京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.3980 雪山入門 立山三山 ※テント泊ポイント

2022年11月26日(土)~27日(日)

浄土山山頂にて

【メンバー】CL HT、NF、DF、HE 計4名

【行 程】11月26日 晴のち風雪 立山駅9:00 =ケーブル・バスを乗り継ぎ 室堂10:00ごろ テント設営 11:20室堂~浄土山展望台~浄土山14:10~浄土山南峰14:20~室堂16:50(テント泊)

11月27日 晴 起床5:00~出発7:10~一の越8:40~雄山10:40~一の越12:00~室堂13:00~テント撤収、下山室堂14:00 = 立山駅15:000ごろ

テント場より雄山方面

【記 録】53期 HT

11月26日(土)

朝7:00過ぎに立山駅駐車場に着くも駅前駐車場は満車(有料化用ゲート設置工事中で駐車可能車両が制限されていた)。駅裏の無料駐車場に止めて装備を整え出発。出発時に当日午後の悪天候が分かっていたため登攀具は車にデポ。登攀しないことを決めた為かのんびり準備して駅に着くとすでに始発は満席。9:00の臨時便にぎりぎり間に合った。(駅裏駐車場は人が少なく、今日は空いていると思っていたが、多くの人は川沿い駐車場に止めていた模様)

室堂駅に到着、入山届を提出後、この時期ならではの室堂前の臨時テント場でテント設営。なかなかいい場所を確保できたが、積雪がやや少なく、雪を掘りすぎると這松や遊歩道のベンチが露出するため、ほどほどに雪ブロック作成してテントを設営(お隣のグルーブはベンチを掘り出し、宴会テーブルにされていた。ナイスアイデア

テント設営後は計画変更し、通常ルートで浄土山へ向かう。展望台から浄土山へ直登できるかと思っていたが、そこそこの傾斜の岩稜帯で、なおかつ積雪量が微妙で、踏み抜くとシュルンド的なハマり方をしそうなため夏道近くまで戻り浄土山へ向かう。

浄土山山頂までは表面は薄くクラスト+下は新雪でなかなか進まず、NFさんが頑張ってラッセルしてくれました。

山頂到着から浄土山南峰まではすぐ近く、富山大学の施設の陰で休憩していると天候悪化し始めたので龍王岳はパスしてテント場へ下山。

11月27日(日)

朝5:00起床、昨夜の積雪は10cmほど、テントの吹き溜まりには20cmほど雪がつき、5:00時点では降雪が続いていたのでゆっくり出発することにする。

曇り空の中、7:00過ぎに出発し一の越到着前には晴天に。天候回復と同時に風が強くなり、一の越から先はかなりの強風(体感で15~20m弱くらいか)

一の越の小屋裏で装備を整え雄山へ向かう。強風に耐えながら無事雄山へ登頂。超快晴の山頂と雄山神社で十分に景色を楽しんだ後、室堂まで下山。テント撤収し帰京しました。

一の越へ向けて

【感 想】64期 HE

2015年6月に富山出張に合わせてチャレンジしたものの、雪の中の暴風雨で敗退した雪の立山に行けそうということで、同行させて頂きました。

最近は六甲をほぼ空荷で歩くぐらいで、雪山装備を背負って雷鳥沢まで行くのもしんどいかなーと思っていましたが、この季節は室堂前にテントが張れるということで一安心。すっかり頭になかった携帯トイレも当日出発前にモンベルオンラインで宅配され、無事出発できました(笑)。

土曜は午後から天気が荒れそうということもあり、結局ロープやガチャは車に残し軽量化して9:00発のケーブルで出発。バスに乗り換えた後もなかなか雪が見えなかたのですが、弥陀ヶ原を超えるとカーブ毎に雪が深くなり、室堂到着時には銀世界でした。

早速テン場へ向かい、テン場整備です。HTさんがスノーソーでブロックを切り出せるようにしてくれるのですが、そんなことはお構いなしに掘って雪壁を作った結果、もともとの想定とは様子もサイズも違うテント設営場となり、皆さまにはご迷惑をお掛けしました。結局夕方にHTさんに大幅改修を実施頂き、悪天候にも耐えることができました。

土曜は一の越経由の夏道での龍王岳ではなく、最短距離ルートにチャレンジ(雪山らしくて良いですよね)した結果、踏み抜き、ズリ落ち、ハイマツまみれで登っていく雪山始めらしい楽しみが出来ました。

結局時間切れと天候悪化で龍王岳にはたどり着けませんでしたが、楽しい4.5時間でした。

その日の夕方からは暴風雪+雷になりましたが、NFさんの豪華な鍋を頂き、暖かく寝ることが出来ました。なぜかあまり食べられなかった(私の体調のせい)のが残念でした。

翌朝は曇っているものの、雪も風も凪いだ中、まずは朝食のギョーザ鍋!ですが、なぜか朝食も食べられません。

今日はスノーシュー(ワカン)で一の越へ向けて出発。いつも思いますが室堂から一の越って思った以上に遠いですよね。今回もハーハー言いながらなんとかたどり着き、強烈な風の中装備準備を行います。

この時手を抜いて、

バラクラバ/ヘルメット/ヤッケとフード等キチンと見直さなかった

・その割に素手でアイゼンを閉め、指先を濡らした

・エネルギー補給を行わなかった

という初歩的なミスを重ねた結果、

・登り途中に呼気でメガネが曇りまくり

・指先がヤバい

という事態になり、一人だけ一の越まで戻る羽目に…。

指を温め、装備をやり直して後から一人で登り返しましたが、空腹でぼーっとし始め、とんでもなくスローな登りとなり(京都雪稜会のまさかの稜線斜面での装備直し渋滞もあったとはいえ)、先行メンバーには本当に迷惑をお掛けしました。

ただ、山頂は雲一つない最高の天気で、待ってくれていたメンバーのおかげで良い記念写真が撮れたと思います。DFさんが撮られた写真や動画、すごいです!

時間的に大汝山までは行けないということで雄山神社でのピストンとし、昼にテン場へ到着して今回の山行は終了。

最高の天気で、メンバーにも恵まれつつ、個人的には反省の多い山行でした、これを糧にミスのない冬山山行ができるようにしたいと思います。

同行の皆さん、またよろしくお願いします。今回も本当にありがとうございました。

雄山神社から劔岳方面

【感 想】62期 DF

京都は紅葉の真っ盛りだが、一足早く冬山を楽しみたく、立山例会に参加させていただいた。

室堂のターミナルを出ると、真っ白な雪原が広がっていた。今冬は雪不足がつづいていたが、前々日にまとまった降雪があり、積雪深は60センチに増えたらしい。

到着後、すぐにテントを設営して、体力のあるNFさんを先頭に浄土山に向かった。途中で薬師岳方面への展望が拓けた。薬師岳につづく稜線はひときわ白く、たおやかに広がる五色ヶ原が初冬の日差しを受けてきらめいていた。

浄土山への急登は雪が重く、踏み抜いたりずり落ちたりと、登りきるのに思いのほか苦労した。14時半頃、ようやく山頂についた時には、辺りがガスに包まれていた。

それから軽い昼食をとり、すぐに室堂に戻って、みんなで宴の支度をした。外はいつのまにか吹雪になっていた。あられが激しくテントをたたく音が聞こえてくる。ときおり稲妻が光ると、テント内はカメラのフラッシュを焚いたように静かに瞬き、すぐまた元の闇に戻るのだった。

食材の準備と仕込みはNFさんがしてくれていた。献立は味噌鍋。たっぷりの味噌につけこんだ鶏肉を主役に、白菜、ネギ、HTさんの大好物の春菊を投入する。HEさんならぬキノコさんもいい味を出す。鍋蓋をとると、ぐつぐつと煮え立つ味噌鍋の香りがふわりと広がった。

熱々の鶏肉と野菜を器にとって、一口頬張る。やわらかい鶏肉に、早春を思わせる春菊の香りがからんで、寒風で冷えた身体が暖まっていくのを感じた。

ビールを少量いただき、みんなで山の話にふけって、楽しく鍋をつついた。はじめは多すぎると感じた食材だったが、一杯目の鍋はすぐに空になった。二杯目は豚肉が投入されたが、これもすぐに売り切れた。 

二日目の朝、室堂は降りつづく新雪に覆われ、前夜よりいっそう雪深くなっていた。

前日の鍋のスープに、NFさんおすすめのぷるぷる餃子と、豚肉を投入し、みんなで豪勢な朝食をとって出発の支度をした。

ようやく雪がやみ、真っ白なガスに覆われた室堂を発ったのは朝7時頃。一ノ越につく頃には青空がのぞき、雪煙のたなびく雄山の頂上がはっきりと見てとれた。

しかし、暴風が吹きあれる稜線は、山頂を容易には踏ませてくれなかった。ゴウゴウと風が鳴り、風雪はたえまなく顔を打ちつける。それでも飄々と登っていくNFさんの後ろを、突風に身体を揺らされ、よろめき、ときに岩にしがみついて息を入れながら、必死についていった。

11時前、雄山山頂到着。

やっとのことでたどりついた頂上には、すばらしい見ものが待っていた。アルプスの厳しい冬空はどこまでも澄みわたり、剱岳から槍ヶ岳薬師岳へとのびる北アルプスの全貌にくわえて、八ヶ岳南アルプス、富士山までもが玲瓏たる姿を見せていた。

銀雪をまとった薬師岳はことに美しく、時間が許すなら日が沈むまで眺めていたいと思うほどだった。

こんなに素晴らしいものを見せてくれたリーダーのHTさん、最高の食事を用意してくれたNFさん、そして得意のジョークで場を暖めてくれたHEさん、本当にありがとうございました。おかげで最高の冬山はじめになりました。やっぱり冬山が大好きです。また一緒に冬山にいきましょう!

雄山神社鳥居

【感 想】54期NF

初めての立山は雪の時に行きたいと数年前から思っていたため、念願かなう山行となった。

龍王岳のクライミングを楽しみにしていたが、天気が午後から崩れそうなのでやめて浄土山へ。彩雲が見られ、いいことありそう!とテンションがあがる。踏み跡のない急斜面を軽いハイキング気分で進んだが、膝上ラッセル、雪の下のハイマツに足を取られて思いもよらず苦労する。雪におぼれそうになりつつも、だんだん楽しくなり、一気に山頂へ。ついた時にはまだ視界があったが、数分で真っ白に。慌ててトレースがくっきりある一の越から戻る。途中、救助ヘリが旋回しているので心配して見つめていたが、どうやら訓練みたい。だれもけがしてなくてよかったとほっとした気分でテントに到着。コロナ中は個テント、個食だったので、4人テントでお鍋は本当に久しぶり。食当も久しぶりなので、味とか量とか大丈夫かなと心配していたが、みんなおいしそうに食べてくれた。HTリーダーがことのほか春菊に喜んでくれたのがうれしかった。吹雪の中、就寝する。3シーズンシュラフだったが、4人の間にいれてもらったのでぽかぽかだった。

翌日は新雪が積もり、スキーヤーが朝早く出発する。私たちは遅めの出発だったが、結果的に良いタイミングとなった。真っ白の中出発したが、天気予報は晴れ。そのうち晴れるだろうと思っていたら、一の越に着く直前に青空が!ただ、雲の動きが異常に早く、稜線の雪煙がすごい。案の定、稜線に出たら、風速20㍍もあるかもと思えるような暴風!こんな中登るのかな、、戻ってきているパーティもいるよ、、、と不安に思っていたが、経験豊富なHTリーダーは淡々と準備を進めている。やはり行くしかない。目出帽、帽子、手袋、など風が入らないように入念にチェック。氷粒も大いに舞っているが、実はこの冬のためにサングラス(三浦雄一郎も愛用のタレックス、オーバーグラス)を新調したので本当に氷粒が防げるか楽しみな気持ちもちょっとあった。歩き始めると体が持っていかれそうなほどの風。雲一つない青空で気温もそれほど低くないのでましだが、その風の強さは恐怖すら感じる。ただ、タレックス効果で目にまったく氷粒が入らないのでだんだん落ち着いてくると、槍穂高を背景に登山していることに気付き、テンションが上がる。山頂に着くと、360度のパノラマ!!日本アルプスから富士山、白山まで。これぞ、絶景!!景色を十分堪能して、下山。テントを撤収して帰路へ。

HTリーダー、HEさん、DFさん、本当にありがとうございました。最高の冬山始めになりました。また、ぜひ冬山に行きましょう。

雄山への登り

【感 想】53期HT

11月の最終週にだけ許される室堂前テント泊をしてみたい、という思い付きで雪山とレーニング例会を実施しました。
場所がいいので雪山初心者の方が参加していただけるかと思っていたのですが、結果的には見知ったメンバーでやや緊張感がなくなり、室堂まで行ってみると、トイレも水も室堂ターミナルが使用できるしで、ゆるい雪山テント泊になりました。
久しぶりの4人用テントに4人泊でうまく食事の用意ができたり寝たりができるかと心配もしましたがそちらも問題なく、久々に山岳会の雪山テント泊気分が味わえて楽しかったです。
肝心の山行は、リーダーが日和ったため初日の龍王岳のクライミングもなく、2日目もスタートを遅らせたため雄山までのピストンとなってしまいました。
一部の方には物足りない山行になったかと思いますが、抜群の雪山景色が見られましたのでご勘弁ください。
初日の浄土山への登りではルート取りによっては雪にはまって大変であることや、2日目の一の越から雄山までの登りでは強風地帯に入る前の服装・装備の用意の重要性(強風地帯での登攀中は服装の乱れや装備の修正・水分補給などができない)を改めて身をもって体験できたので、ゆるいなりにいい雪山トレーニング例会ができたかなと思いました。
ご参加いただいた皆様、今シーズンも冬山を楽しんでいきましょう!