういう覚え方をすればいいのかとすごくためになりました。

また,今回驚いたことが二つあります。

一つ目は,一等三角点の一辺は18cm,二・三等三角点の1辺は15cmで大きさが違うということ。今まで気にもしていなかったのですが,これから気にしてみようと思いました。二つ目は,小泉さんが高校の競技登山でインターハイに出るぐらい凄い人であったということ。実は,競技登山という名称も初めて聞いたのですが,聞いてみるととてもハードだけどおもしろそうな内容でした。

小泉さんが,下見でポイントとなる所をチェックして,すごくポイントを押さえた地図を準備して下さったお陰で,楽しんで地図読みの勉強ができたと思います。大変な労力だったと思います。本当にありがとうございました。またありましたら是非参加したいです。ご一緒して下さった皆さま,本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  山本夏雄さんによる読図講座

  

 【感想】      55期,竹山 昌孝

比叡山で読図。比叡山って特徴的な地形はないし読図に向いてないのでは。実のところ,そう思いつつ参加しました。しかし直ぐに現在地がわからなくなり,今までの適当な自己流との明らかな違いを思い知らされました。また,鮮明なコルでさえ偽コル(?)が現れて,一人であればチェックポイントを間違えているところでした。
 今回参加できて良かったのは,一部の地形だけ見て何となくではなく,全体的に見極めて確信するまで眺めることを繰り返さないと地図読みの力がつかないと実感したことです。
 リーダーの周到なポイント設定とお手製の地形図クイズは感動ものでした。小泉リーダーさま,ご参加の皆さま,貴重な機会をありがとうございました。みんな山がすきやなあ。率直な感想です()

【感想】      59期 水岩 雄一

今回初めて読図例会へ参加させていただきました。実はこれまで比叡山には登ったことがなかったので,そういった意味でもとても楽しみにしていました。

読図例会ということで先頭を歩く順番についてジャンケンで決めることになったのですが,思いがけず一番勝ってしまい,最初に先頭を歩くことになってしまいました。本当に勝ちたい時には勝てないのに,こういう時に限って勝ってしまう自分を呪いつつ,先頭を歩いていきました。これまでの経験で登山口が判らずに山に登る前から迷ってしまうという笑えないケースが多かったこともあり,かなり緊張しながら登山口を探して進んでいったのですが,何とか登山道らしきものが見えた時には本当にほっとしました。

普段の登山では専らGPSに頼り切っているため,地図とコンパスをまともに使って登山したのは初めての経験でした。小泉さんに設定していただいた読図のポイントは,とても凝っていて本当に勉強になりました。等高線から現在地を把握することの難しさを改めて思い知らされた次第ですが,読図のポイントを探すことは純粋に楽しかったです。実は小学生の頃,父親に連れられて新聞社主催のオリエンテーリングに何度も参加した経験があるのですが,読図しながら当時の楽しかった記憶を思い出していました。

今回の読図例会に参加させていただいて色々と学ばせていただいた点が多かったので,今後の登山でも当面はGPSに頼らない脱GPS登山(GPSはお守り)で頑張りたいと思います。

今回の読図例会を企画&準備してくださった小泉さんをはじめ,例会にご参加いただいたみなさまがたに御礼申し上げます。楽しい時間を本当にありがとうございました。今後とも,どうぞよろしくお願いいたします。

 

【感想】     25 穐月 大介

リーダーの小泉さんは何時も積極的に読図例会を企画してくださっており,一度参加したいと思っていました。

初めのレクチャーから手書き漫画を使って面白く工夫されていました。読図の課題は先頭を変わりながらポイント地点を言い当てるのですが,初めにポイントの特徴を発表し,着いたらその根拠を発表します。問題も,解説もどれも授業として大変よくできていました。流石は先生です。

この日は今年一番の急激な冷え込みで朝から北風がピューピュー吹いていましたが,新人の方の参加も多く賑やかで為になる例会でした。皆さん有難うございました。

 

【リーダー所感】  52期 小泉賀奈子

 かれこれ3度目の読図例会となりました。今年は4月に企画できなかったので,こうして11月に開催できたことに,ほっとしています。1年前の読図例会で登った金毘羅山の稜線から,水井山がとてもきれいに見えていたので,次はあちらをルートにしようと考えていました。ところが,下見に行くと,読図のポイントを設定するには面白くない山道で,どうしたものかと思案しました。もっと,北山らしい入り組んだ地形であるとか,よくよく用心していないと見失ってしまうような箇所があってほしかったなあと思いました。物足りないポイント設定になったのは残念でしたが,分かり易く納得しやすい地形ばかりを押さえたので,それはそれで良かったと思います。

 たくさんの方に参加していただき,いろいろな話ができたのも楽しかったです。水岩さんお勧めの「山の検定」を,来年はみんなで受けられたらいいなと思います。読図だけでなく,山への興味を持ち,山の知識を謙虚に学ぶことを続けていきたいと感じた1日でした。ご参加いただいた皆様,楽しい山行をありがとうございました。