京都比良山岳会のブログ

山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングからアルプス縦走までオールラウンドに楽しんでいます。

〈個人山行〉剣岳(に向けて) 岩特訓 第3回

2013年7月7日(日)

【指 導】 野崎正和

【参加者】 西田和美 山本憲彦 奥野淳子 鹿嶽眞理子 4名

 

【練習内容】

ピラミッドの左ノーマルの岩場にて、トップロープでスタティック(静的)なバランス・クライミングとクライムダウンを3回繰り返し。ザックを背負い、登山靴を履いて。

 

〈今日のポイント〉

~技術編~

①トップがトップロープをセットした後、セカンドの人は、ロープが正しく支点にセットされているか確認する。当然セカンドは確認して必要なら修正できる能力を持っていなければならない。なお、トップロープの支点は、必ずメイン以外にバックアップを別の支点から取らなければならない。

 

②体を岩から離す。

 

③次の手を考えながら登る。

 

④膝は内側に入れないこと。

 

⑤落ちるときにも、体が岩にぶつかると怪我をするので、足で上手に岩をとらえて態勢を整える。落ち慣れすることも必要である。

 

⑥クライムダウン時はスタンスが外傾していても、足の置き方が正しければ体重がかかるのでフリクションが効いて安定することが多い。ただし、滑るときは滑るので過信しては行けない。

 

⑦ザックが重い時ほどスタンスは細かくきざむと良い。

 

~マナー編~

①岩場でハーネスを装着する時は安全な場所で。片足を上げると不安定になるので座って装着しても良い。

 

②ビレイヤーは動くことが出来ないので、蚊取り線香の効果がビレイヤーに行くようにする。

 

~道具編~

①スリングとカラビナで簡易ハーネスを作る。120cmスリング1本を腰に回し、もう1本を両肩にかけ、お腹の前でカラビナで連結する。そのカラビナに短いスリング&カラビナを付け、岩場のローブや鎖に掛けて安全を確保する。

 

~普段の山行編~

①下る時、ドスッドスッと足を下ろさず、スッと下ろす。登るとき以上にひざ上の太ももの前部の筋力を必要とする。

 

②上る時、石を落とさない。後ろの足でけらない。前の足に重心を移し、後ろの足はスッと引き上げる。

 

【感想】  40期 西田和美

 ~剱岳への道・金毘羅岩特訓に参加して~ 

野崎先生と奥野リーダーは宙づり?の私を見て、前途多難を覚悟し、さぞかし不安に思われたことでしょう。ザックを背負い、登山靴で岩登りを体験したのですが、登るのも降りるのも大変難しかったです。特に二度目の練習では雨で岩が濡れており、滑りまくって岩に取り付くこともできませんでした。下手過ぎて、指に幾つも擦り傷ができ、血が滲んでいました。(正真正銘、血の滲むような努力?) 諦めかけては先生とリーダーに励まされ、何とか練習を終えることができました。本番では、焦らず、慌てず、落ち着いて行動し、みんなで剱の頂を目指したいと思います。

 

【感想】  44期 山本憲彦

普通は、濡れた岩場にツルツルのすり減った登山靴で足をかけて登るという無謀な事はしないと思うのですが、私にはこの日の特訓はこのようになりました。早速靴底の張り替えを頼みました。野崎会長のこの例会への配慮がよく分かりました。本当にご苦労様です。

 

【感想】 54期 鹿嶽眞理子

剱岳ひよこ組の岩特訓に参加させていただきました。予定が合わず、1回だけの参加となりましたが、とても有意義な練習をさせていただきました。前日に雨が降ったせいで、岩場はしっとりとしていました。つるつるとすべり、とらえどころがなく、難儀しました。雨の岩場の怖さを実感です。当日降ったわけでもないのに、こんなに変わるとは!大変でしたが、濡れた岩場を経験できてよかったです。

まだまだ未熟ですが、体を岩から離すこと、次の手を考えながら登ること、膝は内側に入れないこと、小刻みに上るのが実践的であることなど、いっぱい学びました。落ちるときにも、体が岩にぶつかると怪我をするので、足で上手に岩をとらえて態勢を整えることが必要だと知りました。

クライムダウンは、手を下げなければ降りられないとわかっていても、なかなか難しく、ついつい岩場にしがみついてしまいます。足をおくところが見えないことも多々ありました。

まだまだ未熟ですが、野崎さんの懇切丁寧なご指導のおかげで、少しはコツがつかめたような気がします。本番まであと少し、体力をつけて、みんなで団結して慎重に登頂したいと思います。

野崎さん、ご指導をありがとうございました。ひよこ隊の皆さん、よろしくお願いします。

 

【感想】  50期  奥野淳子

前日の雨で岩が湿っていて、靴が滑りました。先週は登れたルートが時間をかけても3分の1くらいしか登れず、挙句、初めての宙吊りに! あわてず足場を捜したつもりでしたが、皆さんから「あわてない、あわてない!」と声が飛んで来たので、よほどジタバタして見えたようです。ロープの偉大さを実感すると共に、濡れた岩の厳しさが身に染みました。