京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

No.2733 西山紅葉の寺院巡り

 

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【日程】2005年11月23日(水)
【参加者】会員11名 見学者1名 計12名

【記録】40期 K.N.
9:30 阪急向日駅集合 9:40 南春日町行きバス乗車
満員のバスに揺られながら車窓より刈り取りの終った田んぼや鈴なりの柿の木を眺める
10:00 南春日町停留所下車
神社への道端で近くの農家の人が柿や野菜を販売している
10:20 大原野神社
七五三参りの正装した子供達が親に写真を撮ってもらっている。私たち一行も紅葉をバックに写真撮影。
11:00 勝持寺(花の寺)
願はくは 花の下にて春死なんその如月の望月のころ  西行法師
11:40  正法寺
淳和天皇陵お墓参り隊と分かれる。
山門の岩は愛宕大噴火で飛来したそうな・・・かぐや様考
12:15 小休止
山腹より展望を楽しむ。所属不明の立派なグランドが見える
12:35 小塩山との分岐
金蔵寺までの散策路に植物の名札が設置されているが、肝心の植物が既に枯れていたり、名札が倒れていたり、荒れていてちょっと悲しい状態
13:00 金蔵寺
昼食、銀杏拾いの後、美しい紅葉を思う存分楽しむ。手水のひさし部分に干し柿が暖簾の様に吊ってあるのがおもしろい。
14:55 三鈷寺
ここで淳和天皇陵お参り隊と合流する。しばし展望を楽しむ。
15:30 善峰寺
籠のような姿をした松ノ木は確かに見えたが、それにしてもものすごい観光客。紅葉と松の緑のコントラストが美しい。白いシュウメイ菊が沢山咲いている。臨時バス乗り場は長蛇の列。灰方のバス停までゆっくり歩く。タクシーに分乗し阪急東向日へ向かう。
16:50 阪急東向日駅着、解散
普段なかなか行く事の無かった西山を美しい紅葉の季節に訪れる事が出来、大変満足した一日だった。


【感想】17期 M.M.
 いつものハードな例会と違って、「みやび」な紅葉の寺院巡りというキャッチフレーズのせいか、珍しい顔ぶれがうち揃いました。『山岳会を見てみよう』と体験山行に来たうら若き女性は、さぞや吃驚したのではないでしょうか?
リーダー、サブリーダーは、見習い期間を終え正会員に昇格した若造(?)と言っても、見た目は、かなり使いこまれた風貌で・・・参加者も、健脚のY浩さんやS倉さんが来ているかと思えば、ほぼ休眠、「歩くのって嫌ね」という、M岡、A哲等、ごちゃまぜでございます。
私が、体験参加者なら「変な山岳会」と思ったことでしょう。
東向日町の駅に集まった時点から、女性軍はワイワイガヤガヤ、「エリンギで松茸ご飯もどきにするには」とバスの中で盛り上がり、歩き出しても、話は盛り上がりっぱなし、せっかくリーダーが苦労して作ってきた寺院の説明も、帰って読もうとザックにしまい込む不届き者が出てくるのでありました。
 快晴に恵まれ、青空に紅葉が映え「あああ」とため息が出そうな美しさでございます。でも悲しいことに、白黒の会報では、お伝えすることができませぬ。見たい方は比良山岳会HPの、ホットな写真集をご覧下さいませ。

いつもは惜しむ拝観料でございますが、お寺の入り口で熱心に進めてくれる観光バスの添乗員さんに釣られ、花の寺と言われる勝持寺の庭園になだれ込みました。彼女は、どこぞの一級建築士と違い、リベートを貰うわけでもないのに、「中に入った所が綺麗なんですよ」と勧めてくれるのでありました。
この寺は、かの西行法師が、ここで出家をなさったとか、髪そりの池とか言うのがあって、そばの岩が「ほら、こんなにスベスベでしょう」とリーダー。私「エエッ!西行さんって、この岩で頭剃ったの」と、うち驚きました。時間もかかるし、頭血だらけじゃん。と思ったのであります。やはり、そうではなかったようで、この岩を、鏡にして使ったのかなあと、それにしても、そんなもんで顔が分かるかな?まず謎の1でございました。
西行さんは「花(桜)の下にて春死なん」と読まれたのは有名ですが、いやあ秋もなかなか結構な風情で、ここなら死んでも良いわと言う顔つきで、サブリーダーが紅葉の中を歩き回っておりました。
そして、西山を歩けば、竹の子林に当たるというぐらい、竹藪が続きます。N田さんの話では、「地元の人は竹藪と言わない、竹の子畑というのです」ううむ、さすが竹の子産地、職業意識の漂う逸話でございます。さて、その竹の子畑。1本1本の竹の節に、なぜか発泡スチロールの空箱が紐を付けて下げられているのでありました。・・「なんで??」みんな大きな疑問がふくらみました。謎その2ですね。「猪除けやろう」「寒さ除けかも」私の意見は「あの箱のサイズになったら、それに入れて、サイズを揃えて出荷するのです」さて、正解は・・・
 
そんなこんなで、謎を追究しておりましら、またまた道を歩いて出くわした物がございます。まるで瓦を積み重ねたような断層になった巨大な岩の塊「これ何ですか?」 この私に聞こうとは「これはね。その昔愛宕山が噴火した時に、吹き飛ばされて」そこで、N田さん「嘘でしょう」ここらになると私のことを、皆様よく理解して下さるようになったようです。
しかし、これはいったい何故ここにあるのか?謎の3でございます。
 
金蔵寺でお昼を食べ、拝観料なしのお寺の中に入って勝軍地蔵(馬に乗った地蔵さんの刺繍です)など見学、ここは徳川幕府五代将軍徳川綱吉の母、桂昌院が再興したお寺ということで、綱吉君が、幼少の時に遊んだらしいオモチャの様な物もあったけど、「こんなもんに金かけたって、しゃーないやんか」と貧乏人は僻むのでありました。
と、ここで時間を費やしている間に、健脚組は小塩山を下山し、追い越して先に行ってしまったようでした。
そうとも知らず、ゆっくり組は、紅葉の間に銀杏を拾う、周りがドンドン拾っているのに「えっ、銀杏の葉っぱばかりで銀杏なんか見つからない~」と泣き叫ぶ私の為に、リーダー、サブリーダーが、「ホレここに落ちてますよ」「ここにも」と世話をしてくれるのでありました。これでは、まるでバカ殿様の魚釣り、家来が水面下で魚をつけるという状態とあまり変わりありませぬが・・・でも、まあ、良いのじゃ、許す。
そうして拾った銀杏は15個あまりでありました。リーダーも大変ですね~。
最後の寺、善峰寺は、ものすごい観光客の群れでありました。物知りのY浩さんの話では「JR東海がコマーシャルに使って有名になってしまった」とか?
観光バスで来て山道を上がってきた人に添乗員らしき人が、「時間がありませんので4時までに、ここに戻ってきて下さい」と声をからしている。ハッキリ言って、それは無理です。後の時間が大幅にずれ込むことでありましょう。仕事の過酷さを垣間見るのでありました。
私達にとっても、時間帯は過酷で、まず定刻のバスを待つ人が150人ぐらい。その上、大型車が入れないはずの道に観光バスが入ってくるので、渋滞で車は立ち往生。同じ往生でも、花の下での大往生とは、ずいぶん趣が違いますようで、「歩こう」とみんなの意見は一致し、トトロのお散歩よろしく、「あるこ、あるこ」と灰方まで歩きました。
その道沿いの、野菜売り場に、沢山詰まった銀杏の袋が300円であるではありませんか!!私の苦労は何だったのだろう?意地でも買わずに帰ってきましたよ。
 ここの道は、本当に狭くって、バスの運転手さんが下りて、交通整理に当たっていたり、ミラーをこすりながらすり抜けていく離れ業の車があったり、お寺の後に地獄を見てしまったとか・・・・
灰方のバス停でもバス待ちの人が多く、東向日町の駅まで歩こうと、歩き出したところにタクシーが通りかかり、まず、私たち姫君が先に、載せて頂きました。
正直な話、お寺巡りと甘く見ておりましたが、結構しっかり歩かせていただいたと思います。ふふこの借りは恐いわよ!
私の感想「杖を持ってきていて良かった!」そして、あの謎は、誰が解いてくれるのでありましょうか?と心を残しつつ、帰路についたのでございます。
では、皆様、山でお会いするのは、また来年のいつの日か・・私、そろそろ冬眠に入ります。
ご機嫌よろしゅう(by kaguya